呉勝浩の一覧
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ユーザーレビュー
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酔っ払いの中年男が傷害事件を起こして野方署に連行された。
たかが酔っ払いと見くびる警察だが、男はこれから起こる爆発を予言。この男は犯人なのか?爆弾を止めることはできるのか?というミステリー。
スズキタゴサクと名乗るとぼけた中年男が意外にも頭脳派で、話術に長けていて言葉や仕草で警官を翻弄していく
...続きを読む様がとてもリアルで面白かった。
状況が二転三転するため、取調室で行われていく謎解きが私には全く理解できなかったが、それを解いていく類家さんは本当に凄いし格好良かった。
こんなに酷い集団虐殺が行われても、時が経てば人々の頭から直ぐに忘れ去られていくことを考えると、被害者や被害者家族の心情は計り知れないし、やるせない気持ちになった。
そしてスズキタゴサクへの怒りが収まりきらない。
これもヤツの狙いだと思うと腹が立ってしょうがない…!!
2023〜6。
Posted by ブクログ
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このミステリーがすごい、というかこの犯人がすごい、でした(笑)
冒頭数ページでガッツリ掴まれました。
Posted by ブクログ
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久々の星5。続きがめちゃくちゃ気になり頁をめくる手が止まらず、な作品だった。
酔っ払いの暴行事件と思ってたら被疑者スズキタゴサクが都内の爆破を『霊感』で予言し始める。
『まあいいや』が『もういいや』になったから。
へらへら笑いながら爆破をクイズ形式でヒントを出して楽しむスズキの気持ちは理解でき
...続きを読むるものなのか、それともこういうキチガイだと、人外だと思って読めばいいのかと思ってたから、最後類家の台詞で納得した。
スズキも全てを諦めて、期待しないでいたわけではないのかな。まあ自分はこんなもんだろ、って諦めてた世界で、まあこんなもんだろって受け入れた安らぎにまで裏切られて、それで全てぶっ壊れてしまえってなったのかな。
対岸の火事だからと爆破を「ひどい」なんて同情の顔をしながら楽しんだり、被害が子供たちでなく浮浪者たちでよかったと無意識に命を天秤にかけてしまったり、私自身も大学の部室の場面では、こいつらが死ねばいいのに、なんて思うなどもしてしまったり…
人間の二面生が上手く描写されてた。
でも類家さんが最後言ってたように、
それが不幸せだとは思わない、かな。
Posted by ブクログ
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これは一気読みでした。
最初から最後まで続く連続爆発のスピード感。
その合間に挟まれぬ正体不明の爆弾魔の独白。
組織の建前と自らの正義に翻弄される警察。
次に何が起こるのか予測不能のまま突き進む疾走感。
久々に、これは面白いぞという一冊だった。
事件の発端は、沼袋の酒屋で自動販売
...続きを読む機への器物損壊と、店員への暴行で住所不定無職の男が逮捕されたことだった。
スズキタゴサクと名乗る男が、その直後に起こった秋葉原の爆弾事件を予言したことで事件は動き出す。
スズキは、あと2回の爆発が起こることを予告し、ゲームを仕掛ける。
9回の質問に、仕掛けられている爆弾の情報をナゾナゾになぞらえる。
何が善か、何が悪か。
まったくとらえどころのないスズキの言葉に翻弄される取調官たち。
そしてスズキは四年前の警察不祥事の当事者の名前を口にする。
裏で糸を引いているのは誰なのか。
どこかに仕掛けた爆弾により、東京全域が人質となり、爆発までのタイムリミットが迫る。
Posted by ブクログ
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「最後の爆弾は見つかっていない」
本書に描かれていたすべてがこの締めの一文に集約されていると感じた。
爆弾とは何だったのか。殺傷能力十分な殺人兵器としての爆弾。義憤と潔癖、悪意と苛虐を他人に植え付ける爆弾。その矛盾に耐えられず、自分自身に埋め込んでしまった爆弾。それが見つかっていない以上、その恐怖と
...続きを読む不安は一生抱えていかねばならないのかもしれない。
だが「おれはそれを、不幸せとは思わないよ」という等々力の言葉が、それらを一蹴しているようにも思える。清濁併せ持つ人間が生きるということは、そういうことではないかとも思う。卑怯で愚かで無神経な人の側面を本文中で散々見せられたが、この結末に希望を見出さずにはいられない。
Posted by ブクログ
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