佐藤正午のレビュー一覧

  • アンダーリポート/ブルー
    主人公とは、性別も年も職業だって何から何まで共通点はないはずなのに。
    とことん感情移入してしまい、、、
    わたし自身もモヤモヤした日々を送りました。
    後半にさしかかり、
    あれ?これって一番最初に書かれてなかったっけ?と読むと同時に過去の記憶をたどる私。
    ああ、もう主人公じゃんわたし。
    記憶と記録と、そ...続きを読む
  • 鳩の撃退法 下
    TMI (too much information)
    まさにTMIにならず、謎は全て明らかにされ終わった。
    小説家はダメ男だけどモテるのはよくわかる。「な?ハラコ」って意見を求められたい。

    晴山君が可哀想過ぎる。
  • 鳩の撃退法 上
    小説家の飄々としたキャラがいい。
    コンパニオンの源氏名が昭和女優の名前っていうのも覚えやすくてよい。
    だんだん点と点が繋がってきて、今すごく面白いとこ。

    面白いけどちょっと気になるのが、不倫相手に会うのに毎週他所のお宅のシッターに子どもを預けたりするかな?っていうのとヒモ男が他人の車に乗りまくって...続きを読む
  • 月の満ち欠け
    佐藤正午さん、初めて読みましたがとてもよかったです。とても読みやすくサクサク読めました。
    月の満ち欠けのように生まれ変わる。。美しい表現ですね。。一途というよりちょっと怖いくらいの執着心ですが。。登場人物一人一人の感情がよく分かってとても楽しく読ませて頂きました。
  • 鳩の撃退法 下
    よくよく考えてみると、このページ量を一気読みさせる文筆力は脅威ですよね。一家失踪事件が取り沙汰されているのに、ここまでコミカルな軽いタッチで物語れるとは。さすがに倉田サイドの章はダークでスリリングではありますが、その対照が作品の濃淡を感じさせます。

    津田さんのダメ男でも弁が立ち自尊心が高い嫌味なと...続きを読む
  • 鳩の撃退法 下
    初めて読む感覚の不思議な本だった。最後まで舞台になった街が特定できない。全ては2/28の大雪の夜にまつわる話だが、行ったり来たり、たくさんの人が登場してくる。
    フィクションなんだろうけど、とってもリアルでノンフィクションと錯覚してしまった。
  • 夏の情婦
    良すぎるというか好みの人だった。

    遠野さんと似ているなと思ったら「恋人」に出てくる、面倒さ、鬱陶しさを覚える女も同じように書かれていると思った。そしてやはり主人公は身体を鍛えている。客観的で理論的で、ある人から見れば冷酷な、そういう考え方が好きだと再認識した。そうして感情的な女の部分に迷う。
  • 事の次第
    佐藤正午の事の次第を読みました。
    ごくふつうに生きている中年の男性や女性がひそかに抱えている秘密を描いた短編集でした。

    「姉の悲しみ」では姉からみた妹の姿が描かれ、「言い残したこと」では妹からみた姉の姿が描かれています。
    その対照が鮮やかで面白く読みました。
  • 書くインタビュー 4
    あー面白かった! 盛田隆二さんとのやりとりもあって奇跡のよう。盛田さんのパートには、これは作り話だなと感じる部分はゼロで(うまく騙されている?)、伝えたいことがまず第一にある盛田さんと、いかに語るかが第一の佐藤正午の違いがここにも出ていて面白かったが(これも双方に騙されている?)、文章への真摯な向き...続きを読む
  • アンダーリポート/ブルー
    アンダーリポートのみを収録した方を先に読み、

     もうひと展開ほしいと思ったので星3つ。

    と書いたが、続きがあると知り早速読んだ。


    な、なるほど、、、
    なぜこんな構成にしたのか、最初から決めていたような気がするけど、なぜなのか、、、

    物語としてはスッキリしたけどスッキリしない。
    怖い。色々と...続きを読む
  • きみは誤解している
    ハードボイルド。ハードボイルドっていうのはこういうダメでどうしようもなく、そしてそれを変えようもない男たちの物語なんだ。 ギャンブラーは女を泣かすことも自分を騙すこともお手の物だ。彼らはこう言う。「俺に言わせればギャンブルの手など借りなくても人生なんてもともと狂ってる。俺はそう思う」 屑が嫌いな人は...続きを読む
  • 月の満ち欠け
    身の回りやこの世のどこかでもこの様な事が
    当たり前に起きているのだろうなと思わされました。
    愛は命をも超え受け継がれる。
    自分もそう思える素敵な人を大切にしていかなくてはと再確認させられました。
  • 夏の情婦
    どれも面白かったけど、特に「傘を探す」が秀逸。姉への近親相姦を思わせる秘めた思慕と、そんな姉を奪い取った義兄への憎しみ。そんな複雑な思いを相変わらずのシニカルなタッチで描いていく。それから巻末に収録された著者自身による「30年後のあとがき」もよかった。作家はいつも「今、この瞬間」を書くのだ、という強...続きを読む
  • 放蕩記
    『つまりさ、5万円はどんな状況においても5万円の価値を発揮するんだよ。ところが愛情の価値は不安定だ。女が支払った5万円はパジャマを受け取った男にとっても5万円だけど、女が一針一針にこめた愛情は受けとる男によってはゼロの価値になる場合がある。ゆえに結論としては、愛情は5万円に劣るんだよ。まちがってる?...続きを読む
  • Y

    Y


    未来と過去を行ったりきたりなタイムトラベルものは苦手なはずなのに、何故かどんどん引き込まれて読めちゃった本。
    設定が難しいところもあって、途中ごちゃごちゃするけど面白いから読めた!!
  • 鳩の撃退法 上
    かつては直木賞も受賞したと噂される40代の小説家 津田伸一が主人公。不倫など数々の不祥事を起こし、地方都市にてデリヘルの運転手で糊口を凌いでいる。

    ある大雪の夜、ドーナツ店で出会った男と会話を交わす。翌日、男は妻子と共に忽然と姿を消す。その1年2ヶ月後、親しくしていた古書店店主から形見のキャリーバ...続きを読む
  • side B
    競輪選手と時代そして、取り上げているネタが自分にとってのどストライク!でも、売れないだろうこの本。競輪する人は本読まないし、本読む人は競輪しないでしょう!
  • 小説の読み書き
    小説家佐藤正午が、芥川龍之介や太宰治ら大作家たちの小説について、分析したり、突っ込んだり、要は(敬意を込めながら)言いたいことを言っている本。
    例えば、当時中学生の太宰治が、井伏鱒二の「山椒魚」を読んで、坐っていられないくらい興奮したという話に対し、中学生の自分はどちらかといえば「すわっていられない...続きを読む
  • 夏の情婦
    直木賞を受賞された作家の文庫を何気なく手にとってみた。
    初めて読む佐藤さんの本。新たな作家の発見に少しわくわく。
    題名からどろどろした女と男の話を期待していたのだが、いい意味で裏切られた。
    男の目線から見たときの恋愛の話は新鮮で、女ほどのねちねちとした感覚のない、さわやかな、いやあっさりとした男女関...続きを読む
  • 夏の情婦
    表題作を含む5つの短篇集。

    表題作もよかったけれど、個人的には、やはり「傘を探す」もおもしろかった。
    映像化されたらどうなるんだろうと考えながら読んだ。

    また、著者自身による「三十年後のあとがき」もすばらしいものになっている。