郷愁

郷愁

豊かな自然に囲まれて育ったペーターは故郷を離れ、文筆家を目指すため都会生活を始める。彼はそこで多くの人と出会い、多くの事を学ぶが、心の底では常に虚しさを感じていた。文明の腐敗に失望し、故郷に戻った彼を待っていたのは、シンプルな暮らしと新たな出会いだったが……。叙情にあふれた美しい自然描写、青春の苦悩、故郷への思いを見事に描いた、著者の処女作にして出世作。

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郷愁 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2021年10月07日

    ヘッセの処女作。自然を愛するペーターの成長を描いた作品。失恋や親・親友の喪失など、人生の壁に何度もぶつかりながら、強く、清く、正直に生きようとする。ヘッセの他の作品と比べると、自然に対する細やかな美しい情景描写が特長のひとつではないだろうか。小説を読みながら、自然に溶け込むような一体感をも感じる、素...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年04月12日

    田舎から都会へ、そして都会から田舎へ。
    出会った人々との思い出が、詩人らしい主人公に幸福を与えてるのだとすると、彼は故郷に帰った後も満ち足りた生活をするはずである。
    南風のように煩わしい経験が何か情熱に変化されたり、甘酸っぱい恋が青春の価値を保証したりする、と思う。

    郷愁、故郷を想う気持ちがどれほ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2010年10月21日

    ヘッセの自叙伝と言える作品です。
    新緑を思わせる歓びと、暗く、重いねずみ色の憂鬱―。彼の人生はこの二つの繰り返しではなかったでしょうか。

    苦い恋の経験も、彼が大酒のみであることも、彼への親しみを増させています。共通するものを持っている人は読むべきでしょうw

    短い作品です。一日で一つの人生を体感で...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年03月09日

    ヘッセ処女作。
    とある村では、右も左も前も後ろもカーメンチント姓だらけ。そんな村から、牧師になるべく村を出た主人公カーメンチントくん。
    初めての世界や体験に、穏やかに身を焦がした彼の行末は…。

    原題、ペーター・カーメンチントの名に恥じぬ、ペーター・カーメンチントっぷりが最高!
    そしてヘッセの表現も...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年04月16日

    田舎から都会へ出て暮らし、田舎を想う気持ちを持ち、時に田舎に帰ってみたりしていること。そんな共通点があるからか、主人公には少し親近感を持ち読み進めることができた。

    田舎から都会に出ると決めた時、何がそうさせた?
    都会で学び、人々と交わり、友情を育み、恋に落ち、いろいろな経験をし、世間一般の幸せ、青...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年03月30日

    ヘッセの出世作だが、「車輪の下」の後に読んだので、特段に強い印象は受けなかった。
    良くも悪くも「小説」といった内容で、個人的には、心に残るようなインパクトに乏しかった。

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    Posted by ブクログ 2013年02月05日

    ヘッセの作品を読めば、ヨーロッパのみずみずしい風景が呼吸しながら目前に現れる。処女作である本書も勿論例外ではない。また、甘く酸い青春の所々に表される主人公の抒情性に、思わず自分の体験と重なり感情移入して読んでしまう。ヘッセの全作品を貫く本質がうかがえる。

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    Posted by ブクログ 2012年10月26日

    地元を離れ詩人として生きる主人公の姿が、自分と重なる部分があり思わず読み入ってしまった。

    著書はヘッセ27歳の時の作品であることにも驚きを隠せない。
    というのもとにかく文章が綺麗で美しい。
    そして自然の描写が素晴らしく読んでいるだけで情景が思わず頭に浮かぶ。

    私みたいに田舎で育ち、一度地元を離れ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年01月30日

    とにかく、自然や主人公ペーターの周りの情景の描写が美しい。山間の小さな村も、湖も、街も、読んでいるだけで目に浮かぶくらい緻密で美しい表現。これまでに読んだヘッセの作品の中では、ストーリー的に大きな起伏がある方ではないが、全編にわたって「愛」と「死」による静かな感動が波のように押し寄せる作品だった。紆...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2010年08月30日

    狭い故郷を離れ都会に出たアルプスの自然児ペーターは、文筆家として身を立てるが、都会の文明に失望し、幻滅を感じるようになる。この彼を救ったのは、美しい少女エリーザベトへの愛と、姿は醜いけれども美しい魂を持った身障者ボピーへの愛の奉仕であった。ボピーの死後、自然に包まれた故郷へ帰ったペーターが、そこで見...続きを読む

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