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周囲にうまく馴染めず、欠落感を抱えたまま十九年間を過ごしてきた私は、ヘルパーとして訪れた横江先生の家で、思い出の品に額をつける〈額装家〉の男性と出会う。他人と交わらずひっそりと生きてきた私だったが、「しあわせな景色を切り取る」という彼の言葉に惹かれて、額装の仕事を手伝うようになり――。不器用で素直な女の子が人の温かさに触れ、心を溶かされてゆく成長ものがたり。
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Posted by ブクログ
幼い頃から、人に話を聞いていると、雑音が混じって、聞き取ることができなくなってしまう。相手の話を聞いて、応えようとすると、聞き取りができなくってしまう。そのため、人間関係を築くことがなかなかできない主人公が、ヘルパーの仕事で入った「先生」に家で出会う人々、思い出を切り取り額をつける「額装」を学んでいくことで、今までに人間関係が少しずつ変化していく過程が描かれていく。
自分にとってちょうどいいペースで人と交わり、コミュニケーションをとることで、聞いたり、話すことが不自由なくできることってやはりあるよなあと思った。小説の最初から最後まで、ゆっくりと流れる時間が感じられて、心地よい。
普段の生活で疲れてしまっている心も癒されるような小説でした。自分のペースでゆっくりと生きていきたい。
Posted by ブクログ
明言はされてないけど、受診を促されることもあり、発達障害の特徴がうかがえる主人公。
他人の言葉が意味のあるものとして聞き取れず、自分自身の感情にも鈍い。
ヘルパーとして派遣された先で、利用者である先生、先生の息子で額装の仕事をしているあのひと、そしてその息子の隼と出会い、先生の生活を見守りながら、額装の仕事に触れ、少しずつ、膜が張ったようだった自分自身の感情に気づいていく。丁寧に掬い取ったものを更に目を凝らして見つめたような心理描写がとても良い。額装を通して、様々なものを発見し、これまで諦めてきた他者や家族との関わりにも一歩踏み出していく。大きく展開が動くわけではないけれど、じんわり伝わってくるものがある、好きなお話。
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小説・文芸
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