宮下奈都のレビュー一覧
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一人の女性の成長を描いた小説。4章からなり、器量の良い妹に嫉妬する少女時代、学校になじめない学生時代、疑問を抱きつつ過ごすOL時代、専門分野を見出す社会人時代、という感じで、主人公の人生が発展していく。
主人公は容姿も能力もごく平凡な女性で、本人も子どものころからそれは自覚している。成長に従い、恋愛を経験したり、親の人生に思いをはせたりする。姉妹間で嫉妬心や競争意識を持つのは割と普遍的だが、比較されて見劣りする方はずっと劣等感を持ち自己肯定感が持てなかったりする。
子ども時代の恋愛の話は感情移入できず、またこの著者の表現が表面的で慣れるまで頭に入ってこない部分も多かった。後半は会話中心で助かっ -
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6人の作家さんによるアンソロジー
アンソロジーは買ったことがなかったのですが装丁のマンゴーかき氷に心奪われて手に取りました。
「停止する春」心に刺さる。また読み返したい
「チャーチャンテン」読んでいてワクワクした
「猫はじっとしていない」蜃気楼のような空気感のある話
私はこの3つがとても好みでした。台湾、香港旅行好きな方におすすめです。
なんとなく敬遠していたアンソロジーでしたが読んだことのない作家さんの魅力を知るきっかけになってたまにはこうやって新しく本を開拓していくのもいいなと思いました。
台湾で食べたマンゴーかき氷はほんとうにおいしかった。。また行きたいなぁ -
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宮下奈都さん、実在するワンさぶ子の印象が強かったけれど(今実家にいるのも白柴なので)、著作名見たらいくつか読んでいました。
気持ちの良い作品書かれるなぁ…と思っていた。
エッセイも面白かったです!ご家族や周りへ向ける視線がおおらかで良いなぁと思いました。
国宝に住んでらしたところ、クスクス笑いました。近所も国宝。
掌編が載ってるのもよかった。ひゅっとなるけど「あしたの風」が好き。
島本理生「波打ち際の蛍」を読んだときのことも思い出しました。こんな恋愛小説があるんだ、と。
個人的に辻村深月が苦手で、なぜ皆さんこうヒョイヒョイ読めるんだろう、ドMなのか…?と思う。わたしはいつ読んでもキツいけれど -
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ネタバレ第1話 1991年5月
渡辺孝代
一年二組の担任。
横山寧々
小学一年生。
柏木温之
ハル。小学一年生。
容子
ハルの母。
慎一
ハルの父。
浅野健太
小学一年生。
塚谷阿佐美
小学一年生。
大野遥名
中学一年生。ハル。勉強ができるのに隠して、眼鏡をかけてきれいな顔が目立たないようにしている。
大野聡
遥名の兄。AB型のRh(-)というめずらしい血液型。
香澄
遥名のクラスメイト。クラス委員。
洋司
遥名の父。
里桜
中学一年生。
第2話 1997年9月
温之
中学一年生。下の歯が抜けた。
花井
小学校の同級生。こけしみたいな女の子。
健太
遥名
大学一年生。聡 -
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表紙のイメージからてっきり「食べ物」「旅」のアンソロジーかと勘違い。実際は台湾や香港を感じられるアンソロジーでした。
特に好きだったのは、
「隣に座るという運命について」
幽霊疑惑のエイフクさんとのクスリとなるエピソードが好きでした。大学生が描かれており、懐かしい気持ちにもなりました。
「チャーチャンテン」
初読みの作家さん。何だか“縁”を思わせるストーリーも、作品に漂うごちゃごちゃしてるけど安心感のある雰囲気も、とても心地よくて好みでした。
「停止する春」
「あぁ、これは…」。心が痛むのに読まずにいられない。言葉が自分のなかに爪痕を残していくような妙にあとを引く感じ。島本さ