佐藤正午のレビュー一覧

  • 月の満ち欠け
    前々から気になっていた作家ではありますが、中々読む機会が無く直木賞受賞したと聞いて満を辞して読む事にしました。ミステリーの方が好きと言う事もあってどんどんハマってしまいました。どう言う事なの?何で?もう私の疑問は止まらなかったです。三角と瑠璃の事はあっという間に終わるのにその後の展開が二転三転。私の...続きを読む
  • 冬に子供が生まれる
    題材
     超常現象

    テーマ
     人生は不思議な出来事に満ちている

    最も伝えたかったこと
     =テーマ

    何が新しいのか
     題材やテーマではなく、佐藤正午の書く文章そのもの

    キャッチコピーは何か
    「みんなには内緒な?〜人生は不思議な出来事にみちている〜」
    「記憶の足音が聴こえる、数奇な半生の物語が再生...続きを読む
  • 鳩の撃退法 下
    ひえー面白かった。このメタな物語世界に完全に飲み込まれてなにが事実(小説の中の)でなにが小説(小説の中の)なのかが渾然一体となるのを最高に楽しんだ。言ってみればずるいんだけど、とても技巧的でもある。類を見ない構造でめちゃくちゃ面白かった。時系列も視点も作中の事実も創作もさまざまな伏線と共にかなり激し...続きを読む
  • ジャンプ 新装版
    非常にすっきりとした文章でした。
    カバーイラストの背景は白で書名は薄いグレー、陰影は最小限に手とリンゴを描いているのも納得です。

    リンゴを買いに行ったきり戻らなかったガールフレンドを追う主人公の独白です。

    書き出しがかっこいい。
    カクテルと靴の話から物語が始まるのですがこれは終わりまで、物語に浸...続きを読む
  • 月の満ち欠け
    すごくなんというか、センチメンタルで刺さった
    読み方によってはホラーというかどろどろした感じも好きだからおもしろかったぞ

    大切な人を亡くした経験があるからこそ月の満ち欠けのようにまた何回も会いにきてほしいなと願ってしまったし、私もまた月の満ち欠けのように何回も大事な人に会いに来れたらと夢見てしまっ...続きを読む
  • 冬に子供が生まれる
    出来事だけを追うならーーUFOをめぐる子どもたちの空想、それが遠因となって起きた交通事故と、狂ってしまった彼らの未来ーー突飛とまではいかない、実際にありそうな筋書き。
    しかし現実を一皮むいた裏側では、人智を超えた「不思議」が人生の歯車を動かしている。それを知ってしまったマルユウ、マルセイたち。彼らに...続きを読む
  • 冬に子供が生まれる
    丸田くんが「今年の冬、彼女はおまえの子供を産む」という身に覚えのないメールを受け取ったところから物語は始まる。そこからたくさんの不思議な出来事が展開されていく。それが断片的に語られていき、その中に記憶の曖昧さ、不可思議さがある。小学生の丸田くんが同級生と体験したUFO騒動とそれを体験したことによって...続きを読む
  • 冬に子供が生まれる
    今年の冬、彼女はおまえの子供を産む

    スマホに届いたメッセージ。
    丸田君には、まったく身におぼえがない。

    2人の丸田君のあだ名は、マルユウとマルセイ。
    読み終えたいま、頭の中を整理して
    再度、ページをペラペラとめくり確かめてみる。
    やはり、ハッキリとしたことは見つけられなかった。
    そこは曖昧でいい...続きを読む
  • 冬に子供が生まれる
    『鳩の撃退法』では、どこまでが現実の話で、どこまでか小説の話なのか理解するのに苦労した。
    『月の満ち欠け』では、誰が誰の生まれ変わりなのか理解するのに苦労した。
    そして本書『冬に子供が生まれる』では、どれがマルユウでどれがマルセイなのか理解するのに苦労した。
    でも仕方ない。作者がそういう風に書いてい...続きを読む
  • 冬に子供が生まれる
    つくづく思うのは、
    佐藤正午さん(と矢作俊彦さん)の作品は、35歳過ぎてから読むと、心に沁みるのです…と言うのは、個人の感想です。
    とはいえ、やはり上手い!
  • 月の満ち欠け
    生まれ変わりのお話。
    人生で一番愛した人にまた会うために
    生まれ変わり何度も生まれ変わってその人にたどり着く。
    生まれ変わっても会いたい人は誰かと考えさせられる。
    そしてちょっと死んでみるという言葉に深い意味を感じた。
    そして小山内さんの身近にも‥と言うところが面白かった。
    一気に読み進めた本。
  • 小説の読み書き
    新書に抵抗がある人は少なくはないと思う。
    堅苦しい、書いてあることが難しいというイメージが私にもある。そんな私にも「小説の読み書き」は、するすると滑らかに読むことができた。読書好きなら、(好きでなくても国語の教科書を読んできた人なら)必ず聞いたことがある作家から、初耳の作家まで作者独自の視点で作品の...続きを読む
  • 鳩の撃退法 上
    冒頭から最後までセンスのある文章で、津田伸一ワールドに没頭してしまいました!
    どこまでが“小説”で、どこまでが“事実”なのか、本人たちにしか本当のことはわからないけど、そういうところも含めて津田伸一の小説は面白いです。
  • 月の満ち欠け
    ずっと読まずに取っておいた本でしたが、読み始めたたら一気でした。一歩間違うと不気味でブラックな話になってしまいそうですし、工夫の凝らされた構成により読んでる途中で時々前に戻って確認を必要としたりとか、少々分かり難い本なので評価が分かれるのもやむを得ないと思います。選考時の評言や様々なご意見も拝見しご...続きを読む
  • 鳩の撃退法 上
    この作品は映画を先に見た。というか、先に知った。エンドロールで原作があることを知り、佐藤正午。見覚えのある名前だ。たしか『月の満ち欠け』という小説を読んだことがある。それがきっかけだった。
    本書の主人公は、津田という小説家である。津田は行きつけのドーナツショップで、ある男と相席になる。その男が読んで...続きを読む
  • 鳩の撃退法 下
    題材
    ・旬を過ぎた小説家

    テーマ
    ・お金に振り回される人間たち

    最も伝えたかったこと(新しい点)
    ・小説家の日常と、その小説家が書いている小説世界が混在する点

    新しい点
    ・新しい「ミステリ」の提示

    キャッチコピーは何か
    ・この男が書いた小説(ウソ)は、現実(ホント)になる

    その他(心に残っ...続きを読む
  • 小説の読み書き
    様々な小説を佐藤正午さんという小説家が読み解く。視点もユニークであり、言葉を生業としている小説家だからこそ、丁寧にこだわるところを深掘りしている。国語、読み方、書き方について、学びを得られるし、何より読んでいて楽しいと感じた。
  • 月の満ち欠け
    誰もが不可能、あり得ない、とわかっていて、

    でも、憧れてしまう、『永遠に続く』想い。

    小説というものの醍醐味を存分に満喫できた。

    切なさの上に、ホッとした気持ちがポンと載せられて、温かな読後感。

    この作品のラストの更に後(のち)、

    小説に描かれていない部分で、2人はどんな言葉を交わすのかな...続きを読む
  • 小説家の四季 2007-2015
    佐藤正午のことだからどこまでが事実でどこからが創作かわからない日常雑記だが、何度読んでも面白い。特に近松秋江の「黒髪」を巡る話は爆笑だ。以前、このエッセイを読んだ後どうしても「黒髪」シリーズが読みたくなり、いくつか読んだものの、何作目かで主人公のあまりのストーカーぶりが笑えなくなり、読むのをやめたの...続きを読む
  • アンダーリポート/ブルー
    主人公とは、性別も年も職業だって何から何まで共通点はないはずなのに。
    とことん感情移入してしまい、、、
    わたし自身もモヤモヤした日々を送りました。
    後半にさしかかり、
    あれ?これって一番最初に書かれてなかったっけ?と読むと同時に過去の記憶をたどる私。
    ああ、もう主人公じゃんわたし。
    記憶と記録と、そ...続きを読む