宮下奈都のレビュー一覧

  • 窓の向こうのガーシュウィン

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    雑音が混じって人の話が聞き取れなくなってしまう主人公。自分には何かが足りないと感じ、何かを上手くできないことも仕方ないと思っていた。小さく生まれて保育器に入れてもらえなかったから。
    高校を卒業して、ヘルパーとして先生、そして息子のあの人、あの人の息子の隼に出会い、ちょっとずつ変わっていく。衝動に突き動かされるように。
    自分の感情を言葉で定義づけるときの丁寧さが凄い。

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    2026年04月05日
  • 誰かが足りない

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    ネタバレ

    どこかの国の言葉で晴れを意味する「ハライ」というレストランに10月31日18:00に予約した人々の連作短編6作。
    みんな「誰かが足りない」という思いを心のどこかに抱えていて、全てのお料理がとても美味しいハライに何らかの思いを持っている。
    予約1-彼女が同級生と結婚してしまったコンビニで働く男性
    予約2-ご主人が亡くなって認知症の症状が出始めている女性
    予約3-係長になり、彼氏が同僚と結婚したクミちゃんとその幼なじみ(所謂不良)のヨッちゃん
    予約4-母が病気で亡くなったことをキッカケに引きこもりになった、ビデオカメラを手放せない男性と妹とその友人
    予約5-レストランでオムライスをひたすら料理する

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    2026年04月01日
  • 羊と鋼の森

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    ひょんなことからピアノ調律師に興味を抱いた男子高校生が、調律師の世界に飛び込んで成長していく。先輩や顧客とのさりげない会話がボディブローのよういに効いてくるし、ただ正確なだけではなく演奏者の好みに音を合わせる調律師の奥深さに感銘するしで、没頭できました。

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    2026年03月31日
  • 羊と鋼の森

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    嫌な感じが全くない読んでいて気持ちのいい小説だった。ずっと読んでられそう。
    そのぶん、薄味な感じはした。

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    2026年03月24日
  • 羊と鋼の森

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    「森」という比喩は、この物語の核になっている表現だと感じました。
    外村にとってピアノの音は、単なる音ではなく「森」のように広がりをもつ存在として描かれます。森は一見静かで均一に見えても、実際には無数の生命や気配が重なり合って成り立っています。同じようにピアノの音も、一音一音の奥に複雑な響きや感情が潜んでいて、それを感じ取ることが調律師の仕事なのだと伝わってきます。
    また、森は簡単には全体を見渡せない場所でもあります。外村が自分の技術や感性に迷いながら進んでいく姿は、まるで森の中を手探りで歩いているようでもありました。どこが正しい道か分からなくても、音に対する感覚を頼りに進んでいく。その過程自体

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    2026年03月21日
  • 羊と鋼の森

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    この人の文章は人を静謐の世界に連れていく。静謐といっても音のない世界ではない。なにか美しいと感じさせる音が、一音だけ存在するような世界。
    凛としてるけど張り詰めているわけではなく、穏やかではあるのだけれど、背筋を伸ばさずにはいられないような世界。

    そんな世界で、至福の時を過ごした。

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    2026年03月19日
  • とりあえずウミガメのスープを仕込もう。

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    宮下さんが大好きと仰るお料理を作りたくなるような一冊!
    レシピ本って買っても結局使わずに…ということが多いのだけれど、感謝していると書かれている方のレシピ買ってみようかな。
    以前別の作家さんのエッセイを呼んだ時も思ったのだが、本当に日常の些細な出来事の切り取り方と表現が素敵すぎる。

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    2026年03月19日
  • 羊と鋼の森

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    調律師
    森は近道はないということ
    素直で良い主人公
    最初は才能系かと思うのに違った
    先輩に質問してとても良い答えが返ってくる
    いい言葉がたくさんあって伏線(ぽい)ものも回収。さすが

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    2026年03月18日
  • 静かな雨

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    ネタバレ

    宮下奈都さんの言葉の並びがとても好きです。匂い、音、手触りが、ありありと感じ取れるようでした。
    ふたつのお話とも、暖かいはずなのに、ずっと寂しい。
    修ちゃんはの話って、なんだろう。良い話では無いかもしれないと思わずにはいられない。
    でもどちらの男女も、互いを傷つけることは一切していないから、どうか優しい結末出会って欲しいと思う。

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    2026年03月16日
  • 羊と鋼の森

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    ネタバレ

    内向的な青年、外村が調律師として成長していく物語。
    調律会社の先輩の柳さんが指導者として素晴らしい。
    「外村は特別な何かに恵まれているわけじゃない」「つまり、外村の実力だよ」
    持って生まれた才能がなくても、周囲の人間に恵まれているのは主人公の実力だと評価してくれる。
    ピアノが好きという気持ち、調律の名士板鳥さんとの出会い、些細なことが外村を調律師としての人生に向かわせていく。
    純真な外村が色々な人々と関わりながら、
    その人たちを少しずつ前向きにしていく。
    読み終えた後に自分も頑張ろう、という気持ちにさせてくれる本。

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    2026年03月14日
  • 羊と鋼の森

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    仕事をテーマにした小説を読むのはこれが初めてで、調律師というこれまであまり意識したことのなかった職業の世界を知ることができたのが印象的だった。普段は表に出ることのない仕事だが、一つ一つの音に向き合いながら楽器の状態を整えていく姿には、静かな職人の世界があるのだと感じた。

    自分は音楽にそれほど詳しいわけではないので、登場人物たちの感覚に完全に感情移入するのは少し難しい部分もあった。ただ、それでも文章から伝わるピアノの音や空気感を想像しながら読むのは面白く、音の違いを言葉で表現する繊細さに惹かれた。普段意識しない「音」を想像する読書体験だった。

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    2026年03月13日
  • はじめからその話をすればよかった

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    宮下さんの初期のエッセイや掌編、書評などをまとめたもの。
    2013年に出された単行本を文庫化したものだが、あしたの風という短編は、まさに今の日本のことみたいだと思った。
    書評を読んで、山本幸久を読んでみたくなった。

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    2026年03月06日
  • 太陽のパスタ、豆のスープ

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    自分の気持ちに正直に生きたい人にはおすすめ。

    婚約者に破談にされた主人公がやりたいことリストを作成して再生していく物語。

    私が選んだもの、選べなかったもの全部全部ふくめて、私なんだ。誰かに流された訳でもない、自分で選択した人生を生きていきたいと心から思えた。

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    2026年03月01日
  • いつか、アジアの街角で

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    台湾が大好きで、表紙があまりにも可愛くてに取りました。

    サラッと読める文章で隙間時間に楽しむのにちょうど良い一冊です。

    台湾に行かなくても、日本に住む日常の中に台湾を感じることができます。

    香港や台湾は、ずっとそのままでいてほしいな。

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    2026年03月01日
  • いつか、アジアの街角で

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    ネタバレ

    短編のオムニバス。個人的には、中島京子さんの筆致や「よしんば」の発想はさすが卓越してるなぁとか、やはり桜庭一樹は苦手なんだよだなぁとか、比較しながら楽しく読んだ。
    大島真寿美さんの作品は初めて読んだけど、「香港加油」のポストイットのくだりがたいへん良かった。他の作品も読んでみようと思ってググってみたり。こういう出会いがオムニバスの醍醐味だな、と思う。
    ちなみにアジアといっても、台湾や香港が舞台で、もっと東南アジアやインドなど、異文化感の強い舞台の作品も読みたかった。

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    2026年02月16日
  • スコーレNo.4

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    1人の女性が思春期を経て大人になり人生を受け入れていくまでの心の揺れがリアルで良い。家族、きょうだい、恋愛、仕事、、、まぁ色々あるけれど、読み終わった頃には少し心が前向きになっている。

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    2026年02月14日
  • 誰かが足りない

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    分かりやすい、優しい物語だった。うっすらとした寂しさが絵になったような日々の中に、訪れた「ハライ」というレストランでの幸せな時間が、しみじみとしみる。
    読む本の中にはむずかしい漢字ばかりの時がある。鋭く心の中をかき回してあとはわずかに理解の外にあるような疑問符を残す。考え続けて著者の深遠な思いに気が付いたり、迷路に迷い込んだりする。
    そんな何かを求める読書もたまにはいい。生きている実感がある。それでもこうした暖かい日々を優しい言葉でつづってくれる小説に、癒されたいときもある。

    文字好きが選ぶ文章は、生きていく指針だったり喜びだったりするが、生活の中で、そんな文字好きだけでなく、いろいろな手段

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    2026年02月10日
  • 神さまたちの遊ぶ庭

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    宮下奈都さんのエッセイの本。
    福井から北海道の田舎へと
    1年間の山村留学した期間をつづった
    エッセイの本。

    読んでてとても心があったかくなった。
    家族の何気ない日常と、
    その土地の神々しいほどの自然が溢れるさま。

    そこでの人との関わり。

    こんな1年が人生の中で持てるって言うのは
    とても幸福なんだろうなぁと
    読んでいて思った。

    子どもたちのまっすぐさ。
    そして、自然の怖さと温かさ。

    山村留学という
    ある意味特殊な体験なのかもしれないけれど
    それでも、
    何気ない日常に宝物はあるんだと
    気づかせてくれる
    とてもとても良き本だった^_^
     
     
    最後胸が熱くなったなぁ
    悲しさと、寂しさと

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    2026年02月09日
  • 神さまたちの遊ぶ庭

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    ここまでの田舎暮らしには憧れもあるけれど、楽しそうな感じで読み進められたけれど、やっぱり実際に住んだ時の危険だったり大変さを想像してしまって…私はこうやってエッセイを読むので充分だなって思います。お子さんたちのいきいきした様子がとても可愛いです。

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    2026年01月20日
  • はじめからその話をすればよかった

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    宮下奈都さんのエッセイ集。宮下さんの過去や日常に留まらず、自作の執筆エピソードや他の作品の解説、掌編など、エッセイの自由さを感じました。特に前半部分の宮下さんの日常や感じたことを題材にした文章が好きで、旦那さんとの馴れ初め?や子どもたちのことについて書かれていたのが微笑ましかったです。

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    2026年01月11日