宮下奈都のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
単行本刊行後すぐ、ということは約10年前にも読んだ一冊。『神さまたちの遊ぶ庭』を読み、トムラウシの山の中で本作が書かれたと知って再読。
あらすじはほとんど忘れていた。ただ、胸の中をそっと撫でられたような優しい手触りの読後感を覚えていた。今回再読して、その理由がわかったような気がする。劇的な出来事は起こらない。主人公に特殊能力があるわけでもない。わかりやすいハッピーエンドもない。それでも物語の素晴らしさは、しとしと降る雨のように私たちの胸を濡らしていく。
いい物語ってこういうものだよな、と改めて思う。10年経っても読み終わったあとの感覚が残っているもの。記憶よりも心に残る作品。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公・あすわ(27歳ぐらい)は、考えていることは悲観的だけど、語りは明るい。軽妙。
周りの人に支えられて婚約破棄になったところから立ち直ろうとしている。
京は、男性の体で生まれて来たけど、心は女性。幼稚園のときからの幼馴染。
p73 「ドリフターズ・リスト。波間に漂う人間が流木に縋るように、それを支えに生きていくためのリストだ。つまり私はこのリストの項目に支えられて、ぷかぷか流れを漂っているということだ。髪だとか洋服だとか鍋だとかお神輿だとか、なんだかちっぽけなものに支えられているんだなあと思う。」
ロッカさんの自由でユニークな性格がおもしろい p71「あたりまえじゃない、百台あれば百通 -
Posted by ブクログ
オモシロさと清々しさの塩梅がちょうどよい。
くすっと笑えるエピソードもあれば、ずんと胸打つ言葉もあり。作家さんのエッセイってどちらかに偏りがちだけど、宮下さんの文章はそのどちらもあり、心地よい。
宮下さんも旦那様も、適応力がすさまじい。ヘビやヌカカとの邂逅、元診療所での生活、村人全員知り合いで文化祭参加、などなど、万人ができることじゃない。お子さん3人も皆チャーミングで、「この親にしてこの子あり」の言葉をここまで体現している親子もなかなかいない。
そして『羊と鋼の森』、大好きだったけどトムラウシ在住中に書かれていたのか! 森の空気を想像しながら、もう一度読み返してみよう。