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シーソーモンスター
バブルに沸く昭和後期。一見、平凡な家庭の北山家では、元情報員の妻宮子が姑セツと熾烈な争いを繰り広げていた。(「シーソーモンスター」) アナログに回帰した近未来。配達人の水戸は、一通の手紙をきっかけに、ある事件に巻き込まれ、因縁の相手檜山に追われる。(「スピンモンスター」) 時空を超えて繋がる二つの物語。「運命」は、変えることができるのか――。 【電子版巻末に特典QRコード付き。〈螺旋プロジェクト〉全8作品の試し読みを読むことができます】 ※〈螺旋プロジェクト〉とは―― 「共通ルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家朝井リョウ、伊坂幸太郎、大森兄弟、薬丸岳、吉田篤弘、天野純希、乾ルカ、澤田瞳子による前代未聞の競作企画 〈螺旋〉作品一覧 朝井リョウ『死にがいを求めて生きているの』 天野純希『もののふの国』 伊坂幸太郎『シーソーモンスター』(本作) 乾ルカ『コイコワレ』 大森兄弟『ウナノハテノガタ』 澤田瞳子『月人壮士』 薬丸岳『蒼色の大地』 吉田篤弘『天使も怪物も眠る夜』 -
兎の島
川の中洲で共食いを繰り返す異常繁殖した白兎たち、 耳から生えてきた肢に身体を乗っ取られた作家、 レストランで供される怪しい肉料理と太古の絶滅動物の目撃譚、 死んだ母親から届いたフェイスブックの友達申請…… 今、世界の文芸シーンでブームの渦中にある〈スパニッシュ・ホラー〉の旗手による、11篇の鮮烈な迷宮的悪夢が本邦初上陸!!! 現実と地続きに現出する奇怪な歪み、底知れぬ不安と恐怖を、 生理的嫌悪感を催すような濃密で冷たい筆致で描き切った、 現代スペインホラー文芸の旗手による11篇の鮮烈な傑作怪奇幻想短編集! 〈スパニッシュ・ホラー文芸〉とは マリアーナ・エンリケス、ピラール・キンタナ、サマンタ・シュウェブリン、フェルナンダ・メルチョール、グアダルーペ・ネッテル――今、スペイン語圏の女性作家が目覚ましい躍進を遂げている。作家によっては三十か国以上で翻訳され、世界中で好評を博すなど、現代文芸シーンにおける一大ブームとなっている。中でも、社会的なテーマを織り込みながら、現実と非現実の境界を揺るがす不安や恐怖を描いた作品群である〈スパニッシュ・ホラー文芸〉は、特に高く評価され、全米図書賞などの著名な賞の候補にも作品が上がるなど、今、最も注目すべき熱い文芸ジャンルの一つである。そして、このほど本書で初めて邦訳紹介するスペインの新進作家エルビラ・ナバロも、その代表的な書き手として数えられる。 作者エルビラ・ナバロは世界最大の文学誌Granta誌(英)のスペイン語圏ベスト若手作家にも選出された気鋭の作家。 本書の英訳版(2021)は、ニューヨーク・タイムズ紙、ロサンゼルス・タイムズ紙などの各紙誌でも絶賛され、同年の全米図書賞翻訳文学部門ロングリストにノミネートされた。 「この作家は生まれながらの文学的才能に恵まれている」エンリケ・ビラ=マタス 「不安を掻き立てる、カフカ風ですばらしい語り口」マヌエル・ジョレンテ La isla de los conejos, 2019 【目 次】 ヘラルドの手紙 ストリキニーネ 兎の島 後戻り パリ近郊 ミオトラグス 地獄様式建築に関する覚書 最上階の部屋 メモリアル 歯茎 占い師 謝辞 訳者あとがき -
先祖探偵
ひとりでも寂しくない。 私はもっと、強くなれる――。 「あなたのご先祖様を調査いたします」 風子は、母と生き別れてから20年以上、 野良猫のように暮らしてきた。 東京は谷中銀座の路地裏で、探偵事務所を ひらいている。 「曾祖父を探してください」「先祖の霊のたたりか もしれないので、調べて」など 様々な、先祖の調査依頼が舞い込む。 宮崎、岩手、沖縄…… 調査に赴いた旅先で美味しい料理を楽しみながら、 マイペースで仕事をしている風子。 いつか、自らの母を探したいと思いながら―― 大人気作家による「探偵小説」の傑作が、ここに誕生。 -
罪と祈り
貫井徳郎史上 最も切なく 悲しい誘拐事件 スリルと感動のどんでん返しミステリ! 警視庁を震撼させた 世紀の誘拐事件の真実とは? 元警察官の辰司が、隅田川で死んだ。 当初は事故と思われたが、殴られた痕がみつかった。 真面目で正義感溢れる男が、なぜ殺されたのか。 息子の亮輔と幼馴染みの賢剛は、死の謎を追い、 賢剛の父・智士の自殺とのつながりを疑うが……。 隅田川で死んだふたり。 そして、史上空前の未解決誘拐事件の真相とは? 男たちの絆と葛藤を描く、慟哭の長編ミステリ! 解説/西上心太 【目次】 第一部 亮輔と賢剛 第二部 辰司と智士 第三部 亮輔と賢剛 第四部 辰司と智士 第五部 亮輔と賢剛 第六部 辰司と智士 第七部 亮輔と賢剛 解説 西上心太 -
やっかいな食卓
69歳大型新人の滋味溢れる家族「食」小説。 「義母さん、うちの子に食べ物を与えないでください」 「孫にごはんを食べさせて何が悪いんだい」 3人の子どもを育てながら、外交官の妻として世界各地を渡り歩いてきた高畠凛子。夫に先立たれ、独身の長男と暮らしていたものの、その長男も突然の事故死――。しかし気丈で好奇心旺盛な凛子は得意の料理を楽しみながら忙しい日々を独り楽しんでいた。 一方、凛子の次男・健の妻であるユキは、フードスタイリストとしてのキャリアアップを目指してめまぐるしく働いている。不登校気味の息子は気になりつつも、家事は分担・効率化すべき、家の食事は簡素でよしという信念で、あくまでも仕事優先の毎日。 ある日、健が凛子とユキそれぞれに提案する。「みんなで一緒に住まない?」。 気ままな生活が脅かされるのを危惧する凛子。義母との相性は最悪だと自認しているユキ。苦し紛れにまとめ上げた折衷案は「一緒に住むけれど、食卓は別々」。 一つ屋根の下に暮らし始めた4人に早速、「やっかいな」事件が勃発。二つの食卓は衝突しながら、徐々にその境界線を危うくしていくのだった……。 多彩で魅力的な食のシーンも充実した、珠玉の一皿のような傑作家族小説。 -
父親たちにまつわる疑問
私立探偵〈アルバート・サムスン〉シリーズ最新作 宇宙人を名乗る男から奇妙な依頼を受けた私立探偵サムスンは刑事になった娘と調査に乗り出す。四篇の連作によるシリーズ最新作 -
豪球復活
俺は「消えるボール」で人を殺した。 記憶障害により全てを忘れてしまった天才投手・矢神大は、ある日、昔の自分が書いたノートを発見する。そこには失われた豪速球の投げ方と、奇妙な殺人の告白が書かれていた――。 あのストレートを、もう一度投げるんだ。失くしてしまった自分を取り戻すために。 東京ティーレックスの絶対エース・矢神大、失踪――。日本中が大騒ぎになる中、ブルペンキャッチャーの沢本拓は、わずかな手がかりを頼りにハワイへ飛び、ホームレスになっていた矢神を発見する。矢神は記憶障害に陥り、ボールの投げ方を忘れてしまっていた。何とか再起させたいと願う沢本、だが球団は矢神に戦力外を通告する。 そんなある日、矢神は自宅の地下で手書きのノートを見つける。そこには自分の投球技術に関する詳細な記録と、奇妙な告白が書かれていた。矢神が昔投げて、人を殺した「消えるボール」は封印する、と――。 矢神の豪速球は復活するのか。そして、殺人の告白に隠された驚くべき秘密とは。 -
傘をもたない蟻たちは
かなわない――。天才肌の彼女に惹かれた美大生の葛藤。 書いた原稿がそのまま自分の夢で再現される不思議な現象にのめりこんでいく小説家の後悔。 幼なじみの秘密を知り、彼との接し方がわからなくなってしまった男子中学生の苦悩。 自分の心に正直でいたいだけなのに。 誰もが胸に抱える生きづらさを鮮烈に切り取った、著者初の短編集。 単行本未収録作品であるタイムリープSF「おれさまのいうとおり」を加えた全7編。 ※本書は二〇一五年六月に小社より刊行された単行本に、「小説野性時代」(二〇一六年八月号)に掲載された「おれさまのいうとおり」を加え、文庫化したものです。 -
大名倒産
〈大ショックの若殿vs.逃げ切りを目指す先代〉 天下泰平260年の間に、積もり積もった藩の借金はなんと25万両! この世のものとは思えぬ巨額の負債を知った嫡男はショックで急死してしまった。 丹生山松平家12代当主は、次男三男を飛び越えて 庶子の四男・小四郎に家督を継がせて隠居すると、 ひそかに「大名倒産」の準備を進め、逃げ切りを狙う。 何も知らずに大名家の家督を継いでしまった 21歳の小四郎は、クソがつくほどの真面目さ誠実さを武器に 最大の難関・参勤交代の費用をひねり出そうと必死に奮闘するが……。 万策尽きた時、人の世を眺めていた七福神たちが動き出す!? 笑いと涙がてんこ盛りの超豪華エンターテインメント。 2023年、映画化決定! ※この電子書籍は2019年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
遺跡発掘師は笑わない 榛名山の眠れる神
榛名山の噴火で埋もれた災害遺構から出土した千両箱が行方不明に。 独自に調査していた萌絵は「強心隊」と名乗る集団に行きつくが、なんと根城に軟禁されてしまう。 彼らの目的は一体――? 一方〈鬼の手〉を失った無量は、遺物の声を聞くこともできず、無力さを噛みしめていた。 さくらとミゲル、建設会社棟方組の面々も揃って千両箱の捜索にあたるが、「高屋敷」という男をリーダーとする謎の集団に阻まれてしまう。 頼りの忍も、千両箱盗難の参考人として警察に連行されてしまい……。 天才発掘師は、このピンチをどう切り抜ける? 「開ければ山が噴火する」という千両箱を奪取せよ! 神の眠る火山をめぐる、壮大な歴史大河ミステリ。 イラスト/睦月ムンク -
ファミリーランド【電子特典付き】
スマートデバイスを駆使して遠方から家族に干渉してくる姑と水面下で繰り広げられる嫁姑バトルの行方。金髪碧眼のデザイナーズチャイルドが「普通」とされる世界での子どもの幸せのかたち。次世代型婚活サイトでビジネス婚をしたカップルが陥った罠とその末路。自立型看護ロボットによって育児の負担が減った一方で、隔たれる母と娘の関係。技術革新によって生み出された、介護における新たな格差。対面しない葬式が一般的な世界で、二十世紀型の葬儀を希望する死者の本当の願いとは。ホラーとミステリ、ジャンルを超えて活躍する澤村伊智がテクノロジー×家族をテーマに描いた、新感覚の家族小説。 電子特典として、書き下ろしメッセージ付き。 -
小説 すずめの戸締まり
九州の静かな港町で叔母と暮らす17歳の少女、岩戸鈴芽。 ある日の登校中、美しい青年とすれ違った鈴芽は、「扉を探してるんだ」という彼を追って、山中の廃墟へと辿りつく。 しかしそこにあったのは、崩壊から取り残されたように、ぽつんとたたずむ古ぼけた白い扉だけ。 何かに引き寄せられるように、鈴芽はその扉に手を伸ばすが……。 やがて、日本各地で次々に開き始める扉。 その向こう側からは災いが訪れてしまうため、開いた扉は閉めなければいけないのだという。 ―――星と、夕陽と、朝の空と。 迷い込んだその場所には、すべての時間が溶けあったような、空があった――― 不思議な扉に導かれ、すずめの“戸締まりの旅”がはじまる。 新海誠監督が自ら執筆した、原作小説! -
私の文学史 なぜ俺はこんな人間になったのか?
パンク歌手から芥川賞作家、そして唯一無二の文人へ。町田康、はじめての自分語り! 独特な文体・語法と奇想天外な物語で幅広い読者を有し、多数のヒット作を発表してきた作家・町田康。一度読んだらやみつきになる、あの唯一無二の文学世界は、いかにして生まれ、進化してきたのか。町田ファンならずとも、文芸ファンなら誰もが気になる謎について、作家自らが内面を「暴露」する注目の一冊。本書では、人生初の試みという「自分語り」を幼少期から還暦を迎えた現在まで、好きだった本や作家、自身の作品解説といった文学世界はもちろん、影響を受けた民謡・浪曲・落語・ロックなどの芸能世界も取り込みながら、徹頭徹尾、町田ワールドを全開していく。 【目次】 本との出会い 夢中になった作家たち 歌手デビュー 詩人として 小説家の誕生 創作の背景 作家が読む文学 芸能の影響 エッセイのおもしろさ なぜ古典に惹かれるか 古典の現代語訳に挑む これからの日本文学 -
サバカン SABAKAN
僕には【サバの味噌煮の缶詰】を見ると思い出す友だちがいる。小学校の運動場。放課後にサッカーボールを追いかけることだけが人生の全部だった、あの頃。そこにはタケちゃんがいた。小学校最後の夏休み、僕はタケちゃんと一緒に冒険の旅に出た――。 懐かしくて、じんと来る、笑いと涙の映画『サバカン SABAKAN』(2022年8月19日全国公開、出演は番家一路、原田琥之佑、 尾野真千子、竹原ピストル、貫地谷しほり、草なぎ剛)。本書は金沢知樹監督が書き下ろした原作小説です。 「サバカン SABAKAN」「ガンダムの恋」「弟と少年ジャンプとプラネットマン」の三篇を収録。 -
追憶のかけら 現代語版
600ページを一気読み!!! どんでん返しは 何回あるのか!? 終戦直後と現代が複雑に絡み合う 驚愕と感動のミステリ巨編! 話が四転五転六転する!? 絶望の泥沼からの脱出! 事故で妻を喪い、 失意のどん底にいた大学講師・松嶋は、 自殺した作家の未発表手記を入手。 離れ離れになった娘と一緒に暮らすために、 作家の自殺の真相を究明し、名を上げようとするが……。 複雑に絡み合った謎の果てに辿り着いた真実とは? 旧字旧仮名づかいの作中作が現代語となり 圧倒的なリーダビリティで生まれ変わった、 圧巻のミステリ巨編! 解説/野地嘉文 -
生のみ生のままで
「私たちは、友達じゃない」25歳、夏。恋人と出かけたリゾートで、逢衣は彼の幼なじみと、その彼女・彩夏に出逢う。芸能活動をしているという彩夏は、美しい顔に不遜な態度で、不躾な視線を寄越すばかりだったが、四人で行動するうちに打ち解けてゆく。東京へ帰った後、逢衣は彩夏と急速に親しくなった。やがて恋人との間に結婚の話が出始めるが、ある日とつぜん彩夏から唇を奪われ、「最初からずっと好きだった」と告白される。彼女の肌が、吐息が、唇が、舌が、強烈な引力をもって私を誘う――。綿矢りさ堂々の新境地! 第26回島清恋愛文学賞を受賞した鮮烈なる愛の物語。 -
マイ・プレゼント
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 2022年本屋大賞第2位『赤と青とエスキース』の著者と装画家が再タッグ! 癒しの青い水彩画と心震わせる物語を収録した、世にも美しいアート×ショート・ショート。心が疲れたと感じるとき、嬉しいことがあったとき、現状を変えるきっかけが欲しいとき……。そんなときは、美しい絵画と言葉を味わいながら、ゆっくり自分と向き合ってみるのもいいかもしれません。本書は、新進気鋭の水彩作家・U-ku(ゆーく)氏のアートから受けるインスピレーションをもとに、ハートフル小説の旗手・青山美智子氏が短い物語を綴った特別な作品集。読む人によっても、読むタイミングによっても、まったく違う景色を見せてくれる本書の中には、今のあなただけが受け取れる、何かのヒントが詰まっているかも。大切な人への贈り物にもぴったりな珠玉の一冊です。 【目次】●遠くて近い未来のあなたへ ●紡ぐ言葉 ●調和への試み ●雨の日に -
彼は彼女の顔が見えない
アダムとアメリアの夫婦はずっとうまくいっていなかった。そんなふたりは、カウンセラーの助言を受け、旅行へと出かける。ふたりきりで滞在することになったのは、スコットランドの山奥にある、宿泊できるように改装された古いチャペル。彼らは分かっている。この旅行が結婚生活を救うか、とどめの一撃になるかのどちらかだと。だが、この旅行にはさまざまな企みが隠されていた――。不審な出来事が続発するなか、大雪で身動きがとれなくなるふたり。だれが何を狙っているのか? どんでん返しの女王が放つ、驚愕また驚愕の傑作サスペンス!/解説=村上貴史 -
明日へのペダル
分断された平和な日々の再生を願って、明日へと続くペダルを踏み続ける 間優一は、多少のさざ波はあっても大過なく仙台で会社員生活を送ってきた。50代半ばに差し掛かり、健康上の理由からロードバイク(本格的なスポーツ用自転車)に乗るようになる。部下の唯の指導を受けて、優一のロードバイク技術はめきめき向上していく。思えば本気になって趣味に打ち込むことは、いままでに経験のないことだった。おりしも新型コロナウイルスのパンデミックが仙台にも広がり経済にも影響を及ぼすように。そんな息苦しい状況にあっても、自転車を通して、優一たちは新しい扉を開いてゆく。直木賞作家であり、自ら愛車を駆りイベント入賞も果たす現在最も自転車に詳しい作家が、ロードバイク愛を込めて描く感動の物語。 -
〈ケイト・リンヴィル〉シリーズ
スコットランド・ヤードの女性刑事ケイト・リンヴィルが休暇を取り、生家のあるヨークシャーに戻ってきたのは、父親でヨークシャー警察元警部・リチャードが何者かに自宅で惨殺されたためだった。伝説的な名警部だった彼は、刑務所送りにした人間も数知れず、彼らの復讐の手にかかったのだろうというのが地元警察の読みだった。すさまじい暴行を受け、殺されていた父。ケイトが愛し尊敬してやまなかった父は、なぜ殺されなければならなかったのか? ケイトにかかってきた父について話があるという謎の女性の電話……。ドイツ本国で160万部超の大ベストセラーとなった傑作ミステリ! -
東京四次元紀行
なんだ、小説じゃないか? そう、これはコラムではない。稀代のコラムニストが、初めての小説を通して描く東京の街と人々 「この文章を書きはじめるにあたって、私は、これまでコラムやエッセイを書く上で自らに課していた決まりごとをひとつ解除している。それは『本当のことを書く』という縛りだ」。 高度経済成長期から見つめてきた東京の記憶が今、物語となって蘇る。 【目次】 序文 残骸 ─新宿区 地元 ─江戸川区 傷跡 ─千代田区 穴 ─墨田区 トラップ ─世田谷区 サキソフォン ─杉並区 ギャングエイジ ─台東区 八百屋お七 ─文京区 相続 ─葛飾区 焼死 ─品川区 カメの死 ─練馬区 はぐれたレンガ ─目黒区 外界遮断装置 ─板橋区 幼馴染 ─大田区 見知らぬ赤子 ─荒川区 猫 ─足立区 蔦の部屋 ─中野区 欄干 ─北区 棒読み ─中央区 稼業 ─渋谷区 記憶 ─豊島区 継母の不倫 ─江東区 ダイヤモンド ─港区 プラ粘土 鳩 スパイク 指環 タイプライター ロレックス 居なくなる男 2月の蛇 月日は百代の過客にして あとがき -
コークスが燃えている
筑豊の炭鉱町出身の私(ひの子)は東京に住み、もうすぐ40歳になる。非正規で新聞社の校閲の仕事をしているが、3年限定の仕事なので、いずれ新たな職を探さねばならない。両親は他界していて、年下の恋人だった春生とは1年以上前に別れていた。新型コロナウイルスが広がるなか、前に弟との結婚騒動で出会った女性・沙穂から連絡があり、東京で食事をすることになる。彼女は看護師で、独りで子育てをしていた。ひの子は沙穂の影響で、逡巡しながらも春生にメールを送ってしまう。すると思いがけず返信があり、再び付き合うことになって……。出会いと別れ、他者とのつながり。現代女性が対峙する実相を、かつて炭鉱で労働を担った女性たちに心を寄せつつ描く、鮮烈な中編小説。 -
i
アメリカ人の父と日本人の母のもとへ、養子としてやってきたアイ。 内戦、テロ、地震、貧困……世界には悲しいニュースがあふれている。 なのに、自分は恵まれた生活を送っている。 そのことを思うと、アイはなんだか苦しくなるが、どうしたらいいかわからない。 けれど、やがてアイは、親友と出会い、愛する人と家族になり、ひとりの女性として自らの手で扉を開ける―― たとえ理解できなくても、愛することはできる。 世界を変えられないとしても、想うことはできる。 西加奈子の渾身の叫びに、深く心を揺さぶられる長編小説。 -
それでも僕は夢を見る
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ※本商品は過去にミズノオフィスから配信されていた商品になります。収録内容に変更はありませんので、重複購入にご注意ください。 ベストセラー「夢をかなえるゾウ」の水野敬也と動画サイトで300万回以上の再生数を誇ったパラパラ漫画「振り子」やNHK朝ドラ「あまちゃん」のアニメーションの作者鉄拳がタッグを組んだ。 「夢」はずっと僕のそばにいた。 けれど、いつまでも「夢」を追うのが辛くなった僕は、ある日彼を捨てた――。 老いた主人公がひとり病室で横たわるとき、捨てたはずの「夢」が戻ってくる。 「夢」に励まされ、主人公が最期に書き上げた一通の手紙とは? 動き出しそうになめらかなモノクロの絵と、静かな余韻を残す物語。 読む人によって、それぞれが違う感動を味わえる しっとり泣けてほんわか温かくなれる、珠玉の一冊です。 -
いずれすべては海の中に
最新の義手が道路と繫がった男の話(「一筋に伸びる二車線のハイウェイ」)、世代間宇宙船の中で受け継がれる記憶と歴史と音楽(「風はさまよう」)、クジラを運転して旅をするという奇妙な仕事の終わりに待つ予想外の結末(「イッカク」)、並行世界のサラ・ピンスカーたちが集まるサラコンで起きた殺人事件をサラ・ピンスカーのひとりが解決するSFミステリ(「そして(Nマイナス1)人しかいなくなった」)など。 奇想の海に呑まれ、たゆたい、息を継ぎ、泳ぎ続ける。その果てに待つものは――。静かな筆致で描かれる、不思議で愛おしいフィリップ・K・ディック賞を受賞した異色短篇集。 アーシュラ・K・ル=グウィンや、ケリー・リンクの作風を受け継ぎながら、彼女自身の不屈の声が全面に響いている。 ――〈カーカス・レビュー〉 幻想的な要素を含みながら、同時に、現実にある身近な喪失と痛みに根ざしたほろ苦い物語だ。この物語には、美しい繊細さがある。思索的(スペキュレイティヴ)な要素で読者の頭を殴ることはなく、物語の多くの側面を行間に残している。ピンスカーはサブテキストを非常に巧みに扱い、ページ上ではひとつの物語しか描かれていないが、読者にはふたつの完全な物語が提示されている。 ――A・C・ワイズ(作家) 【短篇集として】 2020年度フィリップ・K・ディック賞受賞作 2020年度ローカス賞短篇集部門候補作 2020年度世界幻想文学大賞候補作 【収録作品一覧】 「一筋に伸びる二車線のハイウェイ」(2015年度ネビュラ賞短篇部門候補作) 「そしてわれらは暗闇の中」 「記憶が戻る日(リメンバリー・デイ)」 「いずれすべては海の中に」(2017年度ネビュラ賞短篇部門候補作) 「彼女の低いハム音」 「死者との対話」 「時間流民のためのシュウェル・ホーム」 「深淵をあとに歓喜して」(2014年度シオドア・スタージョン賞短篇部門受賞作、ネビュラ賞中篇部門候補作) 「孤独な船乗りはだれ一人」 「風はさまよう」(2018年度ヒューゴー賞中篇部門候補作、ローカス賞中篇部門候補作、ネビュラ賞中篇部門候補作) 「オープン・ロードの聖母様」(2016年度ネビュラ賞中篇部門受賞作、ヒューゴー賞中篇部門候補作、シオドア・スタージョン短篇部門候補作) 「イッカク」(2020年度ローカス賞中篇部門候補作) 「そして(Nマイナス1)人しかいなくなった」(2016年度ヒューゴー賞ノヴェラ部門候補作、シオドア・スタージョン短篇部門候補作、ローカス賞ノヴェラ部門受賞作) -
葬儀屋にしまつ民俗異聞 鬼のとむらい
数年前、孤独のうちに死んだ息子を弔うため、今さらながら疑似結婚式を挙げたい……。通常の葬儀社では扱わないワケあり案件を請け負う特殊葬儀屋・似矢西待のもとに、いわゆる“冥婚”の依頼が舞い込んだ。冥婚とは、死者同士を結婚させる、あるいは死者になんらかの形で伴侶をあてがう風習だった。西待は民俗学マニアの兄・東天の手を借りながら依頼人の希望を叶えようとするのだが、その裏にはもう一つの狙いがあって…。なぜかひと筋縄ではいかない葬儀のトラブルと喪主の謎を、民俗学の知識で解決し死者を弔う。「ワケあり葬儀、承ります!」――葬儀屋兄弟の全国津々浦々陰気紀行&葬送民俗学ミステリー! -
ダンシング玉入れ
暗殺者のターゲットは宝塚のトップスター! 元花組男役の天真みちる氏推奨! 「ダンシング玉入れってなに!?と思ったアナタ、絶対読んでください!」 byダンシング玉入れ出場経験者 ——天真みちる(元宝塚歌劇団花組) 著者4年ぶりとなる最新小説は、 宝塚×ノワール=コメディ!? 孤高の殺し屋コリオレイナスに新たな依頼が届く。 ターゲットは宝塚歌劇団月組のトップスター・三日月傑。 ヅカオタの協力員ハーミアとともにトップスターの命を付け狙うのだが――。 果たして殺し屋は任務を完遂できるのか!? 『男役』『娘役』『銀橋』の宝塚シリーズで宝塚小説という新しいジャンルを確立し、 『ゼロ・アワー』でノワールに挑戦した中山可穂が、 それぞれのスピンオフともいえる新境地小説を4年ぶりに書き下ろした。 ダンシング玉入れとは、一体何だ? めくるめく秘密の花園に足を踏み入れた殺し屋がたどる数奇な運命とは!? 『ゼロ・アワー』でおなじみの殺し屋組織・沙翁商会のメンバーも登場! 魅惑のサンバにのって暗殺者とターゲットの摩訶不思議なドラマが幕を開ける。 -
人間
又吉直樹の初長編小説にして、『火花』『劇場』に続く第3弾小説が1万字を超える加筆を行い待望の文庫化! 38歳の誕生日に一通のメールが届いた。 呼び起こされる痛恨の記憶と目前に立ち上がるあの日々の続き。 漫画家を目指し上京した永山が住んだ、美術系の学生が集う共同住宅・通称「ハウス」。 飯島、田村、仲野、めぐみ、奥……同居人たちとの生活の中で降ってわいた希望と、 すべてを打ち砕いたある騒動。そして「おまえは絶対になにも成し遂げられない」という仲野の予言。 神様はなんで才能に見合った夢しか持てへんように設定してくれんかったんやろ。 それかゴミみたいな扱い受けても傷つかん精神力をくれたらよかったのに。 何者かになろうとあがいた青春と何者にもなれなかった現在、 上京以降の20年の末に永山に辿り着いた境地は? そして「人間」とは? -
競争の番人
弱くても戦え! 『元彼の遺言状』著者、注目の新鋭が放つ面白さ最高の「公取委」ミステリー。 ウェディング業界を巣食う談合、下請けいじめ、立入検査拒否。市場の独り占めを取り締まる公正取引委員会を舞台に、凸凹バディが悪を成敗する! 公正取引委員会の審査官、白熊楓は、聴取対象者が自殺した責任を問われ、部署異動に。東大首席・ハーバード大留学帰りのエリート審査官・小勝負勉と同じチームで働くことになった。二人は反発しあいながらも、ウェディング業界の価格カルテル調査に乗り出す。数々の妨害を越えて、市場を支配する巨悪を打ち倒せるか。ノンストップ・エンターテインメント・ミステリー! 「デビュー2年目の勝負作です。わくわくドキドキ、ちょっぴり身につまされ、不思議と力が湧いてくる。理屈抜きで面白い王道エンターテインメントを目指して書きました。エンタメの幕の内弁当、どうぞ召し上がれ!」―新川帆立 -
恋せぬふたり
この社会に生きる全ての人々がきっと笑顔になれる、唯一無二の“ラブでない”コメディ 「恋愛や性的な話を振られてもよくわからない。でも愛想笑いをしていれば大丈夫……」 咲子は、そんなもやもやとした気持ちを家族や友人、同僚に理解されないまま、恋愛や結婚を促され続け、居心地の悪さを感じていた。そんなある日、「アセクシュアル・アロマンティック」というセクシュアリティを自認する男性・高橋と出会い、驚くと同時にどこか救われた気持ちになる。 誰にも恋愛感情を抱かず、性的にも惹かれないふたりが、自分たちなりの生き方を模索すべく始めた共同生活は、家族、同僚、元彼、ご近所と周囲に波紋をひろげていく。その生活の先にある、それぞれの「幸せ」のあり方とは!? NHKで話題沸騰のドラマ「恋せぬふたり」の小説版! ドラマの脚本を手がける作家・吉田恵里香による完全書き下ろし! 〈目次〉 第1章 「兒玉咲子、高橋を知る」 第2章 「高橋羽、擬態を試みる」 第3章 「咲子、自分語り再び」 第4章 「高橋、未知との遭遇」 第5章 「咲子、お別れをする」 第6章 「咲子、次に進む」 第7章 「咲子と高橋と、一人の女」 第8章 「恋せぬふたり」 -
姉妹殺し
全仏ベストセラー1位! 人気ミステリー作家の小説になぞらえて 惨殺された美しき少女たち。 25年後、同様の手口の殺人事件が発生し―― 新米刑事セルヴァズ、最初の事件簿。 世界22カ国で刊行。 累計400万部突破の絶賛シリーズ最新刊! 1993年、トゥールーズの森で大学生の姉妹が殺された。 駆け出しの刑事セルヴァズが目にしたのは、白いドレス姿で木につながれた異様な遺体。 姉のほうは美しい顔を潰されていた。 容疑者に浮上したのは人気ミステリー作家。 犯行手口が彼の小説と酷似しており、姉妹との関係も判明するが、 事件は意外な幕引きを迎える。 だが25年後、今度は作家の妻が白いドレス姿で作中の手口で殺されて……。 -
杏っ子
生い立ちに数奇な運命をもちながら、文壇に老大家としての地位を築いた作家平山平四郎の生涯と、野性をひそめたその娘杏っ子の生々流転の姿を鮮やかに描く。さまざまな浮き沈みを経た犀星の筆は、父と娘の微妙な情愛と絆を捉え、不幸な結婚にあえぐ杏っ子のなかに女の愛と執念を追究する。人生の底のよどみを苛酷なまでに抉り出し、生涯の情熱を傾けて描ききった自伝的長編小説。 (※本書は10962/6/10に発売し、2022/4/26に電子化をいたしました) -
シャギー・ベイン
デビュー作にして、英国最高の文学賞ブッカー賞を受賞。英語圏で100万部突破の話題作。 1980年代、英国グラスゴー。“男らしさ"を求める時代に馴染めない少年シャギーにとって、自分を認めてくれる母アグネスの存在は彼の全てだった。アグネスは、エリザベス・テイラー似の美女。誇り高く、いつも周囲を魅了していた。貧しさが国全体を覆っていくなか、彼女は家族をまとめようと必死だった。しかし、浮気性の夫がアグネスを捨ててから、彼女は酒に溺れていき、唯一の収入である給付金さえも酒代に費やしてしまう。共に住む姉兄は、母を見限って家を離れていくが、まだ幼いシャギーはひとり必死にアグネスに寄り添い──。 けっして生きる誇りを忘れなかった母子の絆を描く、 デビュー作にして、英米の文学界を席巻したブッカー賞受賞作。 -
住友を破壊した男
十倉雅和氏(経団連会長・住友化学会長)、絶賛! 「住友の事業精神の原点は、ここにあった」煙害問題の解決、企業の利ではなく人々のために……。“ESGの先駆者”伊庭貞剛の生涯を描き切った感動のノンフィクションノベル。この男なくして「住友」は語れない! 幕末、志士として活動後、司法官となった伊庭貞剛は、叔父で総理事の広瀬宰平に招聘され、住友に入社する。しかし当時の住友は、別子銅山の煙害問題を抱え、さらには宰平の独断専行が目にあまるほどであった。住友財閥の中にありながらも、住友を破壊せんばかりの覚悟を持って改革に臨んだ、“住友中興の祖”とよばれる経営者に光をあてた傑作長編小説。 -
眠れないほどおもしろい源氏物語
マンガと人物ダイジェストで読む、日本一わかりやすい『源氏物語』の本! 千年の時を超えた、究極の“王朝・ラブストーリー”!日本が世界に誇る『源氏物語』は、平安時代の天才・紫式部による54帖もの長編大作。そこで本書では、『源氏物語』のストーリーを、それぞれの魅力にあふれた“登場人物ごと”に紹介。*“永遠の恋人”を生涯追い求めた「光源氏」*きゃしゃで可憐な一夏の恋人「夕顔」*少女の頃から光源氏に愛された「紫の上」*不器量だけど一途な姫君「末摘花」*低い身分ながら誰より気品ある「明石の君」――きっとあなたも、千年の時を超えて共感する姫君や貴公子と出会えるはずです。また、『源氏物語』のハイライトシーンはマンガ化して収録!印象的なシーンが、ますます頭に残ります。 -
英国屋敷の二通の遺書
植民地時代に英国人が建築し、代々の主が非業の死を遂げたと伝えられるグレイブルック荘。元警察官のアスレヤは、現主人であるバスカーの招待でこの屋敷を訪れた。財産家の彼は何者かに命を狙われており、数々の事件を解決へ導いたアスレヤの助力を求めたのだ。バスカーは、二通の遺書を用意していた。どちらが効力を持つのかは、彼の死に方によって決まる。一族の者と隣人たちが集まり、遺書が彼らの心をざわつかせるなか、ついに惨劇が! アスレヤは殺人事件と屋敷をめぐる謎に挑む。インド発、英国犯人当てミステリの香気漂う精緻な長編推理。/解説=三橋曉 -
おしゃべりな部屋
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 近藤麻理恵が片づけてきた1000以上の部屋にまつわる実話を基に、 川村元気が紡ぐ7つの部屋の物語。 気鋭の絵本作家・大桃洋祐のカラーイラストを40点以上収載。 読売新聞連載時から話題沸騰の小説がついに単行本化! わたし、橙木ミコには、誰にも言えない秘密がある。 部屋にある、モノの声が聞こえてしまうのだ。服や靴、本や家具がみな、話しかけてくる。 わたしは、依頼された家の“片づけ”を手伝う仕事をしている。 今、わたしの隣にいる片づけの相棒はボクス。おしゃべりな小箱だ。 どうして、片づけが仕事になったのか? どうやって、モノの声が聞こえるのか? そもそも小箱が相棒って、どういうこと? きっとあなたは不思議に思うだろう。けれども、これはどれも本当の話。 わたしが片づけてきた部屋は、千を超えた。 服を手放せない主婦、本を捨てられない新聞記者、なんでも溜め込んでしまう夫婦、好きなものが見つけられない少女、死の間際に片づけを決意する老婦人……。 部屋の数だけ、そこに暮らす人と、おしゃべりなモノたちとの思い出がある。 今からすこしだけ、その話を聞いてもらえたらと思う。 これはわたしが実際に体験した、すこし不思議な七つの部屋にまつわる物語だ。 -
いえ
『ひと』まち』に続く新たな感動作、誕生! 妹が、怪我を負った。 案外面倒な兄なんだな、おれはーー。 家族と、友と、やりきれない想いの行き先を探す物語。 友がいて職場があって、 ひとが築く、まち。 その中に暮らす我が家。 近くて遠い、家族。 社会人三年目の三上傑には、大学生の妹、若緒がいた。 仲は特に良くも悪くもなく、普通。しかし最近、傑は妹のことばかり気にかけている。 傑の友だちであり若緒の恋人でもある城山大河が、ドライブデート中に事故を起こしたのだ。後遺症で、若緒は左足を引きずるようになってしまった。 以来、家族ぐるみの付き合いだった大河を巡って、三上家はどこかぎくしゃくしている。 教員の父は大河に一定の理解を示すが、納得いかない母は突っかかり、喧嘩が絶えない。 ハンデを追いながら、若緒は就活に苦戦中。家族に、友に、どう接すればいいのか。 思い悩む傑は……。 -
甘夏とオリオン
※本書は、角川書店単行本『甘夏とオリオン』を文庫化した作品となります。重複購入にご注意ください。 人はいつだって、誰かを待っているんやね。 大阪の下町、玉出の銭湯に居候する駆け出しの落語家・甘夏。彼女の師匠はある日、一切の連絡を絶って失踪した。師匠不在の中、一門を守り、師匠を待つことを決めた甘夏と二人の兄弟子。一門のゴシップを楽しむ野次馬、女性落語家への偏見――。苦境を打開するため、甘夏は自身が住んでいる銭湯で、深夜に「師匠、死んじゃったかもしれない寄席」を行うことを思いつく。寄席にはそれぞれに事情を抱える人々が集まってきて――。 -
怪談を書く怪談
海が怖い。海は死に近いからーー。山では、「この先に行ったら、私は死ぬ」というような直感で足がすくんだこともある。海は、実際恐ろしい目にあったことがないのだけれど、怖い。ある日、友人が海に纏わる怖い話を始めた。話を聞いているうちに、生臭い匂いが立ちこめ……。(「船玉さま」より) 海沿いの温泉ホテル、聖者が魔に取り込まれる様、漁師の習わしの理由、そして生霊……視える&祓える著者でも逃げ切れなかった恐怖が満載。 「”これ本当に実体験! ?”と驚くことばかり。ぞくぞくします。」 高松亮二さんも絶賛の声! (書泉グランデ) 文庫化にあたり、メディアファクトリーから刊行された『怪談を書く怪談』を『船玉さま 怪談を書く怪談』に改題し、書下ろし「魄」を収録。解説:朝宮運河
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