【感想・ネタバレ】スコーレNo.4のレビュー

あらすじ

自由奔放な妹・七葉に比べて自分は平凡だと思っている女の子・津川麻子。そんな彼女も、中学、高校、大学、就職を通して4つのスコーレ(学校)と出会い、少女から女性へ変わっていく。そして、彼女が遅まきながらやっと気づいた自分のいちばん大切なものとは……。ひとりの女性が悩み苦しみながらも成長する姿を淡く切なく美しく描きあげた傑作。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

麻子の子供の頃は、自分を主張できて、かわいい妹の事が羨ましいかったり、自分に自信がない。
もっと、自分を主張してほしいと思いながら物語を、読んでました。
だんだんと成長し、やっと靴屋で、自分に自信が持てて、いきいきとした姿に、私も本当に良かったと思った。

誰でも、いつか自分にあった自信をもてる生き方ができる、と信じている。それには、毎日が少しでも充実したものになるようにと、行動してみようと思う。

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2025年09月25日

Posted by ブクログ

読んでいて、ハミングしたくなるような心地よさを感じる作家は本当に稀だ。私にとってそれは森絵都さんと宮下奈都さん。
何をしても中途半端。自分よりも妹にばかり魅力を感じてしまう姉が変わっていくさまがこの小説の魅力。褒められ慣れていない主人公麻子が、自分の色で輝き出す。気づいてないだけだった。
妹との溝がなくなる瞬間は自分のことのように嬉しくなる。
宮下奈都さんの小説は、私が私でよかったと背中を押してくれる温かさに満ちている。
最後なんて全然劇的ではないのに、至上の幸福感を味わえる。宮下奈都さん、好きだなあという余韻に包まれる。

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2024年10月24日

Posted by ブクログ

卓越した描写力。豊かな表現力。
無駄なものが一つもない、実りに満ちた文章。

一つ一つの表現が瑞々しく、的を得ているので、深い共感を得られる。

中学生から30代までの、全ての女性へ。

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2024年05月10日

Posted by ブクログ

宮下さんの文体はどこまでも抽象的というか、
例えば『好きになった』と一言で済むところを、何度も何度も言葉を重ね直接的な言葉を使わず表現しているんだなぁと感じます。

そこが想像力を豊かにするし、細かな情景が浮かび上がると同時に、何かが起こるのか?どうなるんだ?とどんどん読み進めてしまいます。

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2024年02月24日

購入済み

恋心が瑞々しい✨

中学、高校、大学、社会人…それぞれのステージで、少女が瑞々しく、自然に恋をしていく様子が素敵でした。

どの相手も格好良いなぁ~(о´∀`о)✨
……………あ、あれ…?大学時代の相手だけ、誰だか忘れた(笑)印象薄かったんかな。

そして、麻子の背景にある、モノを愛する力と、家族(特に七葉ちゃん)の存在も、温かくてとても良かったです。心が柔らかく、キレイになった気がします!!

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2020年10月14日

Posted by ブクログ

いつ読んだか覚えてなかったので再読。言葉が風に乗って心に入ってくる感じがした。女性とか男性とか、そうではなくて、その人そのものを映し取るようなお話でした。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

静かな中に、力強さを感じる。

「羊と鋼の森」を読んだときと似た読後感。主人公があまり声に出さない性格だからこそ、生きてくる風景描写から感じられる登場人物の心理描写、本当にステキです。

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2025年12月04日

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ネタバレ

すごく好きでした。
宮下奈都さんの紡ぐ物語は、心がとても丁寧に表現されていて、静かなのに熱くて、大好きです。
麻子が幸せを掴めそうな時の感情の高まり。私まで心がきゅうっと熱くなりました。
他の作品もどんどん読みます!!

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2025年11月24日

Posted by ブクログ

読み終わったあと、ほんのり、ほんわか
する気持ちが残る
宮下さんの本はそんな気持ちがらほんのり
するので好きです
靴やさんに行って、靴、みてみたくなります

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2025年09月26日

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一人の女性の中学生から大人になって結婚するまでの青春小説。人生の4つの場面を切り取り、その時々の感情や思考など、自分自身にも当てはまるように感じた。色々な苦悩があり、自分の人生とも照らし合わせて、どのように成長していくのだろうと考えさせられました。

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

読み始めは単に少女の成長して行くお話しかな?なんて思っていたら読み進める度に次から次へと読み始めていた所と繋ぎ合わされて行き、感動しながらページを捲っていました。
価値観が合う人に出逢える事が運命なのかな?なんて最近では思います。
販売員の方や靴、骨董品が好きな人にオススメしたい一冊です。

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2025年07月02日

Posted by ブクログ

読み終わってからしばらく経つけど、ふとぼんやりする時はこの本のことを思い出してる
良い本だったな…
これまで読んだ宮下奈都作品の中で1番沁みた

1人の少女が大人になっていく過程を描いた作品
初めて恋した時の目で追う感覚や、社会人になって思っていた仕事ができなかった時の焦燥感だったり、それぞれの段階であぁ分かる…と思いながら読みました
解説にも書いてあったけど、宮下奈都は心情の丁寧な描写が本当に上手だなあと思う
丁寧で繊細でしっとりとした本

お父さんの「いい目を養うには良いものをたくさん見ること」から、もっとガシガシ本を読もうとも思いました

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2025年05月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初正直退屈だなと思ったけど、最後まで読み終えて良かったなと思える作品

大きな事件とかが起きないけど、心にスッと染み渡るような文章が多い。

仕事や生活で感じるちょっとした違和感の言語化が上手!

「会社を出れば、風はやわらかい。部屋の鍵を開けるとき、私は自由だ。〜何をするにも私はひとりで、〜自分の爪先のあたりだけを見ていればいい。」という表現がめっちゃしっくりきた。

ただ、この本の主人公自己肯定感が低めなゆえに結構な恋愛体質で、そこだけあんまり共感できなかった。付き合う前に自分の部屋でご飯食べようって言ってくる男、私なら惹かれないなー!!と思いながら読んでた笑笑

でもこの人の他の作品も読んでみたい

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2025年04月06日

Posted by ブクログ

宮下奈都の真骨頂と言える素敵な小説だ。平らな地面をゆっくり歩いていたのに、気がついたらさわやかな景色の見える山の頂上にいた。そして、その道のりもまだまだ素敵な景色が続きそうな・・・。ひとりの女性の心の中をとても丁寧に表現していて、中学生から社会人になるまでの成長過程をせつなくも鮮やかに見事に描き切っている。読み始めたときは、何か苦しい感じがして、この小説はハズレなのかと思った。でも、それは間違いだった。主人公の成長に連れて、ストーリーは静かに、読み手を佳境へと誘ってくれた。主人公の女性が、仲良くなる男性と、高校生の頃通った映画館ですれ違っていたり、実家の骨董屋に来ていたという場面はとても良かった。

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2025年01月26日

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2024の課題図書やっと読めた…
普遍的な人生のお話である
主人公なんでこの感じで男途切れへんねんと思ってたけど、あんまり人に執着しないし合わせない人って確かに魅力的やな
でもそれって妹と共存する中で編み出したものやったりするし、ありきたりな表現やけど人生に無駄なものなんてない
あとめっちゃ入試問題の人が好きそう、ストレートな表現は使わない分、描写の情報量がとにかく多い

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2024年12月27日

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中学生の女の子が一人の女性として成長していく物語。前半は読むのに時間がかかって、途中で辞めようとかともちょっと思ったのですが、後半は引き込まれて一気に進みました。文章も綺麗で、やっぱり読んでよかったです。

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2024年12月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初は男性として麻子を俯瞰で追っていたけど、最後には茅野さんのことかっこいいと思ってしまうくらい、気づいたら麻子自身として女性目線で読んでた。

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2024年11月28日

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なんとなく手に取って余り期待せずに読み始めた本なのに夜更かしまでして、一気読みしてしまった
本の帯に書かれてある「あなたはいつ少女から大人になりましたか」と言うメッセージはもう若く無い自分には余り興味がもてなかった
でも綺麗な文章に引き込まれ、誰もが憧れるようなラストも 素直に響いてしまった
とても気持ちよく読み終わる事が出来た

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2024年06月12日

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古道具屋が実家の三姉妹の長女・麻子が主人公で彼女の中学時代から高校〜大学〜就職と追う物語。

一つ違いの妹・七葉の自由奔放さに比べて、自分の気持ちを押し殺して実直に生きる麻子だが、成長とともに内面から滲みてくる素直さが良い大人になっているなぁと感じさせる。
特にNo.3の靴店で働くところに彼女の成長を感じ、すごく距離が近くなったような親近感が湧く。
さらにNo.4での恋愛は遠回りしてきたからこその確かなものを感じて嬉しくなる。
いいものを穏やかに講釈する父と笑顔で温和な母にちょっと厳しめだが正しい祖母の存在もいい。
ゆるゆるとじんわりと心に染みてくる。


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2024年06月06日

Posted by ブクログ

途中までスラスラ読めなかったけど靴屋以降は一気に読んだ。劇的な事が起こる訳では無いけれど全てが繋がっているということがとても綺麗な日本語で表現されていて素敵な空間を感じた。

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2024年06月01日

Posted by ブクログ

恋と家族とお仕事。
中学から社会人までの、それぞれの時代の物語が4つの章で綴られている。
妹との確執や母の人生への異議など家族の物語も良いのだが、ストーリーとして面白かったのはお仕事小説の体を成す3章。主人公が仕事にのめり込んでいく様と、(自分は向いていないと思っている)本人の意識とのズレがまたリアルで、この章だけで単独の作品として成立するくらい完成度が高い。
しかし、なんと言っても素晴らしいのは1章と4章の恋に落ちる瞬間の描写。中学時代の鮮烈な一目惚れや、社会人時代のどうしようもなく恋に落ちていく描写はこちらまでドキドキするほど。
「風が止まった」
「もうだめだ、と思った」
こうやって抜き出してみても何てことはない文章なのだが、読んでいてそこだけ浮かび上がって見えるような美しい表現でした。

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2024年03月06日

Posted by ブクログ

時が流れても環境が変わっても変わらないもの、大切なものに麻子が成長するにつれて気づいていくのがよかった。

七葉と自分を比べちゃったり、何かに夢中になれないことで悩んだりしても、やさしい気持ちで日常を慈しむことが出来てる麻子は充分すごいと思う。

慎ちゃんとのお話好きだなあ。

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2023年10月13日

Posted by ブクログ

一人の少女の中学生から、高校、大学、就職を通して女性に成長していくのを描いた物語。登場人物の発言ひとつひとつがロマンチックだったり、深くて、堅い麻子に共感できる部分がたくさんあった。あまり恋愛物を読んだことがないけれど、さりげなく恋愛要素があって、でも素敵だなと思った。最終章の今まで付き合った男性は二人でいるのにどこか寂しかったという部分に、異性ではないけど、自分も集団の中にいるのに、一人でいるよりも激しく孤独を感じる時があって、共感できた。学生である、このタイミングで読むことができて、よかったと思う。

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2025年12月05日

Posted by ブクログ

面白かったです。

恋愛や家族、仕事という色々なテーマが盛り込まれていて楽しく読めました。

特に、恋をした麻子の心情の描写が良かったです。
きめ細やかで瑞々しい。
感覚が研ぎ澄まされる感じや、気分が高揚する感じがすごく伝わってきました。宮下さんの作品の魅力を再認識しました。

それにしても、勤務先の他部署の茅野さん。
暗闇のなかでピアノを弾くシーンがカッコ良すぎでした!

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2025年08月10日

Posted by ブクログ

とても丁寧に話が進んでいくように感じました。
勉強はできる、ほどほどに恋愛も経験している、友人もできる、なのに自己肯定感が低い。前半は読んでいてもどかしく感じました。麻子の気持ちが理解しきれないところもありました。
ただ、社会人になってからを描いた後半は、周りからの評価の割に自己肯定感が低いのは相変わらずなのに、共感できるところが多く、素直に読み進めることができました。
麻子に嫉妬しつつも、共感できるところも多く、幸せになってほしいと思いました。

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2025年03月08日

Posted by ブクログ

一人の女性の成長を描いた小説。4章からなり、器量の良い妹に嫉妬する少女時代、学校になじめない学生時代、疑問を抱きつつ過ごすOL時代、専門分野を見出す社会人時代、という感じで、主人公の人生が発展していく。
主人公は容姿も能力もごく平凡な女性で、本人も子どものころからそれは自覚している。成長に従い、恋愛を経験したり、親の人生に思いをはせたりする。姉妹間で嫉妬心や競争意識を持つのは割と普遍的だが、比較されて見劣りする方はずっと劣等感を持ち自己肯定感が持てなかったりする。
子ども時代の恋愛の話は感情移入できず、またこの著者の表現が表面的で慣れるまで頭に入ってこない部分も多かった。後半は会話中心で助かった。
文章との相性だとは思うが、取り立てて面白いかとかまた読みたいという本ではなかった。

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2025年01月28日

Posted by ブクログ

主人公、津川麻子の中学1年生、高校1年生、就職、社会人3年目を描いた作品。
家は古道具屋を営んでいる。
家族、恋愛、仕事、結婚という4つの「スコーレ」があったというのがタイトルの意味だろうと解説の方は書かれていた。

丁寧に丁寧に風景や内面が描写されていて、あっという間に読んだ。

私にとって物足りなかった部分を書く。

・あらすじにある「七葉の自由奔放さ」がよくわからなかった。
七葉との確執、七葉の思いも知りたかった。
何故七葉は古道具屋から遠ざかったのだろう?

・愼ちゃんが従姉妹たちをどう思いながら麻子に接していたのかよくわからなかった。

・幼少期から古道具屋にいて目が肥えていたのだろうが、全ての靴の値段が大体わかるとか、初めての買い付けを全て1人に任されるというのが、現実的でなくて少し白けてしまった。

・茅野さんの誘い方が強引で気持ちが悪かった。

・茅野さんとの運命的な過去が出来過ぎて急にマンガチックに感じた。

茅野さんが登場する迄は割と面白かったが、最後のまとめ方で結局何が言いたかったのかよくわからずこの評価。
言葉の選び方や流れる空気感は好き。

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2024年06月04日

Posted by ブクログ

特別なことは起きないけど世界に引き込まれた。
小説全く読んだことなかったけど、言葉で雰囲気や景色が見えたり素敵だ。本読もう

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2024年05月18日

Posted by ブクログ

星3.5
正直、ストーリー自体は至って平凡。家族、姉妹、会社での人間関係、恋人との関係など色々な局面でのストーリーが読める。
だけど、その場面場面での情景描写や表現の繊細さ、言葉選びのセンス等、宮下奈都さんにしか出来ない味付けが絶妙。羊と鋼の森を読んだ時も同じような感じを覚えた。良書。

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2024年04月13日

Posted by ブクログ

七葉との思い出を回想するたびに、何かしら事件というか大きな出来事を予想するのに、特にない。事件になるようなことは何もない。しかし麻子の心の内には深く印象に残っている。現実にそんな思い出って本当にたくさんあるなって。そういうなんでもないんだけど、自分の心の内に刻み込まれていて、誰かと共有することが難しいくらい些細なことを丁寧に回想してくれるのが印象的でした。

人を愛すること、ものを愛すること、が語られるとき、骨董品屋の娘という生い立ちや靴屋への出向がとてもストンときた。「物に執着し過ぎること」と「ものを愛する能力」は広義で同意義なんだなと受け取りました。

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2024年03月20日

Posted by ブクログ

人物描写も情景描写も見事な、とても筆力のある作家。 劇的な出来事や展開があるわけではないけれど、(1人の女性が)日々の経験から少しずつ学び・考え、そうしながら、本来の背伸びしない自分に辿り着くという人生の真実の一端を描き、また、その時々の人間の心情も見事にすくい取っている。 その静かな世界にどっぷりと浸り、心地よく読み進められる小説。

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2023年10月19日

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