佐藤正午のレビュー一覧

  • 鳩の撃退法 下

    Posted by ブクログ

    真実と虚構が入り乱れ(というか全て作者の虚構と言ってしまえばおしまいなのだが)、作者に、津田にあちこち振り回され続けました。
    面白いのか面白く無いかでいうと、この読後感は味わったことのないものなので、面白いといえます。
    だけど、人に勧めるのは難しいな。

    0
    2024年11月27日
  • 冬に子供が生まれる

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    途中から大混乱、マルユウとマルセイ?この独白は本当は誰なのか、など。わざとなんだろうけど混乱が収束するまではイラッとしてしまった。そして、UFOが思いがけず重要な要素だった。ムーを読んでいる人には、わかるわかる!という内容が後半増える。よくわからない記者とか失踪した元教師の行方だとか、回収されないエピソードもあるのだが、それでも最後の語り手である湊先生のエピソードは泣けた。会いたかったマルセイが応えてくれてよかったなぁ。
    人生後半に訪れるであろう孤独との向き合い方とか夫婦の意味とか、個人的には本筋ではない文章が心に残った。もう一度読むともっと理解できるかもσ(^_^;)

    0
    2024年10月31日
  • 夏の情婦

    Posted by ブクログ

    タイトルと作者に惹かれて手に取った1冊。

    リアルな話だと感じた。

    5つの短編で構成された作品。

    『傘を探す』が個人的にはお気に入り。

    0
    2024年10月27日
  • 冬に子供が生まれる

    Posted by ブクログ

    主語の混同、設定のややこしさから読みにく~~
    て思いながら読んでたのに、最後にはなぜか涙。結局何だったの?と聞かれると答えられないし小説でも答えを描いてないけど、なんかそこがわたしは人生のままならなさ、説明の出来なさを感じて好きだった。
    映画化もされた月の満ち欠けと比較して評価をつける感想文が多く見られるけどわたしはむしろこっちの方が読み応えがあって(大して知らないけど)佐藤さん作品ぽさというものに触れられた気がする

    0
    2024年10月16日
  • 鳩の撃退法 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    最初から最後までず〜〜〜〜〜っと振り回された。
    えっ主人公はこっちなの?あっちなの?とか、あれあの時のお金はこうで、とか、津田の勝手な勘違いにこっちまでつられて余計な遠回りをしたりだとか、床屋のまえだをはじめとする登場人物たちのペースに緩急つけられたりだとか。
    正直、途中まで、なんなら上巻を飲み終わっても面白いとは思えなかった。いや、面白いとは思っていたのかもしれないけれど、それを上回る「振り回されている不快感」に近いものがあったのだ。
    下巻を読み終わって、正確には読み終わる数ページ前でやっと、「ああ、面白い本だ」とやっと認めることができた。

    0
    2024年09月22日
  • ジャンプ 新装版

    Posted by ブクログ

    ネタバレ


    『ジャンプ』というタイトルの意味が何であるか、これが個人的にはこの作品を評価する上でものすごく大切な気がする。

    本文のなかでジャンプという言葉が出てきたのは、横浜スタジアムで主人公が、南雲みはるの姉の夫、天笠郁夫とその息子とアメフトを観戦している時。子供がジャンプして父親とハイタッチする場面。p.262
    ここのアメフトのゲーム進行、そして観客の反応と、天笠郁夫対主人公の会話がたぶん重なり合っているんだと思う。息子の反応や会話の流れ全てが。
    ちょっと再読して分析する体力がないけれど、タイトルと重なる部分がここしか自分は見つけられなかった。
    自分は小説を再読することがあまりないので、あるかない

    0
    2024年08月17日
  • 鳩の撃退法 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    メタ視点から言及しまくる構造が非常に面白かった
    ただ長かったからスカッと終わってくれてもよかったかなとはちょっと思った

    取りこぼしているだけかもしれないが謎が多く残った
    ・偽札の作成理由は?本来はどう使おうとしていた?
    ・雪の日の晩のスピンでのやり取りは真実?創作?
    ・晴山青年と一緒に発見された死体は誰?
    ・本通り裏の連中ってなんだったんだ?
    釣りに農作物に健全な組織だった?
    子供を保護している団体との関係は?

    津田の嘘が入っていても文句が言えないから考察しきるのは厳しいかも

    0
    2024年08月04日
  • アンダーリポート/ブルー

    Posted by ブクログ

    うーん、筋書きはなかなか面白かったけど今まで読んだ佐藤正午の中では最もリーダビリティが低い作品だったと思う。なんか勿体つけたかったるい文章で読み進まなかった。不思議だ。いや、主人公が気に入らなかったのかな?語り手的すぎて本人の気持ちとか伝わらないし、感情移入する点がなかったからかもな。ただヒロイン的立場の人妻の描写はなんとも無邪気な艶かしさが伝わってきて良かった。ラストの後日談はなんとなく蛇足な気はするなー。傍観者じゃいられねえんだよ、って戒めなのかね。ああ戒めが出てこない場合はって考え方はなかなか興味深かった。

    0
    2024年07月27日
  • 月の満ち欠け

    Posted by ブクログ

    生まれ変わりを信じる人の為のお話。
    人の想いが死を跨いでなお繋がり成就していく。
    時系列的に少し混乱したが、読み進めていくうちに腑に落ちました。面白かったです。

    0
    2024年07月24日
  • 鳩の撃退法 下

    Posted by ブクログ

    身の上話がとても面白かったので、読んでみました。
    あらすじも知らず読み始めたので、
    暗闇の中をて探りて進むような感じがありました。登場人物同士の、会話のやり取りや、言葉の使い方がいちいち面白くて、時々吹き出しながらながら読みました。
    とっても好きです。

    0
    2024年07月19日
  • Y

    Posted by ブクログ

    なかなか面白かった。大好きなケン・グリムウッドの小説「リプレイ」を別の視点から描いたような裏リプレイとも言える内容で楽しめた。俺は佐藤正午の一人称での書き方がなんとも好きみたいだな。主人公の一人語りや自問自答がなんとも言えずに良い。パラレルワールドでも人と人の縁、因果の鎖は繋がってるみたいなテーマはなかなかいいね。好きだわ。

    0
    2024年07月18日
  • 身の上話 新装版

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    最初は主人公のあり得ない行動に唖然としつつも、宝くじ当選から物語が一気に加速度を増し引き込まれて行った。
    とにかく常に不安を煽るような話が展開され息づく暇を与えてくれない。感情移入すればするほどハラハラさせられた。
    いや〜宝くじなんか当たるもんじゃないですね。恐ろしい恐ろしい。

    0
    2024年07月16日
  • 冬に子供が生まれる

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    人生で遭遇する謎のすべてが解明や伏線回収はされるわけではないし、なんなら解決した事柄なんてほぼ無くて、なにか不可解なことや理不尽なことが起きてもそれを抱えながらその後もそれぞれの人生を生きていくしかない、でも生きる為だけには生きることはできない人間という生き物の哀れさと愛おしさに対する賛歌に感じた。

    0
    2024年07月08日
  • 冬に子供が生まれる

    Posted by ブクログ

    小学生の時に不思議な体験をした三人、佐渡理、マルセイ、マルユウは高校に入り別々の進路を歩んでいく。だがマルセイの謎の死とマルセイの真秀の妊娠により同級生達そして謎のライターが佐渡に近づき真相はどうなのかと詰め寄っていく。映画になりそうなお話しだった。

    0
    2024年06月04日
  • 冬に子供が生まれる

    Posted by ブクログ

    本の雑誌で気になったのと、氏の久しぶりの著作ってことで、それなら読んでみましょ、と。SFなのか、ミステリとしての謎なのか、何だか落ち着かない雰囲気が終始漂う。それが緊張感として上手く作用していて、頁を繰る手が止まらなくなってしまう。皆まで描き切らないラストで、しばらく余韻に浸る。良い作品。

    0
    2024年06月03日
  • 人参倶楽部

    Posted by ブクログ

    深夜営業のスナック「人参倶楽部」のマスターと、そこに集う人々の、大人な連作短編集。

    マスターが、妻子がいるくせに、すぐに女性客と懇ろになっちゃうのがどうなのよ?って感じの、狭い世界での物語なんだけど、最後まで読むと、こういうのもアリなのかねぇ?と夫婦の不思議さを感じる。

    0
    2024年06月01日
  • 冬に子供が生まれる

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    不思議な小説だった。

    「僕は大事なことを忘れているかもしれない。〜そしてそのせいできっと誰かに歯がゆい思いをさせている。」p16
    丸田君が自分の過去をうまく思い出せないように、登場人物の誰もが茫漠とした靄の中にいるようで掴みどころがない。

    いっそすべて超常現象と言ってほしい。
    大切な人に届かない手紙も、「おまえはいったいだれだ」p244 という父親の叫びも、母親の後悔も、教師の無力さも、何もかもUFOのせいですと言ってもらえたら、どんなに救いがあるか。

    けれど、「不思議な出来事って〜手に取ってほらと見せられるようなものでもないです。たぶん普通の顔をしてもうそこにあるんですよ。」p354 

    0
    2024年05月15日
  • 5

    Posted by ブクログ

    なんだろう。めちゃくちゃ面白かったんだけどこの気持ちをうまく言葉にできないな。結局愛の話なんだけど津田伸一が冗談と皮肉を言いまくってめちゃくちゃにするから訳がわからない。プロットがテクニカル過ぎて感情がついていかないような、なかなか面白い小説体験… 全く独立した物語でもあるけど、「鳩の撃退法」の主人公の津田伸一が出てくる前日譚でもあって、両方読んでると楽しめるね。長谷まりとの関係がどうにも切なかった。なぜ津田伸一はこうまで破滅的に生きなければならないのかに興味は尽きない。しかし佐藤正午はめちゃくちゃうまい。テクい。

    0
    2024年04月17日
  • 鳩の撃退法 上

    Posted by ブクログ

    うん面白い。物語的にどうかはまだ半分読んだだけで評価はできぬが、小説としての技法・手法が面白くて素晴らしく、いやこれルール違反じゃない?って感じでとても楽しめる。と言うか、では何が真実で何が創作なのか?などとそもそもこれは小説なんだがな、と言った気持ちで読んでいる。とてもメタな小説で面白い。映画を観てから読んでるので、いかに映画が舌足らずであるかがよくわかる。ここ省略しちゃダメじゃん?って箇所が多すぎるのでやはり映画化は愚策。下巻にも期待。

    0
    2024年04月06日
  • 身の上話 新装版

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読み応えのある一冊

    淡々と語られていく形式で、どういう話か見えにくいが引き込まれる
    宝くじは人を幸せにするのか、優しさの裏には何があるのか、夫婦に子供が出来ないことはどれほどの苦しみなのか、等考えさせられた
    普通を生きるのも難しい

    最後に母親が子供の為に祈るシーンに戻ってくるのがよい

    0
    2024年03月25日