宮下奈都のレビュー一覧

  • 窓の向こうのガーシュウィン
    ななんということもない毎日が
    宮下奈津さんの手に掛かると
    なぜこんなにも温かくじわっとくるのだろう。
  • たった、それだけ
    贈賄事件を犯して失踪してしまった男と
    彼にまつわる人たちの連作短編小説。

    愛人、奥さん、お姉さん、娘、娘の担任、同級生。

  • とりあえずウミガメのスープを仕込もう。
    宮下さんの本、小説はあまり入ってこないなぁと残念に思っていたら、この本はとてもおもしろかった!
    本文中にあるような「宮下さんの物語の食事の描写」についてはまだよくわからないが、この本の食事についてはおいしそう、宮下さんが家族のために力を入れていることがよく伝わる気がする。子どもたちとの職を通じた関係...続きを読む
  • ふたつのしるし
    なんだか読み終わった今、すごくあったかい気持ちです。

    読書中は悲しい気分になったり暗い気持ちになったり、不気味な感じを味わうこともありましたが、
    ところどころで心地よさや、人の温かさを感じることもありました。

    「しるし」って、いい言葉だなぁ
    誰がいつ見てもはっきりそれだとわかる「しるし」じゃなく...続きを読む
  • たった、それだけ
    贈賄が発覚前に逃げ出した望月正幸をめぐる人々、贈賄を告発した望月の愛人、望月の妻や姉、一人娘などを主人公にした連作短編。
    詞藻豊かな表現ながら、余りに物語の余白が広いために、最初の1・2話は戸惑いの方が大きく。読み進めるうちに物語の流れは判ったものの、登場人物達の性格が捕まえきれず、その「思い」に置...続きを読む
  • スコーレNo.4
    ひとりの女性の成長を静かに追っていくような話し。
    愛することはどういう事なのか、彼女とその周りにいる人達にとっても愛することはどんな事なのかそれぞれ違う。
    彼女の見つけた愛することは今思う事とこの先ではまた違うものになるかもしれない。
    好きな人、物を見つけて大事にしたいと思う気持ちが愛することなのか...続きを読む
  • つぼみ
    「手を挙げて」「あのひとの娘」「まだまだ、」「晴れた日に生まれたこども」「なつかしいひと」「ヒロミの旦那のやさおとこ」収載。
    「スコーレNo.4」のスピンオフ3作品を含む短編集。

    宮下さんの作品の登場人物は、何かをきわめようとひたむきに追い求める人が多い気がします。
    少し痛々しい……
    もっと肩の力...続きを読む
  • とりあえずウミガメのスープを仕込もう。
    小学生になったあるとき、ふと、ひな祭りの歌に疑問を持った。歌詞に、「なによりうれしいひな祭り」とある。そうだろうか?なによりうれしいというほど、うれしいろうか?
    「どうしてそんなにうれしいんだろうね」
    私が聞くと、母は考え考え、昔は誕生日やクリスマスを祝ったりする習慣がなかったから、ひな祭りがいちば...続きを読む
  • 窓の向こうのガーシュウィン
    未熟児で生まれた20%前後に発達障害があるという。そんな“私”が出会った先生、あの人、隼たちとのかかわりによって様々なことに気づいていく物語。読後、サマータイムの歌詞が深く胸に刻まれる。私も毎日おかえりと応えてくれる声を願っている...。
  • とりあえずウミガメのスープを仕込もう。
    装丁と挿画がかわいい。

    学校で失敗してしまった娘さんに対して「よくやった」という。笑われたことのない人は脆い。失敗したことのない人は危ない、と。素敵な子育てだ。

    ネット注文で、息子さんが独立して五人家族が四人家族になったのに、つい五切れ入りの魚をカートに入れてしまう。すぐ四切れ入りをカートに入れ...続きを読む
  • 誰かが足りない
    何年か前に読んでいた、再読。忘れてたのもあるが、それでも楽しく読めた。
    最後にハライの描写が出てくるが、あっさりしたもの
    どんなに美味しい料理が出てくるかと思ったけど、まあ料理なし
    さまざまな登場人物が実在のようになんとなく感じられた。
    後味は良いです
  • 窓の向こうのガーシュウィン
    額装、っていう仕事を通して、
    思い出、瞬間、気持ち、に目を向ける、切り取る、っていう行為が繰り返し描かれてて素敵だなぁとおもった
    しあわせな景色を切り取る。

    こういう、専門的な職人さんを描くのは宮下奈都さんらしい気もする
    描写が丁寧で、短編とはまたちがった良さ☺️

    耳が聞こえにくいとか、未熟児と...続きを読む
  • とりあえずウミガメのスープを仕込もう。
    コーヒーってこれからのための飲み物って感じがする。紅茶はどちらかというと振り返るための飲みものなんじゃないかなぁ

    君たちも早く大人になるといいよ。好きなようにつくって、すきなようにたべることができる。おでんってしあわせだよ。

    さあ、新しい月だよ。ひと月を家族みんなが無事に乗りきれたよ。ささやかか...続きを読む
  • つぼみ
    解説でも紹介されている登場人物のセリフや脳内セリフが良かった
    こんなこと考えられるんだっていう驚き。
    SFや技術書では味合わえないような感覚が良い。
  • つぼみ
    働く女性や女子生徒の心情が丁寧に描写されていて、男だけど共感できる部分があるので、面白かったです。

    「なつかしいひと」が一番印象に残りました。
  • 窓の向こうのガーシュウィン
    とても好きな作品でした。
    主人公が自分のことも周りのことも見えるまま、聞こえるまま受け取り、それ以上にもそれ以下にも膨らませない感覚が好ましかった。
    独自の目線を持っており、感情を食べ物に置き換えたり、加減乗除の法則など出来事と感情を結びつける事がとても上手だなぁと感じた。
    感覚が敏感だからこそ、言...続きを読む
  • ふたつのしるし
    太陽のパスタと豆のスープを読んでから、宮下奈都さんの他の作品も読みたくなって購入

    遥名の中学の時の生き方は、わかるものがあって、でもその苦しさが昔のことを思い出すようで、あーこういう時期の悩みを題材にした本はもういいかなと思ってしまった。が、どんどん成長していき、主なテーマはそれではなかったので読...続きを読む
  • つぼみ
    短編集。「手を挙げて」「あのひとの娘」「まだまだ、」「晴れた日に生まれたこども」「なつかしいひと」「ヒロミの旦那のやさおとこ」の6篇。
    最初の三篇は宮下さんの初期代表作『スコーレNo.4』のスピンオフ短編。『スコーレNo.4』は2年前に読み高い評価もしてるのだけど、何故か内容はすっかり忘れていて、ス...続きを読む
  • 窓の向こうのガーシュウィン
    未熟児なのに保育器にも入れられずに成長が遅れてしまった為に19歳で中学生の様な女の子の佐古さんは、周囲にうまく馴染めず、欠落感を抱えたまま生きて来た。そんな佐古さんがヘルパーとして勤めることになった額装屋でその独特で不思議な感性を見出され、生き場所を見つけて行く。

    どことなく小川洋子さんを思わせる...続きを読む
  • 田舎の紳士服店のモデルの妻
    30歳から40歳までの10年間の話。
    色んな事で思い悩んだり心が揺すぶられたりする様が丁寧に表現されている。
    日常の小さな積み重なりで心が変化していく様とか、再読したくなる本。