ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
4pt
ショッピングモール「スワン」で無差別銃撃事件が発生した。死傷者40名に迫る大惨事を生き延びた高校生のいずみは、同じ事件の被害者で同級生の小梢から、保身のために人質を見捨てたことを暴露される。被害者から一転して非難の的になったいずみのもとに、ある日一通の招待状が届いた。5人の事件関係者が集められた「お茶会」の目的は、残された謎の解明だというが……。文学賞2冠を果たした、慟哭必至のミステリ。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
四月は残酷な季節だと、イギリスの詩人はうたった。わかるけれど不満もある。べつに残酷なのは、四月だけじゃない。 「そうだな。少しだけ理由はあるな。そう。いずみたちが、幸せそうにしているからさ。笑ったり喧嘩したり愛嬌をふりまいたり、手をつないだり。うっとうしかった。だから教えてやろうと思った。四月は残...続きを読む酷な季節だって」 呼吸を整える。目もとをぬぐう。洗面台で、ちゃんと湿らせてきたハンカチで。 「 ー わかりました」 そして、ゆっくり、顔を上げる。 「わたしは、あの日、十時過ぎに、湖名川駅に着いて ー 」 嘘がばれ、自分の物語を語りだす。 大丈夫。ここまでは、だいたい予定どおりだ。 「おれはこう思う。おれたちに必要なのは、秩序の回復なんだって。法律や治安のことじゃない。この世界は信頼できるという実感を、それを取り戻せないのなら、たとえ身体が健康に戻っても、あり余る金銭が支払われても、加害者が死刑になったって、それは悲劇の勝ちなんだ」 「それをたくさん集めて、読んで聞いて、知って考えて、ふり返ってみたりしてたら、あのときなかった選択肢が、まるであったかのように思えてくるんです。どうしてその選択肢を、正解を、わたしは選べなかったんだろうって。ちゃんと理由はあったはずなのに。どうしようもなかったり、気づくひまがなかったり、勘ちがいとか思い込みとか、いろんな原因があって、だから正解を選ぶことができなくて。でもそれは、あのときのわたしだけにわかることだから、いまのわたしにさえ、ちゃんと説明なんてできなくて。だから、それを誰かに伝えることが、むずかしすぎて、もどかしい」 わかってる。通じない。こちら側の言い分は通じない。彼らにとって事件は客席から眺める「物語」で、山路は「登場人物」で、記者会見は「場面」だった。表情やしゃべり方は「お芝居」とみなされ、カメラのフラッシュは「演出」だった。そしてこの「物語」は、観客が望むとおりに「改変」される。 「その場その場でさ、正しくてもまちがってても、決断をくだしていく以外、どうしようもないじゃない」 そのとおりだった。いずみも浜屋も、あの日あの場であの瞬間、自分が最善と感じた道を選んだのだ。熟考とはほど遠い、反射のような決断ではあったけど、でも少なくとも、誰かを犠牲にしようという悪意は、なかった。スカイラウンジでの処刑も、いずみは望んで見過ごしたわけじゃない。ただ無力だっただけだ。死にたくなかっただけなのだ。 できたかもしれないという可能性。やりようがあったんじゃないかという自分自身への疑い。 わたしたちが抱える割り切れない気持ち。ワイドショウや週刊誌では伝わらない、ぐるぐるした想い。いや、どんな方法を使っても、ほんとうを正しく伝えるなんて不可能で、だからわたしたちはこの先、とてもわかりやすく黒と白に塗られた世界で生きていくほかないのだ。 「わかってる。おまえに責任はない。どうしようもなかったんだろう。恨まれるのはいい迷惑だよな。だが、丹羽は死んじまった。大竹も。それじゃあ駄目なんだよ。誰かが、罪を背負ってくれなくちゃ駄目なんだ。じゃないと永遠に、片がつかないじゃないか」 だから羽を、まるごと白に塗り替えよう。しょせん真実なんてものが誰かを楽しませる物語でしかないのなら、せめてわたしたちはわたしたち自身のために演じることが許される。この世界への言頼を、つなぎとめておくために。
たくさんの悪意と恐怖がぐるぐるぐるぐるとひとつの鍋で醸成されている感じ 恐怖が人の本心を顕にして生々しい 事件に巻き込まれた人たちがそれぞれの目線で経験する恐怖、逃げ惑う様、加害者側の心理も妙にもリアル 恐怖から逃げ遂せても、生き延びたことから始まる心の浸食もなおリアル さらに、当事者の恐怖と...続きを読むは裏腹に第三者の世間も、悪意に溢れている 事件は客席から見る物語、当事者たちは登場人物、物語は改変される。と主人公が表現しているけど、 自分の生きている現実世界はまさにそういう一面があり、これは事実だなと痛感させられた とダーク、リアルに包まれていますが、純粋に謎解きも楽しいですし、読後のスッキリ感はないわけじゃない。バランスがいいです!! どっちかと言うとうえのほうに書いたようなことを考えさせられてしまう作品!!
話の内容が重いし、残酷な描写が多いので結構きつい。でもその重さがあってこその話なのかなと思う。色々考えさせられる、かなり濃い話だった。
爆弾が衝撃的すぎて、呉勝浩の作品なんか読んでみたいなーって時に見つけた本! いきなり事件でいきなり加害者、死!?ってなったけど、めっちゃくちゃおもろかった 私が馬鹿なだけなのかわからんけどマジで全く想像してなかった ちなみに爆弾は映画観ただけ、原作も読んでみたいな、絶対年内には読もーっと!
まず一言、圧巻のラストに震えました。 読者にわかりやすく張り巡らされた伏線が、想像を超えて巻き上げられていく展開は指数関数的な興奮をもたらします。 すっかり著者のファンです。読書が楽しい、次も読みます。
『爆弾』シリーズで話題の呉勝浩の一作。 正直、個人的には爆弾よりも好みであった。 埼玉県東部に位置する架空の都市、湖名川市。 その顔とも呼べるショッピングモール『スワン』で無差別銃撃事件が発生。 死者21名、重軽傷者17名という未曾有の大惨事を 生き延びた高校生の片岡いずみ。 彼女は同じ事件の被害...続きを読む者で同級生の古舘小梢から 保身のために他人を見捨てたと暴露される。 被害者から一転して非難の的になったいずみの元に一通の招待状が届く。 5人の事件関係者が集められた「お茶会」の目的は、 同じ事件の被害者である吉村菊乃の死に関する謎を明かすことだった。 あらすじから漂う傑作の予感。その予感はズバリ的中していた。 目も覆いたくなるような凄惨な無差別テロの描写は、 ものの冒頭70ページで幕を下ろす。 そう、この物語のメインは事件のその後なのである。 犯人ではなく、その被害者に焦点を当てた内容。 まさに罪とは、罰とは、一体何なのかと思わずにはいられない。 盛り上がる速度、謎の残し具合、そして伏線と、 全てが噛み合っていて読み手のこちら側もスピーディーになる。 お茶会の真実、全ての点が線になった瞬間はやはりゾクっとした。 そういう瞬間を求めて小説を読むんだなと改めて思わせてくれた作品。
スワン 久しぶりに正統な「悲劇」を読むことができた。ミステリーやサスペンスではなく、正しくクラシカルな「悲劇」の様相を取り入れた作品だ。 冒頭から商業施設での大量殺人がおこり、その後被害者となった人達の関係者にスポットがあたるが、被害者である彼らの事件後の人生が明るみになるに連れ人間の醜い部分、嫌な...続きを読む部分が少しずつ明かされていく。 結末についていろいろと邪推してしまったが、更に上をいくエンディングに衝撃をうけた。 この作品は冒頭以降を説明すると面白さが目減りする様に思うので詳しくは描かない、被害者であるいずみが事件を受けてどの様に変わっていくのかを是非楽しんで欲しい。 主人公のいずみが知っている事件の顛末が物語の最終的な結びとなるのだが、一体いずみは何を知っていて何を隠しているのか。その真相とどの様に向き合い、どの様に成長していくのか。が主題。 いずみがバレリーナを目指していた経緯があり、「白鳥の湖」を取り上げながら作品自体がまるで「みたて」の様になっているのが印象的で、彼女の人間性やまるで覚醒したかの如く終幕に向けて怒涛の展開が繰り広げられ、終盤は正しく舞台上の「作品」を見ているかの様な迫力だった。 様々な人間関係が土台にあるが、この作品ふ単純に読んだ方が面白い。穿った見方をするよりも純粋に目を通した方がこの世界に引き込まれるだろう。 呉勝浩は「爆弾」で知ったが今作もあまりにも面白い。まるで作中のじんぶが飛び出してくるかの様な衝撃は今作の特徴の一つだと思うし、まだ読まれていない方にはレビュー等読まずにまずは作品をと進めたい。
とても面白かった 犯人たちの銃殺シーンが淡々のすすむ様を重々しく描くのではなく、擬音や鼻歌、映画に例えており、 短時間で逃げ惑う人たちが次々に撃たれていくのが目にイメージできて恐ろしく感じた。 その中でも、火事の警報の時は割とすぐみんな避難できるのに、目の前に銃を構えられると動けなくなるのは、銃...続きを読むという具体的な死を強く感じてしまうためなのかと考えさせられ、描写の緻密さに驚いた。 死や危機に迫るときのその場その場の決断の結果がどうなっても、あとから外野や自分自身が責めたとしてもやっぱりその時はどうしようもなくて、その後も簡単に解決することはできないんだ、、抱えていくしか無いのか、、という感情を登場人物を通してすこしだけ伝わった。 月並みだけど、パニックになってどうすればいいのかわからなくなったときはその当事者しかその重さや苦しさはわからないし、簡単にわかるよ、とか君の場合は〜とか声をかけることはできないよな、、と思った。
メインは事件後。その事件の凄惨な描写から読んでいるこちらに絶望が伝わる。そして、その後は理不尽に次ぐ理不尽。登場する人の気持ちはどれも間違っていない。犯人が悪い…それでいい、むしろそれしかない。
「爆弾」「法廷占拠」には及ばずも、さすが呉さん。 被害者でも被害者で終わらせない、終わらない筆力に脱帽。 お茶会が開催されたことに唐突感はあったけど、やはりそこも呉さんの筆力。 あっという間に引き込まれて、驚きの展開に唸った。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
スワン
新刊情報をお知らせします。
呉勝浩
フォロー機能について
「角川文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
法廷占拠 爆弾2
爆弾【電子限定特典付き】
Q 上巻 覚醒前夜
アトミック・ブレイバー
おれたちの歌をうたえ
これが最後の仕事になる
白い衝動
蜃気楼の犬
「呉勝浩」のこれもおすすめ一覧へ
みんなの公開リストをもっと見る
一覧 >>
▲スワン ページトップヘ