【感想・ネタバレ】羊と鋼の森のレビュー

あらすじ

第13回本屋大賞、第4回ブランチブックアワード大賞2015、第13回キノベス!2016 第1位……伝説の三冠を達成!
日本中の読者の心を震わせた小説、いよいよ文庫化!

ゆるされている。世界と調和している。
それがどんなに素晴らしいことか。
言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律の世界に魅せられた外村。
ピアノを愛する姉妹や先輩、恩師との交流を通じて、成長していく青年の姿を、温かく静謐な筆致で綴った物語。

解説は『一瞬の風になれ』で本屋大賞を受賞した佐藤多佳子さん。

豪華出演陣で映画完成!
外村青年を山崎賢人、憧れの調律師・板鳥を三浦友和、先輩調律師・柳を鈴木亮平、ピアニストの姉妹を上白石萌音、萌歌が演じています。2018年6月8日公開。

「才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。(本文より)」

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

大人になってから習いたいと思っているピアノ。丁寧に美しい文章はピアノのようだった。
自分自身を見失わず、調律師として成長していく主人公。強く、深い精神が生きてるんだなぁと。
そして世界には自分の知らない美しい世界がたくさんあるんだなぁ。

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2025年11月22日

Posted by ブクログ

実家にあったアップライトピアノ。もう今は手放してしまったけれど、あのピアノにも調律師さんが来てくれてたなと、その経験を幸せに感じながら読んだ。外村が調律自体には四苦八苦して、でも調律に魅入られ、ひたすらに努力する姿がシンプルにかっこよかった。お話自体は静かに進んでいく。でも、調律師の先輩のそれぞれの人柄や考え方、双子のピアノの音色や決意に徐々に大きく心を揺さぶられていた。端々に出てくるお客さんのピアノの様子も、自分もその内の一人になったような気がして他人事にはならず、なんだか寂しくも温かくもあった。静かで美しい自然に溶け込む感覚を外村が導いてくれて、とても心地よかった。板橋さんの目指す音色についての言葉は、私も何か刺激される部分があって熱くなる。そんな人になりたい。なれるだろうか。

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2025年11月09日

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ピアノの調律という普段馴染みのないものだったが、主人公の好きなものに対する真っ直ぐで強い気持ちに心を打たれた。
そして言葉の選び方がとても綺麗で読み終わった後に心が洗われるようだった。

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2025年11月06日

Posted by ブクログ

何度も読んでいる1冊。
一言で言えば美しい。
読み終えてタイトルの素晴らしさを感じる。
初めて読んだ時は、悲しい物語ではないのに涙が出た。音が繊細に聞こえてくる。主人公の葛藤に共感。

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2025年11月03日

Posted by ブクログ

羊と鋼の森
2025.10.22

調律師とはどのような役目を担っているのだろうか。
今まで音楽と無縁の生活を送ってきた私にとって、想像しがたい職業だった。
大学の講義で”デザイン思考”というものを少しだけ学んだが調律師が応用できるのではないかと感じた。依頼者の頭の中に描く理想の音をデザインしてもらって、そこに隠れた意図や気持ちを調律師がつくっていく。大学で学んだときは正直、どのようなところで生かせるのか分からなかったけれどこの本で私の中の疑問が洗い出された気持ちになってよかった。
女性の作者にしか出せないような、繊細で引きこまれるような描写が素敵だった。

中高までは盛り上がる曲が大好きだった。けれど大学生になってから、ヨルシカの『アルジャーノン』や『忘れてください』などの抑揚がそこまでない曲にハマり出した。これは本文で何度も出てくる

明るく静かに澄んで懐かしい文体、少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛えている文体、夢のように美しいが現実のようにたしかな文体

まさにこれなのかなとかんじた。

絶対とは
哲学的なことも考えさせられてよかった。

山で育った、一見なんのこだわりもなさそうな素直な青年がピアノやその音に引き込まれていく、そんな話。

どんな世界にも(音楽、芸能、絵画などなんでも)見えないところで支える役職があって、守られた森のようである。

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2025年10月23日

Posted by ブクログ

ぼくは好きでした。
この物語。
宮下先生の作品初めて読んでみました。
調律師とはこういう仕事なんだと、とてもいい仕事だなと思えました。
外村くんの成長もよかったです。

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2025年10月20日

Posted by ブクログ

文章も世界観も綺麗なお話でした。
調律師という私には馴染みのない職業の話でしたが、説明が分かりやすいためスっと頭に入ってきました。
表現の仕方がとても上手で、全体的に素敵なお話でした。

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2025年10月19日

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再読中 文学文学した小説は苦手です。ワインの味を表現するときの比喩のような文章が出てくるとぞっとします。でも、この小説の中で音楽に対して使われる比喩には心が共鳴し、美しい表現だなって共感できました。恐らく、音楽に対する表現には許せるようです。恩田陸さんの蜜蜂と遠雷が好きなのも同じように、音楽に対する比喩表現は受け入れられるようです。

本当によい小説で、小説の中に流れる音楽を感じられる一冊でした。青年の成長や心の描写が美しく、読んでいて清々しい気持ちになりました。強く美しく、自分の子らにはそうのように生きて行って欲しいと願っています。そして、私もそう生きたいと思わせてくれました。ありがとうございました。

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2025年12月03日

購入済み

羊と鋼の森

今回初めて宮下奈都さんの作品を読みました。ピアノと調律師の物語と知って驚きながら手にとりました。
読みながら、夜に光る木々、星座、森の空気感、風と...丁寧な描写によってさまざまな美しい情景が浮かぶ瑞々しい文章は読んでいてとても心地よかった。他の作品も読んでみたいです。

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2021年03月25日

購入済み

調

美しく繊細なピアノと調律師の物語。

これさえあれば生きていける。
その瞬間の弾けるような気持ち,途切れることのない情熱,味わってみたいなぁ。

目で読んでいるのに,耳の奥から,頭の中から音楽が流れ出てくる。

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2020年10月15日

購入済み

調律師という仕事

ピアノの調律という仕事を通して、主人公外村青年を取り巻く人間ドラマが展開され、調律師とピアノ、あるいはピアニストの関係が、読み終えると、ある種の清々しさを感じるほどうまく描かれています。外村青年とピアニストを目指す双子のお姉さんとの関係が、ずっと続くといいなぁという余韻を持って、読み終えました。ありがとうございました。

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2018年04月21日

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綺麗な場所が文字だけで沢山想像出来て、暖かくて、若々しい小説でした。
若くて勢いのある男の子の頑張る姿に、元気をもらったのも勿論ですが、微笑ましくなるお話でした。
始まりも終わりも意思、その間にあるのが努力や頑張りやそれ以外。この言葉がとても好きでした。(うろ覚えです。)

何かをやってみて、頑張って、やめ時って分からないと思うけど、その時に意思が弱いから続かないとかいう人がよくいます。
そんな時に、意思が弱いんじゃなくて、やめ時はここだという意思があるから区切りが着いたんだよと言える人になりました。

まあ、そんなこと考えずに夢中にすごしていたら
「ただ、やるだけ」。とても良い意味の「ただやるだけ」の日々が続くかもしれませんね。

ただやったっていい、やめたっていい。
なんだか少し色んなものに寛容になれた自分に出会う本でした。

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2025年12月05日

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実は宮下さんの作品は初めてでしたが、静かで落ち着いた文章の中に、深み、重みがあって、「森」のようだと感じました。他の作品も、読んでみたいなぁ。

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2025年12月04日

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こういう本がベストセラーになる時代は良い時代だと思う。ストーリーそのものは特段目を引くものはないけれど、一つ一つの表現が綺麗で澄んだ気持ちになる。
それでいて十人十色な仕事への向き合い方があり、「夢のように美しいが現実のようにたしかな」作品だと思う。

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2025年11月30日

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「明るく静かに澄んで懐かしい文体、少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛えている文体、夢のように美しいが現実のようにたしかな文体」まさしくそんな小説。

「羊と鋼の森」というタイトルは、羊毛と鋼で構成されたピアノの世界、そしてその調律という森に飛び込んだ少年の物語のため。

この先の外村や双子の成長が気になる。もっと読みたいと思わせる終わり方だった。

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

調律師として働く外村の日々が温かい文体でゆっくり綴られている。同僚やお客様の双子も優しい感じ、まるでファンタジー。音を色んな方法で表現しているのもすごいと思った。

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2025年11月13日

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2016年本屋大賞受賞
面白いね、コレ
調律師のありふれた(?)日常と成長への葛藤の物語。
愛だの恋だの出て来ない
または嫉妬や憎愛だのドロドロもしない
ましてや殺人事件も起きない
けど日常ストーリーだけどすーっと読めて行ってしまう。
調律師って自分には馴染みないけど、こんな強い思いを持ってる人もいるんだーと感じた1冊でした。

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2025年11月13日

Posted by ブクログ

温かい文体で、読んでいて自然と涙が出ました。調律師は馴染みがなく専門学校があることも知りませんでしたが、私の学校のピアノも、駅で見かけるストリートピアノも、コンサートで見るピアノも調律してくれる方々がいたんだ! と知りました。
外村の理想までの道のりは果てしないし、こうすれば辿り着けるという方法があるわけでもなく、才能が無いからかと打ちひしがれる時もありますが、結局情熱を持ってこつこつこつこつやっていくしかない。自分も毎日こつこつがんばろうという気持ちになります!

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2025年11月08日

Posted by ブクログ

ショパンコンクールのあと、我が家のピアノを調律してもらいながらこの本を読み始めた。

何かを身につけようとする人の、ひたむきさと自分には才能がないかもしれないという恐れとの葛藤は、誰もが身に覚えがある。それに共感しつつ、ピアノとピアニストに純粋に向き合うことで確かな手応えが感じられる調理師というプロフェッショナルのシンプルで芸術的な世界に、浮世にない純粋さを感じて憧れた。

私も、自分の世界でこんなふうに成長し、世界と繋がりたい。「この世界に溶けている美しいもの」を「そっと取り出して、よく見えるようにする」。それなら私にも、できそうな気がしてとても励まされた小説だった。

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2025年10月30日

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例えば静かな朝の気持ちよさとか、自分が良いと思う日常を、さらに良いと感じるための表現力を与えてくれる小説だった。

主人公も、他の登場人物も、普段自分が日常生活で考えているよりも一段階高い解像度で日常を過ごしているように見えた。
これを読んで、自分の日常も一段階解像度が高くなりそうだと思った。

場人物の高い解像度をしっかり伝えるだけの、著者の表現力もすごいと思った。

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2025年10月21日

Posted by ブクログ

表現される言葉がどれも濁りなく澄んでいて綺麗で、心が浄化されるような感覚があった。感性を研ぎ澄ましたくなる一冊。
主人公である外村の直向きな姿勢に、自らも奮い立たされる気持ちと、打ち込めるものに出会えてることに羨ましさを感じてしまう気持ちもあり。

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2025年10月18日

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蜜蜂と遠雷に続いてピアノ繋がりで読んだ。
派手さはないけど、すごく面白くて心温まる作品。
主人公の愚直さと人柄に惹かれる

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2025年10月15日

Posted by ブクログ

調律師、という職業をよく知らなかったので、こんな奥深いものなんだと知った。
正解がないことに向き合うって難しいけど、正解なんてないのかもしれない。自分がいいと思えたら、いいのかもしれない、と思えた。
宮下さんの静かだけど情熱を感じる文章力が凄いなあ
美しい言葉がたくさんあった

宮下さんが「神さまたちの遊ぶ庭」の時期の北海道で過ごしていた時に、書かれたものだという。
北海道での暮らしでの気づきや情景が作品にも影響してるのが分かる。
「神さまたちの遊ぶ庭」を読んでから読んでよかった!


『美しい』も『正しい』と同じように僕には新しい言葉だった。ピアノに出会うまで、美しいものに気づかずにいた。知らなかった、というのとは少し違う。僕はたくさん知っていた。ただ、知っていることに気づかずにいたのだ。

何ひとつ無駄なことなどないような気がすることもあれば、何もかもが壮大な無駄のような気もするのだ。ピアノに向かうことも、今、僕がここにることも。

才能という言葉で紛らわせてはいけない。あきらめる口実に使うわけにはいかない。経験や、訓練や、努力や、知恵、転機、根気、そして情熱。才能がたりないなら、そういうもので置き換えよう。もしもらいつか、どうしても置き換えられないものがあると気づいたら、そのときにあきらめればいいではないか。怖いけれど。自分の才能のなさを認めるのは、きっととても怖いけれど。

どちらがいいか、どちらがすぐれているか、という問題ではないのだ。
どちらにも音楽のよろこびがやどっていて、手ざわりみたいなものが違う。朝日が昇ってくるときの世界の輝きと、夕日が沈むときの輝きに、優劣はつけられない。朝日も夕日も同じ太陽であるのに美しさの形が違う、ということではないだろうか。

わがままがでるようなときは、もっと自分を信用するといい。わがまま。究めればいい。僕の中のこどもが、そう主張していた。

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2025年10月14日

Posted by ブクログ

この本を読んで、ピアノの良さを改めて知った。フェルトに空いた穴は調律師さんがやったものとは知らなかった!むかし、実家のピアノを調律してもらった時、調律師さんが弾いてくれたピアノの響きが忘れられない。うちのピアノのはこんなに鳴るのかと驚いた。もう一度人生やり直せるなら調律師になりたいと思った。

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2025年10月09日

Posted by ブクログ

主人公の真面目な姿が可愛らしいと感じる作品でした。また、私自身がピアノをやっていることもあり、ピアノと向き合って行く上で、もう少し調律と言う観点を大事にして見ようかなと思いました。

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2025年10月03日

購入済み

なるほど❗って納得でした。

最近、じっくり読み進めることができなくて リタイア作品も多かったのですが、この作品は ピアノの知識がなくても作品の世界に引き込まれてしまいました。余韻の残る読みやすく素敵な作品だと思います。

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2019年02月17日

Posted by ブクログ

優しい物語。
好きな仕事を若いときに見つけられ、その職に就けてやりがいや、充実感、幸福感がある。羨ましい。
学生さんにぜひ読んでいただきたい本。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

【2025年140冊目】
高校生である僕は、ある日体育館に置かれたピアノが調律される場面に立ち会うことになった。それが僕の運命を大きく動かし、調律師を目指すまでになる。努力、才能、あきらめないこと、あきらめること、双子のピアニストとの出会い――ピアノ調律師に光をあてた一作。

綺麗でした。ずっと綺麗な世界が続いていて、よくも悪くも現実から少しだけ宙に浮いている世界、そんなお話でした。

主人公のバックグラウンドがもっと知りたかったなぁと。あれだけ感情を描いているので、きっと人物設定も深く考えられていたんじゃないかと思うのですが、わざと書かなかったんでしょうか、調律師の世界にどっぷりと浸ってもらうために。だとすると、そうかぁ、という感じもするのですが、私はもっとそれぞれの人の感情の深いところが見たかったなという気がしました。

その人となりがあるからこそ、感情にも色がつく気がするんですけど、今作はずっと綺麗で。人間のどろどろしたところが一切なくて。それはそれで美しい物語ですが、私には少し物足りなく感じました。

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2025年11月15日

Posted by ブクログ

2025年38冊目『羊と鋼の森』

音楽にあまり興味のなかった私だが、この作品を通して音や調律の世界に心を惹かれた。
物語は決して劇的ではないけれど、静けさの中に確かな成長と美しさがある。
そうした静かで穏やかな物語を好む人には、きっと深く響く一冊だと思う。

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2025年10月18日

Posted by ブクログ

青年が好きなものに真摯に向き合う日々を描いたお話、だと感じた。急展開などはなく、緩やかにでも確実に成長する青年のひたむきな毎日が綴られている。

美しいと感じたものを自分の言葉で表現できる、青年を尊敬した。好きなものを仕事にする人とはこういう人かと。今まで何を見て何を聞いて何を心に留めてきたのか、自分を作っているものを振り返った。
そして今、本を読んで感想を書いているこの行為もいつの日かの自分を作るのだと感じさせてくれた本だった。

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2025年10月04日

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ストーリーのアップダウンが少なく、
穏やかにお話が好きな人におすすめです。
ピアニストではなく、『調律師』にフォーカスしたお話です。
「どんな事でも一万時間かければ形になる」
将来の夢があるが、今やってる事に悩んでる方にも是非読んでいただきたい。
早く結果を望むのではなく、コツコツと積み上げていくのが大切だと、改めて感じました。

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2025年09月25日

Posted by ブクログ

調律師の物語だけど、普段の自分の仕事と照らし合わせて読んでた。自分の成長になっているか分からないとか、意味がないかもしれないとか、もしかしたら数年前と何も変わってないかも?と思ったり、自分って才能ないのかなって少し自信喪失気味な人に読んでほしい。外村自身の言葉やその恩師、先輩たちの言葉が刺さった!

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2025年11月05日

Posted by ブクログ

調律について少し詳しくなった気がする。小説は、自分が知らない世界について少し詳しくなれるのがいいなとなんだか初めて思った。
失敗しながら、調律の先輩たちに認められ、自分の目指す姿を見つけていく過程がよかった。秋野さんがこの小説のスパイスだ。板取さんにはもっと触れてほしかったけど、このくらいが神様っぽくてよいのかも。
主人公の純粋さ、素朴さがよかった。解説にもあったけど主人公の見た目や細かい生い立ちなどが描かれないまま、調律やピアノを通して主人公の形がくっきりしていくのが不思議だった。あと、わからないことをわかったふりしないのがいい。見習いたい。笑

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2025年09月10日

Posted by ブクログ

ピアノのハンマーのフェルトは、羊の毛でできている。鋼は、ピアノ。そして森はピアノのふたを開けた中。「羊と鋼の森」、私もこのタイトルに惹かれた。

その奥深い森を整える仕事、調律師。板鳥宗一郎に出会い、進む道を決めた外村。親身な先輩、そうではない先輩、お客様が満足する調律を目指す日々。努力を努力と思わずにやってしまうすごさを持ちつつも、なかなかシビアな仕事。才能ある双子姉妹に出会い、その才能のために自分が調律をしたい、という思いに気づいて、彼はひとつ歩みを進めた。

森の中と表現されるほど、音を整えることというのは奥深い。その奥深さを入っていき、満足できる音を調律できる日がいつの日か来るような気がした。簡単ではないこと、でもやりたいことだと人は頑張っていけると思った。映画でどのようにこの世界が表現されているのか、遅ればせながらみてみたいと思った。

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2025年10月28日

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