佐藤正午のレビュー一覧

  • アンダーリポート/ブルー
    手の込んだミステリーというわけではないけど
    一つ一つが丁寧に書かれている印象。
    挿絵があるわけでもないのに登場人物がイラストとして頭の中で現れて動いている感じ。
    古掘さんの人生は綺麗で平和なんだろうな
  • 鳩の撃退法 上
    主人公の津田伸一は典型的なダメ男。女を利用して、女に助けてもらって生きている。太宰治の小説にありがちな男主人公。
    映画では藤原竜也が演じているけど、個人的には松田龍平のイメージ。
  • 鳩の撃退法 上
    ――

     別になにか大きな教訓を得るわけでもなく(教訓譚、なんて今昔で出尽くしたでしょ?)、
     特に大きな収穫があるわけでもない(新しい趣味や目的地が出来たりもしない)。
     感動に震えて身をあらためるわけでもなく(三日坊主になるまでもない)、
     感情移入して泣くわけでももちろんない(その点RPGとか...続きを読む
  • 鳩の撃退法 上
    佐藤正午の山田風太郎賞受賞作
    小さな街でその日暮らしを続ける、直木賞も受賞した作家の語るストーリーが展開していきます。どれが本筋なのか迷う展開と、伏線だらけに思わせるテクニック、ちょっと不思議な世界観で物語は進み・・・
    淡々と紡ぐストーリーに意外と引き込まれます。
    というコトで、下巻行きますっ!(^...続きを読む
  • Y

    Y

    佐藤正午の書く女性がとても好き。

    なんでかわかった!
    絶対的な自分を持ってるからだ。
    それでいて品がある。
  • 取り扱い注意
    佐藤正午の名作といえば『Y』や『ジャンプ』があげられると思うけど、『取り扱い注意』も傑作だと思う。ただ知名度は低いけど。佐藤正午の中でもトップクラスに会話が面白く、構成もすごく凝っている。時系列がバラバラになっているので、戸惑うところもあるけど構成の妙に唸らされる。佐藤正午版のロリータとでもいうのだ...続きを読む
  • 個人教授
    いつの時代にも女にだらしないダメ男はいる。太宰治の小説にもよく出てくる。というよりも太宰治自身もそんな感じだが。女をとっかえひっかえして、挙句の果てに妊娠させてしまう。そんなダメ男が『個人教授』の主人公・松井英彦だ。佐藤正午の小説の中でもNo1のダメ男だと思う。松井英彦はとにかく女にだらしなく、色ん...続きを読む
  • 小説の読み書き
    タイトルを一瞥するや、てっきり現役作家による名作の解説本と思い、読むもストーリーにはさほど触れない。さてさて、どういうこと?

    本の扉の紹介文を読む。完全な思い違い。本書は漱石〜開高健まで近・現代作家 総勢24名の作品を丹念に読み解きながら、『小説の描かれ方』ではなく『小説「家」の書き方〈技巧・癖・...続きを読む
  • Y

    Y

    書棚の隅にひっそり佇んでいた文庫本。読んだはずだが、内容にまったく覚えがない。冒頭の数ページを試しに読んだところ引き込まれ、結局全部読んでしまった。意識だけのタイム・リープ能力を持った男の話──だろうか? ただ、主人公は別で、男に託された手記を読まされることになる。巧みに練り上げられた物語、二重三重...続きを読む
  • アンダーリポート/ブルー
    長編アンダーリポートと短編ブルーが収録。アンダーリポートを読み終えて、アンダーリポートを読み直したくなり、ブルーを読んだらまたアンダーリポートを読み直したくなる。以下続く。
  • Y

    Y

     佐藤正午著書の「身の上話」が面白かったのであらすじを見て気になったこちらの本を手に取りました。

     SF的な部分を含んだ内容ですがその部分を科学的に説明する事を最低限に抑えている所に好感が持てました。SFが苦手な方でも読みやすいかと思います。

     限られた登場人物の関係を、特殊な設定を用いる事で密...続きを読む
  • Y

    Y

    人生の分岐点、誰もが「あの時〜」と感じることの一つや二つはある。

    今の自分の人生が、ある人の「あの時〜」をやり直した結果と知ったとき、やり直す前の自分がどう生きていたかを知ったとき、何を思いどうするのか…。

    タイムスリップが主役のS Fではなく、歴史が変わる影響を受けた人たちが主役の、人生ドラマ...続きを読む
  • ありのすさび
    好きな作家のひとりである佐藤正午の第一随筆集。現在64歳のベテラン作家の30歳半ば〜40歳〈1989年〜2000年〉の頃の身辺雑記『小説家の四季』には、著者の等身大の日常がユーモラスに綴られている。

    僕は随筆しかり小説しかり、話の本筋にはさほど重要でない 、その当時の世俗や流行や余談の下りに遭遇す...続きを読む
  • アンダーリポート/ブルー
    古堀くんは何をしたいのか?何を言いたいのか?読みながらイライラすることもあった。でも、そうするしかなかったのかもしれないとも思う。
    それにしても読み始めるとなんとも言えない気分に包まれる。佐藤正午の世界。心地いいというものではない。どちらかというと気持ち悪いのだけれど。
  • Y

    Y

    これを読んでから しばらく佐藤正午の小説ばかりを選んでいました。勢いづいて途切れなく最後のページに。
  • 小説の読み書き
    著名な小説家の小説を一編選び、小説家の文体から解説を加える評論書。深く分析するわけではなく、書き出し等の一文を取り上げて軽めの分析や感想を書いているため、堅い雰囲気はなく気軽に読める。その気軽に読めるという点が良い。信奉者の盲信的な解説ではないから、読みながら読者が様々な想いを馳せる余白がある。
  • Y

    Y

    20年ぶりくらいに読んだけど、やっぱり面白い。列車事故とか飛行機事故とか、紙一重の差で難を逃れた人の話を聞くたびに本作を思い出す。
  • Y

    Y

    時々、過去の答え合わせをしたくなるときがある。
    でも、それをして何になるのか?最後は思いとどまるのだけれど。
    あのとき、こちらの選択をしていたら?
    Yのように世界はいくつも存在しているのだろうか?
    向こうの世界の僕はどんなだろう?
  • ビコーズ 新装版
    「何してるのだれからだれ出かけるのどこへ。いいかげんにしてくれよ朝っぱらから。クエスチョンマークで頭のなかを引っ掻かれてるみたいだ」

    『そのころ自分の脚を使って歩くのは子供とまだ生き足りない老人だけのように思えた。ぼくたちの眼は車の中から、若い女の顔しか捜さなかったし、ぼくたちの頭には、彼女たちの...続きを読む
  • Y

    Y

    「Y」。人生の分岐点。同級生でかつて親友だったと名乗る男からある日突然託された物語。疑いながらも真実と思わざるを得ないことが次々と出てくる。思考や言動は繰り返され、別の人間によってもまた繰り返され、どことどこが、誰と誰が、繋がってるんだっけ?とぐるぐる迷路に入り込む。真実の尻尾を掴んだと思ったらする...続きを読む