佐藤正午のレビュー一覧

  • 熟柿

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    取り返しのつかない過ちを犯してしまったとはいえ、その後の理不尽な人生を従容として受け入れるかおり。

    物語ではあるけれど、その後のかおりに幸あれと願わずにはいられない。

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    2026年07月05日
  • どこ吹く風 小説家の四季

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    この気持ち良さはどこから来るかといえばやはり文章のうまさが群を抜いているからとしか言いようがない。そして、いくら偽悪的に素っ気なく書いても伝わってくる、最初の編集者がどれだけ大事な人だったか。さらにもう1人の最初の編集者山田さんのこと。泣きそうになりながら最後まで読んで、「発行者」の名前を見て、もう1人の大事な編集者坂本くんの元でこの話が読めることにあらためて感涙。

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    2026年07月05日
  • 熟柿

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    ネタバレ

    息子に会うまでの熟柿の物語。他人事ではない。自分がかおりさんのようになる可能性も大いにある。車を運転するのが怖くなった。事故であれなんであれ「犯罪者」となってしまい、会えない息子を想い、せめて息子にお金を残すことに人生を捧げるも行く先々で苦労する母親の人生を追うのが辛かった。まだ伝えられていない自分の罪を伝えられるようになるまで、土居さんなら待ってくれる。

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    2026年07月05日
  • 熟柿

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    ネタバレ

    表紙とタイトルからはどんな物語か想像ができないのがとても良かったです。
    読み終わった時に、まだ読んでない時に戻りたいと思ったくらい心が動かされました。

    1章〜11章までは1人の女性が強く生きていく人生の物語でした。なのに、12章の後半を読んだ時、涙が止まらなくなりました。何十年も1人で強く生きてきた主人公が初めて他の人に頼ろうとした瞬間。その相手も主人公を急かさずずっとその時を待っていた懐の大きさ。
    タイトルの伏線が回収された瞬間を思い出すだけでも涙が出てきそうになります。
    最近読んだ中でダントツで素敵な小説でした。

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    2026年07月05日
  • 熟柿

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    母親って偉大だな。
    子供のためなら、どんなは大変なことも乗り越える強さを持てる。そして無償の愛って凄い。
    人って誰かのためを思ってした行動でも、見返りって求める部分がある。でも母から子へはそんな見返りなんてなくても、大変で辛いこともできる。本当に凄い

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    2026年07月04日
  • 熟柿

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    長い時の間、ひたむきに息子のためにと生きてきた女性は、裏切りや時に運の悪さに翻弄されながらも、最後にはやっと自分の人生を歩き出せる余韻を残してくれました。
    時にはじっと待つ事。その大切さを教えてくれました。胸が苦しくなるけど、そのどこかに人の温かさも感じられる作品です。読んでよかった。

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    2026年07月03日
  • 熟柿

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    ネタバレ

    間違いなく、大作である。

    読み応えのある好みの小説だった。映像化されると予想。角田光代さんの『八日目の蝉』を思い出した。


    悪意なく罪人になってしまった1人の女性(かおり)が、償いの人生を歩む。この小説の世界観を、色に例えるならグレー。クリアな希望の光など一筋も見えない。息子に会うことも叶わない。それでも、息子のためにできることを考え、息子を受取人とする保険に加入した。保険料を納めることで、自分は母なのだと自らを奮い立たせる。

    誰でも罪を侵し得る。日常と罪を隔てるのは、分厚い壁ではなく、指で押したら突き抜けるほどの薄い膜なのだと思えてならない。ふとした表紙にその薄膜を破り、罪びとになる可

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    2026年07月02日
  • 熟柿

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     どうしても届かない願いを叶えようとしていくうちにそれが本当に求めていたことなのかと思わせ考えさせてくれる物語。
     結果だけではなく、そこまでのプロセスを大事にすることで、新たな景色が見えるのかもと思えるようになった。
     人の黒い部分や細かい心情描写がリアルに描かれていて怖いぐらいだった。

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    2026年07月02日
  • 熟柿

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    ネタバレ

    オーディブル読書。
    美しい作品だったなと。
    初めは、ひき逃げしたり誘拐未遂?したり小学校乱入とかで犯罪者目線の物語かな?と思ったけど全然違った。カオリの生き様をありありと突きつけられた。優しさに救われたり、悪意に失墜したり、人の人生をそのまま見てるみたいな。
    でも気長に時期が来ることを待つのなんて、誰もできないんじゃないかな。人はみな何かに囚われつつ、それでも人生を彩っていくものでもありそうだねどね。

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    2026年06月29日
  • 熟柿

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    熟柿とは、熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時機が来るのを待つこと。言ってしまうと、それに自分の意思はないわけで、時が来るのを待つしかないともとれるわけで。
    罪を犯してしまってから、普通通りの生活や息子に会うができるまでの時間がこんなにもかかると思うととんでもないぐらいの時間がかかってしまってる。
    これを読んだ方は、ながら運転絶対にダメを心がけるはず。

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    2026年06月28日
  • 熟柿

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    罪を犯した人間が一生後悔と反省に苛まれて生きていく姿がわかる。怖さもあるが、次が気になり過ぎて休日にどんどん読み進めてしまった

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    2026年06月24日
  • 熟柿

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    この本が書店に並び始めたころ、友達と「ズクシ(熟柿はうちらの地方ではこう言う)」って読むんかな~とか言いながら物語の話でなく、しばらくこの柿の食べ方で盛り上がりました(笑)
    この本を買ったのは昨年ちょうど実家からいくつもの熟柿をもらってきた頃でしたが、なかなか読めなくてやっと読めました。なんで早く読まなかったんだろうと後悔した。それくらい興味深い物語でした。
    物語の冒頭に出てくる熟柿は何とも不気味なものでしたが、最後のはすごく意味のある希望の持てる意味に変わりました。
    読み始めてからずっと、主人公のかおりさんは確かにダメなんだけど、事故当時同乗していた旦那さんと、運転中に電話してきた鶴子とずっ

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    2026年06月23日
  • 月の満ち欠け

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    すごく面白かった、寄稿も良かった~
    わたしも運命とか本気で信じちゃうから、すんなり入ってきたし、やっぱりこれからも信じ続けたいと思ってしまった。

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    2026年05月14日
  • 鳩の撃退法 下

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    いや、こんな小説、あっていいのでしょうか。

    自由すぎる。軽すぎる。なのに骨太。
    こんなに分厚いのにページを捲る手が止まらない。
    面白すぎました。

    主人公が書いている小説がこの小説であり、いやむしろ、作中でこの小説を書きながら(私はそれを読みながら)物語が進んでいくのに、なぜか私はこの完成しているはずの小説を読んでいる。

    割と早い段階からこの構造が明かされる上に、この主人公にとってのわずかな事実を、この主人公が勝手な解釈で脚色していることも明言されている。
    つかみどころのない、のらりくらりとした文体に最初は戸惑いながらも、慣れてくるとその面白さに一気に引き込まれてしまう。
    私は一体何を読ま

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    2026年05月06日
  • 月の満ち欠け

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    ネタバレ

    最後泣けました。よくやった、これで良いですよ。読者の期待通りの着地でいいじゃないですか。
    途中これは推理もの?ホラーもの?と迷いながらも引き込まれ、謎解きなら解いてやるぜと意気込んだものの、最後はそんなことどうでも良い話で終わりました。全体の作りはうまくできていたと思います。
    うそでもホントでもいいから、この世から消えてしまった人に会ってみたいと人は思うもの。強く愛する人ならなおさらだと思います。

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    2026年05月03日
  • どこ吹く風 小説家の四季

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    ネタバレ

    この偏屈?作家(賛辞を込めてです)のエッセイは、最高!最後まで楽しめました。

    目次とあとがきの節約理由、
    湯呑が割れる表現になぜか共感
    ポケモンGoと散歩
    直木賞のくだりで編集者との言い合い
    などなど、好きなところをあげたらきりがありませんが・・・
    なにより、歳相応のめんどくささと大変さ加減がうんうんと頷けるのです。

    次作の長編とともにまたこのエッセイが続いていくと思うと今から両方楽しみです。

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    2026年04月27日
  • Y

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     八月の雨の晩にかかってきた電話。都立高校時代の同級生だと名乗る電話の主に、私は心当たりがなかった。だけど相手は『親友だった』と告げる。『キタガワ・タケシ』と名乗る二十五年前の同級生は、自分の身に起こった不思議な出来事を綴った物語を、〈私〉だけに読んで欲しい、と言う。後日、代理人を通して〈私〉の手に渡ってきたのは、一枚のフロッピーディスクと五百万円の現金。通帳の名義人になっている女性には覚えがある。

    『人生をやり直したいと思ったことがありますか?』もしも冗談でなく大真面目に答えるとして、一片の迷いもなく、「ありません」と答えられるひとは少数派だと思います。後悔のない人生を歩むほうが難しいわけ

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    2026年04月25日
  • 冬に子供が生まれる

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    読み始めた時からうっすらとした恐怖感みたいなものが頭の中を占めていてドキドキしながら読み進めた。結局知りたいことはハッキリ白黒つかないまま終わってしまったんだけど、でも面白かった。

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    2026年04月05日
  • 月の満ち欠け

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    熟柿もだけど、こんな物語を考える作者はすごい。
    読んでる私もなんとか会わせてあげたいと切望した。最後が本当によかった。私も救われた。

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    2026年03月14日
  • Y

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    ネタバレ

    題材
    ・アイリスイン、アイリスアウト(タイムリープ)

    テーマ
    ・やり直したところで、最後は受け入れないといけない

    誰が何をする話なのか
    ・北川が人生をやり直す話(二回やり直す)

    最も伝えたかったこと
    ・小説の構造自体

    何が新しいのか
    ・タイムリープに巻き込まれる主人公(主人公自体がタイムリープをするわけではない)
    ・SF×恋愛×ミステリ

    キャッチコピーは何か
    『アルファベットのYのように人生は右と左へ分かれていったー』
    『彼女を救うためなら、何度だってやり直せる』

    その他(心に残ったことなど)
    ・佐藤正午は何度も似通った題材やテーマ、小説の構造で書いている。その執念深さというか、変

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    2026年01月11日