感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2024年04月13日
2024年25冊目
宮下奈都さん/田舎の紳士服店のモデルの妻
容姿端麗な夫と2人の子どもと暮らす、主人公の梨々子。しかし夫がうつ病になり、故郷の田舎へ引っ越すことに。
慣れない土地での暮らしや子どもたちの問題と向き合いながら、進化していく梨々子がカッコいい
Posted by ブクログ 2021年11月06日
女性視点の夫婦の日常も描かれている。
夫は鬱病らしくふわふわしている。妻しっかりしてる。取り乱さない。
十年に渡っての話に大きな起伏はないけれど、じわじわくる。
やはり、いっぱい考える人のことは理解できない。こういうのを読むと心が重くなる。
この本も面白かったです。
梨々子の色んな葛藤や、夫やこどもまわりとの
人間関係の過程、頷ける部分も沢山ありました。
宮下先生の作品は、いつもブレブレの私の姿勢を直してくれています。
温かさやぬくもりがいつも込められていて、毎作品胸が熱くなります
Posted by ブクログ 2024年02月26日
竜胆梨々子は夫のうつ病を機に夫の実家のある田舎に引っ越します。
30歳から10年間の梨々子が描かれています。
慣れない田舎暮らしで戸惑ったり夫にがっかりしたり子どもたちのことで悩んだりしますが梨々子は諦めたり受け入れたりしながら変化していきます。
派手な展開はないけれど梨々子の感情が丁寧に描かれてい...続きを読むて良かったです。
Posted by ブクログ 2024年02月18日
タイトル買い。なんとなくタイトルから想像していた内容と一致していた。
東京生まれの彼女の視点の移り変わりが鮮やかで、梨々子さんは自分の芯を保つためにとても考えながら日々過ごしている情景がわかりやすく理解しやすかった。
段々強くなる、ならざるを得ない女性。小さなことであれ自分を、自分の生き方を、選択し...続きを読むたものを肯定していくこと。それを「幸せ」「大丈夫」と言い聞かせることができるのが母という存在なのかな。と感じた。
Posted by ブクログ 2024年02月13日
中途半端な田舎町暮らし中の私がいうのもなんだけど このまんまの日常に 包まれている。梨々子さんの揺らぐ気持ち 手に取るようにわかる。思い通りにならないことばかりだけど お茶をのむテーブルはある。ささいなことを肯定して納得して やりすごして 月日は重なっていくものだ。結局 自分は何者でもないんだけど...続きを読む どっこい生きている!それで十分だ。町の人が優しくて 羨ましい。読後、窓の外が 優しく見えた。
Posted by ブクログ 2023年09月01日
読む前はタイトルを見て、どんな作品かいまいち想像できなかったけど、読み終わってからはすごくしっくりくるタイトル。「イナツマ」ね。解説は辻村深月さんでびっくり。好きな作家さんの共演……!
主人公の梨々子は、子供2人と素敵な夫と暮らす、東京のキラキラ奥さんだったが、夫のうつ病をきっかけに田舎へ移住する。...続きを読む
「田舎」「何もない」など、物語の半分以上は雨が降りそうなどんよりした曇り空。
でも、最後には雲の隙間から光がさす。梨々子が「田舎の紳士服店のモデルの妻」と胸を張って名乗れるくらいにはどっしりして、どっこい生きている。
梨々子はなかなかおもしろい「普通」の女だ。
Posted by ブクログ 2023年01月05日
東京から北陸の何もないところへ移住した家族、妻目線の10年間の話
こどもたちへの期待や普通、
夫との関係、
私自身の悩みも重なって共感できた
長男がピアノが好きになってそのまま頑張ってくれたら嬉しい!!
運動会やボランティアを通じての人々の交流も温かい
Posted by ブクログ 2022年09月21日
主人公の性格が好印象で、リズム良くどんどん読み進められた。最後いい終わり方でホッとした。途中冷めたような気づきある視点がいい。作者さんの他の本も読んでみたいと思うきっかけになった。
Posted by ブクログ 2022年08月14日
小説にするには、少し地味な設定(タイトルからしてそうだが)だけど、主人公(タイトルに出てくる「妻」)の心理描写を丁寧に行う事ですごく読み応えがある内容になっている。日常、ふっと浮かんでくるちょっとした毒のような事も、隠さずに掬い取る。そこから見えてくるのは、1人の人間がどういう思いで生きていくのか、...続きを読むというストーリー。これで良かったのか。ここで良かったのか。そう自問自答しながら、それでも生きていく人間の、生き様。自分も、もう少し心の声に耳を傾けてみようと思った。
Posted by ブクログ 2022年07月31日
1. 羊と鋼の森が面白かった
2. ジャケット・タイトルに惹かれた
そんなわけで読んだ。
前半は妻 梨々子の葛藤を描いた物語が淡々と続く。ここの部分が割と長く、ずっともどかしさを感じる。全然動いてくれず、妻の気持ちを理解しようとしない夫 達郎に、息子たちに理想像を当てはめようとする梨々子に。ようや...続きを読むく最後の方になり、報われ始める。そこのメッセージは宮下さんらしく、温かいものだった。幸せは自分が目を向けようとしないと見えない。過去にとらわれず、"どうありたいか"で行動を決めていく。若干前半が退屈だったが、これくらいどんよりしていた方が、最後心に響くものは大きいのかもしれない。
Posted by ブクログ 2022年07月23日
主人公と一緒に、
環境に慣れないしんどさを感じたり、
周りの人にモヤモヤしたり、
その中で自分に起きる変化を感じたりしてた。
大人になっても人って変わるよなーと。
「人間の大まかなところは成人するまでに出来上がってしまうものだと思っていた。でも、そうでもないみたいだ。」ってところ、すごい共感した。...続きを読む
大人になったら、もう変わらないものだと思っていたけど、
自分の大きな軸みたいなものも、大人になってから変わっているのを感じる。
あーこんなふうに自分も変わっていったんだろうなって思った。
あと、人との接し方でハッとさせられた。
「塩原さんは笑わないことを気にしなくなったら、いつの間にか笑い合えるようになった。」
相手が自分に対してどう接するかばかり見ていると、それが相手にも伝わるんだ。
なんとなく、もっと楽にというか、素直に接したほうが楽しくなるのかなーと思った。
Posted by ブクログ 2022年06月13日
気づいてしまった。すごく大事なものなんて、ほとんどない。結婚指輪。毎年撮っている家族写真。幼い頃からの子供たちの作文や絵を綴ったもの。アサヒとよく行った喫茶店のマッチ。若い頃に読者モデルとしてわりと大きめに載ったファッション誌。(P253)……最近まさにこのような考えに頭が支配されているので、この行...続きを読むを何度も行き来してしまいました。
大きな起伏はないけれど、ところどころに石ころが配置され、それにつまづいてページの途中でうなること数回。御油断はなりませぬ……でございます。
Posted by ブクログ 2022年06月04日
そのしんどさはよく覚えてる。
知らない街で子育てをし、頼れる人は思ったよりも頼りない。私は踏ん張らなくちゃ、頑張らなくちゃ。でなきゃ一気に崩れてしまう。この家から私がいなくなったら、きっと一気に崩れてしまうと思った。
解説の辻村深月さんの「普通の私の話」がよくわかります。少女漫画のような生活はあり...続きを読むゃしない。普通だけど、日々の生活なんて普通ではない。精一杯努力しなくてはと、きっと誰でもなく、私は私自身を高く吊り上げて、そうやって危ういな精神状態にぎりぎり攻めてしまい、一気に崩れたのは家庭ではなく自分自身だった。
今は、もう大丈夫。
物語の終盤の主人公のように、幸せは誰かに評価されることではなく自分の肌で感じるものだと思いました。
Posted by ブクログ 2021年10月29日
30歳から40歳までの10年間の話。
色んな事で思い悩んだり心が揺すぶられたりする様が丁寧に表現されている。
日常の小さな積み重なりで心が変化していく様とか、再読したくなる本。
Posted by ブクログ 2021年09月18日
10年は振り返ると短い
過ごしているときは長い
私はいつも振り返ってばかりで時々前を向く
私も一人だ
読んでも元気にはなれないけど何となく落ち着く本
Posted by ブクログ 2021年06月18日
これは、普通の主婦の、十年間の心の記録である。
夫のうつ病が原因で、家族四人で、東京から北陸の夫の田舎へ引っ越すことになった梨々子。
梨々子の心の動きが実に細かいところまで、淡々と描かれていた。
息子が通っていた幼稚園のママ友とも遠く離れ、社宅から田舎のマンション暮らしへ。
私は本当は東京で暮らした...続きを読むかったの?王道って何なのか?
自問自答が延々と続いていく。
けれど、読んでいくうちに、年をとるにつれて次第に楽になっていく梨々子が感じられ、光が射し始める。
人生なんて、目的のない編み物。
私はひとりだ。私だけがひとりなんじゃない。みんなひとりなんだ。
不思議なほど勇気をもらえる、愛おしい物語だった。
Posted by ブクログ 2021年01月14日
結婚し家庭を持ち、子どもが産まれたら…
まっとうな人生を送っていると安心できるのか?と思っていた。疑問にも感じていた。
結婚しても子どもが産まれても、私は一人でしかなく、何者でもない。
家庭を持ち頑張っている人、未婚で頑張っている人、どちらの背中もそっと押してくれるような小説でした。
Posted by ブクログ 2024年02月17日
装丁買い。
梨々子同様に私自身も、妻として、母として、娘として、一人の人間として、属し、弾かれ、言語化できなさや辻褄の合わなさの中を生きている。その一切合切が詰まっているがゆえに、苦しくもあり救いもあり。
梨々子の10年日記のように、側に置いて、年に一度読み返したい一冊。きっと目に留まる心情は違うは...続きを読むず。それくらい、私(たち)の人生は揺らぐのだから。
Posted by ブクログ 2023年06月20日
独特のテンポと空気感、意外な物語の展開で、他にはない魅力を感じました。
劇的すぎる展開があったり、激昂したり、衝突したり、決定的なことが起こったり。
そういうことではなく、柔く強く適応してのびのびと生きる梨々子が良い。
こんな生き方もあるんだ、と見本を見せてもらえた気持ち。
田舎で暮らしたことなく...続きを読むて、良い噂を聞かない最近はあまりいいイメージがなかったけれど、気の持ちようとか飛び込んでみてやってみるとか、入ってみないとわからないものなのかもと思った。
Posted by ブクログ 2023年03月25日
突然田舎に引っ越した鬱を発症した夫と二児の母の10年の物語。淡々としていて、それでも悩んでいる心の葛藤、独白を読まされている感じ。矢理自己肯定しようとしてもがく気持ちが淡々綴られていて抑揚がない。読み手が主婦だと共感できるのだろうか。
読んでいて興味を惹かれる場面は少しはあったと思います。
Posted by ブクログ 2023年02月05日
宮下奈都さんのファンですが、あんまり好きになれなかったかも…。日記が出てきたことで、「太陽のパスタ、豆のスープ」のドリフターズリストみたいに物語の主軸に絡むのではと期待しすぎてしまった。
初めは面白かったけど、全体的には響きませんでした。
自分が30歳になったらもう一度読んでみようと思いました。この...続きを読む本にうんうん、って思うには人生経験積まないとダメなのかも…。
Posted by ブクログ 2022年04月16日
潤の東京でピアノ習いたいというシーン。親がとやかく考えることよりも潤のやりたいことを一番に優先する。親として当たり前に出来そうで出来ないことと思いつつ心打たれた。そうなんだよなと。
モデル最後の皆で観に行くというシーンが幸せで心暖まった。
2年刻みの展開も10年という経過を分かりやすくさせてくれ...続きを読むたと感じた。
羊と鋼の森を読んで2作目です。
どちらも成長を感じられる作品だと思った。
Posted by ブクログ 2022年01月06日
十人並みの容姿を持つ梨々子。敏腕で容姿も端麗だった梨々子夫は、仕事で体調を崩し、実家の近くで働くことを決意した。それについて梨々子と幼い子供2人が向かった夫の郷里は垢抜けない、なにもないところで、秋になると町内の運動会に駆り出されるようなところだった…。
宮下奈都の作品はまだこれで2作目なので、ど...続きを読むういうスタイルを得意としているのかわからないが『羊と鋼の森』とはまた、全く違うスタイルの作品である。夫の郷里へ引っ越す前の0年から、引っ越して2年、6年、8年と、その節ごとに生じる、転機とも言えない様々な出来事を、梨々子を描写することで描いた作品である。
なにか大きな出来事や目的でも有るのだろうと思って読みかけてみると、そうそう大きなこともなく、梨々子の田舎や夫に対する不満で家庭が壊れるわけでもなく、不思議なテンションで続くストーリーは、大したことが書かれていない割にはなかなか読み進まない。
かといって退屈というわけでもなく、それなりに事件らしきものも起こるが、誰もが爆発させるわけでもなくなんとなく過ごしていくのは、ある意味でリアルなところであろう。
田舎特有の、土地に済む人間以外には意思疎通がままならない閉塞感や、個人として心を許すことのできない他人との関係。そこに梨々子特有の言葉選びのままならなさなどが積み重なって、非常に危うい人間関係なのかな?と心配になるが、実際には特に何かが壊れるわけでもない。
結局、梨々子の自分探しというのがテーマになっているのであろう。わかるようなわからないような、でも難しくない作品である。
ところで、『羊と鋼の森』でも書いたのだが、どうにもこの作者、人をビジュアルで想像させるような表現をしない。梨々子、達郎、潤、歩人、顔も背格好も読んだあとに想像ができない。「モデルさんみたいだ」で、えっ?美人だったの?と不思議な感覚になる。なお、モデルは達郎である。
余談メモ(自分用)。
ジョージ・ハリスンの『クラウド・ナイン』が出てきたのが微笑ましかった。
Posted by ブクログ 2021年10月07日
はじめ、主人公のキャラを理解するまで時間がかかってしまった。
普通よりだいぶ美人な梨々子さんは、私からしたら普通ではない気もするが、すごくいいお母さんだなあと読みながらずっと思っていた。
Posted by ブクログ 2021年09月13日
普通の定義は色々あるが、まあ普通じゃない。でも、この世界観は好きだなぁ...。夫や子の視点でのモノローグがもう少しあっても良かったか? 無いものねだりでしょうか...。加藤木麻莉さんのイラストも素敵です! 辻村さんの解説は、うん、流石だ!
Posted by ブクログ 2021年03月09日
わたしってきれいだしそこそこがんばってきたし、
『何者かに見出されて』『何者かになれるんじゃん?!』みたいな普通の人が人生ってこんなもんやけどまあいいやん!って思えるまでの普通の人の人生の話
Posted by ブクログ 2020年11月04日
最初のうちは、何を書きたい作品なんだろう?と思いながら読んでいた。出来事には山谷あっても、主人公の価値観やら処理力やらはとても普通だなぁと感じられたので。
最後まで読んで、どうやらその普通を受け入れる物語なのだなぁとわかった。
受け入れるというか、諦めるというか、納得するというか。
どうしてみん...続きを読むなで普通だとか平凡だとかいう言葉を使って、潤を下ろし、歩人を打とうとするのか
佑樹くんのおかあさんとしか呼ばれないのがさびしくなっちゃったのよ
みんな自分のことをいちばんごまかしたいのよ。ほんとはこんな自分じゃないって自分を慰めたり励ましたりするの。
Posted by ブクログ 2020年10月07日
見栄を張って「何者」かになろうとして生きづらさを感じていた主婦であり母であり娘である主人公梨々子。
夫のうつ病をきっかけに家族揃って田舎暮らしを始め、次第に見栄を張るよりもありのままの何者でもない自分や子供、夫を受け入れられるようになる。
私は何者でもない、私でしかない。それを受け入れられるようにな...続きを読むれば、今よりもっと生きやすくなるのだと気づかせてくれる作品。
梨々子が人として寛容に成長していく様子にじんわり心が温められた。