宮下奈都のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「たった、それだけ」ってことはない 「羊と鋼の森」が好きで手に取った宮下さんの本です。本を読んでいる自分を客観的に見る機会を与えてもらいました。作品によって楽しんでいたり、懐かしんでいたり、考え込んだり、場面によっても変わりますが、私は基本的には自分の過去と照らし合わせて懐かしんでいるように思いました。私は二度と同じ人生は繰り返したくありませんが、自分のことは好きです。たった、それだけ。
贈賄の罪に苛まれる様子や、逃避行の様子が描かれているのかと思いましたが、容疑者の周辺の人生にスポットを当てていたのが印象的でした。
「たった、それだけ」、「たった、それだけのこと」、「たった、それだけなの?」どう捉えるのが正解なのでしょうか。悪いことは思いだしたくない、良いことは汚したくない、いづれにせよ時間というものに覆い尽くされていくのではないかとおもいます。 -
Posted by ブクログ
この本が好きな方にとっては酷評になってしまうかもしれないけれど、私にとっては難しい本でした。
全体的に女性らしい感性と感情からの書かれ方していたなというまろやかな雰囲気ですが、どこか哲学の話をしているようで、淡々としたその雰囲気も相まって難しかった。
もっと分かりやすく起承転結な方が、私としては好きなのです。
宮下奈都さんの作品はこれ以前にも読んだことがあり、好きな感じだったのですが、
書き方の柔らかさはその時のものと同じでも、思想・思考、そんなものの中で膨らませたようなお話になると難しさが出るなあ〜と。
この本は、とある町のめちゃくちゃ美味しい『ハライ』という誰もが知るレストランがあって、
オムニバス形式で、それぞれの登場人物たちが最終的には「ハライでごはん食べよう」になるお話。
こう書くとめっちゃライトだな!
読み始め〜『予約3』の章の途中までは、どことなく陰鬱で重苦しい雰囲気が先立つものがあって、
なんとなく悲しい、なんとなく寂しい、そんな雰囲気。
『予約3』の途中から、どことなく希望が見え隠れするような明瞭さと爽やかさのお話という感じで、
『予約』した人々の今後の希望をなんとなく感じられるような仕上がり。
どの『予約』の登場人物にも、それぞれに何かの問題があって『誰かが足りない』気持ちのまま過ごしていて、それがその人の人生にとってのネックになる部分であるんだけど、
それぞれがそれぞれに、なんとなく向き合おうという気持ちになって、ハライへ行く。
そう思うとお店の名前の「ハライ」が「祓」な気がしてくるんだよねえ。
とりあえずプロローグでは『誰かが足りない』ことについて負の印象で描かれているのに、
最後のページでは、『誰かが足りない。そう思えるのは、もしかしたらしあわせなことではないだろうか。』という前向きな言葉で描かれます。
同じ事象であっても、見る方向・向く方向が違えば、物事の捉え方も、またそこからの思考も変化するんでしょうね。