佐藤正午の作品一覧
「佐藤正午」の「熟柿」「一か八か ギャンブル傑作コレクション」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「佐藤正午」の「熟柿」「一か八か ギャンブル傑作コレクション」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
長崎県立佐世保北高等学校卒。『永遠の1/2』で第7回すばる文学賞を受賞。『リボルバー』、『ジャンプ』が映画化された。その他作品に『王様の結婚』、『恋を数えて』、『アンダーリポート』などがある。
小説・文芸
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Posted by ブクログ
シンボリックで満足感のあるエンディング。オープニングでは主人公の死んだおばさんの話から始まる。夜中に一人で熟柿に小さい穴をあけてじゅるじゅるすするという行動は、親戚中から嫌われている風変わりでドケチなおばさんのイメージを見事に象徴づけている。
ストーリー展開は、主人公の市木かおりの不遇で孤独な運命に、流されながらも自分を保ち、目的を見つけてなんとかサバイブする姿が描かれていく。後半までは感情移入できなくて、読み進めるのが辛かった。それでも、読者をちゃんと連れていくのは、人物描写の妙と、少しずつ意外な角度に跳ねる展開だろう。やがて訪れるクライマックス。予想通りの場面だが、ここでもそこに至る道のりに意外性を感じた。
最後のシーンは、かおりから土居への電話だ。かおりに好意を抱き、静かに見守る土居の誠実な人間性が透けて見える言動に惹きつけられた。あんな風に自分もありたいと思う。そして、自然にぽとりと落ちる熟柿のイメージが、かおりの未来への希望と重なる。ジーンとした余韻が残る素晴らしいエンディングでした。