宮下奈都のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読み終わってからしばらく経つけど、ふとぼんやりする時はこの本のことを思い出してる
良い本だったな…
これまで読んだ宮下奈都作品の中で1番沁みた
1人の少女が大人になっていく過程を描いた作品
初めて恋した時の目で追う感覚や、社会人になって思っていた仕事ができなかった時の焦燥感だったり、それぞれの段階であぁ分かる…と思いながら読みました
解説にも書いてあったけど、宮下奈都は心情の丁寧な描写が本当に上手だなあと思う
丁寧で繊細でしっとりとした本
お父さんの「いい目を養うには良いものをたくさん見ること」から、もっとガシガシ本を読もうとも思いました
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Posted by ブクログ
ネタバレ最初正直退屈だなと思ったけど、最後まで読み終えて良かったなと思える作品
大きな事件とかが起きないけど、心にスッと染み渡るような文章が多い。
仕事や生活で感じるちょっとした違和感の言語化が上手!
「会社を出れば、風はやわらかい。部屋の鍵を開けるとき、私は自由だ。〜何をするにも私はひとりで、〜自分の爪先のあたりだけを見ていればいい。」という表現がめっちゃしっくりきた。
ただ、この本の主人公自己肯定感が低めなゆえに結構な恋愛体質で、そこだけあんまり共感できなかった。付き合う前に自分の部屋でご飯食べようって言ってくる男、私なら惹かれないなー!!と思いながら読んでた笑笑
でもこの人の他の作品も読んでみたい -
Posted by ブクログ
「生きるのに意味などない。さびしいわけでもむなしいわけでもなく、ぱーんとそれが、わかる。竜胆梨々子が生きるのは、ほんの何人かの、梨々子がいなくなったら悲しむ人のためだけだ。」
「持ち時間が尽きるまで手ぶらでせっせと暇をつぶして過ごすのだ。」
梨々子が最後にたどり着く境地に、普通の主婦として共感。それだけでいい、と思うと、人生が気楽になる気がする。
普通に過ごす毎日に、ふいに「他に何もいらないと思える充実感」に包まれる、そんな幸せに辿り着けるなら、確かに人生他に何がいるだろう。
でも子育ての難しさは考えさせられた。子供が運動会の徒競走で1人だけ走らなかったり、学校で1番好きな時間は下校だと言ったり、給食を全く食べなかったりしたら、なんて言ったらいいか全然わからない。
夫と気持ちが通じ合わないのもつらいことだし、でも完璧に以心伝心の夫婦なんて存在しないし、と考えていくと、普通の楽な主婦なんてこの世にいない、当たり前のように難しいことを乗り越えて、みんな偉いとも思った。 -
Posted by ブクログ
とあるレストランに纏わるお客さん達の連作短編集
以下、公式のあらすじ
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予約を取ることも難しい、評判のレストラン『ハライ』。
10月31日午後6時に、たまたま店にいた客たちの、それぞれの物語。
認知症の症状が出始めた老婦人、
ビデオを撮っていないと部屋の外に出られない青年、
人の失敗の匂いを感じてしまう女性など、6人の人生と後悔や現状の悩みを描く。
「ハライに行って、美味しいものを食べる」ことをひとつのきっかけにして、
前に進もうとする気持ちを、それぞれ丹念にすくいとっていく。
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様々な人達が、レストラン「ハライ」に予約を入れるまでのあれこれ
6組のお客さんの物語
就職に失敗し、流されるように生きている青年
良い方に導こうとしてくれた彼女との思い出
認知症と、それを踏まえた家族の接し方に不満のあるおばあちゃん
亡き夫へのつまらない嫉妬から、遂に行く機会のなかったレストランへの羨望
仕事が忙しくなり、人間関係のストレスも溜まっているOL
昔から不器用なやり方で助けてくれていた幼馴染との友情
母が亡くなって以来引きこもり、ビデオカメラのレンズを通してしか人と接する事のできない青年
その妹の高校生ががたまに家に連れてきた、いじめられている同級生
三人の不思議な距離感
レストランビュッフェでオムレツ担当の青年
オムレツ好きと見て取れるのに、特別に作ったオムレツを「出来損ない」と支えしてきた女性
そんな女性から昼寝のため、日中に部屋を貸してほしいと頼まれる
「失敗の匂い」を嗅ぎ分けてしまう女性
昔、叔父の失敗を予感していながら救えなかったという罪悪感
そんな女性と運命の出会いのように導かれた男性
それぞれの話には、何らかの喪失がある
配偶者、親、恋人のように人だったり
そんな思い出だったり
最終的にハライで食事をするシーンでは、どのテーブルも「誰かが足りない」
「いない人」、「思い出」が共通のキーワードだろうか
そして、その喪失や、過去の苦い経験を慰め、分かち合う相手もいない
そんな状態から、レストラン ハライに予約を入れるに至るまでの事態の好転が描かれる
結局、ハライに「いない人」が絶対に現れない組もあれば、現れる余地がある組もあれば
でも、どの組も美味しそうな料理を前に、とても幸せそうに思える
新たな一歩を踏み出すための物語
流石は宮下奈都さんだと思う -
Posted by ブクログ
ネタバレ“宮下さん”ってだけで、購入。宮下さんの言葉のチョイスが好きだ。温かみと鋭い視点で、言葉にならなかったことが言葉として触れることができる。
最近なかなか読書できなかったが、読み始めたら隙間時間を使って読めた。読みたい欲で時間が作れたんだと思う。
これから、“母”になる人に読んでもらいたいな~。
“女”はどうしても出産を経て、“母”という役割を与えられる。仕事というと部長とか課長とか急になる感じだなぁ~と思う。急に責任のある役職にあてられたのに引継ぎがない。あっても役に立たない。なのに、上司はいないし、自分で試行錯誤を繰り返すしかない。最大のパートナーだと思っていた夫は、“父”になるまで時間がかかる。“母”という変化は、まったなしで、日々役割をこなしていかなければいけない、そんな人もいるだろう。というか、自分もそうだった。だから、この梨々子の気持ちがよくわかる!何者なのか、自分を見失いそうになる。日本人特有なんだろうな~。
P192
私は大丈夫、どこへ行ってもやっていける。案外こういう小さな言葉が支えになってくれることもあると思う。
実際、亡くなった梨々子の父が言ったかもしれないが、捏造かもしれない言葉だけど、こういうことってあるよね、と激しく同感!
宮下奈都さんのちょこちょこでてくる言葉、文章に、よくこんな風に表現できるな~と感心しながら読んだ。やっぱり宮下さん好きだわ~。 -
Posted by ブクログ
温之の小学生時代のエピソード、親になったからか切なくて泣きそうになった。ただ、先生の気持ちもわかる。
温之の凄さって、大人になってからわかる気がする。流されない強さってすごい。それに気づける健太、最高だよ。
遥名のしんどさは、共感どころが多かったな。。
あそこまで型にハマろうとはしなかったけれど、周りからどう思われるか、どうみられるかをすごい気にしていたのしんどかったなと。
失敗するのが怖かったけど、失敗も勘を磨くために必要なことかもって思えた。
いろんな経験して、たくさんぶつかって、考えて、次は準備して…って、失敗恐れていたらできないなと気づけた。
前半の2人のしんどさが読んでて辛かったけど、後半にいくにつれてそれが繋がっていくのにホッとした。
「しるし」がなんだったのか、遥名が、自分になくて温之にあると思っているのはなんだったのかがよくわかってないので、もう一度読みたいかな。 -
Posted by ブクログ
読んでよかった。いつか梨々子のこの10年をもう一度振り返って自分の人生を肯定したくなる時が来るんだと思う。でも苦しかった、残り50ページくらいまで。
梨々子の気持ちの描写が丁寧な分、やむをえず巻き込まれて誘われた土地で感じる戸惑いや嫌悪感も、都内のママ友への嫉妬や焦燥感も、全部全部形がはっきりとわかるほどに伝わってきて読んでいてかなり苦しい部分もあった。でも、それを苦しいと感じている自分がいることに気づくことができてよかった。まだまだ自分は幼くて他人に知られたくない部分がたくさんあって、わかってはいても目を背けていた事実がこの本を読んで顕になった。しんどいけど改めて自分を見つめ直せる機会をもらった感じ。
折り合いをつけて田舎を穏やかに受け入れていく主人公の姿を途中までは諦めだと思ってしまった。でも、実際そんな浅はかなことじゃなくて、どこで暮らすか何してるかなんて本当に瑣末なことなんだと最後の50ページ強でしっかり梨々子が体現してくれてるように感じた。将来まだまだ不安定で時折そこはかとなく怖くなるけど、この本に教えてもらったことを大切にしていきたい。