宮下奈都のレビュー一覧
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ネタバレどこかの国の言葉で晴れを意味する「ハライ」というレストランに10月31日18:00に予約した人々の連作短編6作。
みんな「誰かが足りない」という思いを心のどこかに抱えていて、全てのお料理がとても美味しいハライに何らかの思いを持っている。
予約1-彼女が同級生と結婚してしまったコンビニで働く男性
予約2-ご主人が亡くなって認知症の症状が出始めている女性
予約3-係長になり、彼氏が同僚と結婚したクミちゃんとその幼なじみ(所謂不良)のヨッちゃん
予約4-母が病気で亡くなったことをキッカケに引きこもりになった、ビデオカメラを手放せない男性と妹とその友人
予約5-レストランでオムライスをひたすら料理する -
Posted by ブクログ
「森」という比喩は、この物語の核になっている表現だと感じました。
外村にとってピアノの音は、単なる音ではなく「森」のように広がりをもつ存在として描かれます。森は一見静かで均一に見えても、実際には無数の生命や気配が重なり合って成り立っています。同じようにピアノの音も、一音一音の奥に複雑な響きや感情が潜んでいて、それを感じ取ることが調律師の仕事なのだと伝わってきます。
また、森は簡単には全体を見渡せない場所でもあります。外村が自分の技術や感性に迷いながら進んでいく姿は、まるで森の中を手探りで歩いているようでもありました。どこが正しい道か分からなくても、音に対する感覚を頼りに進んでいく。その過程自体 -
Posted by ブクログ
仕事をテーマにした小説を読むのはこれが初めてで、調律師というこれまであまり意識したことのなかった職業の世界を知ることができたのが印象的だった。普段は表に出ることのない仕事だが、一つ一つの音に向き合いながら楽器の状態を整えていく姿には、静かな職人の世界があるのだと感じた。
自分は音楽にそれほど詳しいわけではないので、登場人物たちの感覚に完全に感情移入するのは少し難しい部分もあった。ただ、それでも文章から伝わるピアノの音や空気感を想像しながら読むのは面白く、音の違いを言葉で表現する繊細さに惹かれた。普段意識しない「音」を想像する読書体験だった。 -
Posted by ブクログ
分かりやすい、優しい物語だった。うっすらとした寂しさが絵になったような日々の中に、訪れた「ハライ」というレストランでの幸せな時間が、しみじみとしみる。
読む本の中にはむずかしい漢字ばかりの時がある。鋭く心の中をかき回してあとはわずかに理解の外にあるような疑問符を残す。考え続けて著者の深遠な思いに気が付いたり、迷路に迷い込んだりする。
そんな何かを求める読書もたまにはいい。生きている実感がある。それでもこうした暖かい日々を優しい言葉でつづってくれる小説に、癒されたいときもある。
文字好きが選ぶ文章は、生きていく指針だったり喜びだったりするが、生活の中で、そんな文字好きだけでなく、いろいろな手段 -
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宮下奈都さんのエッセイの本。
福井から北海道の田舎へと
1年間の山村留学した期間をつづった
エッセイの本。
読んでてとても心があったかくなった。
家族の何気ない日常と、
その土地の神々しいほどの自然が溢れるさま。
そこでの人との関わり。
こんな1年が人生の中で持てるって言うのは
とても幸福なんだろうなぁと
読んでいて思った。
子どもたちのまっすぐさ。
そして、自然の怖さと温かさ。
山村留学という
ある意味特殊な体験なのかもしれないけれど
それでも、
何気ない日常に宝物はあるんだと
気づかせてくれる
とてもとても良き本だった^_^
最後胸が熱くなったなぁ
悲しさと、寂しさと
で