あらすじ
学生時代の恋人津川を思って生きてきた華道の先生・美奈子。その教室に津川の末娘・紗英がきた――。(「あのひとの娘」) 定職に就けない弟とそれを案じる姉、母を失って色を失った父と僕と妹……。それぞれ屈託を抱える登場人物たちが辿りついたそれぞれの「境地」とは。『スコーレNo. 4』“もうひとつの物語”も収録。著者が10年間書き続けた作品が輝く傑作集。
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Posted by ブクログ
生きてきて 心の片隅に引っかかってたことが
片っ端から書いてあるような本です。
晴れた日に生まれた子供は なんか行く末が気になりますね。この彦君が なんとか生きていけますように!お姉ちゃんのコーちゃんも 家族にばかり縛られていないで なにかみつかるといいですね。
なつかしい人 は 主人公の僕は 本屋さんで出会ったセーラー服の女の子から 勧められた本を読むことで なにか次に行けそうです。母親のいなくなった家には住めない!
えーそうなんだ!お父さんも子供たちも
仕事をやめて 転校して 亡くなったお母さんの実家に身を寄せる。父親の実家ではないんだね。
なんか たんたんと なんとかなりそうになっていく。
心の片隅固まった思いを 少しずつ溶かしていく様子が 心に残ります。
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2017年発刊の短編7作品。一部は「スコーレNo.4」と繋がっているらしい。宮下さんの小説の、向こう側の世界を思わせるような、静寂さと美しさはフィクションとしての完成度の高さを表すとか。なるほど。
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宮下さんの作品の好きなところは「何も起こらないところ」だ。私たちの生活と近くにあって、だからこそ親しみやすい。
匠に紡がれる言葉と心地よい曖昧さが、私たちの「日常」は決して「あたりまえ」ではないことを教えてくれる。人の数だけ物語があり、小さくても、素敵な話がたくさんある。
6話中3話が『スコーレNo.4』と地続きだとは知らずに読み終わってしまった。スコーレを読んだのがだいぶ前だから、もう一度読み直したい。
どの話も好きだけど、「あの人の娘」が特にお気に入り!あー、でもやっぱりみんな好き。
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宮下さんって当たり前とか日々大事にしたいことをうま〜〜く言葉にして表現してくれるよなぁと読んでてしみじみ。
解説から引用
主人公たちは「芯がある」ひとたちに圧倒される。
〜
「平凡さ」という役名がきちんと与えられた役者だ。「平凡さ」という名前がついた居場所だ。
ここの部分に納得する。
読んでてあ〜〜わかる…という具現化をしてくれた。平凡でもいい、ふつうであることが幸せでもあるんだ。
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宮下さんの作品の良さ。主人公が皆よく考えていて、真っ当で、幸せになれそうな、なるべき人。真面目だったり、楽天的だったり。ただ、宮下さんの作品は、短編より、作品の中で主人公の成長が楽しめる長編で読みたい。
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・この人は、断るのが得意ではない。断るのは失礼なことだと思っている。そうして、その失礼なことを自分にさせようとした相手を、もっと失礼だと恨むのだ。
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日常の見方に変化を与えてくれる一文
型があるからこそ助けられる
→人と同じようなこと、自分じゃなくてもできること、やる意味がないと思ってしまうけど、日常化する事で自分自身が助けられる、型があるからこそ発展もある
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優しい気持ちになれる短編6編。随所にニヤニヤしちゃう表現が散りばめられ、ほっこりします。前半3編が『スコーレNo.4』のスピンオフ作品。後半3編では“なつかしいひと”が好みかな。薦めちゃうんだ重松作品(笑) 特別じゃなくとも生きて行ける。
「だからさ、こっちが前でいいんだよ、たぶん」
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「手を挙げて」「あのひとの娘」「まだまだ、」「晴れた日に生まれたこども」「なつかしいひと」「ヒロミの旦那のやさおとこ」収載。
「スコーレNo.4」のスピンオフ3作品を含む短編集。
宮下さんの作品の登場人物は、何かをきわめようとひたむきに追い求める人が多い気がします。
少し痛々しい……
もっと肩の力を抜いていいのよ。
私も、「まだまだ、」の津川紗英を、3年にひとりくらいの割合で毛嫌いするタイプの人間です。
悪意を直接向けはしないけれども、決して近づかない。
いつもニコニコしている人、心の底では何を考えているのか分からないから。
……ひねくれている。
でも、無理なものは無理です(TT)
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解説でも紹介されている登場人物のセリフや脳内セリフが良かった
こんなこと考えられるんだっていう驚き。
SFや技術書では味合わえないような感覚が良い。
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働く女性や女子生徒の心情が丁寧に描写されていて、男だけど共感できる部分があるので、面白かったです。
「なつかしいひと」が一番印象に残りました。
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短編集。「手を挙げて」「あのひとの娘」「まだまだ、」「晴れた日に生まれたこども」「なつかしいひと」「ヒロミの旦那のやさおとこ」の6篇。
最初の三篇は宮下さんの初期代表作『スコーレNo.4』のスピンオフ短編。『スコーレNo.4』は2年前に読み高い評価もしてるのだけど、何故か内容はすっかり忘れていて、スピンオフであることさえ気付きませんでした(苦笑)。
個人的には後半の作品が好みです。
重松清さんの作品がチョコチョコ登場し、何となくストーリー自体も重松さん的な感じがする「なつかしいひと」
そして「ヒロミの旦那のやさおとこ」。主人公・美波の高校時代からの友人・みよっちゃんとみんなからドラと呼ばれる豪快な女友達ヒロミ。そしてライオンの様にのっしのしと歩くヒロミが好きだと言うやさおとこの旦那。登場人物の人物像が見事で、それだけで嬉しくなってしまいます。伊藤沙莉さんあたりにヒロミ役をやってもらえば良いドラマが出来そうな気がします。
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スコーレno.4のスピンオフも含まれる、短編集。
どの話も宮下さんらしさがつまってて、誰にでもあるだろう人のゆらぎを、上手に言語化してあって、うまいなぁと思います。最後の話が好きでした。
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なんとなくわかるんだけど、うまく伝わってこないかな。
最後の「ヒロミの旦那のやさおとこ」は面白かった。
全体を通して霧の中にいるような不思議な違和感があった。
ココロはいつも思うようにはならないということかな・・・
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問題を抱えた少年少女の生き方を描いた6つの短編集。最近の宮下奈都は言葉を捏ね繰り回した表現が多くなり文章に勢いが失くなってきたような気がする。宮下奈都って重松清のファンなの?
Posted by ブクログ
短編集なので、今の生活には読みやすかった。
「なつかしいひと」で思わず泣いてしまいそうだった。鼻がツーーーンとした。
重松清さんがでてくるのもいい。物語に深みを感じてしまった。
最後のドラなんて、クスッと笑ってしまうところもあり、何て魅力的☆って思ってしまった。
どの話もほのかに温かみがあって良かった。
Posted by ブクログ
繊細な心理描写がたまらない。
本屋さんでいつも会う女の子。
重松清さんの本をお勧めしてくる。学生らしい選択でほほえましい。
名前を聞くのがやっと、そんな若い心の揺れも楽しい。
後半の家出事件はなかなかのハプニングで、ドラマ化できそう。
とはいっても、こちらは昨今の笑っちゃうほどの大雪にこちらは見舞われ、本を読むゆとりがなく、読書は細切れになってしまいました。後でもう一度読み返したいです。
なんと歩道両側の雪の高さが私の身長を超え、そうなると景色が変わるのね。な~んにも見えないです。みえるのは雪をまとった白樺並木と月明かり。ああ、静かで、そして、きれいだ。たま~になら、こんな日々があってもいい。(←これはわたしのメモ)