宮下奈都のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
古道具屋が実家の三姉妹の長女・麻子が主人公で彼女の中学時代から高校〜大学〜就職と追う物語。
一つ違いの妹・七葉の自由奔放さに比べて、自分の気持ちを押し殺して実直に生きる麻子だが、成長とともに内面から滲みてくる素直さが良い大人になっているなぁと感じさせる。
特にNo.3の靴店で働くところに彼女の成長を感じ、すごく距離が近くなったような親近感が湧く。
さらにNo.4での恋愛は遠回りしてきたからこその確かなものを感じて嬉しくなる。
いいものを穏やかに講釈する父と笑顔で温和な母にちょっと厳しめだが正しい祖母の存在もいい。
ゆるゆるとじんわりと心に染みてくる。
-
Posted by ブクログ
恋と家族とお仕事。
中学から社会人までの、それぞれの時代の物語が4つの章で綴られている。
妹との確執や母の人生への異議など家族の物語も良いのだが、ストーリーとして面白かったのはお仕事小説の体を成す3章。主人公が仕事にのめり込んでいく様と、(自分は向いていないと思っている)本人の意識とのズレがまたリアルで、この章だけで単独の作品として成立するくらい完成度が高い。
しかし、なんと言っても素晴らしいのは1章と4章の恋に落ちる瞬間の描写。中学時代の鮮烈な一目惚れや、社会人時代のどうしようもなく恋に落ちていく描写はこちらまでドキドキするほど。
「風が止まった」
「もうだめだ、と思った」
こうやって抜き出 -
Posted by ブクログ
やっぱり作家はデビュー作に作風が詰まってる。
何を読んでもスっと心に入ってくる宮下作品。デビューもすごいな、、
「静かな雨」も「日をつなぐ」も一見ありきたりな設定ではあるけど、私たちの生活からそう遠く離れていないところに登場人物たちの暮らしがある、暮らしを感じられるのがいい。
行助はこよみさんのことをとても大切にしている。でもそれはこよみさんの弱みを理解した上で、自分のために利用したり、傷つけたりしているとも捉えられる。だからって一概に行助を責めたりできない。
「日をつなぐ」は、人によって捉え方がかなり違うみたいだけど、私はバットエンドを想像したなぁ。バットエンドになっても立ち直るところま