宮下奈都のレビュー一覧

  • たった、それだけ

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    変わってしまうことが普通なのに変わらない望月さんが怖くて、変わらないことを恐れながら生きていくのに、それでも変わっていくのはどうしても変えられないから、それをどういうふうに自分らしく大切にしていくんだろうと考えさせられた。
    クールだったルイが笑って、父親の面影を残してることが救いでもあるし、変わってくことだけど変わらない事実でもあるんだなとおもった。

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    2025年03月24日
  • いつか、アジアの街角で

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    アンソロジー 6人の女性作家による、アジアをテーマにしたアンソロジー。
    特にガツンときたのは島本理生の「停止する春」。
    心がほんわり柔らかくなったのは角田光代の「猫はじっとしていない」。
    それぞれの個性が際立つ短編集でした。

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    2025年12月18日
  • 田舎の紳士服店のモデルの妻

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    「生きるのに意味などない。さびしいわけでもむなしいわけでもなく、ぱーんとそれが、わかる。竜胆梨々子が生きるのは、ほんの何人かの、梨々子がいなくなったら悲しむ人のためだけだ。」
    「持ち時間が尽きるまで手ぶらでせっせと暇をつぶして過ごすのだ。」
    梨々子が最後にたどり着く境地に、普通の主婦として共感。それだけでいい、と思うと、人生が気楽になる気がする。
    普通に過ごす毎日に、ふいに「他に何もいらないと思える充実感」に包まれる、そんな幸せに辿り着けるなら、確かに人生他に何がいるだろう。

    でも子育ての難しさは考えさせられた。子供が運動会の徒競走で1人だけ走らなかったり、学校で1番好きな時間は下校だと言っ

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    2025年02月18日
  • 窓の向こうのガーシュウィン

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    心あたたまる、固くなっていた自分の心がやわらかくなっていくようだった。
    未熟児で生まれ、両親の経済と無知で保育器に入れられなかった佐古さん。どこか足りないけど、決して歩むことを止めない佐古さん。

    「あんたは、大きいな」と佐古さんに言う隼。

    佐古さんが自分自身を見る目が少しずつ変わり、
    やがて自分を取り巻く人達を見る目も変わる。

    保育器に入れられなかった事実を、佐古さんなりに解釈したときは佐古さんの成長を感じた。私では考えられない。物語の核心すぎるので伏せとく。

    宮下奈都さんの静かな物語が、お気に入り。、

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    2025年02月12日
  • ワンさぶ子の怠惰な冒険

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    最後の方はコロナ禍に入ってた。
    子供全員大学に行ってしまって寂しくなるなあと…
    犬のイラストかわいい
    井筒啓之さんの挿絵、カラーイラスト良き

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    2025年02月12日
  • 誰かが足りない

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    とあるレストランに纏わるお客さん達の連作短編集

    以下、公式のあらすじ
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    予約を取ることも難しい、評判のレストラン『ハライ』。
    10月31日午後6時に、たまたま店にいた客たちの、それぞれの物語。
    認知症の症状が出始めた老婦人、
    ビデオを撮っていないと部屋の外に出られない青年、
    人の失敗の匂いを感じてしまう女性など、6人の人生と後悔や現状の悩みを描く。
    「ハライに行って、美味しいものを食べる」ことをひとつのきっかけにして、
    前に進もうとする気持ちを、それぞれ丹念にすくいとっていく。
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    様々な人達が、レストラ

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    2025年02月10日
  • 田舎の紳士服店のモデルの妻

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    ネタバレ

    “宮下さん”ってだけで、購入。宮下さんの言葉のチョイスが好きだ。温かみと鋭い視点で、言葉にならなかったことが言葉として触れることができる。
    最近なかなか読書できなかったが、読み始めたら隙間時間を使って読めた。読みたい欲で時間が作れたんだと思う。

    これから、“母”になる人に読んでもらいたいな~。
    “女”はどうしても出産を経て、“母”という役割を与えられる。仕事というと部長とか課長とか急になる感じだなぁ~と思う。急に責任のある役職にあてられたのに引継ぎがない。あっても役に立たない。なのに、上司はいないし、自分で試行錯誤を繰り返すしかない。最大のパートナーだと思っていた夫は、“父”になるまで時間が

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    2025年02月06日
  • ふたつのしるし

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    温之の小学生時代のエピソード、親になったからか切なくて泣きそうになった。ただ、先生の気持ちもわかる。
    温之の凄さって、大人になってからわかる気がする。流されない強さってすごい。それに気づける健太、最高だよ。

    遥名のしんどさは、共感どころが多かったな。。
    あそこまで型にハマろうとはしなかったけれど、周りからどう思われるか、どうみられるかをすごい気にしていたのしんどかったなと。

    失敗するのが怖かったけど、失敗も勘を磨くために必要なことかもって思えた。
    いろんな経験して、たくさんぶつかって、考えて、次は準備して…って、失敗恐れていたらできないなと気づけた。

    前半の2人のしんどさが読んでて辛かっ

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    2025年02月06日
  • 田舎の紳士服店のモデルの妻

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    読んでよかった。いつか梨々子のこの10年をもう一度振り返って自分の人生を肯定したくなる時が来るんだと思う。でも苦しかった、残り50ページくらいまで。
    梨々子の気持ちの描写が丁寧な分、やむをえず巻き込まれて誘われた土地で感じる戸惑いや嫌悪感も、都内のママ友への嫉妬や焦燥感も、全部全部形がはっきりとわかるほどに伝わってきて読んでいてかなり苦しい部分もあった。でも、それを苦しいと感じている自分がいることに気づくことができてよかった。まだまだ自分は幼くて他人に知られたくない部分がたくさんあって、わかってはいても目を背けていた事実がこの本を読んで顕になった。しんどいけど改めて自分を見つめ直せる機会をもら

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    2025年01月02日
  • ワンさぶ子の怠惰な冒険

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    ここのところ、自分の家族に対してモヤモヤしたり違和感あったりでうまくやれていない。
    けれどこのエッセイを読み反省した。
    宮下さんの家族のように、お互いを大切にして生きたいと思った。
    難しいけれど、後悔しないように。

    自分の子にもしあわせだと思ってもらえるような親になりたい。そしてまずは自分自身を大切にしてあげたい。

    宮下さんの小説もエッセイも好き。
    日常の中にある見逃してしまいそうな些細な瞬間を見事にすくいあげている。

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    2025年01月01日
  • スコーレNo.4

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    2024の課題図書やっと読めた…
    普遍的な人生のお話である
    主人公なんでこの感じで男途切れへんねんと思ってたけど、あんまり人に執着しないし合わせない人って確かに魅力的やな
    でもそれって妹と共存する中で編み出したものやったりするし、ありきたりな表現やけど人生に無駄なものなんてない
    あとめっちゃ入試問題の人が好きそう、ストレートな表現は使わない分、描写の情報量がとにかく多い

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    2024年12月27日
  • スコーレNo.4

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    中学生の女の子が一人の女性として成長していく物語。前半は読むのに時間がかかって、途中で辞めようとかともちょっと思ったのですが、後半は引き込まれて一気に進みました。文章も綺麗で、やっぱり読んでよかったです。

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    2024年12月15日
  • 静かな雨

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    自分が見ている世界と相手が見ている世界は違うけれど、ちょっと重なっていればいい。
    この重なりを共有できる大切さ、もっと感じたいなと思った。

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    2024年12月04日
  • スコーレNo.4

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    ネタバレ

    最初は男性として麻子を俯瞰で追っていたけど、最後には茅野さんのことかっこいいと思ってしまうくらい、気づいたら麻子自身として女性目線で読んでた。

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    2024年11月28日
  • たった、それだけ

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    「今までの宮下奈都さんとは違う感じだけど、読んでみて。面白いと思うよ。」
    そう娘が話してくれたその前日に、この本を買っていた。不思議な偶然にビックリした。
    宮下奈都さんは、なぜこうも謎解きをしないんだろう。ミステリーよりもミステリアスな展開に、彼女の拘りと視点と深みを感じ、さらに彼女が好きになる。
    逃げろ。逃げるな。諦めろ。諦めるな。
    「逃げてるように見えても、地球は丸いんだ。反対側から見たら追いかけてるのかもしれねーし」
    こう思えば、一歩が踏み出せるかもしれない。
    「自分に正直でいれば、すべては自分で選んだことだと納得することができます。」

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    2024年11月20日
  • 田舎の紳士服店のモデルの妻

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    登場人物の感情を表現する言葉の使い方が秀逸。主人公の梨々子が、深い沼に引き込まれる様なドロっとした悩みに陥った時、読者の自分も似た様な感覚になってしまっていた。普通とは?平凡とは?幸せとは?…コレ!という答えは無く、それぞれの人生で、それぞれ角度が違えど幸せなんだと思わせてくれるハッピーエンドとなる締めくくりだった。

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    2024年11月11日
  • 窓の向こうのガーシュウィン

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    幼い頃から、人に話を聞いていると、雑音が混じって、聞き取ることができなくなってしまう。相手の話を聞いて、応えようとすると、聞き取りができなくってしまう。そのため、人間関係を築くことがなかなかできない主人公が、ヘルパーの仕事で入った「先生」に家で出会う人々、思い出を切り取り額をつける「額装」を学んでいくことで、今までに人間関係が少しずつ変化していく過程が描かれていく。

    自分にとってちょうどいいペースで人と交わり、コミュニケーションをとることで、聞いたり、話すことが不自由なくできることってやはりあるよなあと思った。小説の最初から最後まで、ゆっくりと流れる時間が感じられて、心地よい。

    普段の生活

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    2024年11月10日
  • 窓の向こうのガーシュウィン

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    明言はされてないけど、受診を促されることもあり、発達障害の特徴がうかがえる主人公。
    他人の言葉が意味のあるものとして聞き取れず、自分自身の感情にも鈍い。
    ヘルパーとして派遣された先で、利用者である先生、先生の息子で額装の仕事をしているあのひと、そしてその息子の隼と出会い、先生の生活を見守りながら、額装の仕事に触れ、少しずつ、膜が張ったようだった自分自身の感情に気づいていく。丁寧に掬い取ったものを更に目を凝らして見つめたような心理描写がとても良い。額装を通して、様々なものを発見し、これまで諦めてきた他者や家族との関わりにも一歩踏み出していく。大きく展開が動くわけではないけれど、じんわり伝わってく

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    2024年10月28日
  • 田舎の紳士服店のモデルの妻

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    ネタバレ

    自分も育休中で、子どもを育て始めたばかりです。今は子どもと向き合い、過ごすだけの毎日。仕事もせず、どこにも行かず、自分は一体何なのだろうと思っていました。

    けれども、この本の中に答えのひとつが書いてあり、気持ちが少し軽くなり、自分のことも認めてもらえたようで気持ちも温かくなりました。

    P.225 この町がどこにでもあるように、私もどこにでもいる。私にも替えが利く。もしも替えが利かないとしたら、あの子たちの母として、達郎の妻としての竜胆梨々子だけだ。

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    2024年10月28日
  • 誰かが足りない

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    久しぶりの宮下奈都さんの作品。
    レストランを舞台に6組それぞれのお客さんの物語。
    レストランでのお話かと思いましたが、レストランに来る事になった経緯までが中心となっています。
    それぞれの物語は派手さは無いのですが、生きるってそうなのかもと思わされます。解決してスッキリするお話ではありませんが、帯に書いてある、「足りないことを哀しまないで、足りないことで充たされてみる。」そういう事か、と。
    どう思い考えるかは読者次第と言われているような感じがしました。

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    2024年10月26日