宮下奈都のレビュー一覧
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『静かな雨』
やたらと美味しい鯛焼き屋のこよみさんと出会った主人公。
そのこよみさんは突然の事故で事故前の記憶しか留めておけない。
毎日事故前までリセットされる記憶。
たまたま『博士の愛した数式』を読んだばかりだったのでこの設定に驚いた。
しかも作品中にも登場する。
「人間は何でできているか」と問う主人公に「記憶=意識にのぼらない経験したことも含めて全部。生まれるまで辿ってきた祖先の記憶」と答える姉。
主人公は「毎日の生活の中での“思い”」だと考える。
記憶は更新されないが、リセットされている間に何度も聴いたレッチリの新曲を『なんか聴いたことある』と言うこよみさん。
忘れてしまうこと、忘れ -
Posted by ブクログ
最近宮下さんの作品読みすぎでは?ってくらい読んでるけど、基本全部好き。こちらもよかった。
他の方の評価・コメントを見ると、意外と高くないことに驚いたけど、好みは人それぞれなんだと改めて感じた。
前情報無しだったから、タイトルと表紙のちょっと暗いところから、ホラー要素でもある?と思ってた。そんなことないです。むしろ心温まる。タイトルはともかく、表紙は明るくしても良かったのでは、、、
どこかの国の言葉で晴れという意味のある店名「ハライ」に訪れようとする人々の短編集。
予約が取りにくくて、いつもいいにおいのする町のレストランに行くときって、どんなときだろう。そういうちょっと特別なお店って、素敵だ -
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ネタバレ本を選んだ動機が不純で、読み終えて自分が嫌になったし、却って吹っ切れた部分もあった。
やっぱり宮下奈都さんの書く文章は美しくて胸を打つ。大好きだ。
「相手の幸せ」ってなんだろうね。
夫婦や愛人や友達恋人。
それを一番に考えられて、行動できるって、わたしにはできない。
この物語に出てくる人たちは、みんなそれぞれ一生懸命で、相手のことを考えていて、きっといつか救われてほしいと読んでいて思わされる。
いつか、あの家族は出会えるんだろうか?
幸せになれるんだろうか??
終わり方が秀逸。
だけど、そんな人でも不倫するんだな…
誠実そうな、結局家族が一番なひとでも…。
どうしてそうなってしまったんだ -
Posted by ブクログ
ハルというおんなじ呼び名を持つ2人の物語。
2人の不器用さや真面目さに共感したり、切ない気持ちになったりした。どこか儚くて、狂気的な2人の行先を少しハラハラしながら読んだ。しかし最後には温かい気持ちが残った。
学生生活では埃の様な扱いをされてきた温之が、社会人となってからは仕事熱心な点を認められ、自分の居場所を見つけたところが心に残った。
学生生活を送っていて、どこか自分の居場所がないと感じる人にぜひ読んでほしい。
★自分の考え
社会人になり就職すると、仕事をひとつの軸として人が関わり合う。それに比べて小、中学校は、地域の人の集まりなだけであって、共通の軸を持たない。なので、社会人にな -
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宮下奈都の文章を読むと、どろどろしていた心にすっと風が吹くような感じがする。
理由はわからないけど、なんでか本当に何もしたくないときに読み始めた。本当は本も読みたくなかったのに、することがなく、本を読む以外に時間を潰せなかった。
そんな時こそ宮下奈都だろうと思って、無理矢理文章を追い始めた。最初のホルモンの話からどんぴしゃだった。
そういう気持ちになる事るよねえ、と共感したり、ふふっと笑ったりするうちに、あっという間に1つ目のエッセイを読み終わった。
もう、やる気がないことは忘れていた。
宮下奈都の文章はきれいな文章だと思う。そして、優しさが詰まっていると思う。
だから、読んでいる