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※本書は、角川書店単行本『甘夏とオリオン』を文庫化した作品となります。重複購入にご注意ください。
人はいつだって、誰かを待っているんやね。
大阪の下町、玉出の銭湯に居候する駆け出しの落語家・甘夏。彼女の師匠はある日、一切の連絡を絶って失踪した。師匠不在の中、一門を守り、師匠を待つことを決めた甘夏と二人の兄弟子。一門のゴシップを楽しむ野次馬、女性落語家への偏見――。苦境を打開するため、甘夏は自身が住んでいる銭湯で、深夜に「師匠、死んじゃったかもしれない寄席」を行うことを思いつく。寄席にはそれぞれに事情を抱える人々が集まってきて――。
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Posted by ブクログ
落語家の師匠が突然失踪する話。落語を生で聴いてみたい、まだ出来ていないまま。いくつも心に残る言葉があった。
一人でできる、思いっきりアホがやれる。それが噺家。
描写が迫る、感動的な場面、『宿替え』。
この世界も、捨てたもんやない。ワットアワンダフルワールド。byルイ・アームストロング。
オリオン座を知らない甘夏。人間にとって、無知は罪やで、の言葉。
本来は見えへんもんを、見えるようにする。それが文化とか芸能である。
見えへんもんを見えるようにする。それが、落語家の仕事やで。
人を笑う噺が落語。だがそれは否定ではなく、『存在』の肯定。
『代書』、朝鮮人が出てくる噺。
みんな、何かを待っている、というミヤコさん。泣きそうや。深夜の銭湯での落語会。
待つって簡単じゃないし、受け身じゃない。勇気がないと、人は待てない。
見えないものを見えるようにする、そんな落語家が増えていく、のかな。
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