【感想・ネタバレ】スコーレNo.4のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

卓越した描写力。豊かな表現力。
無駄なものが一つもない、実りに満ちた文章。

一つ一つの表現が瑞々しく、的を得ているので、深い共感を得られる。

中学生から30代までの、全ての女性へ。

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2024年05月10日

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宮下さんの文体はどこまでも抽象的というか、
例えば『好きになった』と一言で済むところを、何度も何度も言葉を重ね直接的な言葉を使わず表現しているんだなぁと感じます。

そこが想像力を豊かにするし、細かな情景が浮かび上がると同時に、何かが起こるのか?どうなるんだ?とどんどん読み進めてしまいます。

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2024年02月24日

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ネタバレ

再読のはずなんだが、前回いつ読んだんだったか覚えておらず、内容も失念していた。タイトルと読後感がすごく良かった余韻だけ覚えていたのだが…。

読み終わっても、前回読んだ時の記憶はあまり蘇ってこず、そういやうちの弟二人の仲の良さを思い出したんやったなぁ…とそれだけ記憶の底から湧いてきた。

この本は娘に読ませたいなぁ。考えること、感じることが俺なんかに比べもんにならんくらい、質量ともに大きいはずなんで。
でも父親からこの本薦められるの絶対イヤやろなぁ。

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2023年05月07日

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恥ずかしながら感性が主人公に似ていて共感してしまった。物事に無理にのめり込まなくても大丈夫、やら、求めずともその時はやってくる、なんていうメッセージが平穏な物語だこそじわじわーっと伝わってきた。

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2022年11月03日

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ネタバレ

わたしのファースト宮下奈都がこれ。何年も前に買って何度も読んだ。今回は「つぼみ」を読みたいがために再々再読した。
地に足がついていて、文章が過不足なくなめらかで心地いい。さりげなくて芯をついてて嫌味がない。

姉妹の複雑な関係を描くNo.1。79ページの七葉が気づくところとかグッとくる。うまいなぁと思うNo.2は七葉と慎が帰ってこなかった合格発表の日。切なすぎて読むのが辛くなる。No.3はいよいよ真骨頂、小気味いいお仕事ドラマ。そしてしっかり巡り合って、何もかもがつながったNo.4。

超良作です!

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2022年07月25日

購入済み

恋心が瑞々しい✨

中学、高校、大学、社会人…それぞれのステージで、少女が瑞々しく、自然に恋をしていく様子が素敵でした。

どの相手も格好良いなぁ~(о´∀`о)✨
……………あ、あれ…?大学時代の相手だけ、誰だか忘れた(笑)印象薄かったんかな。

そして、麻子の背景にある、モノを愛する力と、家族(特に七葉ちゃん)の存在も、温かくてとても良かったです。心が柔らかく、キレイになった気がします!!

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2020年10月14日

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恋と家族とお仕事。
中学から社会人までの、それぞれの時代の物語が4つの章で綴られている。
妹との確執や母の人生への異議など家族の物語も良いのだが、ストーリーとして面白かったのはお仕事小説の体を成す3章。主人公が仕事にのめり込んでいく様と、(自分は向いていないと思っている)本人の意識とのズレがまたリアルで、この章だけで単独の作品として成立するくらい完成度が高い。
しかし、なんと言っても素晴らしいのは1章と4章の恋に落ちる瞬間の描写。中学時代の鮮烈な一目惚れや、社会人時代のどうしようもなく恋に落ちていく描写はこちらまでドキドキするほど。
「風が止まった」
「もうだめだ、と思った」
こうやって抜き出してみても何てことはない文章なのだが、読んでいてそこだけ浮かび上がって見えるような美しい表現でした。

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2024年03月06日

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時が流れても環境が変わっても変わらないもの、大切なものに麻子が成長するにつれて気づいていくのがよかった。

七葉と自分を比べちゃったり、何かに夢中になれないことで悩んだりしても、やさしい気持ちで日常を慈しむことが出来てる麻子は充分すごいと思う。

慎ちゃんとのお話好きだなあ。

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2023年10月13日

Posted by ブクログ

仲の良かった妹との拗れてしまった関係や実家への複雑な想いを、学校生活や就職して仕事をし、そして恋人との生活の中で見つめ直していく物語。

娘がいる自分としては今を大切にしたいと思う一方、この先の成長を思うと切なくもなる小説だった。読んで良かった。

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2023年09月09日

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しっかりと自分を見つめながら成長していく主人公の姿に感動しました。
人にどう思われるかではなく、真摯に自分に向き合う姿勢を私も真似したいなと思いました。

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2023年08月02日

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 2007(平成19)年刊。
 女性を主人公とし、結婚に至るまでを描いた成長小説。文章はあまり上手でないのか引っかかるようなものを感じ、冒頭の、子供の頃の様子を長々と描写したところは退屈に思えた。
 後半の、職業に就いた辺りからが面白く、最後にやっと自然に愛することの出来る相手に巡り会い、どうやら幸福へと到着するのが感動的であった。
 全体的にまあ繊細な感性は見られる。前半退屈に感じられたのは主人公が凡庸な女の子で、目立ったところの無い凡庸な人生を歩いているせいかもしれない。しかしその地味なプロセスを地味に積み重ねて、最後に全てを解放するかのようなラストに至るのが、結果的にとても快感だった。

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2023年06月07日

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自分の自信の無い麻子は、1つ下の明るい妹、七葉と自分を常に比べる。
麻子はとても繊細で、ネガティブ思考。でも、自分の芯がしっかりあって、おかしいと思うこと、軸から外れたものは、違う、変えるべきと主張できる。
自分をどこか排他的で愛が足りないと思っている学生時代を経て、とても素敵な女性に成長していく。その過程が宮下さんの言葉で丁寧に描かれていた。

みなさん書いてるけど、No.3と4が特に良い。
麻子の中で細い糸がどんどん絡んでいって、最後にまっすぐではないかもしれないけど、糸がほどけて柔らかくなる。
作品全体を包む雰囲気、情景、登場人物のアクセント、みんな味があって、どこか懐かしくてよかった。

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2023年02月21日

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ネタバレ

解説を読んで、家族・恋愛・仕事・結婚の章立てだったか…と気付く。
最後は全てがスルスルとつながって、「そんなにうまくいく!?」と思いながらも、それが嫌じゃなかった。むしろ、今まで自分を形作ってきたものに意味をもたせられて、出会えてよかったね、と思えた。
3の靴屋での話と4の茅野さんとの出会いの話がよかった。でも、それをよいと思えるには、それまでを知っている必要があるから、つまり全体がよかった。

愼と七葉に何があったのか、七葉は何を思っていたのか、彼女の視点からも見たくなった。知らない方がいい気もするけど。

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2022年12月25日

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特に劇的な展開はない、10〜20代の話だが、自分に当てはまるところも多く共感しながら読んだ。

他人を羨んだり自己肯定感が低かったり悩んできた人に当てはまりそうな本

初期の恋愛のうまく噛み合わない感じに心当たりがありすぎたり、逆に相性がいい人のこれだという感じもよくわかった

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2022年11月27日

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今更でしたが…ずっと気になっていながらも積んだままになっていて。
最近、新刊のミステリーを立て続けに読んでいて、なんとなく気持ちをフラットにしたくて手に取りました。

宮下さんの文章はやはり気持ちが良い。
何気ない描写や会話の中で、納得させられたり、心が洗われたり。自分が少し優しくなれる気がする。
川の流れなどの風景、家屋、お店など建物の書き方も好きです。

最初は現代より少し昔の物語なのかと勘違いしてしまうほど、NO.1で描れる家庭と学校の日常は少し閉塞感がある、曇り空のような色合いだったような気がします。
こんな感じで家族、とりわけ妹との関わりを深く追っていくのかとNO.2までは思っていました。

気持ちをスッキリさせたくて読んだつもりが、ちょっと違うのかな?と思っていたら、NO.3とNO.4がとても良かった。角度か変わって、麻子が変化していくスピードがそれまでの年月をあっという間に追い越していくようだった。
ここまでが前向きな訳でもなく、妹と自分を比較して自信なげな場面ばかりだったからかもしれないけれど。
でも、その裏返しでも英語を習得して就職に繋げたり、自分の人生を投げやりにしていなかった努力は素晴らしいと思う。お金持ちではないけれど「育ち(方)」が良いのだろうと思う。祖母、両親は堅実な長女の事をしっかり理解して育てていたのだろう。七葉と紗良の性格も見極めていたし。

七葉の器量が持って生まれた資質ならば、麻子は目利きの才能を資質として授かったのだろう。
器量が良いから努力しなくても幸せになれる訳でもなく、目利きの才能だけで幸せになる訳でもない。
花開く順番が違うだけだ。
器量だけでなく、学力だけでなく、自分に持って生まれた資質を大事にして生かしながら、どこへ向かって深く深く努力していくかが大切なのかもしれない。
私ももっと早く気付きたかったな 笑

好きだなぁと思ったこと
・水色とグレーの組み合わせの洋服
・朝一番の飲み物を選べるところ
・大学の部室で、湯呑茶碗でお茶を飲みたいと思うところ
・人を擬音で表しているところ
・茅野さんと映画館の話しをするところ(外の石階段や扉の事などその光景が思い描ける描写か好き)

従兄の慎ちゃんはどうしてるんだろ…。

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2022年09月25日

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糸が絡めあって刺繍を作るような物語だった。針の運びは丁寧で滑らか。でも絵画みたいに色をしっかり乗せているわけではないから、糸と糸の隙間を想像して形作らないといけない。その感覚が煩わしくも心地よかった。

家族、恋愛、仕事、結婚。それぞれのスコーレごとで1冊書けそうなのに、別の作家や別の本ではそれらの一つをテーマとして据えて物語が作られているのに、4つを1冊に収めてしまったから、彼女の20数年を一気に体験したようで、とても濃い読後感でした。

スコーレを積み重ねた先の麻子の姿を見てみたくなった。

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2022年07月28日

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色々な苦しい事を経て、最後は良かったね…とほっとしました。かわいい妹達に押されがちな長女の生き様。分かるような気がします。

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2022年07月21日

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ネタバレ

就活終えたところで読んでみた。
自分に自信がない主人公が、仕事に面白さを見つけて、自分を肯定してくれる人と出逢ってハッピーエンド。うまくいきすぎな気もするけど自分についても考えさせられる本だった。

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2022年07月03日

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美人の次女と、末っ子三女と比べ、なんの取り柄もないと悩む三姉妹の長女、津川麻子。
中学生の頃、高校生の頃、大学での就職活動、そして職場での成長。
4つそれぞれのタイミングで彼女が抱える悩み、葛藤、喪失感、期待感、家族への失望、将来の自分への不安など、感情の機微が丁寧に描かれています。
世の中を生きてゆく、そのことの「ままならなさ」や、全てを引き受けた上で人生を歩むことの意味を一人の女性の青春と成長を通して語っている作品です。

中高生から大人まで楽しめる作品だと思いますが、どちらかと言うと女性向けの物語でしょうか。

ラストに向け、麻子のこれまでの人生(つらい経験や「思い出」に昇華されたかつての恋も含め)が、巡り巡っていることが、この物語の素敵な読後感を演出していることは間違いありません。
骨董品店、という麻子の家の商売も、良い味を出しています。

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2022年05月25日

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就活をしている自分にとって、主人公が社会人になってからのストーリーがとても心に響いた。

例え興味をもてない仕事であろうと、自分なりにやりがいや楽しさを見つけていくことが大切なんだと思った。

最初は全く興味のない靴の業界に対して、地道に努力していくうちに仕事が楽しくなりどんどん成長していく主人公が素敵だった!!

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2022年05月09日

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◯靴を選びながら、なんと気持ちのいい仕事だろうかと何度もため息を漏らしそうになった。(268p)

◯奥さんになっても、お母さんになっても、ただの私の人生の一部じゃないか。(306p)

◯どうしても忘れられないもの、拘ってしまうもの、深く愛してしまうもの、そういうものこそが扉になる。(311p)

★詩のような文章でできていると思った。

★3章の途中から、麻子の性格も、物語も、変わったようになる。それまでのストーリーもここに繋がっている。行き詰まっている人が読んだら、何か扉が開けるかもしれない。

★七葉ちゃんのサイドストーリーが読みたい。

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2022年04月24日

Posted by ブクログ

ひとりの女性の成長を静かに追っていくような話し。
愛することはどういう事なのか、彼女とその周りにいる人達にとっても愛することはどんな事なのかそれぞれ違う。
彼女の見つけた愛することは今思う事とこの先ではまた違うものになるかもしれない。
好きな人、物を見つけて大事にしたいと思う気持ちが愛することなのかな。

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2022年02月26日

Posted by ブクログ

就職してからの主人公
いいなと思う

それまでの焦ったい人生がなくても
そこだけでいい作品

解説もとてもいい

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2021年07月17日

Posted by ブクログ

感受性は人一倍強いものの、ごく平凡な女の子、麻子。彼女の人生を4段階にして追っていく物語。誰にでもある人生の一コマ。大事件は決して起きないのだけれど、独特の繊細な文章で綴られているので、まるで万華鏡を覗いているかのように、ゆっくり、キラキラと麻子の人生が垣間見える。また、同じ女性として、自分の人生と麻子の人生を伴走させているかのような錯覚にも陥る。やはり彼女が骨董品屋の長女ということが、人格形成や豊かな感性を持つところに多大な影響があるのだろう。普段自分が読む系統とは違いながら、余韻を残す一冊となった。

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2022年04月04日

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特別なことは起きないけど世界に引き込まれた。
小説全く読んだことなかったけど、言葉で雰囲気や景色が見えたり素敵だ。本読もう

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2024年05月18日

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星3.5
正直、ストーリー自体は至って平凡。家族、姉妹、会社での人間関係、恋人との関係など色々な局面でのストーリーが読める。
だけど、その場面場面での情景描写や表現の繊細さ、言葉選びのセンス等、宮下奈都さんにしか出来ない味付けが絶妙。羊と鋼の森を読んだ時も同じような感じを覚えた。良書。

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2024年04月13日

Posted by ブクログ

七葉との思い出を回想するたびに、何かしら事件というか大きな出来事を予想するのに、特にない。事件になるようなことは何もない。しかし麻子の心の内には深く印象に残っている。現実にそんな思い出って本当にたくさんあるなって。そういうなんでもないんだけど、自分の心の内に刻み込まれていて、誰かと共有することが難しいくらい些細なことを丁寧に回想してくれるのが印象的でした。

人を愛すること、ものを愛すること、が語られるとき、骨董品屋の娘という生い立ちや靴屋への出向がとてもストンときた。「物に執着し過ぎること」と「ものを愛する能力」は広義で同意義なんだなと受け取りました。

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2024年03月20日

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靴屋さんの場面が好き。
靴屋さんの部分を一つの小説にしてほしいくらい。

スコーレNO.2までは賞を狙ってます、って文章に感じて苦手だと思ったけど、麻子が働き出してからぐっと引き込まれた。

「自分には本気で何かを愛することができない」と考えている麻子に共感した。特に、"楽しく付き合っているつもりでも、ふたりだけになるとだめだった。泣きたくなるほど寂しくなる瞬間が来た。ふたりでいてもひとりなのだ、心は重ならないのだと突きつけられる気がした。"ってところ。

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2023年07月23日

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ネタバレ

No.1
津川麻子
中学一年。

津川七葉
ひとつ違いの妹。

泰郎
父親。マルツ商会という古道具屋を経営。

津川紗英
下の妹。

里子
麻子たちの母。

芳本真由
麻子の友達。

未知花
麻子の友達。

中原
サッカー部。

愼ちゃん
父の兄の息子。麻子の従兄。

垣内
運動のよくできる、背の高い男子。

木月
サッカー部。麻子が中原と思い込んでいた。


No.2
麻子
地元の公立高校に通っている。

春木
地学部。変わった人。

真由
女子校に進学。

愼ちゃん
麻子の従兄。大学院に通っている。

七葉
第一志望の高校に合格。


No.3
麻子
大学三年生。貿易商社に入社。

小野寺
麻子と付き合っていた。

安藤
麻子と付き合ってる。

土屋
麻子が配属された靴を輸入する部門の部長。

中村
靴売り場で一緒に働いている五つくらい年上のきれいな女性。

吉井
靴屋のチーフ。

三津井
靴屋の若い同僚。

我孫子
靴と一緒に消えた。

春木
高校時代の同級生。麻子の靴屋の近くに嫁いだ。

七葉
妹。


No.4
麻子

若松
主任。アメフトの社会人チームでディフェンスの要として体を張っている。

栗本
主任。彼女の同期の中では出世頭。

原口仁志
繊維課課長。

茅野明
繊維課。

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2023年07月19日

Posted by ブクログ

古道具屋の長女として生まれ、周りと比較して劣等感を持ちつつ育ち、少しずつ克服して成長していく。
幼少期、学生、社会人と朝ドラにできるくらいの年月をかけた成長記はどの時期も丁寧に描かれていてよかった。
詩人のような美しい表現力で心地よく読み進める事が出来た。

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2023年07月02日

Posted by ブクログ

人物描写も情景描写も見事な、とても筆力のある作家。 劇的な出来事や展開があるわけではないけれど、(1人の女性が)日々の経験から少しずつ学び・考え、そうしながら、本来の背伸びしない自分に辿り着くという人生の真実の一端を描き、また、その時々の人間の心情も見事にすくい取っている。 その静かな世界にどっぷりと浸り、心地よく読み進められる小説。

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2023年10月19日

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