【感想・ネタバレ】スワンのレビュー

あらすじ

ショッピングモール「スワン」で無差別銃撃事件が発生した。死傷者40名に迫る大惨事を生き延びた高校生のいずみは、同じ事件の被害者で同級生の小梢から、保身のために人質を見捨てたことを暴露される。被害者から一転して非難の的になったいずみのもとに、ある日一通の招待状が届いた。5人の事件関係者が集められた「お茶会」の目的は、残された謎の解明だというが……。文学賞2冠を果たした、慟哭必至のミステリ。

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Posted by ブクログ

四月は残酷な季節だと、イギリスの詩人はうたった。わかるけれど不満もある。べつに残酷なのは、四月だけじゃない。

「そうだな。少しだけ理由はあるな。そう。いずみたちが、幸せそうにしているからさ。笑ったり喧嘩したり愛嬌をふりまいたり、手をつないだり。うっとうしかった。だから教えてやろうと思った。四月は残酷な季節だって」

呼吸を整える。目もとをぬぐう。洗面台で、ちゃんと湿らせてきたハンカチで。
「 ー わかりました」
そして、ゆっくり、顔を上げる。
「わたしは、あの日、十時過ぎに、湖名川駅に着いて ー 」
嘘がばれ、自分の物語を語りだす。
大丈夫。ここまでは、だいたい予定どおりだ。

「おれはこう思う。おれたちに必要なのは、秩序の回復なんだって。法律や治安のことじゃない。この世界は信頼できるという実感を、それを取り戻せないのなら、たとえ身体が健康に戻っても、あり余る金銭が支払われても、加害者が死刑になったって、それは悲劇の勝ちなんだ」

「それをたくさん集めて、読んで聞いて、知って考えて、ふり返ってみたりしてたら、あのときなかった選択肢が、まるであったかのように思えてくるんです。どうしてその選択肢を、正解を、わたしは選べなかったんだろうって。ちゃんと理由はあったはずなのに。どうしようもなかったり、気づくひまがなかったり、勘ちがいとか思い込みとか、いろんな原因があって、だから正解を選ぶことができなくて。でもそれは、あのときのわたしだけにわかることだから、いまのわたしにさえ、ちゃんと説明なんてできなくて。だから、それを誰かに伝えることが、むずかしすぎて、もどかしい」

わかってる。通じない。こちら側の言い分は通じない。彼らにとって事件は客席から眺める「物語」で、山路は「登場人物」で、記者会見は「場面」だった。表情やしゃべり方は「お芝居」とみなされ、カメラのフラッシュは「演出」だった。そしてこの「物語」は、観客が望むとおりに「改変」される。

「その場その場でさ、正しくてもまちがってても、決断をくだしていく以外、どうしようもないじゃない」
そのとおりだった。いずみも浜屋も、あの日あの場であの瞬間、自分が最善と感じた道を選んだのだ。熟考とはほど遠い、反射のような決断ではあったけど、でも少なくとも、誰かを犠牲にしようという悪意は、なかった。スカイラウンジでの処刑も、いずみは望んで見過ごしたわけじゃない。ただ無力だっただけだ。死にたくなかっただけなのだ。

できたかもしれないという可能性。やりようがあったんじゃないかという自分自身への疑い。
わたしたちが抱える割り切れない気持ち。ワイドショウや週刊誌では伝わらない、ぐるぐるした想い。いや、どんな方法を使っても、ほんとうを正しく伝えるなんて不可能で、だからわたしたちはこの先、とてもわかりやすく黒と白に塗られた世界で生きていくほかないのだ。

「わかってる。おまえに責任はない。どうしようもなかったんだろう。恨まれるのはいい迷惑だよな。だが、丹羽は死んじまった。大竹も。それじゃあ駄目なんだよ。誰かが、罪を背負ってくれなくちゃ駄目なんだ。じゃないと永遠に、片がつかないじゃないか」

だから羽を、まるごと白に塗り替えよう。しょせん真実なんてものが誰かを楽しませる物語でしかないのなら、せめてわたしたちはわたしたち自身のために演じることが許される。この世界への言頼を、つなぎとめておくために。

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2026年05月27日

Posted by ブクログ

たくさんの悪意と恐怖がぐるぐるぐるぐるとひとつの鍋で醸成されている感じ

恐怖が人の本心を顕にして生々しい
事件に巻き込まれた人たちがそれぞれの目線で経験する恐怖、逃げ惑う様、加害者側の心理も妙にもリアル

恐怖から逃げ遂せても、生き延びたことから始まる心の浸食もなおリアル

さらに、当事者の恐怖とは裏腹に第三者の世間も、悪意に溢れている
事件は客席から見る物語、当事者たちは登場人物、物語は改変される。と主人公が表現しているけど、
自分の生きている現実世界はまさにそういう一面があり、これは事実だなと痛感させられた

とダーク、リアルに包まれていますが、純粋に謎解きも楽しいですし、読後のスッキリ感はないわけじゃない。バランスがいいです!!

どっちかと言うとうえのほうに書いたようなことを考えさせられてしまう作品!!

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2026年05月13日

Posted by ブクログ

話の内容が重いし、残酷な描写が多いので結構きつい。でもその重さがあってこその話なのかなと思う。色々考えさせられる、かなり濃い話だった。

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2026年04月03日

Posted by ブクログ

爆弾が衝撃的すぎて、呉勝浩の作品なんか読んでみたいなーって時に見つけた本!
いきなり事件でいきなり加害者、死!?ってなったけど、めっちゃくちゃおもろかった
私が馬鹿なだけなのかわからんけどマジで全く想像してなかった
ちなみに爆弾は映画観ただけ、原作も読んでみたいな、絶対年内には読もーっと!

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2026年01月19日

Posted by ブクログ

まず一言、圧巻のラストに震えました。

読者にわかりやすく張り巡らされた伏線が、想像を超えて巻き上げられていく展開は指数関数的な興奮をもたらします。

すっかり著者のファンです。読書が楽しい、次も読みます。

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

『爆弾』シリーズで話題の呉勝浩の一作。
正直、個人的には爆弾よりも好みであった。

埼玉県東部に位置する架空の都市、湖名川市。
その顔とも呼べるショッピングモール『スワン』で無差別銃撃事件が発生。
死者21名、重軽傷者17名という未曾有の大惨事を
生き延びた高校生の片岡いずみ。
彼女は同じ事件の被害者で同級生の古舘小梢から
保身のために他人を見捨てたと暴露される。
被害者から一転して非難の的になったいずみの元に一通の招待状が届く。
5人の事件関係者が集められた「お茶会」の目的は、
同じ事件の被害者である吉村菊乃の死に関する謎を明かすことだった。

あらすじから漂う傑作の予感。その予感はズバリ的中していた。
目も覆いたくなるような凄惨な無差別テロの描写は、
ものの冒頭70ページで幕を下ろす。
そう、この物語のメインは事件のその後なのである。
犯人ではなく、その被害者に焦点を当てた内容。
まさに罪とは、罰とは、一体何なのかと思わずにはいられない。
盛り上がる速度、謎の残し具合、そして伏線と、
全てが噛み合っていて読み手のこちら側もスピーディーになる。
お茶会の真実、全ての点が線になった瞬間はやはりゾクっとした。
そういう瞬間を求めて小説を読むんだなと改めて思わせてくれた作品。

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2025年11月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった!!事件の真実がが気になってしまい、ノンストップで読みました。読み進め、真相が分かるにつれ登場人物の印象が一気に変わる。読後感も良かったです。
二人のオデット&オディールが見たい!!

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2025年10月20日

Posted by ブクログ

スワン
久しぶりに正統な「悲劇」を読むことができた。ミステリーやサスペンスではなく、正しくクラシカルな「悲劇」の様相を取り入れた作品だ。
冒頭から商業施設での大量殺人がおこり、その後被害者となった人達の関係者にスポットがあたるが、被害者である彼らの事件後の人生が明るみになるに連れ人間の醜い部分、嫌な部分が少しずつ明かされていく。
結末についていろいろと邪推してしまったが、更に上をいくエンディングに衝撃をうけた。
この作品は冒頭以降を説明すると面白さが目減りする様に思うので詳しくは描かない、被害者であるいずみが事件を受けてどの様に変わっていくのかを是非楽しんで欲しい。

主人公のいずみが知っている事件の顛末が物語の最終的な結びとなるのだが、一体いずみは何を知っていて何を隠しているのか。その真相とどの様に向き合い、どの様に成長していくのか。が主題。
いずみがバレリーナを目指していた経緯があり、「白鳥の湖」を取り上げながら作品自体がまるで「みたて」の様になっているのが印象的で、彼女の人間性やまるで覚醒したかの如く終幕に向けて怒涛の展開が繰り広げられ、終盤は正しく舞台上の「作品」を見ているかの様な迫力だった。

様々な人間関係が土台にあるが、この作品ふ単純に読んだ方が面白い。穿った見方をするよりも純粋に目を通した方がこの世界に引き込まれるだろう。

呉勝浩は「爆弾」で知ったが今作もあまりにも面白い。まるで作中のじんぶが飛び出してくるかの様な衝撃は今作の特徴の一つだと思うし、まだ読まれていない方にはレビュー等読まずにまずは作品をと進めたい。

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2025年10月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この子が16歳なのがすごいと思った。強すぎる。
呉さんの本は、色んな立場の人がいろんな場面で何かをしてしまうそれを世間では罪と言われるけど本当に?
ってところに光を当てることが多いのかな、と、爆弾を読んだ時に思い、こっちの作品の方がそれがもっと細かく描かれていると感じた。
個人的に炎上とかあんま興味ないから人々のバッシングがどんなに酷いのか分からないからかもしれないけど、16歳の被害者である少女に対してこんな責め方を日本と言う国はするのだろうか、とゆーのが最初に気になってしまった。
そんな酷い国じゃないと思うんだけど,未成年に対して、てかこの子普通に被害者すぎるからって思っちゃったから、最初そこに入り込めなかったけど、でも結局話にすごい吸引力がありすぎて一気に読んでしまった。
どうしようもないほどの罪の意識と、それを逃れたい意識と、責めたい意識と、そんなもんは誰にでもあるわけで、でも、そこに出てくる人々の中には、許しと言う概念は一切なく進んでいく。
本当の人間界だったらそこに許しがどこかで混ざると思うんだけど、いずみちゃんの最後の決意が唯一許しなのかな。
呉さんの小説はヒリヒリするけど、最後にそれを凌駕する光のが強いから、そこに救われる気がする。
スワンの端から端まで踊れてよかったね。


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2025年08月20日

Posted by ブクログ

とても面白かった

犯人たちの銃殺シーンが淡々のすすむ様を重々しく描くのではなく、擬音や鼻歌、映画に例えており、
短時間で逃げ惑う人たちが次々に撃たれていくのが目にイメージできて恐ろしく感じた。

その中でも、火事の警報の時は割とすぐみんな避難できるのに、目の前に銃を構えられると動けなくなるのは、銃という具体的な死を強く感じてしまうためなのかと考えさせられ、描写の緻密さに驚いた。

死や危機に迫るときのその場その場の決断の結果がどうなっても、あとから外野や自分自身が責めたとしてもやっぱりその時はどうしようもなくて、その後も簡単に解決することはできないんだ、、抱えていくしか無いのか、、という感情を登場人物を通してすこしだけ伝わった。

月並みだけど、パニックになってどうすればいいのかわからなくなったときはその当事者しかその重さや苦しさはわからないし、簡単にわかるよ、とか君の場合は〜とか声をかけることはできないよな、、と思った。

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2025年07月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・あらすじ

・感想
面白くって一気読みしてしまったーーーー。
さすが呉先生…。
呉先生の作品はまだ爆弾シリーズとこの作品しか読んだことないんだけど、爆弾は正直50回以上読んでると思う。
普通の人々と社会の外に生きる人と人間なんて残酷で身勝手で醜いと諦めた人間とその残酷さからも綺麗事からも逃げない人間と気高い信念を持った人間たちが描かれてて、私は何かあるたびに(何もなくても)爆弾を読む日々を過ごしてるんだけど、きっとこのスワンも同様に何度も読み返すと思う。
呉先生の人間への信頼とか希望の書き方が好きなんだよなーー。

白と黒、バレエ、白鳥の湖というキーワードとアイテムを巧みに使ってて、疑心暗鬼で信用できない語り手、事件の概要、会合の目的、犯人の正体、全てが気になりすぎてプロット決めずに書いてる作品だとは思えない。
(もっと重要な意味があるかと思ってたけど意外と拍子抜け…な台詞とか人物もあるけど)

いずみの心情や慟哭、苦しみ葛藤が痛いほどに伝わってきた。とくにカウンセラー前でのあの心情の吐露は納得するしかない。

身勝手に妄想で騒ぎ立てる人たちですら利用して、嘘も真実も行ったり来たり行きつ戻りつしつつグネグネと、それでも生きてるいずみが強すぎる。
まじですごいわ。
丹羽は審美眼持ってるなって思った(選ばれた方は迷惑だけど)。
普通の16歳の子ならあんな経験した後に、全てをうちに抱え込んで震えながらもそれでも力強く、澄んだ音を立てて飛び立てないよ。
私は完全にいずみを応援してたからあのくそ教師が嫌いすぎてっ
あいつなんなの?クソがって思ってしまったw
おめーがこずえとどうなろうが知ったこっちゃねーわってイラっとしたし、あいつが何のために配置されたキャラクターなのかちょっと謎だったけど、改変前の白鳥の湖に出てくるジークフリート的な意味合いを持つキャラクターだったのかな??
いやでも、あいつにもあいつなりの苦しみとかがあるんだろうな…嫌いだけど。

最後の物語の締めかたも美しかったなーー。

個人的には徳下の被害者の心の区切りに法律を利用するあの考え方とか好きだった。

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2025年05月18日

Posted by ブクログ

メインは事件後。その事件の凄惨な描写から読んでいるこちらに絶望が伝わる。そして、その後は理不尽に次ぐ理不尽。登場する人の気持ちはどれも間違っていない。犯人が悪い…それでいい、むしろそれしかない。

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2024年07月20日

Posted by ブクログ

完成度と言う点では★3つかなと感じていますが、著者の作品にかける熱量と想いは★で評価できるものではないと。

ショッピングモール「スワン」で無差別銃撃事件が発生した。死傷者40名に迫る大惨事を生き延びた高校生のいずみは、同じ事件の被害者で同級生の小梢から、保身のために人質を見捨てたことを暴露される。被害者から一転して非難の的になったいずみのもとに、ある日一通の招待状が届いた。5人の事件関係者が集められた「お茶会」の目的は、残された謎の解明だというが……。文学賞2冠を果たした、慟哭必至のミステリ。

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2026年05月31日

Posted by ブクログ

冒頭は事件の様子から始まる
事件の被害者たちのお茶会(互助会?)の名目で話が続く。ストーリーは菊乃がなぜ変な場所で死んでたかを防犯カメラ、お茶会での話、犯人たちのカメラの3点から考える。
出席者たちはいろんな場所で嘘をつく。
何が嘘で何が本当でどういう理由なのかを考えながら読むのが面白い。

ただ、自分が犯人に銃口を突きつけられてたらどうするか、死んだ?(死にかけ)の少年と自分が銃を撃たれたらどうするかは難しい問題だなと思う

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2026年05月31日

Posted by ブクログ

「なにが起きたかは当事者にしかわからない」という戒め、メディアはじめ外野からの勝手な批評や想像への警鐘はほんと大事だと思っており、全肯定できるテーマ設定なのだが、血みどろな場面や凶暴化するキャラが出てくるストーリーは苦手なのです。せっかくいいテーマなのに、刺激と血の臭いで本を売ろうとしている感じ。個人的によくない形のエンタメだと思ってる。

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2026年05月05日

Posted by ブクログ

好奇心、わかりたい、という悪意。
それは自分が納得できる「わかりやすさ」を求めているだけ。

人間の感情は1か2か0か100かなどわかりやすい割り切れるものではない。
同じ状況になったとしても、同じ判断をするかもしれないし、違う判断をするかもしれない。
一瞬一瞬で変わり続ける。
さっきまでそう思っていたけど、今、この時には違うことを考えているかもしれない。

この「かもしれない」というものは非常に厄介だ。
「可能性」という言葉に置き換えてもいい。
「可能性」は自分や他者に期待すると共に、そのまま失望に替わる。

あの時ああしていれば、こうしていれば、できたかもしれない、できなかったかもしれない。
この「可能性」には「想像力」がつきまとう。
「想像力」には「物語」がつきまとう。
私たち人間は想像できてしまうがゆえに、物語を欲する。
わかりやすい物語を。
辻褄が合って、矛盾がなくて、ご都合主義ではなく、綺麗な無駄のない物語を。
なんでそんなことをしたのかわからない、理解できない。
それならそのままわからないままでいればいいのに、わかるように話せ、説明しろ、私たちがわかるように納得させろ、と追及してくる。
自分たちがスッキリするために、他者の苦しみを踏みつける。


主人公は、ラストシーンで、覚悟を決めた。
物語を用意することを。
白鳥の湖の白鳥のように、わけも分からず呪いをかけられたから。
なら、いっそ白鳥として生きてやると。
そして、唯一、同じ状況にいた人と共に生き残るため、生き続けるために。
悲劇の白鳥を2人で演じよう。

なんて弱くて力強い選択。
どっちかではなく、どっちも、というか2つではい、二元論では語れない。
わかりやすさは暴力だ。

説明も理屈も筋も道理もない。
選択肢はあるし、選択は一つしか選べないが、その選択一つがすべてではない。
選んだものと同じくらい、選んでないものも大切なのだ。

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2026年03月27日

Posted by ブクログ

ショッピングモールでの無差別銃撃事件からストーリーは始まる。この犯罪者の犯罪心理を描くのかなと思って読み始めるが犯罪者の二人は自害してしまう。
この先何が起こるのか?

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2026年03月01日

Posted by ブクログ

『爆弾』作者の過去作。
やはり人間のいやなところを描くのが上手い人だと思った。
残虐な事件を経験した人がどう前向きに生きていくかにスポットライトを当てている点は『爆弾』と共通していると感じた。

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2026年02月15日

Posted by ブクログ

めちゃくちゃ苦しい、みんな、みんな苦しい
でも生きなきゃならない
無かったことには出来ない、乗り越える…なんて言葉じゃ片付けられない深い深い心の傷
これはただのミステリじゃない

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2026年01月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ショッピングモールで起こった無差別銃撃事件
問題はそれではなく、生き残った人間と無責任な社会の反応。生田の言う「でもやっぱり、見殺しというのは、あまり、よくないと思うけど」とは、誰に向けて言われたのか、言葉なんて、発した瞬間から嘘になるんです。

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2026年01月21日

Posted by ブクログ

ショッピングモール・スワンで無差別銃撃事件
が起こりました
それから半年、事件で生き残ったメンバーが
集められ当時のことを語っていくのだが
なんか久しぶりに小説を読んだって感じがしました
小説の世界に浸っていました(読んでいる間)
集められたメンバーは何者でどういう関係者なのか?
メンバーたちの証言はなにかおかしい
なので読み進めるしかありません
そして事件の全貌が明らかになるとき・・・
という感じで物語は楽しめました

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2026年01月09日

Posted by ブクログ

大きな驚きはなかったが、胸が苦しくなる作品だった。
その一瞬の選択、一瞬の判断、、
みんなそのとき考え得る最善のことをしただけなのに。その恐怖をその緊迫感を経験していない外野の人間が、なぜそれを責めることができようか。
当事者の気持ちになって考える、新しい作品だった。
今一度自分の行動や考えを見直す気持ちになった。

この方の作品は初めて触れたが、他も読んでみようと思う。

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2025年12月18日

Posted by ブクログ

必要なのは秩序の回復。この世界は信頼できるという実感を、それを取り戻せないのなら、それは悲劇の勝ち。

心打たれました。

人を責めずに生きていきたい。間違ってもいいじゃない。

恥ずかしながら、自分自身への戒め、を感じさせる
そんな作品でした。

ただ、描写が爆弾以上にきつい印象なので、痛いのとかが苦手な人はやめた方がいいかも。。。(少なくとも怖がりのうちの嫁には勧められない。。。)

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2025年12月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

客がごった返す大型ショッピングモールで起きた凄惨な無差別銃撃事件。序盤に犯人死亡となるがそこからが本作の本題。この事件の時に誰が何を考え、どう行動していたのか。それが分かったからといって犠牲者が戻ってくるわけではないが何があったのかを知らないとこの先の人生を踏み出せない。
色々な視点でその日が紡がれていく。
うまく表現できないけど記憶に強く残る作品。

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2025年10月15日

Posted by ブクログ

「悪になる」ことと「悪ということになる」ことの違い……後者は辛い。
「説明しようとすればするほど、ちがってくる」

銃と日本刀を持った男二人が、休日のショッピングモールで無差別大量殺人。小説の題材としては申し分ない出来事だが、テロ自体はあくまで“背景”。
本題は“生き残ってしまった”人たちの罪の意識と葛藤、いつまでも続く恐怖。それも「ある人が不可解に死亡した状況を明らかにする」というミステリー仕立てで描かれていることで、単純だったことが徐々に変わり、謎めき、深まっていく。

「罪を抱え続ける苦しみは、罰を受けるより何倍もつらい」
華やかな白鳥と艶やかな黒鳥が舞う、どちらがどちらなのか……。

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2025年09月25日

Posted by ブクログ

序盤は無差別大量殺人の様子がグロくて気持ち悪くなったが、ただの殺人物語に終わらず、巻き込まれた人々のそれぞれの状況やその後が描かれたよく練られたストーリーであると思う。中盤から事件の裏に何があったんだろうかと続きが気になり最後までスラスラ読めた。事件の被害者が抱える言葉にならない思いと罪の意識は読んでいる側にも白黒つかない思いを抱かせた。面白い作品だった。呉先生の作品は爆弾に続いて2作目だったが、どちらも面白く一気に読める徹夜本。

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

爆弾シリーズからこの作者に興味を持ったため拝読しました。

理不尽によって引き起こされた悲劇、それに対しての各々の選択。その選択の結果しか周囲は知らず、当事者は悲劇の責任を求められる。
現代社会においてもよくある事象ですが、この物語は本来断罪されるべき犯人たちが退場してしまっていることが悲劇をより深めています。
遺族は怒りの矛先をどこにぶつければいいのか、責任を誰かに求めざるを得ない。特に終盤の転換点となるとある登場人物の心情は読んでいて心苦しかったです。
この作者さんは人の悪意をどストレートに端的に書きますよね。あまりにも刺激的かつ痛烈であるがゆえに、どうしてもページを捲る手が止められません。

なかなか舞台構造が頭の中でイメージしづらかったのと、あの先生の下りとか、元凶となる犯人が舞台装置でしかなかったのが、少し引っかかりました。
でもめっちゃ面白かったですね。

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2025年05月25日

Posted by ブクログ

いずみが人生を諦めない源はなんなんだろう
徳下さんがここまでリスクを取ってまでお茶会を続けられたのもなんだったんだろう
ショッピングモールに行くの怖くなっちゃうよ〜

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2026年05月02日

Posted by ブクログ

テロリストによる大量殺人。その描写は淡々としており、そこまでグロテスクではない。
はずなのに…なぜだろう、とても鮮明にその絵が頭の中に浮かんでしまい、読み進めるのに時間がかかった。
エッチな本やビデオよりも本当にエロいのは、官能小説。直接的ではなく脳内で描写させるから。
という表現を昔に聞いたことがあったが、それを思い出した。
肉片や四肢が飛び散ってどうこう…と記載されているわけではないのに頭にその絵が浮かぶ。逃げ惑う人々と笑う犯人が浮かぶ。そんな筆力を持った作者なのだろう。
歪な終わり方といえなくもないけれど、彼らにとっての「前に進むためのハッピーエンド」として受け取って、主人公たちの今後を祈ろう。

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2026年02月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今までに連続殺傷事件で幾つかあったけど、例えば秋葉原で事件を起こした加藤なんかも助かった人は居た筈だけど、特に叩かれたりって言うのは無かった筈

このスワンって本では被害者がなぜか叩かれたり被害者の中でも「他の人達を見捨てたのか!」って怒り出す老害の爺さんが居て読んでいて納得がいかなかった

模造拳銃とは人を殺傷出来るレベルなんだから怖くて逃げるのは当たり前
それを他の人達を助けなかったからと言って断罪する爺さんには「あんた何様だよ」と言ってやりたかった

話しとしては面白いがなんかスッキリしない本だった

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2025年07月02日

匿名

購入済み

残虐な殺人事件。実行した2人の犯人が絶対悪だとわかっていたのに。事件当初現場にいた人達は全員被害。その感情だけではどうしようもない人の心が見え辛かったです。いずみのハッキリしない所にはモヤモヤして被害者として見れなくなってしまった。彼女の考え方は間違っていると思ってしまったけれど正解の答えは見つけられなかった。

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2024年12月26日

購入済み

いずみは

白い鳥なのか?黒い鳥なのか?
を、ずっと予想しながら読み進めて行きました
ので、そこに至るまでの他の登場人物真実への
驚きや、最後の真相が意外にあっさり感じてしまいました。

爆弾から著者の作品を漁り読みしてきましたが、
そろそろ潮時かな?

残り3冊レビュー評価は低めですが、値引きセールだったので
購入しました。もう少し読んでみます。

#シュール

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2023年10月04日

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