宮下奈都のレビュー一覧

  • ふたつのしるし

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    優等生で、顔立ちも綺麗なのに、わざと舌足らずにしゃべったり目立たないようして周りから距離をとって生きている遥名。関心がある事だけに集中して周りが見えないマイペースすぎる性格ゆえ学校生活にも馴染めない、勉強もできない劣等生の温之。そんな二人が3・11の大地震の日に出会うまでの軌跡を描いた物語。二人の"ハル"にとってのしるしとは何だったのか?生きずらくても、心が壊れそうでも、誰かの言葉や暖かい眼差しに支えられ、きっと生きていける。こんなふうに、迷える人達が、いつか安らぎの場所を見つけられたなら…。そんな祈りのようなものを感じる温かいストーリーでした。

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    2023年08月19日
  • とりあえずウミガメのスープを仕込もう。

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    料理を通して家族とのつながりを描くエッセイ。
    とてもほっこり。
    自分も料理にまつわるエッセイを書いてみたくなった。

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    2023年08月06日
  • 窓の向こうのガーシュウィン

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    ネタバレ

    評価がわかれてる!私はすごく好き。
    宮下さんの使う言葉、生み出す雰囲気、どこにでもいそうな登場人物、、、そういったものが温かく紡がれている。
    先生の認知症は少しずつ、でもハッキリと進んでいて、それを認めたくない気持ちと、支えたい気持ち。佐古と隼の心理描写には、リアルなものがあると思う。
    宮下さんの作品は時間の流れをゆっくり感じさせてくれる。とってもすてき。

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    2023年07月25日
  • 静かな雨

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    宮下奈都さんのデビュー作。

    行助と、たいやき屋のこよみのお話。
    2人の距離が縮まっている時に、こよみが交通事故に遭い、高次脳機能障害により記憶が1日しか保てなくなる。

    何か大きな出来事が起こるわけではない。
    ただ日々が淡々と綴られる。

    2人の普通の暮らしや、日々の葛藤などが
    ごく自然に、静かに流れる時間と共に描かれる、
    この本のそんな空気感がなんだか心地よかった。

    読み終わり、この2人が
    どうか幸せであってほしいと願った。
    一方で、幸せは
    他人が人に対して願うことではなくて
    自分自身で感じるものというか、
    溢れ出てくるものなのだろうと感じました。

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    2023年07月20日
  • はじめからその話をすればよかった

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    宮下さんの言葉って心にじんわり優しく染みてくる。強く鼓舞してくれるわけでもないんだけど、優しく背中を押してくれる感じ。
    あぁ、これでいいんだなって、自分の生き方に納得できる気持ちになる。

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    2023年07月11日
  • ふたつのしるし

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    すごくよかった。
    宮下さんの作品は読みやすくて、心にすっと入ってくる。
    ふたりのハルが、悩みながら成長し、出会う。
    ふたりの悩みはすごく変わったものとかではなくて、隣の人が抱えていてもおかしくはない悩み。
    私は遥名にすごく共感できた。

    こういう作品はすごく好きだけど、こういう作品を読むことで、「しるし」を持つ人が現れることを期待してしまう。それはそれで良くないのかもしれない笑
    運命の人に出会うとビビっと来るものがあるって言うけど、本当なのかな…

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    2023年07月06日
  • ふたつのしるし

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    優等生だけど、目立たぬように息をひそめて生きる遥名と、自分の興味のあること以外に目を向けられず落ちこぼれている温之。

    別々の場所で生きる二人のハルを描きながら、いつかどんな形で出会うのだろうと読ませるのが上手い。
    特に温之の学校生活は、リアルで引き込まれる。
    多様性を声高に叫ばれる現代だが、学校という場は、それが許されない。

    温之が、大人になってからはうまくいきすぎ感も覚えたが、不器用なハルたちが幸せになる最後は、温かな気持ちになれた。

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    2023年07月04日
  • 静かな雨

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    初読み作家さん。
    何かがおきていても、全体的に静かな淡々とした雰囲気で読みやすかった。
    さらっとな読めば良い話。だけどちょっと深読みすると主人公が独りよがりなとこが目について、バッドエンドにもなりそうな気がする。でも、こよみさんが芯が強そうだから大丈夫かな。それで均衡を保ってて、これからも生活が続いていくんだなぁと思わせてくれる。
    「諦め方」「自分の世界」「何のために勉強するのか」とてもしっくりくる内容だった。

    『日をつなぐ』うーん。不穏な終わり方。土星の話が伏線ならバッドエンドなのかと思うけど、『静かな雨』を読んだ後だと、何が起ころうとも同じように日々は繋がっていくんだなと納得できそうだ。

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    2023年06月12日
  • 誰かが足りない

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    ネタバレ

    まさか最後までハライの料理を食べないなんて…
    裏表紙に「同じ時に訪れた6組の客の物語」とあるけど、「同じ時に訪れようとしている」だった。
    それにびっくりはしたけど、文章が綺麗で好きです。

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    2023年05月27日
  • たった、それだけ

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    続きが読みたくて、気づいたらAM2時でした
    涙と書いてルイという名前の女の子が、これからの人生を幸せに過ごせるように、心から応援したくなる物語です



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    2023年05月04日
  • つぼみ

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    ・この人は、断るのが得意ではない。断るのは失礼なことだと思っている。そうして、その失礼なことを自分にさせようとした相手を、もっと失礼だと恨むのだ。

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    2023年04月27日
  • ふたつのしるし

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    宮下奈都さんって田舎の紳士服店のモデルの妻に続いて2冊目かな?
    ADHDなんじゃないかと思える主人公の幼年期とか、ちょっとストーリー展開に無理がある部分も感じましたが、今回も大当たりの内容でした。
    私自身というか、誰もが小さいころってADHDみたいな部分ってないですか?
    心の中にもう一人の人格が違う自分が居たり、ある一点に集中していたり・・・
    だから、この主人公の後半の生き方が嬉しくなります。

    宮下奈都さん、これからも他の作品を読んでみようっと。
    お勧めですよ。

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    2023年03月30日
  • 静かな雨

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    映画がとても良かったので原作を手に取ってみたところ、とても素晴らしかった。静かで淡々としながらも、悲しく温かいこの作品が心地よくて好きだ。

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    2023年03月22日
  • とりあえずウミガメのスープを仕込もう。

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    食べ物にまつわるエッセイ
    どれも温かくなるような話でした。
    特にシャケの切り身の話が残りました。
    雑誌で数回読んでいて、好きな文章だなと思っていたものがまとめて読めて満足。
    著者のお子さんたちがみなそれぞれ良い子で、染みる話ばかりでした。

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    2023年03月09日
  • ふたつのしるし

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    あとがきにも書いてあったけど、今では顔も思い浮かべれない人でも、自分に何かをもたらしていて、その人がいなかったらこの考えとか歩む道が違ってたとか思う。高校のときの友人を思い出して、ごめんを沢山言うよりありがとうを言った方が良いよって言われたことで、ネガティブな私はありがとう星人になってる、ありがとう、もっと友人を大切にできる性格だったら友達も多かったのかなぁとか思ったりして〜

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    2023年03月03日
  • 静かな雨

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    仕事の合間の息抜きに、と思って本棚から未読の薄い本を手にとったら、余韻で仕事に戻れなくなった。
    なんていうことのない物語なのにな。
    読み終わって、本を閉じて、あらためて表紙を見ながら嘆息する物語だった。たい焼き食べたいな。

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    2023年02月26日
  • 誰かが足りない

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    作者らしい、丁寧で落ち着いているのに後半になるにつれてじわじわとエモーショナルになっていく地の文、心理描写。

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    2023年02月14日
  • 田舎の紳士服店のモデルの妻

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    東京から北陸の何もないところへ移住した家族、妻目線の10年間の話
    こどもたちへの期待や普通、
    夫との関係、
    私自身の悩みも重なって共感できた
    長男がピアノが好きになってそのまま頑張ってくれたら嬉しい!!
    運動会やボランティアを通じての人々の交流も温かい

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    2023年01月05日
  • つぼみ

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    日常の見方に変化を与えてくれる一文
    型があるからこそ助けられる
    →人と同じようなこと、自分じゃなくてもできること、やる意味がないと思ってしまうけど、日常化する事で自分自身が助けられる、型があるからこそ発展もある

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    2022年10月27日
  • 田舎の紳士服店のモデルの妻

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    主人公の性格が好印象で、リズム良くどんどん読み進められた。最後いい終わり方でホッとした。途中冷めたような気づきある視点がいい。作者さんの他の本も読んでみたいと思うきっかけになった。

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    2022年09月21日