宮下奈都のレビュー一覧
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調律というものがこれほど奥の深いものだとは…
幼い頃習ったピアノはすぐに辞めてしまい、大人になって独学で練習した時もバネ指になって辞めてしまって久しい。
娘は細々と楽しんでレッスンを続けているけれど、我が家にあるのは電子ピアノ。
調律師さんは、職場のピアノを調えてくださるのを時々耳にするくらい。
音楽にあまり親しんでいなかったと言える私の人生が、なんだか無味乾燥したものに思えるくらい、丁寧に調律されたピアノの音色に憧れを抱いてしまう物語だった。
宮下奈都さんが、家族で北海道に住んでいらした頃感じたであろう森の強さや美しさ。
それが外村青年の素朴で素直な人柄ににじみ出ていて、調律を通して成 -
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宮下奈都さんのご家族は、家族全員独特で真面目におもしろい。なのに感覚が世間とそれほどズレていない。なので安心して笑っていられる。時に涙が出る。宙に浮くようなマイペースな浮遊感も、超自然派な厳しさもなく、あはは!とのんきに読めてふんわりあたたかい。でもところどころハッとさせられる。
あと、宮下奈都さんは山本ゆりさんが好きなのね!なんかわかる!となり嬉しい。
最後の方は数年前の介護のことを思い出して涙がぽろぽろと出ました。
「寿命が延びた。長くなったんじゃなくて太くなった感じ。よいものを観ると、自分もよくなりたいと心から思う。観たもののようになりたいということではなく、自分をまっとうしたいという強 -
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ネタバレどんな音を目指しているのか。「明るく静かに澄んで懐かしい文体、少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛えている文体、夢のように美しいが現実のようにたしかな文体」…主人公の外村が憧れた板鳥は原民喜の言葉を伝え、それが外村の森と共鳴しあい目指していく美しい音になった。
小説どこをとってもピアノの美しい音色と調律された理路整然な音の生きている森の柔らかな音が小説中から聞こえてくるようだった。所々で漢字表記じゃなくてひらがなが具に散りばめられていたのがこの小説のまろみを表現していたのかなと思う。
外村は才能も経験値も何も持っていないようで、自分の中の美しい音に対するこだわりを人一倍元々持