宮下奈都のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
調律師の青年が「美しさ」というかたちのないものを求めて、森の中を彷徨うように進んでいく物語。
調律について題材にしているけれど、美しいとは何か、それは自分にとってか、絶対か、そういう悩みを綺麗な言葉で形にしているという意味では、芸術と呼ばれるものに関わる人全てに刺さる物語だと思う。
「美しいと言葉に置き換えることで、いつでも取り出すことができるようになる」
「依頼主の想定できる範囲内での仕事しかできなかったら、きっとつらいだろう。依頼主の頭の中のイメージを具現化する、その先に調律師の真髄があるんじゃないか」
「調律の技術を言葉に換える作業は、流れて行ってしまう音楽をつなぎ止めておくことだ -
Posted by ブクログ
おもしろすぎて途中何度も声を出して笑う。
こんな面白い人なんだ宮下奈都さん。
他の本もどんどん読んでみたい。
次男くんの書上での呼称が「漆黒の翼」→「英国紳士」→「ボギー」というのだけで笑う。
北海道トムラウシでの特別な生活。
地域の連帯や子供達の絆。
読んでいるこちらも何度も涙がポロリとしたり、ぶ!と笑ったり泣きながら笑ったり。楽しく忙しい。
おもしろくて素敵なご一家、またご一家の様子をちらりと見せてもらえるのを楽しみにしています。
「毎日をしっかり生きて楽しめばいいんじゃないか。あれだけ楽しんだのだから置いていかれても本望、と思えるくらいに楽しめばいいんじゃないか。」 -
Posted by ブクログ
とても好きな内容でした。
主人公のあすわが婚約者に婚約破棄されたところから始まる物語。
自分を見つめ直す(直さざるおえない)時間を、叔母のロッカさんが提案したのはドリフターズ(やりたいこと)・リスト。
正直ドリフターズって、お笑いのほうしか知らないわたしは、リストと一緒に素直に成長していくあすわの姿にどんどんハマっていった。
やりたいことがわからない最初の状態から、婚約者に依存していたことに気付き、傷付いた反動でキレイになる!と意気込み、思うままに動いていたら、熱中症で入院までしてしまう。
ハラハラするけど、若い頃なんて誰でも思い当たる行動をしているあすわ。
根っこの部分が純粋でキラキラし -
Posted by ブクログ
ネタバレ正直、もともと興味のない分野だったから楽しめるか不安もあったけれど、読み終えてみると穏やかな満足感があった。
主人公がいわゆる「主人公らしさ」を前面に出すタイプではなく、物語の中に自然に溶け込んでいるからこの本が美しく見えたのだと思う。
最後に外村くんのことを板鳥さんが推していたと分かる展開も印象的。
自然が当たり前になってきたから物質的な世の中になった今、逆に自然を求める観光客が増えてきたように自然は当たり前にあるけれど、私たちにとってはなくてはならないものであるということをまさかピアノを通して教わるとは思わなかった。脱帽。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ食べ物のエッセイ。
このエッセイを読んで
「泣いてる奴いる? いねぇよなぁ!!?」
─── すみません。私、泣きました。
ちょうど、去年の3月から子どもが一人暮らしを始めました。
やれやれ、子育ても一段落か〜と、嬉しく思っていたのですが、、、
食材を1人分少なく用意する。少なく作る。
こんな簡単なことが、なかなか出来ない。
大皿の料理は作りすぎてしまう。
おやつも、なんだか買いすぎてしまう。
こんなにも「家族の人数分」が体に染み付いていたのかとびっくりしたことを思い出しました。
流石に今は普通に出来ますが
「塩鮭の注文」を読んで
あの時の気持ちがブワッと戻