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要するに、「ありのすさび」という言葉は未来だけを視つめている青年には似合わないので、その青年を他人事のように眺められる中年にこそ、もしくは中年にさしかかって過去を振り返りはじめた小説家の、随筆のタイトルにこそふさわしいと、そういうことである。(本文より) 机に向かい原稿を一枚一枚増やしてゆく日々―。日常の中に物語が浮かび上がる名随筆。
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Posted by ブクログ
好きな作家のひとりである佐藤正午の第一随筆集。現在64歳のベテラン作家の30歳半ば〜40歳〈1989年〜2000年〉の頃の身辺雑記『小説家の四季』には、著者の等身大の日常がユーモラスに綴られている。 僕は随筆しかり小説しかり、話の本筋にはさほど重要でない 、その当時の世俗や流行や余談の下りに遭遇す...続きを読むると、ついつい関心はそちらに向かってしまう癖がある。あたかも見るとはなしに見た昔の月9の再放送の中のひとつのシーンを通じて当時の自身のことが数珠つなぎで想起されるように。本書にも、ワープロ・パソコン通信・モデム・ニフティー、自社さ連立政権や2000年問題…など「懐かしッ!」の連続だった。 ちなみにタイトルの『ありのすさび』の意味。漢字では「在りの遊び」と書くそうな。あるに任せて、特に気にせずに悠然、鷹揚の姿勢を言う。本書を一読すれば、このタイトルが示すように「飄々かつ泰然自若とした姿勢」で日常を遊泳していることが手に取るようにわかるはず。 佐世保に居を構え、ひたすら執筆に励む。取材や打合せで上京することはほとんどなく、取材が不可欠となれば編集者に依託するほど、ほぼ365日、佐世保駅近マンション7階の自室と半径数キロ内の生活圏にて事足りる暮らしが、あたかも世界の中心のように綴られている。 執筆での呻吟・懊悩に疲れると街を歩き、行きつけの喫茶店で、飲み屋で、定食屋で、しばしの時間を過ごす。 そこには対立軸や対抗意識や文壇-対東京、同世代作家の動向-などは眼中になく、「俺はただただ書きたい小説を書くだけ」というひとつの覚悟がドカンと居座るのみ。 創作に励む日常に時々紛れ込む知人との交流がおかしい。「女性がイチコロとなるスパゲティのレシピを教わり、それをマスターすべく毎日キッチンに立ったり」、「卵を冷蔵庫に仕舞う際、どちらを下にするのが正しいのか…」といったことに悩んでみたり、とにかく健全かつ晴朗である。これが村上春樹なら、ロッシーニの『泥棒カササギ序曲』を聴きながらパスタ茹でたりするんだろうけど、佐藤正午の日常には雑音さえ出てこないし、時には気取ることもあるのかなと勘繰ってみたくなるほど。 「孤高」でなく、何かに「背を向ける」こともなく、もちろん「厭世」的でもない。時折顔を覗かせる「偏屈さ」がユーモアと結びつき、随筆の絶妙なエッセンスになっている、作家の日常を堪能できる一冊。
面白かった。脱力系、っていうのとはちょっと違う、肩の力の抜けた軟投派エッセイ集。 才能のある焼き鳥屋の話がユーモアに溢れ、面白かった。 パスタを実際に作って食べてみたら絶品。
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