宮下奈都のレビュー一覧

  • 太陽のパスタ、豆のスープ
    優しすぎず、厳しすぎず。立ち直れそうな自分と、まだまだ幸せを受け付けられない自分を行ったり来たり…とてもリアルな描写だなぁと思います。心が壊れる前ほど、考えすぎる時間が増えがちですが、食べて、寝て、人の関わりに触れる事。傷ついた心への処方箋が詰まった一冊です。
  • 静かな雨
    これは………、かなりすごい。何がすごいって、ただ普通に物語を読んだ時に抱く感想が、解説によって全て覆されるところ。これは解説とセットで読むべき一冊。背筋がすっと寒くなる。
    「静かな雨」映画ではどう描かれているんだろう。"脳に記憶が刻まれなくなっても、日々が何も残していかないわけではない。忘れても忘れ...続きを読む
  • スコーレNo.4
    靴屋さんの場面が好き。
    靴屋さんの部分を一つの小説にしてほしいくらい。

    スコーレNO.2までは賞を狙ってます、って文章に感じて苦手だと思ったけど、麻子が働き出してからぐっと引き込まれた。

    「自分には本気で何かを愛することができない」と考えている麻子に共感した。特に、"楽しく付き合っているつもりで...続きを読む
  • とりあえずウミガメのスープを仕込もう。
    『羊と鋼の森』を読んだとき、宮下奈都さんの情景描写が豊かで、好きだと思いました。この方の書いたエッセイならきっと素晴らしいと、読むのを楽しみにしていた本です。

    『ESSE』2011年9月号から2012年12月号まで連載されていたエッセイだそうで、テーマは「食」。それに、書き下ろし短編「ウミガメのス...続きを読む
  • スコーレNo.4
    No.1
    津川麻子
    中学一年。

    津川七葉
    ひとつ違いの妹。

    泰郎
    父親。マルツ商会という古道具屋を経営。

    津川紗英
    下の妹。

    里子
    麻子たちの母。

    芳本真由
    麻子の友達。

    未知花
    麻子の友達。

    中原
    サッカー部。

    愼ちゃん
    父の兄の息子。麻子の従兄。

    垣内
    運動のよくできる、背の高...続きを読む
  • たった、それだけ
    人は過ちをおかすのか、いつの間にか過ちに飲み込まれているのか。突然、居なくなった人。もし、あの時こうしていればと周りの人は後悔を抱く。「決して触れてはいけない幸福な記憶」のみ抱いて生きていく。悲しいのか、幸せなのか。
  • スコーレNo.4
    古道具屋の長女として生まれ、周りと比較して劣等感を持ちつつ育ち、少しずつ克服して成長していく。
    幼少期、学生、社会人と朝ドラにできるくらいの年月をかけた成長記はどの時期も丁寧に描かれていてよかった。
    詩人のような美しい表現力で心地よく読み進める事が出来た。
  • 太陽のパスタ、豆のスープ
    明日羽にもロッカさんにも結構イライラした。そういう状況っていうのもあるけど、明日羽がネガティブ過ぎて…でも、客観的に見たら意外と自分もこうなってる時があるかもしれないなと思って戒めにはなったかも。個人的には郁ちゃんが一番好きだった。
  • 誰かが足りない
    宮下奈都さんの作品は、やけに早く読み終わってしまう
    こんな短絡的なこと言ったら怒られそうだけど(だれに?)、宮下さんの作品の主人公は、いつも弱気で、伝えるべきことを伝えられない印象がある。
    それに時々ムっとする。あまりに自分に似ているから

    宮下奈都さんの文体がトップで好きなので宮下さんの作品とい...続きを読む
  • 田舎の紳士服店のモデルの妻
    独特のテンポと空気感、意外な物語の展開で、他にはない魅力を感じました。
    劇的すぎる展開があったり、激昂したり、衝突したり、決定的なことが起こったり。
    そういうことではなく、柔く強く適応してのびのびと生きる梨々子が良い。
    こんな生き方もあるんだ、と見本を見せてもらえた気持ち。

    田舎で暮らしたことなく...続きを読む
  • 本をめぐる物語 一冊の扉
    ▶「メアリー・スー」という言葉を初めて知りました。でも、どんな作品にもメアリー・スーは影を見せてると思うし彼女がいなければその作品は面白くなくなるのでは? とも思ったり。▶小路幸也さんの「ラバーズブック」はスッキリとしていて気に入りました。▶宮城あや子さんの「校閲ガール」は主人公のキャラが楽しかった...続きを読む
  • たった、それだけ
    宮下奈都さんらしい、丁寧で精巧なあたたかい作品。
    話の運びも面白く、分量も多くないため、時間にゆとりがあるならば1日でサクッと読むのにとても良いと思います。
  • ふたつのしるし
    ふたりがみつけたそれぞれのしるし。
    健太の考え方と寄り添い方が素敵。
    後半があっという間すぎてもう少し丁寧に描いて欲しかった気持ちはあるものの、温かい愛で溢れた素敵な作品でした。

    ふたりの子供の名前にちょっとびっくり笑
    そのままだな!と…すみません笑
  • ふたつのしるし
    2人の生き辛いハルの物語がとても丁寧に描かれていて、どんな人生を歩んで行くのか楽しみながら読んだ。
    しかし、2人の出逢いから後はうーんという感じ。
    それまでが詳細に描かれていたのにそこから急に「勘」という様な曖昧なものになってしまう。
    更に10年後迄飛んでしまう。
    結局「しるし」が何だったのかは描か...続きを読む
  • 終わらない歌
    『よろこびの歌』の続編。前作を読んですぐだったのに、微妙にクラスメイトを忘れていた。残念。題材は凄く好きなんだけど文章がいまいち入ってこない…ハイロウズを知らないせいか?でもラストに向けてワクワクが心地良かった!もっと玲や千夏の成長を見たかった。
  • 田舎の紳士服店のモデルの妻
    突然田舎に引っ越した鬱を発症した夫と二児の母の10年の物語。淡々としていて、それでも悩んでいる心の葛藤、独白を読まされている感じ。矢理自己肯定しようとしてもがく気持ちが淡々綴られていて抑揚がない。読み手が主婦だと共感できるのだろうか。
    読んでいて興味を惹かれる場面は少しはあったと思います。
  • 静かな雨
    松葉杖の人と、一日で記憶を失ってしまうようになったたい焼き屋の娘の話、

    読みやすいけど、ちょっと設定が飽和
  • 静かな雨
    宮下奈都さんの文章表現がやっぱりいちばん好みですね^_^と思いながらも、正直こちらの作品自体にはあまり引き込まれないまま読み終わってしまった、という感じがあった かも しれない

    2作品とも、わたしの大好きな安穏で細やかな表現とじんわりとした進み方に、ウンウンそれで、、?♪(^ー^)と思ってたら急に...続きを読む
  • 田舎の紳士服店のモデルの妻
    宮下奈都さんのファンですが、あんまり好きになれなかったかも…。日記が出てきたことで、「太陽のパスタ、豆のスープ」のドリフターズリストみたいに物語の主軸に絡むのではと期待しすぎてしまった。
    初めは面白かったけど、全体的には響きませんでした。
    自分が30歳になったらもう一度読んでみようと思いました。この...続きを読む
  • 誰かが足りない
    明るい話ではないんだけど、心理描写が繊細で丁寧に読みたくなる本。主人公たちが自分の状況を考え理解して前に進んでいっている感じ、単純にすごいなあと思った。