宮下奈都のレビュー一覧

  • とりあえずウミガメのスープを仕込もう。
    食にまつわるエッセイ集
    家族との思い出が重なり、とても温かい気持ちになりました。日常のささやかな小さな思い出に幸せを感じます。
  • ふたつのしるし
    『六年生が昼休みに体育館を使える金曜日、クラスでするのはドッジボールと大縄跳びのどちらがいいか、という議題のときに、読書、と発言した。もちろん、意見は通らなかった』。

    小学校だったか、中学校だったか、多数決で物事を決めていくというやり方を学ぶのと同時に、多数決で決まったことが決して正しいわけではな...続きを読む
  • 誰かが足りない
    誰かが足りない。、
    いつも予約でいっぱいの美味しいお店。

    そこへの予約1.2.3.4.5.6.
    6つの短編から成り立って、みんな繋がっていく
    同じ日にそのお店「ハライ」

    10月31日
    期せずして同じ日の予約。やはり宮下奈都は素敵だ。
    それぞれの人に投げかける眼差しが優しい。
    読めば読むほどこの作...続きを読む
  • 終わらない歌
    青春ストーリー。「コスモス」の舞台が自分の地元であり、中学時代に歌った曲でもあるので懐かしく感じました。
  • 窓の向こうのガーシュウィン
    いつも宮下奈都の本を読むと
    悲しいような、あったかいような空気感に包まれる
    別にストーリーを必要としているのではない。

    ただ大切なことがあるということを教えてくれる。

    未熟児として足りないままに生まれてきた。
    それでもいい。
    それも個性として受け止めていく
    足りないからこそ、優しい気持ちを持って...続きを読む
  • 窓の向こうのガーシュウィン
    いろいろなことを気づかないうちに諦めてきた主人公。
    あるがままの自分を受け入れてくれる場所を見つけることが出来て、初めて幸せを感じる。
    ひとは暖かく包まれて、安心出来て初めて、次の一歩を踏み出す勇気が生まれる。
    今を生きること、自分の想いを伝えること…大切なことに気づき、彼女は少しずつ変わっていく。...続きを読む
  • 終わらない歌
    『よろこびの歌』の続編。前作とストーリーラインに大差はないが、後半の盛り上がり方(ライブ感)は圧巻。しばらくはブルーハーツの曲が脳内再生を繰り返すことになりそうだ...。
    「夢は遠い。希望は儚い。どんなに手を伸ばしてもつかめないかもしれない。夢も希望も、挫折や絶望のすぐそばにある。もしかしたら、欲し...続きを読む
  • 窓の向こうのガーシュウィン
    殊更ドラマチックな展開は無いものの、不器用なりに人の優しさに触れて変化していくさまが心地よいお話でした。特筆すべきは今まで見たことのないような表現「身震いがするほどんーんーだ」に妙な共感さえ覚えました。
  • 窓の向こうのガーシュウィン
    ガーシュインの歌劇「ポーギーとベス」、この作品名は知らなくても、メロディを数秒聴けば誰でもああ、あの曲ね、となる名曲「サマータイム」を書名に冠したこの作品。不思議感漂う表紙とともに、とても気になって読むことにしました。

    未熟児として生まれ、親の希望で保育器に入れられなかったために発育が遅れ言葉が...続きを読む
  • 終わらない歌
    「よろこびの歌」の数年後。彼女達の悩み、足掻きは続いている。各章、音楽が効いている。特にcosmosはgood!
    世界にひとつだけの花に通じる願いを合唱曲が歌い上げていて、何度もYouTubeで聞いてしまった。
    前作も込みで良い小説だった。
  • 窓の向こうのガーシュウィン
    宮下奈都の過去作をフォローしている中で読んだ1冊。
    主人公は経済力も知性もない両親から生まれたせいで、未熟児なのに保育器にも入れられず小さく育った19歳の少女。父は家を出てしまい不在、母は家庭を顧みず水商売…。という説明では、不幸話が予想されるのだが、不幸話ではない。

    彼女が介護ヘルパーとして訪れ...続きを読む
  • 窓の向こうのガーシュウィン
    周囲にうまく馴染めず、欠落感を抱えたまま十九年間を過ごしてきた私は、ヘルパーとして訪れた横江先生の家で、思い出の品に額をつける“額装家”の男性と出会う。他人と交わらずひっそりと生きてきた私だったが、「しあわせな景色を切り取る」という彼の言葉に惹かれて、額装の仕事を手伝うようになりー。不器用で素直な女...続きを読む
  • 羊と鋼の森

    なるほど❗って納得でした。

    最近、じっくり読み進めることができなくて リタイア作品も多かったのですが、この作品は ピアノの知識がなくても作品の世界に引き込まれてしまいました。余韻の残る読みやすく素敵な作品だと思います。
  • 本をめぐる物語 一冊の扉
    今年最後の1冊にふさわしかった。宮下奈都さんの作品はさらりと読みやすい。原田マハさんの作品は短編だけども流石に深い。小路幸也さん人と人の繋がりと本とのつながりに安定感。中田永一さんのメアリー・スーを殺してが新鮮だった。
  • スコーレNo.4
    感受性は人一倍強いものの、ごく平凡な女の子、麻子。彼女の人生を4段階にして追っていく物語。誰にでもある人生の一コマ。大事件は決して起きないのだけれど、独特の繊細な文章で綴られているので、まるで万華鏡を覗いているかのように、ゆっくり、キラキラと麻子の人生が垣間見える。また、同じ女性として、自分の人生と...続きを読む
  • 終わらない歌
    宮下奈都さん「よろこびの歌」(2009.10)で、有名なヴァイオリニスト御木本響を母に持つ御木本玲、母とは違って声楽を目指しながら音大付属高校に行けなくて私立の女子校に入学、孤立している玲、30人の仲間たち、2年B組の合唱コンクール、そしてマラソン大会での感動でした。今回、その続編「終わらない歌」(...続きを読む
  • はじめからその話をすればよかった
    宮下奈都さんの初エッセイ集。

    宮下奈都さんのエッセイは初めて読んだのですが、宮下さんって、小説作品数の割にはエッセイ集を多く上梓されている気がします(確か、今のところ4冊も出してる)。

    その真摯で心地よい温度の小説をどのような方が書いているのだろうと思う読者が多いからではないか・・・と勝手に考...続きを読む
  • 終わらない歌
    宮下奈都さんの作品はどれも、読みやすい。
    こちらの作品は、『よろこびの歌』の3年後を描いた作品ですが、読んでいない私でもすっと作品に入り込むことができました。そして、人物像が私と重なる。
    私が過ごしてきた人生と重ねて、自分が抱いてきた気持ちと言葉を客観視しているようで歯がゆくて。
    『自分のことをもっ...続きを読む
  • 終わらない歌
    シリーズ第2弾。前作は、とある高校の生徒達がそれぞれ将来への悩みなどを抱えつつも、合唱を通して青春をかけぬける爽やかな音楽学園小説。
    今作は、彼女たちが高校を卒業し、それぞれ、音楽大学に進学したり、舞台女優目指して奮起したり、見知らぬ土地へ就職したり…とネクストステップを歩み始める。
    主人公のクール...続きを読む
  • 終わらない歌
    よろこびの歌の三年後。
    御木元玲は音楽学校に入っているが、クラスで1番ではなく、色々と迷いながら進んでいる。歌が上手くなるために、必死でやろうとするが、何をしたら歌が上手くなるのかがわからず、色々と挑戦してみる。そこに千夏や3年前の同級生が絡んで、より悩みを浮き上がらせている。読んでいて気持ちよくな...続きを読む