宮下奈都の作品一覧
「宮下奈都」の「よろこびの歌 新装版」「とりあえずウミガメのスープを仕込もう。」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「宮下奈都」の「よろこびの歌 新装版」「とりあえずウミガメのスープを仕込もう。」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
この物語から、努力することの大切さを学んだ。
派手な事件や急展開はないが、だからこそ、素直に真面目に仕事へ向き合う青年の姿から目が離せなくなる。
特別な才能があるわけでもなく、家庭で音楽に親しんできたわけでもない人物が、あるきっかけを通して、これまで触れたことのない世界へ踏み出していく。その一歩一歩の積み重ねが、とても誠実で心に残った。
度胸や忍耐、そして時には諦める勇気。
それらは仕事をするうえで欠かせないものだと、この物語は静かに教えてくれる。
二十代や若手の人にぜひ読んでほしい一冊。
一万時間、二万時間と、直向きに積み重ねた努力は、いつか必ず形になる。
それこそが、本当の「才能」な
Posted by ブクログ
この本を読むことを通じて、自分の心の変化や動き、を感じられることが嬉しい。自分の中にも、美しく繊細な心の機微を感じられる力、心の豊かさがあることを嬉しく思う。繊細で生き生きとした、美しい人間としての心を教えてくれる、奥深い森に居る時のよう。
音色、感情、調律師の人柄、ピアノを弾く人の求める音の好み。色んな要素が細やかで鮮やかな、1つの音色となって、ピアノの個性として体現されていく。
その文章の描写や表現が、ありありと動きを持って僕の心の中に情景として浮かび上がってくるので、読んでいて心地良いし、すごいなと思う。
繊細で静かで美しい風景が浮かび上がってくる。そんな文章。著者の文才は凄い。
こ
Posted by ブクログ
調律師が出てくる本、3冊目。
冒頭からうっすら目に涙の膜が張り、乾かないまま読み終える、私にとってはそんな本。
主人公の外村くんは北海道の山育ち。彼のなかには山があり、北の森の景色と音と光がある。春先に木の芽が潤ってひかる。カササギやエゾシカもいる。
ピアノも音楽も知らないまっさらな彼が、高校生になって「調律」に出会い、こつこつ、こつこつ、努力と気づきを重ねていく。先輩、顧客たち。道標となる原民喜の言葉。
限りなく地味な題材のお仕事小説でありながら、探し求める音色や音楽を描く言葉は詩的なくらいに美しい。
久し振りに読み返して気づいたこと。
作中には、具体的な曲名がほとんど出てこない。これ
Posted by ブクログ
ずっと積読してて期待値が低かったからか思いの外良かったのではないか…少ないページ数なのに物語の年月と同じ10年分の厚みがある気がする。30になったばかりの私には、「まさにこれ最近思ってたこと!」で、あと5年、10年たったらこんなことで悩んでたねって懐かしむ時が来るのかな。
主人公の梨々子が東京に居た時と田舎に移ってから、だんだんはっきりしていた輪郭がぼやけていき、考えが曖昧で加齢とともにきゅっとしていた身体も曖昧になっていくような、なんとか綺麗でいようと頑張るんだけど、頑張れば頑張るほど自分のことしか考えれてなくて、家族との関係も曖昧になっていく。
人生に意味なんてなくて、ただひたすらに生