佐藤正午のレビュー一覧
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この作品は映画を先に見た。というか、先に知った。エンドロールで原作があることを知り、佐藤正午……見覚えのある名前だ! たしか『月の満ち欠け』という小説を読んだことがある──それがきっかけだった。
本書の主人公は、津田という小説家である。津田は行きつけのドーナツショップで、ある男と相席になる。その男が読んでいる本の帯に、こう書いてあった。「別の場所でふたりが出会っていれば、幸せになれたはずだった」。津田はそれについてこう言う。「だったら、小説家は別の場所でふたりを出会わせるべきだろうな」。じつは、これが小説全体の大きな説明になっている。
津田が相席した男は幸地秀吉といった。この幸地秀吉が、その夜 -
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主人公とは、性別も年も職業だって何から何まで共通点はないはずなのに。
とことん感情移入してしまい、、、
わたし自身もモヤモヤした日々を送りました。
後半にさしかかり、
あれ?これって一番最初に書かれてなかったっけ?と読むと同時に過去の記憶をたどる私。
ああ、もう主人公じゃんわたし。
記憶と記録と、そして体感に残るもの、香り。
記されるもの、記されないもの。
存在するもの、しないもの、でもたしかにあるもの。
丁寧に、細やかに辿っていった先に待っていた結末に鳥肌ゾクゾク、ぞわぞわ。
自分がまさに殺されると思いながら、
どこか切なさを感じながら読み終えました。
佐藤正午さんにハマりそう!
次は何を -
購入済み
身の回りやこの世のどこかでもこの様な事が
当たり前に起きているのだろうなと思わされました。
愛は命をも超え受け継がれる。
自分もそう思える素敵な人を大切にしていかなくてはと再確認させられました。 -
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『つまりさ、5万円はどんな状況においても5万円の価値を発揮するんだよ。ところが愛情の価値は不安定だ。女が支払った5万円はパジャマを受け取った男にとっても5万円だけど、女が一針一針にこめた愛情は受けとる男によってはゼロの価値になる場合がある。ゆえに結論としては、愛情は5万円に劣るんだよ。まちがってる?』
『でもあたしは当時のあたしを笑うつもりなんかないわよ。あれから20年たって、うん、正確にいえば20年じゃ足りないけど、いいじゃないの税金の申告じゃないんだし。』
『お金というのはやっかいなものですね。足りなければ大切な人を失ってしまう。あり過ぎても失ってしまう。』
『あなたの一番幸福な時は -
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ネタバレ第157回(2017年下半期)直木賞受賞作。
素敵な小説でした。
落ち着きある、駆け足にならない速度の文章で書かれていて、
読んでいる期間中、いい時間を過ごせました。
「輪廻転生」「生まれ変わり」が大きな仕掛けになっています。
だからといって、オカルト色が前面にでている
けばけばしい作品ではありません。
ロマンティック。
見ようによっては、ヒロインのその深い情愛に怖さを感じるかもしれない。
それでも、読後感といい、相手役のキャラクターといい、
素敵なロマンスを独特の角度から語った小説と言えそうです。
中盤の正木瑠璃と三角哲彦の章は、
これだけで短編としてでも、まばゆく、優しく、燦然と輝く出 -
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直木賞を受賞された作家の文庫を何気なく手にとってみた。
初めて読む佐藤さんの本。新たな作家の発見に少しわくわく。
題名からどろどろした女と男の話を期待していたのだが、いい意味で裏切られた。
男の目線から見たときの恋愛の話は新鮮で、女ほどのねちねちとした感覚のない、さわやかな、いやあっさりとした男女関係が独特の口調で語られる。
短編で構成されており、読みやすく、どの話も切り口が違って楽しめた。
終わり方もあっさりとしていて逆に切ない。
あっさりとした考えだからこそ、それって好きってことなんじゃ…と思う場面もいくつかあったが、それは私が女だから思うことなのかもしれない。
とりあえず、他の佐藤さん