第13回本屋大賞、第4回ブランチブックアワード大賞2015、第13回キノベス!2016 第1位……伝説の三冠を達成!
日本中の読者の心を震わせた小説、いよいよ文庫化!
ゆるされている。世界と調和している。
それがどんなに素晴らしいことか。
言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。
高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律の世界に魅せられた外村。
ピアノを愛する姉妹や先輩、恩師との交流を通じて、成長していく青年の姿を、温かく静謐な筆致で綴った物語。
解説は『一瞬の風になれ』で本屋大賞を受賞した佐藤多佳子さん。
豪華出演陣で映画完成!
外村青年を山崎賢人、憧れの調律師・板鳥を三浦友和、先輩調律師・柳を鈴木亮平、ピアニストの姉妹を上白石萌音、萌歌が演じています。2018年6月8日公開。
「才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。(本文より)」
Posted by ブクログ 2023年08月24日
初宮下奈都作品でした。良かったです。私、子供の頃ピアノを習っていて、年に1回かな?調律の方が来ていたことを思い出しました。この話の中みたいに「どんな音が?」なんてやりとりは全然ない、そんなレベルでしたが・・・。
この本を読むと、またピアノを弾いてみたくなりますね。
それから主人公の職場の先輩方は...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月04日
「このピアノは古くてね」
「とてもやさしい音がするんです」
「昔は山も野原もよかったから」
「昔の羊は山や野原でいい草を食べていたんでしょうね。」
「いい草を食べて育ったいい羊のいい毛を贅沢に使って、フェルトを作っていたんですね。今じゃこんなにいいハンマーは作れません」
そうか、ピアノの中のハン...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月04日
調律師と言う私には全く馴染みのない世界の話で最初は興味がなかったが読み終わったあとのあの感覚を私は忘れられないだろう。きっかけは放送部の課題図書だったから読んだまでだが、映画化やテレビで取り上げられる理由がよくわかった。事前知識なしでも十分楽しめた。しかし音楽に何かしら関係ある人は更に楽しめる作品だ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年05月23日
美しい静謐な文章。夢を追いかけたり、その現在地に悩んでいる人には刺さるかも。素直でまっすぐな主人公が、自分の求める音を生み出すことを目指し成長していく姿に胸を打たれた。
私も音楽に魅せられた一人。深い森を彷徨い歩いて光を見つけるような、森の中の木々が揺れる音や胡桃が落ちる自然の音に突破口のような閃き...続きを読む