宮下奈都のレビュー一覧

  • つぼみ

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    宮下さんの作品の好きなところは「何も起こらないところ」だ。私たちの生活と近くにあって、だからこそ親しみやすい。
    匠に紡がれる言葉と心地よい曖昧さが、私たちの「日常」は決して「あたりまえ」ではないことを教えてくれる。人の数だけ物語があり、小さくても、素敵な話がたくさんある。

    6話中3話が『スコーレNo.4』と地続きだとは知らずに読み終わってしまった。スコーレを読んだのがだいぶ前だから、もう一度読み直したい。
    どの話も好きだけど、「あの人の娘」が特にお気に入り!あー、でもやっぱりみんな好き。

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    2024年08月06日
  • 窓の向こうのガーシュウィン

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    理解が難しい表現が何ヶ所かあった。先生が、歯磨きの途中でいったん手を止めて、虫歯菌を油断させるという行動が面白いと思った。未熟児で生まれた人、色弱の人、その人たちにしか無い感性でしか生み出せない作品もあると感じた。

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    2024年07月29日
  • 静かな雨

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    こよみさんのたい焼き、食べたい。記憶の無くなる前と後のものを2匹。
    行助、こよみさん2人ともあたたかくて素敵でした。

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    2024年07月28日
  • とりあえずウミガメのスープを仕込もう。

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    宮下奈都さんのエッセイは、ワンサブ子に続き2冊目かな。あちらの方が子どものことも多く描かれていて面白いけど、こちらは食に関することなので、じんわり温かくなる話が多いかな。
    丁寧な暮らしをされていて素晴らしい。

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    2024年07月17日
  • いつか、アジアの街角で

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    ネタバレ

    私の好きな作家、島本理生さん、宮下奈津さん、角田光代さんが入っていたので購入。

    本のタイトルが「アジアの街角で」とあったので、東南アジアを旅するテーマなのかなと思ったら全然違った。
    作品に出てくるのは台湾と香港のみ。しかも、実際に街角を旅するのは1作品だけで、あとは日本の日常風景の中で話が進んでいく。

    全作品を読んで頭に浮かんだのは、「台湾加油」「香港加油」という言葉。(「香港加油」は実際に作品の中に出てくる)
    政治情勢が不安定な二つの街を小説という切り口で応援したかったのではないかと思った。
    島本理生さん、大島真澄さん、宮下奈津さんの話が味わい深くて面白かった。

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    2024年07月07日
  • 誰かが足りない

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    ハライという人気レストランを予約するまでの経緯を書く短編集。
    ハライの描写は控えめなのが、想像を掻き立てて良い。様々な事情を抱えた人々がハライに行こう、と思えることが一歩を踏み出せたということなのだろう。繊細な文章もすき。

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    2024年06月25日
  • 田舎の紳士服店のモデルの妻

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    自分が精神疾患持ち(パニ障)なので親近感を覚えて手に取った。何も励ましてはもらえないけど、それでもいいと思えた気がする。思い描くのは理想の私、こうじゃなかった私。でも私は今ここにいる。思い描いていた姿とは違うし、幸せかと言われたら言い淀むかもしれない。でも絶対に、不幸せではない。それだけは絶対にない。そんなことを思い出させてくれる本だった。

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    2024年06月17日
  • つぼみ

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    宮下さんって当たり前とか日々大事にしたいことをうま〜〜く言葉にして表現してくれるよなぁと読んでてしみじみ。

    解説から引用 
    主人公たちは「芯がある」ひとたちに圧倒される。

    「平凡さ」という役名がきちんと与えられた役者だ。「平凡さ」という名前がついた居場所だ。

    ここの部分に納得する。
    読んでてあ〜〜わかる…という具現化をしてくれた。平凡でもいい、ふつうであることが幸せでもあるんだ。

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    2024年06月15日
  • スコーレNo.4

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    なんとなく手に取って余り期待せずに読み始めた本なのに夜更かしまでして、一気読みしてしまった
    本の帯に書かれてある「あなたはいつ少女から大人になりましたか」と言うメッセージはもう若く無い自分には余り興味がもてなかった
    でも綺麗な文章に引き込まれ、誰もが憧れるようなラストも 素直に響いてしまった
    とても気持ちよく読み終わる事が出来た

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    2024年06月12日
  • 終わらない歌

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    はじまりの歌の続編。
    声楽科に進む、ミュージカル俳優を目指す、主に2人の心の葛藤を描いてる。
    苦しみながら迷いながら夢を追いかける熱い思いの作品。心がドキドキワクワクこちらも一緒に熱くなる作品。

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    2024年06月11日
  • スコーレNo.4

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    古道具屋が実家の三姉妹の長女・麻子が主人公で彼女の中学時代から高校〜大学〜就職と追う物語。

    一つ違いの妹・七葉の自由奔放さに比べて、自分の気持ちを押し殺して実直に生きる麻子だが、成長とともに内面から滲みてくる素直さが良い大人になっているなぁと感じさせる。
    特にNo.3の靴店で働くところに彼女の成長を感じ、すごく距離が近くなったような親近感が湧く。
    さらにNo.4での恋愛は遠回りしてきたからこその確かなものを感じて嬉しくなる。
    いいものを穏やかに講釈する父と笑顔で温和な母にちょっと厳しめだが正しい祖母の存在もいい。
    ゆるゆるとじんわりと心に染みてくる。


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    2024年06月06日
  • たった、それだけ

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    ネタバレ

    贈賄、ひとりの会社員が失踪…という始まり方から、真実が明かされる系なのか?じゃあ、「たった、それだけ」は何のことなんだろう?という風に読んでいました。

    気付いたら真実の解明ではなく、各話の登場人物の過去と小さいけれど確実な変化を追いながら、、ラストはあたたかい気持ちになります。でもちょっと贈賄の件の真実も知りたかった…(笑)

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    2024年06月02日
  • スコーレNo.4

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    途中までスラスラ読めなかったけど靴屋以降は一気に読んだ。劇的な事が起こる訳では無いけれど全てが繋がっているということがとても綺麗な日本語で表現されていて素敵な空間を感じた。

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    2024年06月01日
  • ワンさぶ子の怠惰な冒険

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    色んな街に色んな家族がいて。
    その家族も年月と共に形を変えて行って。
    でも家族であったこと、居なくなっても家族であることに変わりは無く。
    ね、ワンさぶ。

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    2024年05月07日
  • ワンさぶ子の怠惰な冒険

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    青い雪原のイラストの装丁に惹かれて購入。

    子供たちや旦那さんが時折り発する言葉に、宮下さんと同じようにじーんと来た。

    末っ子のきなこちゃんの発想が面白くて、ツボだった。
    柴犬のワンさぶ子目線のコーナーがいい。
    本当にそんな風に思っていそうで、宮下さんとワンさぶ子の絆を感じる。

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    2024年03月09日
  • たった、それだけ

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    ネタバレ

    良かった。ただよかった。
    望月さんを巡るお話。
    好きな人を売ってしまうこと。それを受け入れて逃げること。涙という名前。奥さんの窮屈さ。
    心に残ってる

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    2024年03月09日
  • スコーレNo.4

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    恋と家族とお仕事。
    中学から社会人までの、それぞれの時代の物語が4つの章で綴られている。
    妹との確執や母の人生への異議など家族の物語も良いのだが、ストーリーとして面白かったのはお仕事小説の体を成す3章。主人公が仕事にのめり込んでいく様と、(自分は向いていないと思っている)本人の意識とのズレがまたリアルで、この章だけで単独の作品として成立するくらい完成度が高い。
    しかし、なんと言っても素晴らしいのは1章と4章の恋に落ちる瞬間の描写。中学時代の鮮烈な一目惚れや、社会人時代のどうしようもなく恋に落ちていく描写はこちらまでドキドキするほど。
    「風が止まった」
    「もうだめだ、と思った」
    こうやって抜き出

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    2024年03月06日
  • ワンさぶ子の怠惰な冒険

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    私の家にも犬がいる。区切り?!のワンさぶ子の言葉が特にホッコリして、あまりエッセイ的な物は興味が薄いタイプの私でしたが…楽しく楽しくあっという間に読めました。

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    2024年03月03日
  • 誰かが足りない

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    ネタバレ

    全体的にもう少し描写が欲しいと思った。
    予約5の一節が印象に残った。
    『思い出せるしあわせだけではない。思い出せない無数の記憶によっても人は成り立っているみたいだ。』

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    2024年02月28日
  • 田舎の紳士服店のモデルの妻

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    竜胆梨々子は夫のうつ病を機に夫の実家のある田舎に引っ越します。
    30歳から10年間の梨々子が描かれています。
    慣れない田舎暮らしで戸惑ったり夫にがっかりしたり子どもたちのことで悩んだりしますが梨々子は諦めたり受け入れたりしながら変化していきます。
    派手な展開はないけれど梨々子の感情が丁寧に描かれていて良かったです。

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    2024年02月26日