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「ぴったりくる隙間」を追い求める広美は、ひとりの男に目を奪われた。あの男に抱きしめられたなら、どんなに気持ちいいだろう。広美の執着は加速し、男の人生を蝕んでいく――(「素敵な圧迫」)。
交番巡査のモルオは落書き事件の対応に迫られていた。誰が何の目的で、商店街のあちこちに「V」の文字を残したのか。落書きをきっかけに、コロナで閉塞した町の人々が熱に浮かされはじめる――(「Vに捧げる行進」)。
ほか全6編を収録。
物語に翻弄される快感。胸を貫くカタルシス。
文学性を併せ持つ、珠玉のミステリ短編集。
Posted by ブクログ 2024年01月10日
普段短編集はあんまり読まないのでこの作品も気にはなりつつスルーしてたけど、懇親会で呉さんとお話しして、自分でも理由はよくわからないけどこの方の書くものは絶対に面白いと確信した。
やっぱり、呉さんの作品は会話とかロジックとかがめちゃくちゃ面白い!
社会の隅っこでくすぶってる仄暗い欲望?怒り?
そういう...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年10月17日
やっぱり当たりだ!呉さんは、すんごく面白い!6つの短編集です。私はこれで、呉さん、9作目。本屋さんで迷ったけど、買って良かった!やっぱり、短編も秀逸だと思うわ。
特に面白かったのが、表題作の『素敵な圧迫』もう、題名が「なんだそりゃ?」って思うでしょ⁈これがもう、題名通りの言葉通りで、変わってておっか...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月12日
呉さん作品 8冊目は
表題作「素敵な圧迫」を含む6編の短編集
【素敵な圧迫】
「いい隙間を見つけると、胸がおどった」
押し入れの隅っこ、布団の隙間。電源を落とした一人暮らし用の冷蔵庫。抱擁に似た、素敵な圧迫。
体をピッタリと包み込む圧迫に取り憑かれた広美。
大人になった広美は自分の体に肌にピタッと...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月06日
表題作の『素敵な圧迫』と『ダニエル・《ハングマン》・ジャービスの処刑について』が面白かった。
『素敵な圧迫』は狭い場所や圧迫感に幸福を感じる性癖を持つ女性が主人公。取引先の男性と肉体関係を持つようになりその男性の身体の重みや肌質などの圧迫感に虜になるが、彼には資産家令嬢の婚約者がいて───という話...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月10日
呉さんの文章が好きだ。情景や心理や、とにかく様々なものをまざまざと思い描くことが出来る、描写の巧みさが好きだ。
短編集でありながら、読みごたえがある。
特にボクシングを題材にした「ダニエル・《ハングマン》・ジャービスの処刑について」では、ボクサーの身のこなしがみごとに再現されて実際の試合を見ている...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月14日
世にも奇妙な物語を彷彿とさせるような不思議なお話をまとめた短編集。
「素敵な圧迫」「ミリオンダラー・レイン」
「論リー・チャップリン」「パノラマ・マシン」
が私は好きでした。
ちょっと間抜けで生きづらさを感じている、
そんな人間臭い登場人物がまたいい。
落ちもはっきりしていて、爽快感もある。
この方...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年10月09日
幼少期に隙間に嵌る愉しみを知った彼女が、成長して男性に抱擁されると… 呉先生の短編集 #素敵な圧迫
昨年『爆弾』で直木賞候補、このミス1位をとった呉勝弘先生の短編集。どれも絶妙な切り口の犯罪小説で、多くは語らずに様々な社会問題に示唆してくる。オチの切れ味も鋭いし、ミステリーとしても文芸としても素晴...続きを読む
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