【感想・ネタバレ】スワンのレビュー

あらすじ

ショッピングモール「スワン」で無差別銃撃事件が発生した。死傷者40名に迫る大惨事を生き延びた高校生のいずみは、同じ事件の被害者で同級生の小梢から、保身のために人質を見捨てたことを暴露される。被害者から一転して非難の的になったいずみのもとに、ある日一通の招待状が届いた。5人の事件関係者が集められた「お茶会」の目的は、残された謎の解明だというが……。文学賞2冠を果たした、慟哭必至のミステリ。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった!!事件の真実がが気になってしまい、ノンストップで読みました。読み進め、真相が分かるにつれ登場人物の印象が一気に変わる。読後感も良かったです。
二人のオデット&オディールが見たい!!

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2025年10月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この子が16歳なのがすごいと思った。強すぎる。
呉さんの本は、色んな立場の人がいろんな場面で何かをしてしまうそれを世間では罪と言われるけど本当に?
ってところに光を当てることが多いのかな、と、爆弾を読んだ時に思い、こっちの作品の方がそれがもっと細かく描かれていると感じた。
個人的に炎上とかあんま興味ないから人々のバッシングがどんなに酷いのか分からないからかもしれないけど、16歳の被害者である少女に対してこんな責め方を日本と言う国はするのだろうか、とゆーのが最初に気になってしまった。
そんな酷い国じゃないと思うんだけど,未成年に対して、てかこの子普通に被害者すぎるからって思っちゃったから、最初そこに入り込めなかったけど、でも結局話にすごい吸引力がありすぎて一気に読んでしまった。
どうしようもないほどの罪の意識と、それを逃れたい意識と、責めたい意識と、そんなもんは誰にでもあるわけで、でも、そこに出てくる人々の中には、許しと言う概念は一切なく進んでいく。
本当の人間界だったらそこに許しがどこかで混ざると思うんだけど、いずみちゃんの最後の決意が唯一許しなのかな。
呉さんの小説はヒリヒリするけど、最後にそれを凌駕する光のが強いから、そこに救われる気がする。
スワンの端から端まで踊れてよかったね。


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2025年08月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・あらすじ

・感想
面白くって一気読みしてしまったーーーー。
さすが呉先生…。
呉先生の作品はまだ爆弾シリーズとこの作品しか読んだことないんだけど、爆弾は正直50回以上読んでると思う。
普通の人々と社会の外に生きる人と人間なんて残酷で身勝手で醜いと諦めた人間とその残酷さからも綺麗事からも逃げない人間と気高い信念を持った人間たちが描かれてて、私は何かあるたびに(何もなくても)爆弾を読む日々を過ごしてるんだけど、きっとこのスワンも同様に何度も読み返すと思う。
呉先生の人間への信頼とか希望の書き方が好きなんだよなーー。

白と黒、バレエ、白鳥の湖というキーワードとアイテムを巧みに使ってて、疑心暗鬼で信用できない語り手、事件の概要、会合の目的、犯人の正体、全てが気になりすぎてプロット決めずに書いてる作品だとは思えない。
(もっと重要な意味があるかと思ってたけど意外と拍子抜け…な台詞とか人物もあるけど)

いずみの心情や慟哭、苦しみ葛藤が痛いほどに伝わってきた。とくにカウンセラー前でのあの心情の吐露は納得するしかない。

身勝手に妄想で騒ぎ立てる人たちですら利用して、嘘も真実も行ったり来たり行きつ戻りつしつつグネグネと、それでも生きてるいずみが強すぎる。
まじですごいわ。
丹羽は審美眼持ってるなって思った(選ばれた方は迷惑だけど)。
普通の16歳の子ならあんな経験した後に、全てをうちに抱え込んで震えながらもそれでも力強く、澄んだ音を立てて飛び立てないよ。
私は完全にいずみを応援してたからあのくそ教師が嫌いすぎてっ
あいつなんなの?クソがって思ってしまったw
おめーがこずえとどうなろうが知ったこっちゃねーわってイラっとしたし、あいつが何のために配置されたキャラクターなのかちょっと謎だったけど、改変前の白鳥の湖に出てくるジークフリート的な意味合いを持つキャラクターだったのかな??
いやでも、あいつにもあいつなりの苦しみとかがあるんだろうな…嫌いだけど。

最後の物語の締めかたも美しかったなーー。

個人的には徳下の被害者の心の区切りに法律を利用するあの考え方とか好きだった。

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2025年05月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ショッピングモールで起きた無差別殺人事件。
思ってた以上にエグいし、グロかったりはしないんだけど描写が妙にリアルで怖かった。
怖かったんだけど、面白かった。
生き残った人たちが集められたお茶会。
誰が事実をいい、誰が嘘をついているのか。
物語は予想のつかない方向に進んでいき、面白くて一気に読んでしまった。
当事者だったら、何か最善でどの道が正しかったのかなんてわかるわけない。
恐怖に頭がしびれ、理性を失い、ただ必死に動いた結果を、周りの人たちはさも自分が正しいかのように糾弾してしまう。
何も知らないのにテレビやネットの報道だけで判断してしまうの怖いなぁ。
にしても鮎川がいちばんいやかも。
わからないではないけど、色んな意味で受け付けないなぁ。
ミステリーとしても、楽しめた。

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2024年04月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

客がごった返す大型ショッピングモールで起きた凄惨な無差別銃撃事件。序盤に犯人死亡となるがそこからが本作の本題。この事件の時に誰が何を考え、どう行動していたのか。それが分かったからといって犠牲者が戻ってくるわけではないが何があったのかを知らないとこの先の人生を踏み出せない。
色々な視点でその日が紡がれていく。
うまく表現できないけど記憶に強く残る作品。

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2025年10月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

爆弾シリーズからこの作者に興味を持ったため拝読しました。

理不尽によって引き起こされた悲劇、それに対しての各々の選択。その選択の結果しか周囲は知らず、当事者は悲劇の責任を求められる。
現代社会においてもよくある事象ですが、この物語は本来断罪されるべき犯人たちが退場してしまっていることが悲劇をより深めています。
遺族は怒りの矛先をどこにぶつければいいのか、責任を誰かに求めざるを得ない。特に終盤の転換点となるとある登場人物の心情は読んでいて心苦しかったです。
この作者さんは人の悪意をどストレートに端的に書きますよね。あまりにも刺激的かつ痛烈であるがゆえに、どうしてもページを捲る手が止められません。

なかなか舞台構造が頭の中でイメージしづらかったのと、あの先生の下りとか、元凶となる犯人が舞台装置でしかなかったのが、少し引っかかりました。
でもめっちゃ面白かったですね。

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2025年05月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

無差別銃撃事件ということで、最初は読むのが辛い描写が多かった…

あっという間にたくさんの人が亡くなり、犯人も自殺。この残酷な事件がこれ以上どう広がるのか?(もう謎も何もないし明らかやん)と疑問に思いながら読み進めました。

中盤以降、お茶会で徐々に新たな事実が見えてきて、謎が謎を呼び、一気にミステリーの展開!
ここからが面白かった。

こんな緊急事態下では、
人の言動は予測できないくらい複雑で、後になってその時の気持ちも状況も説明できないのは当然。
でも、いろんな思いを自分の心の中に落とし込んで、前に進もうとするいずみの逞しさは、すごすぎる。

無差別銃撃事件の謎ではなく、その緊急事態下で起こった良くも悪くも人間らしい言動と、その事件を乗り越えて前に進もうとする人々の物語。
映像化されそうだけど、残酷すぎてできないか。

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2025年04月27日

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ネタバレ

ショッピングモールの銃乱射事件の話。
臨場感あって面白かった。
なんで2発撃たれたのかみたいな謎があった。

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2025年01月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とても面白かった。徐々に真実が明らかになる展開に、ページをめくる手が止まらなかった。無差別殺人の現場という極限状態では被害者にも不作為や誤った行動があるし、犯人以外誰も悪くはないけどみんな誰かのせいにしたくて恨みや妬みなどが生まれる。それを様々な視点で表現していた。
ネタバレになるが、主人公のいずみは高校生だけど強い芯を持っていて憧れすら感じた。「許す正義」がそこにあるし、自分の経験と世間の認知が異なる現実は、確かにある。墓場まで持っていくものは自分にもあるなぁ、と思い出させてくれた。

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2024年12月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者初読。埼玉県にある「湖名川シティガーデン・スワン」で無差別殺人事件が発生。凄惨な現場となったスカイラウンジで唯一無傷で救出された高校生の片岡いずみ。そのいずみを含め当時現場にいた5名が「お茶会」と称した話し合いで、ある人物の死の真相を究明する事を目的として招集される。みんな何かを隠してる。理不尽な出来事に直面した人々がその後どう生きるのか。他の被害者を見殺しにしたと世間から誹謗中傷を浴びるいずみ。不測の事態で下した決断が正解だったのか。悲劇を乗り越える物語ではないが、とても心を打たれた事は間違いない。

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2024年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今までに連続殺傷事件で幾つかあったけど、例えば秋葉原で事件を起こした加藤なんかも助かった人は居た筈だけど、特に叩かれたりって言うのは無かった筈

このスワンって本では被害者がなぜか叩かれたり被害者の中でも「他の人達を見捨てたのか!」って怒り出す老害の爺さんが居て読んでいて納得がいかなかった

模造拳銃とは人を殺傷出来るレベルなんだから怖くて逃げるのは当たり前
それを他の人達を助けなかったからと言って断罪する爺さんには「あんた何様だよ」と言ってやりたかった

話しとしては面白いがなんかスッキリしない本だった

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2025年07月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

爆弾の人が書いた、って納得の本
事件の感じとか、読みやすさとかは良い
心揺さぶられる感じはそんなになかったから星3
あと最後主人公がいじめっ子の女の子のことを許すのが、なんとなく納得できなかったかなあ

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2024年10月31日

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