宮下奈都のレビュー一覧

  • 羊と鋼の森

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    偶然ピアノの調律師である板鳥に出会って、調律に魅せられた青年がピアノと向き合いながら調律師として成長していく物語。

    タイトルの羊と鋼の森というのは、ピアノのハンマーに使われる羊毛と鋼でできた弦を指している。ハンマーと弦で奏でられる音階は、山で育った主人公にはまるで森の中を歩いているように聞こえる。

    名前や外見の記述もなく淡々とピアノに向き合う主人公の描かれ方は、自分にとっては捉えどころのない人物で想像しにくかった。とはいえ作者が描くピアノから森を連想する描写や、1P目の森から徐々にピアノの実像を浮かべる描写は、自分が森の中を歩いているような感覚になれて気持ちよかった。

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    2026年05月16日
  • いつか、アジアの街角で

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    女性作家6人によるアンソロジー。香港返還前、中国人歌手による『私の1997』という曲がヒットしたのを思い出した。香港側の思いは複雑だったと思うけれど、今のような状態を予測した人はいたのだろうか。台湾にはまた行きたいし、香港を見るにつけ、今のままでいてほしいと思う。

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    2026年05月16日
  • 羊と鋼の森

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    タイトルが『ピアノ』を表していると知り、作者のセンスに脱帽した。
    新米調律師である外村の成長を描いた本作をひと言で評するなら“静謐”だと思う。
    初めは淡々とこなしているように見えた彼の調律。
    だけど双子の姉妹のピアノを聴いた後、彼の中に静かな情熱が芽生えた瞬間の描写がとても良かったな。

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    2026年05月10日
  • 静かな雨

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    事故によって1日で記憶がリセットされてしまうたい焼き屋さんとの恋愛模様を描いた小説です。
    もどかしさや、どうしようもならない環境の中で何が出来るのかが描かれていますが、自分の人生にも目に見えない色々な障害があって、その中を進んでいるんだなと、読みながらも自分自信を見つめ直すいい機会になりました。
    小川洋子著の博士の愛した数式と若干カブってたと感じてしまいましたが、それでもしっかり読むことが出来ました。
    こよみさんのたい焼きが食べたいです。

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    2026年05月09日
  • 羊と鋼の森

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    調律士の視点からの音楽の世界を描いており、読みやすくあっという間に読み終わった。主人公の葛藤や、経験を積んで成長していく場面は面白いところだが、ストーリーの起伏があまりなく自分的には単調だったと思う。

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    2026年05月07日
  • 羊と鋼の森

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    主人公の内面の掘り下げ度合い、その他の登場人物の関わり度合いや表現が最初から最後まで大きく変わらず、最後のクライマックス?もクライマックス感が弱く、少し単調に感じました。
    主人公の生い立ち、演奏や依頼主、楽器店、故郷のエピソードが少なく、私は読んでいて情景が想像し辛かったのだと思います。

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    2026年05月05日
  • 羊と鋼の森

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    ネタバレ

    どんなに努力をしてでも、掴みたいもの
    そんな強い想いを抱ける事に出逢えて羨ましい。

    私もそんなものに向き合える人生を歩みたかったなぁとしみじみ思う。
    答えのないものってとても難しくて、しんどい事も多いと思うけれど。

    彼の今後がとても楽しみ。

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    2026年04月29日
  • 太陽のパスタ、豆のスープ

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    優しい物語。失意の主人公がやりたいことリストをもとに日常と改めて触れ合い直す話。情景の色使いが鮮やかで水彩画を見てるような綺麗さ。どれも淡々と進みながら、日々起きる出来事、人間関係と新しい関係を結び直していく。日常の小さなことを、心の小さな変化を、感情の浮き沈みに囚われずに、穏やかに安定飛行に入っていく様子に心がすごく暖かくなった。

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    2026年04月25日
  • 神さまたちの遊ぶ庭

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    ネタバレ

    北海道・トムラウシでの一年の暮らし。
    寒いんだろうな、しかし抗えない魅力があるようだ。
    「羊と鋼の森」はこの時期に書いたらしい。むしろそっちを読んでみたいなと思った。

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    2026年04月20日
  • スコーレNo.4

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    静謐で美しい文章で紡がれる、女性の成長物語

    自己評価の低い女性の成長の軌跡を描いた物語。中学時代、高校時代、入社後の現場出向、出向終了後の本社勤務。これらの4つの人生のステージがそれぞれ描かれます。

    とにかく文章表現の綺麗な物語です。派手な事件などはほとんど起きないものの、鮮やかな心情描写が美しく、目を見張ります。

    内容については、おおむね家族・恋愛・仕事という3つの要素を中心に描かれています。それにしても本作は、人を好きになるシーンで「好きだ」などと直接表現しません。巧みな心情描写によって、好きになったのだな、ということを読者に感じさせる点がとても素敵だと思いました。

    ただ、個人的な

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    2026年04月20日
  • 羊と鋼の森

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    何か大きなことが起こるわけでもないけれど
    ただ穏やかで素敵な時間がゆっくり流れていく話。
    少年のピュアで誠実な心の描写を見ていると、私自身もこんな風に生きていきたいと思える。
    ピアノという楽器の音色の心地よさを文章でここまで味わえる日がくるなんて、、。やさしいピアノのBGMを流しながら少しずつ読み進める時間が幸せでした。

    小中学生の頃、ピアノに触れさせてくれた、習わせてくれた両親に感謝したい。改めて素敵な楽器だと思いました。また弾きたいな。

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    2026年04月15日
  • 太陽のパスタ、豆のスープ

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    婚約破棄された主人公が立ち直っていく話。
    私も最近恋愛関係で辛いことがあったので、重ねて考えられた。
    ドリフターズリストがいいとか悪いとか、
    いろいろモヤモヤ考える主人公に共感。
    婚約破棄されたその人は脳裏によみがえることはあるが、
    それ以外の生活でしっかり楽しみを見出して、今を生きて前向きになるエンディングでよかった。
    過去の執着を断ち切って私もそうなりたい。

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    2026年04月05日
  • たった、それだけ

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    ネタバレ

    1人の男性が失踪した後の周りの人達に与える影響をそれぞれ別の人物の視点から描かれており、どの話もどうにもならない現実が描かれていて読むのが辛かったけど、なぜか本を閉じた時に心がじんわり温かくなってるような感覚が広がる。逃げるんじゃなくて、停滞から抜け出すっていのはいい言葉だなぁと感じた。
    「逃げているように見えても地球は丸いんだ。反対側から見たら追いかけてるかもしれねーし」っていうトータの言葉が響いた。最初望月をめぐるミステリーかと思ったら全然違った。なんて自分勝手な奴だろうと思ったけど、読み進めると、どうやら違う様子。だけどマスコミや世間の吹聴で戻れなくなってしまったんだろうな…。
    でも一番

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    2026年04月05日
  • 静かな雨

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    ネタバレ

    静かな雨と日をつなぐの2作品収録小説。
    どちらも明瞭な救われ方をして終わる物語ではなく、些細なことがきっかけで、視点が変化し物事の見え方が少し前向きになるという話。
    結局として、現状は変わっていないのだが、これからの未来をどう捉えるかに視点が移ることで、明るい結末を示唆させている感じが、綺麗事が簡単には起こらない自分たちが生きるリアルな現実に近く、自然と勇気づけられるような読後の爽やかさを感じた。

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    2026年04月04日
  • 誰かが足りない

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    お久しぶりの宮下奈都さん。どこにでも居る、また自分自身の中にもある登場人物が、”ハライ”を通して踏み出そうとする。宮下さん自身が、美味しい料理とともに一歩を踏み出したのだろうか。いくつになっても、踏み出したい時に立ち寄れる場所があるといいなと感じた。

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    2026年04月03日
  • はじめからその話をすればよかった

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    ほんわか面白かった。
    そっかぁ、とゆっくりと目から鱗が落ちたのは、”みんなより一日分よごれている”。
    筆者は本を読むことが大好きで、本を読むことを中断してお風呂に入ることが煩わしい。子どもが生まれてからもそれは変わらない。バタバタの毎日の中で、みんないつ本を読んでいるんだろう?お風呂に入らない私プラスこどもたち3人で、1週間で、1ヶ月で、のべ何時間分本を読めるだろう。

    「きれい好きなたくさんの人たちがお風呂に入っている時間に、私たちは楽しく本を読んだ。いいの、いいの、優先順位の問題だから。つねに一日分、私たちはみんなよりよごれていた。」

    そっかぁ、優先順位の問題だったんだ。確かに。
    楽しく

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    2026年04月02日
  • はじめからその話をすればよかった

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    宮下奈都さんのエッセイ集。
    ご子息やご主人の様子なども書かれており、微笑ましく読ませていただいた。
    3人ものお子さんを育てるのは大変なことも多かったと思うが、文章からはそんな様子はあまり感じられず、ほんわかとした気分になれた。

    また、どなたか漫画家も仰っていたが、
    作品を描くときは主人公が勝手に動くから結末が見えないのだとか。
    頭の中をみてみたい。

    ご自身と他の方の作品の書評も掲載されており、
    ぜひ読もうと思う。
    それにしてもどうしてこんなに感受性と表現が豊かなのだろうか…。
    すごい。

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    2026年04月02日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    ネタバレ

    どの短編もハズレはなく、おもしろかったです。「砂に埋もれたル・コルビュジエ」独身の女性が認知症の父の世話をする中で、かつての自分の夢を思い出していく。きっと彼女は父の夢でもあった建築への道を歩き出すのだろう。がんばろう。そう思いました。「時田風音の受難」賞金欲しさに応募した小説が賞をとってしまった風音は、次の作品を作るべく奮闘する。風音の素直な気持ちと、歪んだ考え方。生々しくも、ところどころ笑わせてきて、おもしろかったです。「校閲ガール」校閲の仕事をする主人公。本編も読んでみたいと思いました。

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    2026年03月23日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    最近アンソロジーを読むこと多いけど、私にはやはりもう少し踏み込んだ作品の方が面白さがわかるのかもと思った。
    どれもなんだろう、とくに刺さることもなく。

    唯一校閲ガールの主人公の毒舌が好きかな。

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    2026年03月22日
  • 終わらない歌 新装版

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    文庫の新装版、2015年作品。『よろこびの歌』の続編ですので、その順番でどうぞ。女子高生たちが一致団結して、クラス合唱コンクールで優勝した2年後の姿を描く。夢を追いかけて挑戦する姿に勇気をもらう。

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    2026年03月22日