宮下奈都のレビュー一覧

  • 静かな雨
    仕事の合間の息抜きに、と思って本棚から未読の薄い本を手にとったら、余韻で仕事に戻れなくなった。
    なんていうことのない物語なのにな。
    読み終わって、本を閉じて、あらためて表紙を見ながら嘆息する物語だった。たい焼き食べたいな。
  • スコーレNo.4
    自分の自信の無い麻子は、1つ下の明るい妹、七葉と自分を常に比べる。
    麻子はとても繊細で、ネガティブ思考。でも、自分の芯がしっかりあって、おかしいと思うこと、軸から外れたものは、違う、変えるべきと主張できる。
    自分をどこか排他的で愛が足りないと思っている学生時代を経て、とても素敵な女性に成長していく。...続きを読む
  • 誰かが足りない
    作者らしい、丁寧で落ち着いているのに後半になるにつれてじわじわとエモーショナルになっていく地の文、心理描写。
  • 静かな雨
    物語の終わりが気になったのは「日をつなぐ」。ふたりは別れてしまうのだろうか。
    ハイペリオンは知らない。備忘録としてメモ。
  • 田舎の紳士服店のモデルの妻
    東京から北陸の何もないところへ移住した家族、妻目線の10年間の話
    こどもたちへの期待や普通、
    夫との関係、
    私自身の悩みも重なって共感できた
    長男がピアノが好きになってそのまま頑張ってくれたら嬉しい!!
    運動会やボランティアを通じての人々の交流も温かい
  • よろこびの歌
    ふわっとそこに佇む野の花みたいな作品。できたばかりの女子校に通う生徒たちが、それぞれ大きなものを抱えつつも、それを決して表に出すことはなく、ゆるやかに折り合いをつけていく。そんな彼女達の歌声が「ひとつの束になりリボンのようにくるくると回りながら空へ上っていく」という表現がすごく綺麗だなと思った。また...続きを読む
  • 静かな雨
    まだ自分の読解力が足りないのか、内容をストンと落とし込むことができなかった。まるで起承転で話が終わっているような感じ。巻末の解説を読むに最後は物語から作者の伝えたいことを読み取る必要があるのかもしれない。
    だけど「静かな雨」に出てくる「学生はなぜ勉強するのか」、ひいては「なぜ人は学ぶべきなのか」に対...続きを読む
  • スコーレNo.4
    解説を読んで、家族・恋愛・仕事・結婚の章立てだったか…と気付く。
    最後は全てがスルスルとつながって、「そんなにうまくいく!?」と思いながらも、それが嫌じゃなかった。むしろ、今まで自分を形作ってきたものに意味をもたせられて、出会えてよかったね、と思えた。
    3の靴屋での話と4の茅野さんとの出会いの話がよ...続きを読む
  • 静かな雨
    「静かな雨」のみAudibleにて

    こよみさんの鯛焼き、そんなに美味しいのかー。食べたいよ…とずっと思いながら、物語を追いかけた。

    不慮の事故から記憶が1日しか残らなくなってしまったこよみさん。寄り添う行助(ゆきすけ)さん。
    日常の中に滲む二人の様々な感情。それらは時に強く、時に脆く。。
    切ない...続きを読む
  • スコーレNo.4
    特に劇的な展開はない、10〜20代の話だが、自分に当てはまるところも多く共感しながら読んだ。

    他人を羨んだり自己肯定感が低かったり悩んできた人に当てはまりそうな本

    初期の恋愛のうまく噛み合わない感じに心当たりがありすぎたり、逆に相性がいい人のこれだという感じもよくわかった
  • つぼみ
    日常の見方に変化を与えてくれる一文
    型があるからこそ助けられる
    →人と同じようなこと、自分じゃなくてもできること、やる意味がないと思ってしまうけど、日常化する事で自分自身が助けられる、型があるからこそ発展もある
  • スコーレNo.4
    今更でしたが…ずっと気になっていながらも積んだままになっていて。
    最近、新刊のミステリーを立て続けに読んでいて、なんとなく気持ちをフラットにしたくて手に取りました。

    宮下さんの文章はやはり気持ちが良い。
    何気ない描写や会話の中で、納得させられたり、心が洗われたり。自分が少し優しくなれる気がする。
    ...続きを読む
  • よろこびの歌
    音楽家の娘の御木元玲が主人公。
    音楽の高校の受験に失敗し、新設の高校に入学。音楽や周りの人との関わりを拒んでいたのに、合唱でクラスの指揮を任されてしまうお話。

    ハイロウズの曲名がタイトルで、御木元玲やクラスメイトたちの視点が描かれる短編集。ハイロウズ聴きたくなっちゃう。

    挫折したときって、自分だ...続きを読む
  • 田舎の紳士服店のモデルの妻
    主人公の性格が好印象で、リズム良くどんどん読み進められた。最後いい終わり方でホッとした。途中冷めたような気づきある視点がいい。作者さんの他の本も読んでみたいと思うきっかけになった。
  • 窓の向こうのガーシュウィン
    未熟児として生まれ、そのせいで何かが足りないと思い生きてきた19歳の主人公。人が放つ声は語尾が濁るせいで意味を聞き取れず、人とうまく交流できない。そんな中、ヘルパーの仕事で訪れたある家では、言葉がちゃんと聞き取ることができる。そしてそこで出会う額装という仕事。足りないと思っていた自分の中には、測るこ...続きを読む
  • 田舎の紳士服店のモデルの妻
    小説にするには、少し地味な設定(タイトルからしてそうだが)だけど、主人公(タイトルに出てくる「妻」)の心理描写を丁寧に行う事ですごく読み応えがある内容になっている。日常、ふっと浮かんでくるちょっとした毒のような事も、隠さずに掬い取る。そこから見えてくるのは、1人の人間がどういう思いで生きていくのか、...続きを読む
  • ふたつのしるし
    幾田りら(YOASOBIのVo.ikura)ちゃんお勧めの1冊。

    私にも、あの人にも、しるしは付いてるのかなぁ。
  • 静かな雨
    静かな雨 宮下奈都
    典型な恋愛小説かなと思いました。いつ買ったのかが覚えてない。
    物語が進んで行くたび不協和音がどんどん響いてゆき、古い家屋の軋む畳のよう、恐怖が徐々に引き寄せてくる。
    以前「田舎紳士服店のモデルの妻」では壊れかけの家族を妻の視点で再構築してゆく10年を描いてたが、今回の二つの短編は...続きを読む
  • 静かな雨
    宮下奈都さんの小説は、綴られる文章がとても丁寧で、柔らかくて、どんな事件が起きてもどこか静かで、まるで作中に出てくる滋味あふれる豆のスープのようだと思う。
    優しい小説ってあんまり好みじゃないのだけど、宮下作品は、文字を追ってるだけでじんわり幸福感がある。
    それでいて時々「迷ってるうちは進まないほうが...続きを読む
  • 田舎の紳士服店のモデルの妻
    1. 羊と鋼の森が面白かった
    2. ジャケット・タイトルに惹かれた
    そんなわけで読んだ。

    前半は妻 梨々子の葛藤を描いた物語が淡々と続く。ここの部分が割と長く、ずっともどかしさを感じる。全然動いてくれず、妻の気持ちを理解しようとしない夫 達郎に、息子たちに理想像を当てはめようとする梨々子に。ようや...続きを読む