佐藤正午のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
おもしろかった
と同時に訳のわからない本だなとも思った。
結局、何が起こったのかはっきりと買いてはいないし、数学の先生はどうして杉森さんに執着していたのか分からないし、亡くなったライターの娘さんも何を求めていたのかわからない。
という、主要でない登場人物のことも気になるし。
主人公レベルのマルセイとマルユウに何が起きたのかも想像するしかないし、マルセイが倒した悪がなんだったのかもぼんやりとしかわからない。
でも私はそういった箇所を自分の頭で穴埋めしながら、想像しながら読むのが楽しかった。
想像する余地がたくさんあることでこの作品はより一層面白いものとなっているし、その余白が好きではない人に -
Posted by ブクログ
輪廻転生を繰り返す瑠璃という女性。
全ては一人の男性ともう一度出会うため。
これだけ見ると、とてもロマンチックな印象を受けるが、
読んでいて、果たしてこの再会は幸せなのだろうかと感じたのも正直な意見。
後半で明らかになる小山内の悟った真実。
これもまた、待ち受けるのは本当に幸福なのか?
苦しみでしかないのではないかとそんな風にも思った。
自分だったら、いつか壊れてしまうのではないかと
そんな風に思い、ゾッとしてしまった。
そう、そんなことを佐藤正午は全て理解した上で、
この物語を我々に突きつけているのではないだろうか。
この数奇なる愛の軌跡をどう受け止めるか。
読んだ我々は試されているので -
Posted by ブクログ
愚かなことに、ずっと「鳩の上撃退法」というタイトルの本だと思っていたが、ある日、「鳩の撃退法(上下)」だということに気づいた。正しいタイトルがわかったところで、何の話なのか全く想像がつかなかった。読んでみて、下巻の途中で初めてわかった。
伏線が張り巡らされ、ストーリーが複雑に絡み合っていて(読者の前に最初に投げ出される謎だけでも何個あるだろうか、というくらい)、途中から読む手が止められなくなるくらい、物語の推進力がある。
要は面白い本だったのだけど…とにかく語り手たる主人公がいけすかない。主人公の周りの人の発言を読むに、いけすかない人物として扱われているのが明白なので、あえてこういう人物像に -
Posted by ブクログ
ネタバレ途中から大混乱、マルユウとマルセイ?この独白は本当は誰なのか、など。わざとなんだろうけど混乱が収束するまではイラッとしてしまった。そして、UFOが思いがけず重要な要素だった。ムーを読んでいる人には、わかるわかる!という内容が後半増える。よくわからない記者とか失踪した元教師の行方だとか、回収されないエピソードもあるのだが、それでも最後の語り手である湊先生のエピソードは泣けた。会いたかったマルセイが応えてくれてよかったなぁ。
人生後半に訪れるであろう孤独との向き合い方とか夫婦の意味とか、個人的には本筋ではない文章が心に残った。もう一度読むともっと理解できるかもσ(^_^;)
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Posted by ブクログ
ネタバレ最初から最後までず〜〜〜〜〜っと振り回された。
えっ主人公はこっちなの?あっちなの?とか、あれあの時のお金はこうで、とか、津田の勝手な勘違いにこっちまでつられて余計な遠回りをしたりだとか、床屋のまえだをはじめとする登場人物たちのペースに緩急つけられたりだとか。
正直、途中まで、なんなら上巻を飲み終わっても面白いとは思えなかった。いや、面白いとは思っていたのかもしれないけれど、それを上回る「振り回されている不快感」に近いものがあったのだ。
下巻を読み終わって、正確には読み終わる数ページ前でやっと、「ああ、面白い本だ」とやっと認めることができた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
『ジャンプ』というタイトルの意味が何であるか、これが個人的にはこの作品を評価する上でものすごく大切な気がする。
本文のなかでジャンプという言葉が出てきたのは、横浜スタジアムで主人公が、南雲みはるの姉の夫、天笠郁夫とその息子とアメフトを観戦している時。子供がジャンプして父親とハイタッチする場面。p.262
ここのアメフトのゲーム進行、そして観客の反応と、天笠郁夫対主人公の会話がたぶん重なり合っているんだと思う。息子の反応や会話の流れ全てが。
ちょっと再読して分析する体力がないけれど、タイトルと重なる部分がここしか自分は見つけられなかった。
自分は小説を再読することがあまりないので、あるかない