宮下奈都のレビュー一覧

  • 田舎の紳士服店のモデルの妻
    見栄を張って「何者」かになろうとして生きづらさを感じていた主婦であり母であり娘である主人公梨々子。
    夫のうつ病をきっかけに家族揃って田舎暮らしを始め、次第に見栄を張るよりもありのままの何者でもない自分や子供、夫を受け入れられるようになる。
    私は何者でもない、私でしかない。それを受け入れられるようにな...続きを読む
  • はじめからその話をすればよかった
    エッセイは、書き手のプライベートな部分が垣間見れるようで楽しい。子ども時代から学生、就活、結婚、引っ越し、子育て・・・。世界観は小説と同じで優しくほほえましく楽しい。
  • 終わらない歌
    『よろこびの歌』から3年後、音大生になった玲やミュージカル女優をめざす千夏たちの、二十歳ならではの「ぐるぐる」が描かれています。

    前作のように淡々とじわじわと話が進んで行きますが、今作は前作よりもちょっとだけ盛り上がりを見せます!

    やっぱり歌っていいよね。読んでいて歌が聞こえてくるようで、胸が熱...続きを読む
  • よろこびの歌
    『羊と鋼の森』がとても良かったので、2冊目の宮下奈都さん。

    著名なヴァイオリニストの娘・御木元玲とそのクラスメイトたち、女子高校生6人の思春期真っ只中のいろんな「ぐるぐる」なお話。

    合唱コンクールの話かと思いきや…本当にまったくと言っていいほど派手さがない!だからこそ、じんわりと染み込んでくる感...続きを読む
  • ふたつのしるし
    ハルとハル。
    2人ともお互いを認識した時「どこかで出会った事がある気がする亅と感じる。
    お互いの共通点はあだ名と幼少期に5月のピンク色の空を見た事。
    ピンク色の空は根拠はないが地震の兆候と言われる。
    この時2人が見たピンク色の空は東日本大震災で2人が出会う「しるし」やったんかな。


    お互い歩んでき...続きを読む
  • ふたつのしるし
    ふたつのしるし      宮下奈都

    蟻の社会は8割の働き蟻で成り立っているそう。
    怠けている2割を除いてみると、
    全員が働く蟻のはずなのに、残った蟻のうちの
    また8割しか働かなくなるらしい。
    なぜなのか、それは
    いざという時、その自由な蟻たちが力を発揮
    するからということ。 
    その、とっておきな人...続きを読む
  • 終わらない歌
    終わらない歌       宮下奈都

    まさかの THE BLUE HEARTs
    の歌が織り込まれています。
    “多感“と称される頃の仲間、
    それぞれのS .ストーリィ。
    いいことの全てから遮断されて、
    黙々と 延々と 歩く、その “ 時 “ というものは、
    全ての人に与えられることになってるんでしょ...続きを読む
  • ふたつのしるし
    この著者、宮下さんの小説、前から気になっていて初めて読みました。初めてだったせいか、文体に慣れてないせいなのか、内容からなのか、読後はふわっとした感じに。もうひとつ気になる作品もあるので、もう少しこの世界観に触れてみよう。
  • 本をめぐる物語 一冊の扉
    朱野帰子「初めて本をつくるあなたがすべきこと」、沢木まひろ「時田風音の受難」、宮木あや子「校閲ガール」が好き。「初めて本を~」は一番身近な感じがした。「校閲ガール」は単行本の第一話なのかな。キャラのポテンシャルが収まりきっていない印象(良い意味で)。
  • 窓の向こうのガーシュウィン
    独特な考え方で物事が描かれているが、的外れではない考え方が特徴的でした。時間がある時にゆっくり読むのに良い本だと思いました。
  • ふたつのしるし
    恋愛小説って括るとちょっと残念。
    二人のハルが閉塞した社会の中で個性を発揮できず、しんどい思いをしながら生きていく、そのそれぞれの生き様を描くシーンは実に良いのだ。

    だから、あの3.11で二人が出会った後の描写も、そのまま丁寧に描いてくれたら良かったのになぁと思う。あるいはもっともっと過去を丁寧に...続きを読む
  • 窓の向こうのガーシュウィン
    2019.12再読。
    2年前に読んだときには、家族を亡くした年で心が死んでいたのか、手放し候補にしていたのだが、あらためて読み直すとあちこちに小さな同意と感動がある話だった。
    もう少し先が知りたいくらいで終わったのが残念。
  • はじめからその話をすればよかった
    宮下奈都のエッセイ集。
    タイトルに納得、エッセイも面白いが、宮下さんはやっぱり天性の小説家だと思う。
    この本も、メインのエッセイより、付け合わせ的に収録されている短編小説のほうに引き込まれてしまう。

    宮下作品を味わいたいなら、手軽にまずはエッセイとか思わず、はじめから小説を読んだ方が絶対良いよ。間...続きを読む
  • 窓の向こうのガーシュウィン
    優しい中にあるモヤっとした気持ち、うまく表出できない気持ちがたくさん練り込まれて、たくさん不器用な愛情込めてこねられてこんがり焼きあがったパンみたいな話。素朴だけどふわっと優しい気持ちに包まれる。
    うまく言えないこと、生きてるとたくさん抱え込んじゃうけど、嫌なことから時には逃げたっていいし、いつも上...続きを読む
  • 本をめぐる物語 一冊の扉
    アンソロジー、まとまった時間が取れない時や、気分が浮き沈みしている時に手に取る事が多いな。新しい出会いもあったりして嬉しくなる。
  • はじめからその話をすればよかった
    大好きな本や音楽、そして愛しい三人の子どもたちと共にある暮らしを紡いだ、著者初のエッセイ集。
    私と同じ1967年生まれということで、共感できる話題が多い。『ノストラダムスの大予言』により、32歳で死んでしまうと達観したのも同じである。それでも今、家族ができて細やかながら幸せを感じながら生きる毎日の尊...続きを読む
  • はじめからその話をすればよかった
    なんか落ち着きます。宮下さんの作品。
    正直、エッセイ集としては、長時間読んでいると飽きます(失礼)。しかも、返却期日が迫っており、あまりしないのですが、飛ばし読み(重ねて失礼)しました。
    通勤電車でのひと時。心がざらついていると感じる時間帯に、ジワっと染み入りました。私は福井には行ったことありませぬ...続きを読む
  • 窓の向こうのガーシュウィン
    ご本人(著者)によると売れなかった本とのことだけど(「はじめからその話をすればよかった」による。)、好きです。完全にタイトルから入った。ので、思ったのとは違った。
  • 終わらない歌
    失敗したぁ。
    この本読む前に、『よろこびの歌』読むんだった。
    久しぶりの宮下作品。
    期待は裏切らない。
    通勤電車で読んでいて、表紙を隠してました。
    オヤジが読むような本じゃないかもね。
    でも、好きだからしょうがない。
  • マウンドの神様
    聖地・甲子園を目指し切磋琢磨する球児たちと交錯する人間模様を描く、人気作家たちの文庫オリジナル作品集。
    今年は夏の甲子園が第100回の記念大会。数々の記憶に残る名場面や名勝負がメディアで紹介され、心も熱くなる。主役である球児たちは勿論のこと、関わる人びとも応援する人びとも「高校野球」を盛り上げる。有...続きを読む