宮下奈都のレビュー一覧

  • 田舎の紳士服店のモデルの妻

    Posted by ブクログ

    タイトル買い。なんとなくタイトルから想像していた内容と一致していた。
    東京生まれの彼女の視点の移り変わりが鮮やかで、梨々子さんは自分の芯を保つためにとても考えながら日々過ごしている情景がわかりやすく理解しやすかった。
    段々強くなる、ならざるを得ない女性。小さなことであれ自分を、自分の生き方を、選択したものを肯定していくこと。それを「幸せ」「大丈夫」と言い聞かせることができるのが母という存在なのかな。と感じた。

    0
    2024年02月18日
  • ふたつのしるし

    購入済み

    作者買いです!

    作者さんの本が好きで、レビューを見て購入を決めました。別々に生きる二人が出逢うまでが丹念に描かれています。終盤急速に関係が進んでいくので、個人的にはそこをもっとじっくり読んでみたかったなという気がしました。ただ序盤やラストの締め括りなど、宮下先生ならではの感性のみずみずしさを感じられ、とても良かったです。

    #共感する

    0
    2024年02月17日
  • 田舎の紳士服店のモデルの妻

    Posted by ブクログ

    中途半端な田舎町暮らし中の私がいうのもなんだけど このまんまの日常に 包まれている。梨々子さんの揺らぐ気持ち 手に取るようにわかる。思い通りにならないことばかりだけど お茶をのむテーブルはある。ささいなことを肯定して納得して やりすごして 月日は重なっていくものだ。結局 自分は何者でもないんだけど どっこい生きている!それで十分だ。町の人が優しくて 羨ましい。読後、窓の外が 優しく見えた。

    0
    2024年02月13日
  • 終わらない歌

    Posted by ブクログ

    よろこびの歌の続編。
    高校を卒業し、大学の声楽科へ進んだ玲。
    ミュージカルの道を目指しバイトをしながらレッスンに励む千夏
    そして、あの時のクラスメイトたち。
    各々、自分の進んだ道に悩み苦しんでいる。

    そんな中、自分なりに次に進もうと「たたらを踏んでいた」足を動かし始める。
    ラストに向かい、皆がどんどん飛躍し盛り上がっていく姿がとてもまぶしかった。

    0
    2024年01月31日
  • 静かな雨

    Posted by ブクログ

    やっぱり作家はデビュー作に作風が詰まってる。
    何を読んでもスっと心に入ってくる宮下作品。デビューもすごいな、、
    「静かな雨」も「日をつなぐ」も一見ありきたりな設定ではあるけど、私たちの生活からそう遠く離れていないところに登場人物たちの暮らしがある、暮らしを感じられるのがいい。

    行助はこよみさんのことをとても大切にしている。でもそれはこよみさんの弱みを理解した上で、自分のために利用したり、傷つけたりしているとも捉えられる。だからって一概に行助を責めたりできない。

    「日をつなぐ」は、人によって捉え方がかなり違うみたいだけど、私はバットエンドを想像したなぁ。バットエンドになっても立ち直るところま

    0
    2024年01月30日
  • ワンさぶ子の怠惰な冒険

    Posted by ブクログ

    私の大好きなエッセイ「神さまたちの遊ぶ庭」の続編のようなもの。
    宮下家5人と1匹の3年間の記録。
    素敵な家族やな〜と毎回思う。

    0
    2024年01月15日
  • 窓の向こうのガーシュウィン

    Posted by ブクログ

    はじめは独特な主人公が少し苦手で読み続けるか悩んだけど、友人からの勧めだったのでとにかく読んでみることに。
    結果、言葉や瞬間をひとつひとつ大事にする主人公から沢山考えさせられた。人間なんとなく生きてる。今は情報が溢れすぎているし自分のこと、自分の周りのことをゆっくり吟味する暇なんてない社会になってるけど、主人公みたいに噛み締めて歩みたい。今はわからないことでも、きっとこの先、今の瞬間の意味を見出せるはずだから。

    0
    2024年01月13日
  • つぼみ

    Posted by ブクログ

    宮下さんの作品の良さ。主人公が皆よく考えていて、真っ当で、幸せになれそうな、なるべき人。真面目だったり、楽天的だったり。ただ、宮下さんの作品は、短編より、作品の中で主人公の成長が楽しめる長編で読みたい。

    0
    2023年12月28日
  • ワンさぶ子の怠惰な冒険

    Posted by ブクログ

    エッセイ「神さまたちの遊ぶ庭」での北海道山村留学を終え、福井に戻った宮下家5人と1匹の3年間の記録。

    幸せなきぶん。
    まるで親戚のおばちゃんみたいに、子どもたちの成長が嬉しい。
    個性的な子どもたちの発言に何度もクスッとなったし、何とも微笑ましい。可愛いくてニンマリしてしまう。
    そこに妄想犬だった・ワンさぶ子を実際に家族に迎え、さらに賑やかに!

    宮下さん視点とワンさぶ子視点のエッセイ。
    なんて賑やかで、和やかで落ち着くのかしら~。
    楽しくて幸せな気持ちになるエッセイ。
    宮下さんの母としての想いにもたくさん共感し、勝手に親近感を感じています。

    著者の、何の変哲もない日常の幸せを噛みしめるよう

    0
    2023年12月27日
  • 静かな雨

    Posted by ブクログ

    短編二編からなる。

    一編目
    小川洋子の『博士の愛した数式』っぽい話。記憶障害だが、懸命に生きている。高校生との対話は絶品。

    二編目
    中学時代から知り合いだった二人。青春してるなと思いつつ、結婚生活は大変だと思わさせる。

    両編通じて、食べ物がキーワード。匂いや味を表現できていると思う。

    0
    2023年12月23日
  • 静かな雨

    Posted by ブクログ

    重苦しくなってもおかしくない内容なのに文体のせいか、作者の意図か雰囲気が柔らかい
    日々に希望を持てるように感じる

    0
    2023年12月18日
  • とりあえずウミガメのスープを仕込もう。

    Posted by ブクログ

    楽しい食に関するエッセイ
    本屋大賞の作品は読んだけど
    著者が北海道で暮らしたことが
    あるなんて それも大雪山の麓で
    夏にしばらく泊まったことを
    思いだした 懐かしい
    またしばらく泊まって
    山に登ってみたい
    日々の暮らしを丁寧に食を通して
    教えてもらった

    0
    2023年11月25日
  • ふたつのしるし

    Posted by ブクログ

    これは急転直下の展開で、いやしかし無茶苦茶やないかと思いきや意外と悪くないのでして。こういう直球に来られるとなぁ。まいったなぁ。
    一目惚れしたという男が突然にやってきて、婚期を逃したところに白馬の王子というある種の女子願望を叶えるストーリーではあるわけですよ。こうやって書くとね、なんかひどい出来に聞こえるけどね。男女どちらもお互いに人生に苦労しているからこそおめでたいということでね。それでも甘いんではないかという意見もあるかもだけど。そういうのも良いじゃない。たまにはね。

    0
    2023年11月21日
  • 静かな雨

    Posted by ブクログ

     読みやすく、短いのでサラッと読み終えました。綺麗な文章が印象的でした。

     「静かな雨」も「日をつなぐ」も、敢えてなのでしょうが、これから…!というところで終わった感じがしました。
     あるあるな設定でしたが、主人公が変に感情的ではなくニュートラルだったので、感情移入しやすかったです。

     こよみちゃんの家族や過去が、もう少しだけ知りたかったなと思いました。
     

    0
    2023年10月31日
  • スコーレNo.4

    Posted by ブクログ

    時が流れても環境が変わっても変わらないもの、大切なものに麻子が成長するにつれて気づいていくのがよかった。

    七葉と自分を比べちゃったり、何かに夢中になれないことで悩んだりしても、やさしい気持ちで日常を慈しむことが出来てる麻子は充分すごいと思う。

    慎ちゃんとのお話好きだなあ。

    0
    2023年10月13日
  • とりあえずウミガメのスープを仕込もう。

    Posted by ブクログ

    宮下奈都さんのおいしいものに纏わるエッセイ。


    宮下さんのエッセイは柔らかで、あたたかい。
    とくに『にこにこ』という表現からは、
    ほんとうに可愛らしくにこにこした子供のまーるい顔が思い浮かぶ。
    どんな子どもたちかも知らないのに。

    栗ごはんの話がとても好き。
    そういうことって、あるんだな。

    でてくる料理が美味しそうで。
    とくに、コトコト煮込んだ系の料理はおいしそう。
    素材のおだしが、濃い色に溶け出したのを想像してしまう。

    辰巳芳子さんの昆布と椎茸のスープや
    竹内冨貴子さんのひじきのマリネを思わずメモってしまった。

    おいしい料理と柔らかな人々の情景に、
    また頑張ろうと思えました。

    0
    2023年09月22日
  • 緑の庭で寝ころんで 完全版

    Posted by ブクログ

    宮下奈都さんはお母さんとしてはあったかいし、人としても素敵だなあ。
    子どもたちが元々もっていたものが沁み出ていることもあるかもしれないけど、でも子たちみんな素直だし、やさしいし、親にも恥ずかしがらずにお礼を言えて、それって著者ご夫婦のお人柄も大いに関係しているんじゃないかな。

    大きなことがなくたって、大切な人々と平凡に過ごす日々が何よりも大事なことなんだなあと改めて気づかされた。

    0
    2023年09月01日
  • 田舎の紳士服店のモデルの妻

    Posted by ブクログ

    読む前はタイトルを見て、どんな作品かいまいち想像できなかったけど、読み終わってからはすごくしっくりくるタイトル。「イナツマ」ね。解説は辻村深月さんでびっくり。好きな作家さんの共演……!
    主人公の梨々子は、子供2人と素敵な夫と暮らす、東京のキラキラ奥さんだったが、夫のうつ病をきっかけに田舎へ移住する。
    「田舎」「何もない」など、物語の半分以上は雨が降りそうなどんよりした曇り空。
    でも、最後には雲の隙間から光がさす。梨々子が「田舎の紳士服店のモデルの妻」と胸を張って名乗れるくらいにはどっしりして、どっこい生きている。
    梨々子はなかなかおもしろい「普通」の女だ。

    0
    2023年09月01日
  • 静かな雨

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    宮下奈都なぜかここにきて宮下奈都デビュー作を読む。
    さすがに若々しい宮下小説、こなれていないが今の宮下小説に進化する下地は十分に感じられるし、何も情報なしで読んだら「有望な新人が出てきた」と追いかけるつもりになっていたと思う。

    表題作、たい焼き屋のこのみさんと主人公の行助の、あるどうしようもない事情でしっくりこない二人の生活が、それでも日々を積み重ねて積み重なっていく様がとても良い。
    「高嶺の花がぽろっと落ちてきた」って表現もスゲーなと思ったし、「博士の愛した数式」パクリやんと思ったら、きっちりそこにも触れているあたりもよい。

    併録の「日をつなぐ」。優しくて平和に暮らしていた若い夫婦だが、

    0
    2023年08月31日
  • 静かな雨

    Posted by ブクログ

    「静かな雨」
    明け方の雨のシーンが特に印象的でした。
    行助がこよみさんの中に、これ以上の澱を積もらさないようにと思います。

    「日をつなぐ」
    読んでいて、ずっとしんどかった。
    人によってハッピーエンドかバッドエンドかは分かれると思います。
    私は・・・後者かな。


    0
    2023年08月23日