宮下奈都のレビュー一覧

  • とりあえずウミガメのスープを仕込もう。

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    宮下奈都さんのエッセイ、すごく読みやすくて読みごたえがあって大好きだなあ。
    神さまたちの遊ぶ庭に続いて、こちらを読みました。
    食事ひとつにしてもそこに含まれる物語が優しくて、だけどスパイスで切なさと笑いがあって、宮下さんのあたたかさが伺える日常がとっても素敵。
    食べ物は自分の体だけではなく、そこに附随するエピソードから過去や未来にも大きな影響を与えていて、私ももう少しゆっくりと食事の時間に向き合いたいなあと思いました。

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    2023年04月23日
  • 静かな雨

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    『スコーレNo.4』を読んだときにも感じた、この作家への闇雲な信頼感は、デビュー作とされる本作を読んで確信に変わった。
    言葉のセンスも、それが表す情景も、ささやかだけれども抗しがたい無慈悲な現実を内包した世界観も、ただただ美しく儚く、僕を魅了せずにはいられない。
    出会えて良かったと、心から感じます。
    次の作品も楽しみです。

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    2023年04月10日
  • 終わらない歌

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    あなたは、『あきらめ』の感情を知った瞬間を覚えているでしょうか?

    人は無限の可能性をもってこの世に生まれてきます。しかし一方で、オギャーと泣いて産まれたあの日から、一日一日が経つにつれ、そんな可能性はどんどん狭まっていきます。遺伝が大きな役割を果たす事ごともこの世にはたくさんあります。また、生まれた環境にも人は大きく左右もされるでしょう。必ずしもやる気ばかりじゃどうにもならない、それが人生とも言えます。そんな人生の中で人はやがて『あきらめ』の感情を知ります。

    そして、人はそんな『あきらめ』の感情をさまざまな場面を重ねる中で感じとっていきます。例えば、『歌が好き』で、その道を極めたいと思う人

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    2022年10月12日
  • 誰かが足りない

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    さまざまな問題を抱えている人の心情を、丁寧に掬い取るように描かれている短編集。その問題を「誰かが足りない」という感覚にまとめ、作品としての統一感を出している。決して問題が解決するわけではないのだけど、それに対する救いのようなものとして登場するレストラン「ハライ」。そのレストランに行って、人は何が変わるのだろう。そこで過ごした時間を糧に、そこから先の人生を過ごしていくのだろうか。もしそんなレストランがあったら、何ヶ月先でも予約して行ってみたい。そしてそこで思うのだろう。「誰かが足りない」、と。

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    2022年08月14日
  • とりあえずウミガメのスープを仕込もう。

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    食にまつわるエッセイ。最後だけ、書き下ろしの小説で、最初それに気がつかなかった。それでも面白かった。

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    2022年07月04日
  • 緑の庭で寝ころんで 完全版

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    北海道から帰ってきて、の暮らしの続きを読みたくて購入。お子さん3人のことが大好きになりました。くすっと笑えて最高です。

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    2022年06月25日
  • とりあえずウミガメのスープを仕込もう。

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    一編が短めなので、最初は少し物足りない気がして、最初の数編のあと1週間ほど空けてからもう一度、読み始めてすっかり宮下ワールドにどっぷりとなりました。出てくる食べ物の思い出を一緒に著者と会話してる気分になって、残り5分の4を一気読みして、おまけに代表作の「羊と鋼の森」を注文することに……しばらく宮下さんの作品を楽しみたいと思う2022年春でした。

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    2022年04月10日
  • たった、それだけ

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    ネタバレ

    本を選んだ動機が不純で、読み終えて自分が嫌になったし、却って吹っ切れた部分もあった。
    やっぱり宮下奈都さんの書く文章は美しくて胸を打つ。大好きだ。

    「相手の幸せ」ってなんだろうね。
    夫婦や愛人や友達恋人。
    それを一番に考えられて、行動できるって、わたしにはできない。
    この物語に出てくる人たちは、みんなそれぞれ一生懸命で、相手のことを考えていて、きっといつか救われてほしいと読んでいて思わされる。

    いつか、あの家族は出会えるんだろうか?
    幸せになれるんだろうか??
    終わり方が秀逸。

    だけど、そんな人でも不倫するんだな…
    誠実そうな、結局家族が一番なひとでも…。
    どうしてそうなってしまったんだ

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    2022年01月30日
  • 太陽のパスタ、豆のスープ

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    あすわがいかにもヒロイン!!というような、仰々しく波乱万丈の日々を送っていないところがいい。
    自分にとって一切れのパンになるドリフターズリストを作りたいと思った。

    物語を読み終わったあとの解説がいい。
    そしてブックカバーを外してから表紙を見て思い出すタイトルもいい。
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    結婚式直前に突然婚約を解消されてしまった明日羽。失意のどん底にいる彼女に、叔母のロッカさんが提案したのは“ドリフターズ(やりたいこと)・リスト”の作成だった。自分はこれまで悔いなく過ごしてきたか。相手の意見やその場の空気に流されていなかっただろうか。自分の心を見つめ直すことで明日羽は少しず

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    2025年04月14日
  • ふたつのしるし

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    ハルというおんなじ呼び名を持つ2人の物語。

    2人の不器用さや真面目さに共感したり、切ない気持ちになったりした。どこか儚くて、狂気的な2人の行先を少しハラハラしながら読んだ。しかし最後には温かい気持ちが残った。

    学生生活では埃の様な扱いをされてきた温之が、社会人となってからは仕事熱心な点を認められ、自分の居場所を見つけたところが心に残った。
    学生生活を送っていて、どこか自分の居場所がないと感じる人にぜひ読んでほしい。

    ★自分の考え
    社会人になり就職すると、仕事をひとつの軸として人が関わり合う。それに比べて小、中学校は、地域の人の集まりなだけであって、共通の軸を持たない。なので、社会人にな

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    2022年01月13日
  • たった、それだけ

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    逃げる弱さと逃げる強さ。その先にあるものとは...。前半3編は重く苦しいが、4編目以降は一歩を踏み出す勇気をもらえる。秀逸なプロットと最終話での心温まる展開にふっと落ちてくる安堵感...。いいね! すごくいいですよ!

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    2021年12月19日
  • 終わらない歌

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    宮下さんの魔法にかかる事のできる作品。よろこびの歌からの繋がり、まるで歌のように伸び上がる素晴らしい続編でした。
    いろいろなところでマグマを感じました。

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    2021年10月14日
  • 終わらない歌

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    宮下さんとブルーハーツが繋がったとこにビックリ!!

    ーあれがなければ、これがあったらと悔やむのではなく、そのままの状況を踏切り板にして、できるだけしなやかに跳ぶー
    ー私もそうでありたいー

    「よろこびの歌」の三年後。それぞれの成長途中がキラキラじとじとと、でも爽やかに綴られておもしろい。読み終わった後は、何とも言えない幸福感でふぁふぁできました。

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    2021年09月09日
  • つぼみ

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    6つの短編からなる。NHKラジオの「ラジオ文芸館」でも扱われた「なつかしいひと」が、一番のおすすめ。

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    2021年07月22日
  • はじめからその話をすればよかった

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    宮下奈都の文章を読むと、どろどろしていた心にすっと風が吹くような感じがする。

    理由はわからないけど、なんでか本当に何もしたくないときに読み始めた。本当は本も読みたくなかったのに、することがなく、本を読む以外に時間を潰せなかった。

    そんな時こそ宮下奈都だろうと思って、無理矢理文章を追い始めた。最初のホルモンの話からどんぴしゃだった。

    そういう気持ちになる事るよねえ、と共感したり、ふふっと笑ったりするうちに、あっという間に1つ目のエッセイを読み終わった。

    もう、やる気がないことは忘れていた。

    宮下奈都の文章はきれいな文章だと思う。そして、優しさが詰まっていると思う。

    だから、読んでいる

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    2021年05月13日
  • 緑の庭で寝ころんで 完全版

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    毎朝、少しずつ読んでいた。
    今日も頑張ろうと思えた。
    心の奥に沁みる文章がたくさんあった。
    また読み返そうと思った。

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    2021年05月10日
  • 羊と鋼の森

    購入済み

    羊と鋼の森

    今回初めて宮下奈都さんの作品を読みました。ピアノと調律師の物語と知って驚きながら手にとりました。
    読みながら、夜に光る木々、星座、森の空気感、風と...丁寧な描写によってさまざまな美しい情景が浮かぶ瑞々しい文章は読んでいてとても心地よかった。他の作品も読んでみたいです。

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    2021年03月25日
  • 終わらない歌

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    この本が続編であることに気づかず、こちらを最初に読んでしまいました。
    そこは素直に反省です。
    いつか遠くない先に、まとめて読んでみたいと思います。

    宮下さんの本は本当に外れがなく、本書も絶賛に値しますね。
    空気感がすごいです。
    歌一つの周りを取り巻く空気。
    それを支える、創り出す友人、プロデューサー、監督、舞台、観客。

    観客から伝わる、得られるものは決して無視できるものではなく、大きいはずです。今はコロナでその機会は減っていますが、一体感はその場にいないと伝わりませんね。

    歌い始める第一声から観客をつかみ、観客から返されるものを受けとって一体になっていく様が文から伝わってくるのです。そこ

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    2021年01月30日
  • 緑の庭で寝ころんで 完全版

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    追加収録された2年分が目的で購入。
    サイン本がゲットできて嬉しい。宮下奈都さんのさりげない一言がとても嬉しくもあり心があたたまる。

    宮下奈都さんの雲一つない青空のような清々しい文章が読んでいて心地よかった。
    そして、成長した宮下家の子供たちの何気ない一言や考え方が、自分らしさとしっかりさを兼ね備えていた。
    倍以上生きている私がしっかりせねばと背中を押された気がした。

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    2020年12月23日
  • 太陽のパスタ、豆のスープ

    購入済み

    六花さん

    六花さんがとてもいいキャラで、癒されました。自分の近くにいて欲しい存在。多くは語らず、でもそばで背中を押してくれる存在でした。
    とてもほっこりする小説でした!

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    2020年12月18日