宮下奈都のレビュー一覧

  • 静かな雨

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    ネタバレ

    静かな雨と日をつなぐの2作品収録小説。
    どちらも明瞭な救われ方をして終わる物語ではなく、些細なことがきっかけで、視点が変化し物事の見え方が少し前向きになるという話。
    結局として、現状は変わっていないのだが、これからの未来をどう捉えるかに視点が移ることで、明るい結末を示唆させている感じが、綺麗事が簡単には起こらない自分たちが生きるリアルな現実に近く、自然と勇気づけられるような読後の爽やかさを感じた。

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    2026年04月04日
  • 誰かが足りない

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    お久しぶりの宮下奈都さん。どこにでも居る、また自分自身の中にもある登場人物が、”ハライ”を通して踏み出そうとする。宮下さん自身が、美味しい料理とともに一歩を踏み出したのだろうか。いくつになっても、踏み出したい時に立ち寄れる場所があるといいなと感じた。

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    2026年04月03日
  • はじめからその話をすればよかった

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    ほんわか面白かった。
    そっかぁ、とゆっくりと目から鱗が落ちたのは、”みんなより一日分よごれている”。
    筆者は本を読むことが大好きで、本を読むことを中断してお風呂に入ることが煩わしい。子どもが生まれてからもそれは変わらない。バタバタの毎日の中で、みんないつ本を読んでいるんだろう?お風呂に入らない私プラスこどもたち3人で、1週間で、1ヶ月で、のべ何時間分本を読めるだろう。

    「きれい好きなたくさんの人たちがお風呂に入っている時間に、私たちは楽しく本を読んだ。いいの、いいの、優先順位の問題だから。つねに一日分、私たちはみんなよりよごれていた。」

    そっかぁ、優先順位の問題だったんだ。確かに。
    楽しく

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    2026年04月02日
  • はじめからその話をすればよかった

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    宮下奈都さんのエッセイ集。
    ご子息やご主人の様子なども書かれており、微笑ましく読ませていただいた。
    3人ものお子さんを育てるのは大変なことも多かったと思うが、文章からはそんな様子はあまり感じられず、ほんわかとした気分になれた。

    また、どなたか漫画家も仰っていたが、
    作品を描くときは主人公が勝手に動くから結末が見えないのだとか。
    頭の中をみてみたい。

    ご自身と他の方の作品の書評も掲載されており、
    ぜひ読もうと思う。
    それにしてもどうしてこんなに感受性と表現が豊かなのだろうか…。
    すごい。

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    2026年04月02日
  • 羊と鋼の森

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    迷いながらも、一途な努力で美しい音を紡ぎ出す調律師のお話。
    理想の響きを求める姿が、形のない音=深い森を手探りで探し歩く姿に重なる。

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    2026年04月01日
  • 羊と鋼の森

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    とても久しぶりになってしまいました、、

    高校生の時に、偶然調律師の板鳥と出会いその音に魅せられ、自らも調律師となる。職場の個性的な先輩と共に少しずつ成長していく外村の物語。


    僕には才能がない。そう言ってしまうのは、いっそ楽だった。でも、調律師に必要なのは、才能じゃない。少なくとも、今の段階で必要なのは、才能じゃない。そう思うことで自分を励ましてきた。才能という言葉で紛らわせてはいけない。あきらめる口実に使うわけにはいかない。経験や、訓練や、努力や、知恵、機転、根気、そして情熱。才能が足りないなら、そういうもので置き換えよう。もしも、いつか、どうしても置き換えられないものがあると気づいたら

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    2026年03月28日
  • とりあえずウミガメのスープを仕込もう。

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    筆者の日常のエッセイ。
    思わずスープを作りたくなる。
    野菜を刻んで、長い時間コトコト煮込むスープを。
    丁寧に、丁寧に作ったスープ。
    優しい味のスープ。
    イラストも可愛らしくてすてきだった。

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    2026年03月27日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    ネタバレ

    どの短編もハズレはなく、おもしろかったです。「砂に埋もれたル・コルビュジエ」独身の女性が認知症の父の世話をする中で、かつての自分の夢を思い出していく。きっと彼女は父の夢でもあった建築への道を歩き出すのだろう。がんばろう。そう思いました。「時田風音の受難」賞金欲しさに応募した小説が賞をとってしまった風音は、次の作品を作るべく奮闘する。風音の素直な気持ちと、歪んだ考え方。生々しくも、ところどころ笑わせてきて、おもしろかったです。「校閲ガール」校閲の仕事をする主人公。本編も読んでみたいと思いました。

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    2026年03月23日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    最近アンソロジーを読むこと多いけど、私にはやはりもう少し踏み込んだ作品の方が面白さがわかるのかもと思った。
    どれもなんだろう、とくに刺さることもなく。

    唯一校閲ガールの主人公の毒舌が好きかな。

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    2026年03月22日
  • 終わらない歌 新装版

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    文庫の新装版、2015年作品。『よろこびの歌』の続編ですので、その順番でどうぞ。女子高生たちが一致団結して、クラス合唱コンクールで優勝した2年後の姿を描く。夢を追いかけて挑戦する姿に勇気をもらう。

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    2026年03月22日
  • 羊と鋼の森

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    ネタバレ

    偶然高校のピアノ調律に訪れた板鳥に魅了され、調律師となった外村は、自分に素質があるのか疑問に思っていた。先輩の柳の調律に同行する中で、双子の高校生姉妹に出会う。しばらくすると、妹の由仁が精神的な事情でピアノが弾けなくなり、姉の和音はピアニストを目指すことを決意したことで、外村はそのサポートをしたいと強く思うようになる。そんな中で、柳の結婚披露パーティーで和音が演奏することになり、外村はその調律を任されるーーー。

    特に劇的な展開があるわけではないが、主人公か就職後の悩みを抱えながら成長していく過程は、心温まるものがあった。外村は先輩にどんどん質問している姿が印象的で、学ぶべき姿だと感じた。些細

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    2026年03月21日
  • 太陽のパスタ、豆のスープ

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    婚約破棄されたことをきっかけに、本当に自分がやりたいことは何なのか見つめ直し自立していく主人公のあすわ。同僚の郁ちゃんやロッカさんがすごく気にかけてくれてて優しすぎる。じわじわ回復して新しい人生が始まっていく感じが良かった。

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    2026年03月17日
  • 神さまたちの遊ぶ庭

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    かわいいエッセイ。

    北海道の山村留学。自分で経験することがどれだけ価値のあることかを証明されてるようだった。トムラウシの美しい自然、羨ましい。
    どれだけ本を読んで擬似体験しても実際の経験には敵わないな、と思う。

    子ども達がかわいいし、子どもを通して見る社会はまた違うんだなと実感(母役割としての視点が増える)自分が子育てしたらまた感じることが違いそう。

    ・ワンサブ子の話、声出して笑った
    ・バド大会出場の話も良い、負けてトラウマになったら…と心配してたらその逆でやる気が出る次男、親だから先回りしてリスク回避したくなるけどそれ以上に子どもはしなやかでたくましいな、と。
    ・なっちゃんの足、頑張り

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    2026年03月09日
  • 神さまたちの遊ぶ庭

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    ネタバレ

    著者の宮下さんが、1年間という期限付きで北海道に移住した際の暮らしの中で、特に印象に残ったであろう出来事を短くまとめた短編エッセイ集。

    我々の日常の中でも起きるであろう、家族や学校、近所付き合いなどのあれこれが宮下さんの目線で綴られている。

    1年間の中で発生する様々な催し物、イベント、行事、ちょっとしたトラブルなど、思わず「ふふっ」となってしまうようにユニークに表現されている。

    非常に読みやすい。

    北海道の情景がありありと伝わってくる。

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    2026年03月07日
  • 太陽のパスタ、豆のスープ

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    結婚目前に突然別れを告げられた主人公明日羽の物語。ものすごく気落ちしている明日羽に対する周囲の人たちの温かさを感じました。自分のやりたいことってなんだろう? と考えるきっかけにもなり、しっかりと行動に移さなければ意味がないというような自身を見つめ直すことの大切さを教えられた。

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    2026年03月07日
  • 静かな雨

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    宮下さんの04年デビュー作と、もう一つの短編。確実に『羊と鋼の森』に繋がる静かで美しい世界。絵に描いたようには上手くいかず、不器用なりに着実に駒を進める男女の物語に、思い出しますし、共感もします。

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    2026年03月01日
  • 太陽のパスタ、豆のスープ

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    「些細な日常」だけど心が暖かくなる、そんな作品。
    作中に登場するキーアイテム「ル・クルーゼ」
    私は結婚祝いに頂き、スープやご飯を炊く時に重宝している。お鍋と一緒に「美味しいものを食べると幸せになります」というメッセージもいただき、その言葉も含め、自炊のモチベーションを上げてくれた。
    些細な一言やモノが日常に彩りを与えてくれることを改めて実感した。

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    2026年02月22日
  • 神さまたちの遊ぶ庭

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    思っていたほど自然環境のことは
    描かれていなかった。
    どちらかというとひととのつながりや
    お子さんたちの成長が軸のお話。

    冒頭で引っかかったのが
    賢い学校に通う子どもたちの従兄のことを
    「縛られてる」
    「懸命すぎて外れるのが怖いんだろう」と
    哀れんでいたこと。
    自分の選択の正当性のために
    これを書く必要あったんだろうか。

    私も一時期地方の片田舎に暮らしていて
    春の勢いとか植物を見る目とか
    見えなかったものが見えてくる感覚を思い出した。
    すばらしい体験だったけど都会に戻ったら
    もうすっかりその能力も解けてしまったなあ。

    布川愛子さんの装画がかわいかった!

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    2026年02月17日
  • 太陽のパスタ、豆のスープ

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    2026/01/16
    30歳くらいの時に読んでいたら、もっと共感したかも。
    ちょうどそのくらいの年って、仕事や結婚・人生について悩む時期なんじゃないかと思う。
    自分だけが取り残されている気がするし、自分には何もないような気がする。
    そんな時、この小説がそっと背中を押してくれるんじゃないかな。

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    2026年02月17日
  • 誰かが足りない

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    ネタバレ

    どの章も入り込みやすく読みやすくホームドラマを観ているような楽しさで、あっという間に読み終えました。
    ただ、ハライで過ごす6組の描写が欲しかったなぁ。

    最終章で、ハライに全員登場する場面が描かれるであろうと思い、各章の登場人物像や出来事を暗記するように読みました。
    私が思い描いたラストは…全員揃って来店する家族や、席で待合せして「久しぶり〜」などと言いながら席に着く友達同士など、“予約1”から“予約6”までの人物たちの“今”が描かれるであろうと期待しました。どんな会話をするのかな、どんなふうに関係が進んでるかなと…。
    そのための同日同時刻の予約かと。
    (予約6の主人公からの目線で、数組、描か

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    2026年02月10日