宮下奈都のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
調律師か…そう言えばうちの家にも何回か来てるのを見たことがあったな。
俺は弾かなかったけど、妹が弾いていた。
調律師が音を整えていると言うのは誰かに教えてもらったから知っていたと思う。
調律師が来ていたのはいつも学校から帰ってくる少し前にだったと記憶している。季節は春。
子供だった俺は、調律師が何回か音をトーントーンと弾いているのを聴いても、何か変わっているの?と思っていたけど、きっと変わっていたのだろう。
でも、そんな何も分からない俺でも調律師の出す音は何故か綺麗だなと思った。
曲ではなく、ただ音を鳴らしていただけだったけど、学校の先生が授業で弾くピアノよりも、妹が弾くピアノよりも綺麗に -
Posted by ブクログ
2023.4.15
★3.7
結婚を控えていた理沙は、婚約者に突然別れを告げられ、人生の大きな転機を迎える。将来の計画が崩れ、心にぽっかり穴があいたまま、日々を過ごすことになるり
そんな彼女が始めたのは、「やりたいことリスト」を作ること。小さなことから一つずつ実現していく中で、新しい出会いや経験を重ね、少しずつ自分らしさを取り戻していく物語。
婚約を解消されるってどんな気持ちなんだろ。自分もどん底に落ちるのだろうか。全然想像できない。そんなに人を好きになれるって羨ましいとさえ思う。
婚約解消されたことも仕事もしたことないけど、家族とごはんを食べながら他愛もない会話をずっとしていたいなと思う -
Posted by ブクログ
ネタバレどこかの国の言葉で晴れを意味する「ハライ」というレストランに10月31日18:00に予約した人々の連作短編6作。
みんな「誰かが足りない」という思いを心のどこかに抱えていて、全てのお料理がとても美味しいハライに何らかの思いを持っている。
予約1-彼女が同級生と結婚してしまったコンビニで働く男性
予約2-ご主人が亡くなって認知症の症状が出始めている女性
予約3-係長になり、彼氏が同僚と結婚したクミちゃんとその幼なじみ(所謂不良)のヨッちゃん
予約4-母が病気で亡くなったことをキッカケに引きこもりになった、ビデオカメラを手放せない男性と妹とその友人
予約5-レストランでオムライスをひたすら料理する -
Posted by ブクログ
分かりやすい、優しい物語だった。うっすらとした寂しさが絵になったような日々の中に、訪れた「ハライ」というレストランでの幸せな時間が、しみじみとしみる。
読む本の中にはむずかしい漢字ばかりの時がある。鋭く心の中をかき回してあとはわずかに理解の外にあるような疑問符を残す。考え続けて著者の深遠な思いに気が付いたり、迷路に迷い込んだりする。
そんな何かを求める読書もたまにはいい。生きている実感がある。それでもこうした暖かい日々を優しい言葉でつづってくれる小説に、癒されたいときもある。
文字好きが選ぶ文章は、生きていく指針だったり喜びだったりするが、生活の中で、そんな文字好きだけでなく、いろいろな手段 -
Posted by ブクログ
宮下奈都さんのエッセイの本。
福井から北海道の田舎へと
1年間の山村留学した期間をつづった
エッセイの本。
読んでてとても心があったかくなった。
家族の何気ない日常と、
その土地の神々しいほどの自然が溢れるさま。
そこでの人との関わり。
こんな1年が人生の中で持てるって言うのは
とても幸福なんだろうなぁと
読んでいて思った。
子どもたちのまっすぐさ。
そして、自然の怖さと温かさ。
山村留学という
ある意味特殊な体験なのかもしれないけれど
それでも、
何気ない日常に宝物はあるんだと
気づかせてくれる
とてもとても良き本だった^_^
最後胸が熱くなったなぁ
悲しさと、寂しさと
で -
Posted by ブクログ
ネタバレロッカさんのつくる太陽のパスタがなんとなく好きだ。ロッカさんみたいな飄々としたお姉さんが料理下手だなんて信じられない。ああいう人は料理が上手いもんだと思っていた。ただそういうところがロッカさんのかわいいところでもある。
あすわを傷心から立ち直らせた人であり、あすわのメンターみたいな立ち位置のロッカさんは、きっと完璧超人なんだろうなと思っていたから。
ロッカさんがあすわのラタトゥイユを食べた後、
「この太陽風スパゲティのいい引き立て役になってるよ」ってセリフを言った時、ああ、不味くてもいいんだって思った。不味くてもいい、頑張って上手くならなくても主役になれる。
太陽のパスタはロッカさんであり、こ -
Posted by ブクログ
会社が潰れた日、パチンコ屋の裏の駐車場で、やたらと美味しいたいやき屋を見つけた行助。そこは、こよみさんという、まっすぐな目をした可愛い女の子が一人で経営するたいやき屋だった。行助は新たに大学の研究室の助手の働き口を見つけ、そのたいやき屋に通ううちにこよみさんと親しくなり、デートを繰り返すようになる。
だがある朝、こよみさんは交通事故の巻き添えで、意識不明になってしまう。家族のいないこよみさんのために、行助は毎日病院に通う。三月と三日経った日、奇跡的に意識を取り戻したこよみさんだが、事故の後遺症の高次脳機能障害で、短期間しか新しい記憶を留めておけないようになっていた。
二人は一緒に住むように