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Posted by ブクログ
小説よりも自由で、ヘッセという人物の文体が限り無く課されていると思う。詩人になりたくてしょうがない、詩を書くより他ないと知った少年の心根が最初から最後までにじみ出ている。
永遠の旅人。とどまることのできない時の中で、失われていった青春への憧れとのはざまを漂いながら今を過ごしていく。どこまでいっても今を生きていたから、時間の経過で詩人として成長していく様というよりかは、はじめから、ずっと一貫して流れていく様を見つめているといった感じ。何にもなじめず、どこにも安らぎを見いだせず、そんな自分を抱きしめるより他ない、やせっぽちの少年。
小説では、じっくり考えて構成して、ひとつの表現を獲得していくのに対して、ヘッセにとっての詩は、とめどなく流れていく心の動きそのもの、そんな気がしてならない。
失われたはずなのに、どうして懐かしさだけがこうして胸を刺すのか。戻れないと知りながら、求めずにはいられない。その微妙な人間のやりきれなさ、機微をとらえる力こそ、ヘッセがヘッセたる所以であると思う。迷いながらも歩き続ける、どこかで耳をふさいでしまいがちな、そんなことば紡ぎ直す、詩人の力が生きている。
いつか、彼とともに歩んだドイツ語でじかに感じてみたい。
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小説・文芸
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