宮下奈都のレビュー一覧

  • ふたつのしるし
    え?!この結末?と思いましたが、自分が大事なものが何かを探して日々うなっていたことがわかった一冊でした。温かな気持ちになりました。
  • とりあえずウミガメのスープを仕込もう。
    食べ物という一貫したテーマに沿って描かれる著者の何気ない日常があたたかく、ときにはっとさせられる。ほっこりとしていて理想的な食卓の風景(再現は無理だと思うが、嫌味な感じはしない)。食は、料理ができる人にとってもできない人にとっても豊かなものだ。文体がとても好き。
  • たった、それだけ
    最初はサスペンス風味であんまり、、かと思いきや、読み進めていくにつれ引き込まれた。笑顔を貼り付けて守っていたのは本当は何だったんだろうな。
  • 緑の庭で寝ころんで 完全版
    「神様たちの遊ぶ庭」のその後や著書について、本屋大賞をとった頃の話を綴ったエッセイ

    前作で読んだ宮下家の子どもたちの事を色々思い出しました。「そうだったなぁ」「可愛いなぁ」と嬉しくなってニコニコしながら読みました。
    ポケットに何でも入れちゃう息子さん。自作の砂時計で美味しいコーヒーを入れてくれる娘...続きを読む
  • とりあえずウミガメのスープを仕込もう。
    食がテーマのエッセイ集。テーマごとにまとめてあるので、時系列がいったりきたりするが、そんなこと言ったら野暮。毎編、いろいろなところに連れて行ってくれる。食の好みがズバン! と変わるのわかるなぁ。給食でどうしても食べられなかったメニューや、抜群に美味しかった鳥取砂丘で朝日を見ながら食べた○○のカップ麺...続きを読む
  • 田舎の紳士服店のモデルの妻
    結婚し家庭を持ち、子どもが産まれたら…
    まっとうな人生を送っていると安心できるのか?と思っていた。疑問にも感じていた。
    結婚しても子どもが産まれても、私は一人でしかなく、何者でもない。
    家庭を持ち頑張っている人、未婚で頑張っている人、どちらの背中もそっと押してくれるような小説でした。

  • たった、それだけ
    悪事をした人、された人、された人の子供、一番最後の「された人の子供」は第3者に近い立場だけれどそれが辛さを生む原因になることがよく分かった。第3者は誰かのせいにして生きるには少し遠い位置にいると思うから。ただそれが強く生きるための道標にもなるのかもしれない。私は人に悪いことを「された」からその「せい...続きを読む
  • たった、それだけ
    テーマは「逃げる」。一見、順風満帆に見えた正幸は会社から贈賄の責任を負わされる。それを浮気相手により暴露されるが正幸を逃亡させる。正幸の妻は正幸が逃亡したことで、正幸が戻らないと分かり、自分自身から逃げる。正幸の姉は正幸の過去を回想し、正幸から逃げる。この逃げの最大の犠牲者は正幸の子ども・ルイ。ルイ...続きを読む
  • とりあえずウミガメのスープを仕込もう。
    こころがもやもやくるくるしてきた時に読むとすうっと消えるかもしれない、それと友達になれるかもしれないと思える
    君の名前とシュークリームの関係を知りたい
    片岡義男よむ。
    宮下奈都さんはとても繊細な感覚を持っていて、普段のちょっとした行動さえ印象的に残る程敏感なのだと思った
    幼い頃からそういう感覚を持て...続きを読む
  • とりあえずウミガメのスープを仕込もう。
    装丁、イラストが宮下さんの文章のあたたかみのある柔らかさにマッチしていて、一冊の本として◎。

    『クリームパン』『スープを煮込む』が好き。
    あたたかく、優しい(優しすぎるともおもう)お話がほとんどなので、少しばかり切なさがエッセンスとしてある話が凄く良い。
  • 誰かが足りない
    予約で埋まっているはずの席が、ぽつんと空いている。
    誰かが足りない。

    誰かが足りない。(私は)いつもそう思いながら生きてきた(かもしれない)。大事な何かが足りない、その答えを探りながら私は恐る恐る読んでいたのかも。
    足りないのは、もしかしたら、私ー。
    ドキリとした。こんなに気持ちがはまるとは思って...続きを読む
  • つぼみ
    スコーレno.4のスピンオフも含まれる、短編集。
    どの話も宮下さんらしさがつまってて、誰にでもあるだろう人のゆらぎを、上手に言語化してあって、うまいなぁと思います。最後の話が好きでした。
  • とりあえずウミガメのスープを仕込もう。
    雑誌連載のまとめなので1話が短くて読みやすい。
    そして宮下さんの素敵な料理や食べ物がいろんなエピソードとなって、独特の優しい目線で語られている。
  • たった、それだけ
    ー「逃げ」さえも、一歩なのだ。

    「逃げて」。当面必要なものを入れたはずのコンビニの袋を押しつけて浮気相手の私は言う。でも、この人を窮地に立たせてるのは自分だ、その上で彼に逃げ切って欲しい。賄賂容疑で彼を告発した。きっと彼はこれから逃げる生活が始まる。妻も娘も置いて。妻はいつまでも待ち、姉は困惑し、...続きを読む
  • 窓の向こうのガーシュウィン
    主人公の性格が本当に好き。

    彼女自身におごりが全くないから、冷静に物事を見ることができている。

    その俯瞰してみる見方が実に見事。
    起こること、出会うひとをよく分析していると思う。

    「私には意味がないよ。価値もないかもしれない。だけど、私が額装を手伝うことには意味があるし、価値もあるよ」

    と佐...続きを読む
  • 窓の向こうのガーシュウィン
    とても良かったな。
    博士の〜を思い出した。
    この作者の作品をどんどん読んでみたいと思った。
    良かった!
    エラ・フィッツジェラルドのサマータイム、必ず聴いてみよう。
  • たった、それだけ
    贈賄容疑にかけられている望月さんが逃げるところから、残された妻、娘、姉の物語が紡がれる

    この本には印象に残ることばがたくさんあった。
    ・どうしたの?という問いかけで人は救われる
    ・やめることは逃げることじゃなくてひとつの選択
    ・どんな環境にいたって自分は自分、周りにどんなふうに思われようと自分のや...続きを読む
  • たった、それだけ
    宮下さんの本はいつも凄い。
    この小説も、構成の斬新さだけでなく、根底にある、人は変われるんだ、ひとっていいな、と思わせる温かいものがみなぎっている。凄い。(ちょっとわからないところもあったけど。またいつか読み返そう!)
    解説にある、「ツンと甘えた声」、あぁ、なるほどな、と。きちんと読むとまた新しい発...続きを読む
  • 本をめぐる物語 一冊の扉
    短編集。以下気になったタイトル

    メアリー・スーを殺して(中田永一)…二次創作小説を書く女の子と、その小説の中に顔をのぞかせるメアリー・スーとの向き合い方について

    砂に埋もれたル・コルビュジェ(原田マハ)…認知症で徘徊癖のある父と世話をする娘の話。あとがきで本を埋める話について読み、考えるところが...続きを読む
  • 太陽のパスタ、豆のスープ
    ドリフターズ・リスト
    ウィッシュリストも同じ類いかな?

    てっきり、やりたい事をひとつずつ叶えていった先に…みたいな話かと思ったけど、そうではなかった。
    でもそれが心地よかった。
    SNSでは自分以外のキラキラした毎日が送られていて、持たなくていい劣等感を持ってしまって心が消費されがち。見なくてもいい...続きを読む