宮下奈都のレビュー一覧

  • 静かな雨
    2編が収められている。
    文学的な作品。
    「静かな雨」
    記憶が思い出せない彼女との日々に、悲壮感はない。ただ、日常の些細なことの積み重ねができない半紙のようなさみしさが積み重なって行く。忘れてしまう自分を突きつけられたときの悲しみが美しく表現されてある。静かな雨は、静かな涙だ。

    「日をつなぐ」
    縁故...続きを読む
  • スコーレNo.4
    卓越した描写力。豊かな表現力。
    無駄なものが一つもない、実りに満ちた文章。

    一つ一つの表現が瑞々しく、的を得ているので、深い共感を得られる。

    中学生から30代までの、全ての女性へ。
  • つぼみ
    生きてきて 心の片隅に引っかかってたことが
    片っ端から書いてあるような本です。
    晴れた日に生まれた子供は なんか行く末が気になりますね。この彦君が なんとか生きていけますように!お姉ちゃんのコーちゃんも 家族にばかり縛られていないで なにかみつかるといいですね。
    なつかしい人 は 主人公の僕は 本屋...続きを読む
  • 羊と鋼の森
    外村くん、感性が豊かすぎて素晴らしい。できるできない、合う合わない関係なく彼にとって調律師は天職だと思った。不器用で地味?かもしれないけど、外村くんのように先輩から応援してもらえる人間になりたい。欲深くなく、仕事に対して一生懸命努力できるのは凄いことだと思った。また、解説を読むとより理解が深まった。...続きを読む
  • 神さまたちの遊ぶ庭
    いやー、面白かった。
    人生観を考えさせられる。
    現代の当たり前とは真逆の環境に自分も身を置いてみたい。
  • 羊と鋼の森
    「安心してよかったのだ。
    僕には何もなくても、美しいものも、音楽も、
    もともと世界に溶けている。」
    何て素敵な表現なのか。何度も繰り返した。
    世界には美しいものがたくさんあって。
    美しいと思えるものが人それぞれ
    "そこ"に存在していて。
    それがあるから生きていけるもの。
    それがないと生きていけないも...続きを読む
  • ふたつのしるし

    偶然か必然か

    ふたつの物語が丁寧に紡がれていた。
    時に傷つきながらも、自分の人生に向き合っていた2人。よかったね、と声をかけたくなるストーリー。
  • 太陽のパスタ、豆のスープ
    気持ちがころころかわったり、道が開けたと思ったら閉じたりと一進一退、でも少しずつが良くなっていくのがリアルだった。周りの人もいい感じで楽しく読めた。いい鍋を買いたくなった
    (追記)読み終わってからしばらく経ってもなんとなく自分の中にずっと残ってる本
  • 羊と鋼の森
    文字、言葉が綺麗で比喩が多いのに読みやすい。パッと取った本だったけど本当に読んで良かったと思う。ピアノをしていた時期もあったけど調律師の事を考えた事はなかったから勉強にもなったし人間の悩める部分もリアルでとても良かった。
  • 羊と鋼の森
    音などの表現、文章がとてもきれいで読んでいて感動した。表題もよいと思った
    盛り上がりのようなものはあまりなかった(と感じた)にもかかわらず、最後まで面白く読めた
    調律師の詳しい仕事内容はこの本で初めて知ったが、音楽のような正解がない?1つでない?ようなことを突き詰めていくことの大変さがよく分かった、...続きを読む
  • 田舎の紳士服店のモデルの妻
    2024年25冊目
    宮下奈都さん/田舎の紳士服店のモデルの妻
    容姿端麗な夫と2人の子どもと暮らす、主人公の梨々子。しかし夫がうつ病になり、故郷の田舎へ引っ越すことに。
    慣れない土地での暮らしや子どもたちの問題と向き合いながら、進化していく梨々子がカッコいい
  • よろこびの歌
    主人公は、高校受験に失敗して不本意ながら滑り止めの高校に入学。積極的に友人を作らず、学校生活に馴染めない日々が続く中、合唱コンクールの指揮者に選ばれてしまう。当然、合唱コンクールは消化不良に終わるのだが、その先に待っている展開は感動的。主人公を含め、クラスメート1人1人の成長が描かれ、立場・家庭環境...続きを読む
  • 羊と鋼の森
    主人公外村の仕事成長物語。素直に仕事と向き合える真摯な性格。貪欲にどんな状況も自分の糧にしてしまう。自分では気づかない、でも周囲の人々の温かい見守りによって彼はどんどんと成長していく。調律という世界を透明感のある言葉をキラキラさせながら紡いでいく文章に、心が洗われていくようだった。こんなに清々しい小...続きを読む
  • 羊と鋼の森
    ほぼ休憩なしで読み切ったと思う。あまりにも素晴らしくて言葉にならない。

    私はよくオーケストラやコンサートに足を運ぶクラシック好きだ。(調律師と似ているなんておこがましくて言えたもんじゃないが、)一方で、自分も外村君と同じく、楽器は弾けない。つまり私がこの本に感動したのは、楽器は弾かないのに楽器弾き...続きを読む
  • 神さまたちの遊ぶ庭
    どこから読んでも楽しい。
    宮下家の日常と、子どもたちの成長を一緒に見守れるエッセイ。

    トムラウシという土地を知ることができて良かった。
  • 羊と鋼の森
    静かに深く読み続けられる名作だと思います。

    読む前は「蜜蜂と遠雷」のようなドラマか、「さよならドビュッシー」のようなエンタメか、みたいな想像をしてたのですが、そのどちらでもなかったです。

    精緻で静謐にはじまり、語られ、そして終わる。

    漫画でいうと「蟲師」「ヨコハマ買い出し紀行」そしてフリーレン...続きを読む
  • とりあえずウミガメのスープを仕込もう。
    初めての宮下奈都さん
    食べることと生活をテーマに優しく暖かい文章でいっぱいな一冊
    小松菜を食べていれば大丈夫とかひな祭りの特別な献立とか共感する部分が多くて、でも宮下さんの自然体な丁寧さや北海道での一年に憧れる
    大きな鍋私も欲しいなあ
  • 羊と鋼の森
    僕には才能がない。そう言ってしまうのは、いっそ楽だった。でも、調律師に必要なのは、才能じゃない。少なくとも、今の段階で必要なのは、才能じゃない。そう思うことで自分を励ましてきた。才能という言葉で紛らわせてはいけない。あきらめる口実に使うわけにはいかない。経験や、訓練や、努力や、知恵、機転、根気、そし...続きを読む
  • 羊と鋼の森
     音楽小説が好きで、そこからおすすめされて読み始めました。
     無駄のない、あけぼののような小説で、なだらかな丘を登っている気持ちで読んでいました。出てくる登場人物全員がそれぞれ真摯に向き合っていて、もっと続きが読みたくなります。
  • 羊と鋼の森
    紡がれる言葉が美しくて、きらきらとしていて、言葉がすとんと心に落ちる本だった。
    調律師を目指す男の子の話で、泣かせにかかっているような文章ではないのに、書かれた文章が綺麗で眩しくて、涙が出そうなほど感動した。
    今まで読んだ中で一番心を満たした本でした。