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Posted by ブクログ
最近宮下さんの作品読みすぎでは?ってくらい読んでるけど、基本全部好き。こちらもよかった。
他の方の評価・コメントを見ると、意外と高くないことに驚いたけど、好みは人それぞれなんだと改めて感じた。
前情報無しだったから、タイトルと表紙のちょっと暗いところから、ホラー要素でもある?と思ってた。そんなことないです。むしろ心温まる。タイトルはともかく、表紙は明るくしても良かったのでは、、、
どこかの国の言葉で晴れという意味のある店名「ハライ」に訪れようとする人々の短編集。
予約が取りにくくて、いつもいいにおいのする町のレストランに行くときって、どんなときだろう。そういうちょっと特別なお店って、素敵だよなぁ。
登場人物はみんな何かしら問題を抱えてる。それが深刻かどうかは人の感じ方次第だけど、最後には明るい光が見える。
作品には描かれていないけど、ハライでおいしいものを食べたら、元気が出て、また前を向けるんだろうな。
Posted by ブクログ
分かりやすい、優しい物語だった。うっすらとした寂しさが絵になったような日々の中に、訪れた「ハライ」というレストランでの幸せな時間が、しみじみとしみる。
読む本の中にはむずかしい漢字ばかりの時がある。鋭く心の中をかき回してあとはわずかに理解の外にあるような疑問符を残す。考え続けて著者の深遠な思いに気が付いたり、迷路に迷い込んだりする。
そんな何かを求める読書もたまにはいい。生きている実感がある。それでもこうした暖かい日々を優しい言葉でつづってくれる小説に、癒されたいときもある。
文字好きが選ぶ文章は、生きていく指針だったり喜びだったりするが、生活の中で、そんな文字好きだけでなく、いろいろな手段で喜びを感じて生きている人に感動する。アスリートは身体を使って、書家は墨と筆で、料理人は食材で人を慰め喜ばす。幸せの輪に包み込まれるなら何だっていい。読書家の世界にだけにとどまらない、自分に合った生き方がある。
「ハライ」というレストランの評判がいい。行ってみたいけれどまだ行ってない人たちが、幸せな時間を過す事になる。6組の人たちが「ハライ」に行くことになった出来事が、そのちょっとした心の旅が暖かく書かれている。
何げない生活が描かれてはいるが、中でも
「予約 4」
ビデオ越しでないと生活できなくなった僕。何をするにも右手に重いビデオカメラを持っている。
三年前に母が何気ない微笑みを浮かべてもうすぐ死ぬのだといった。そして死んでしまった。その笑顔を憎み人が信じられなくなって部屋に閉じこもった、結婚する姉や妹のことを思うとそれではいけないと気が付いてはいた。姉の婚約式の時ビデオ係をかって出てみた。それは勇気がいったが何とか写すことができた。それからはビデオカメラ越しなら何か変化が起きるのがみつかるのではないかと探し続けている。
妹の友人が転がり込んできた。学校にも行かず昼間もひっそりと過ごしているだけ。静かな彼女に僕はいらいらしたが、次第に彼女の存在にもなれていき、彼女がこもっているわけを知った。彼女は言う「ビデオは過去じゃないですか」
妹は僕にも友人にも何も聞かなかった、彼女と二人でおにぎりを食べた。窓を開けて季節の風を感じた。
「ねぇ ハライに三人で行かない?」と妹が言った。
かいつまんだけれどこんな話が6編、レストランに行くだけのことに勇気がいったり、日常のこだわりを解決したり、孤独を乗り越えたり、ささやかな気持ちの切り替えで、足りない誰かや何かを見つけて席を埋めるいい話
Posted by ブクログ
とあるレストランに纏わるお客さん達の連作短編集
以下、公式のあらすじ
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予約を取ることも難しい、評判のレストラン『ハライ』。
10月31日午後6時に、たまたま店にいた客たちの、それぞれの物語。
認知症の症状が出始めた老婦人、
ビデオを撮っていないと部屋の外に出られない青年、
人の失敗の匂いを感じてしまう女性など、6人の人生と後悔や現状の悩みを描く。
「ハライに行って、美味しいものを食べる」ことをひとつのきっかけにして、
前に進もうとする気持ちを、それぞれ丹念にすくいとっていく。
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様々な人達が、レストラン「ハライ」に予約を入れるまでのあれこれ
6組のお客さんの物語
就職に失敗し、流されるように生きている青年
良い方に導こうとしてくれた彼女との思い出
認知症と、それを踏まえた家族の接し方に不満のあるおばあちゃん
亡き夫へのつまらない嫉妬から、遂に行く機会のなかったレストランへの羨望
仕事が忙しくなり、人間関係のストレスも溜まっているOL
昔から不器用なやり方で助けてくれていた幼馴染との友情
母が亡くなって以来引きこもり、ビデオカメラのレンズを通してしか人と接する事のできない青年
その妹の高校生ががたまに家に連れてきた、いじめられている同級生
三人の不思議な距離感
レストランビュッフェでオムレツ担当の青年
オムレツ好きと見て取れるのに、特別に作ったオムレツを「出来損ない」と支えしてきた女性
そんな女性から昼寝のため、日中に部屋を貸してほしいと頼まれる
「失敗の匂い」を嗅ぎ分けてしまう女性
昔、叔父の失敗を予感していながら救えなかったという罪悪感
そんな女性と運命の出会いのように導かれた男性
それぞれの話には、何らかの喪失がある
配偶者、親、恋人のように人だったり
そんな思い出だったり
最終的にハライで食事をするシーンでは、どのテーブルも「誰かが足りない」
「いない人」、「思い出」が共通のキーワードだろうか
そして、その喪失や、過去の苦い経験を慰め、分かち合う相手もいない
そんな状態から、レストラン ハライに予約を入れるに至るまでの事態の好転が描かれる
結局、ハライに「いない人」が絶対に現れない組もあれば、現れる余地がある組もあれば
でも、どの組も美味しそうな料理を前に、とても幸せそうに思える
新たな一歩を踏み出すための物語
流石は宮下奈都さんだと思う
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小説・文芸
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