佐藤正午のレビュー一覧

  • 熟柿

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    audibleで一気読み。次が気になってやめられなかった。

    2/3までは胸が苦しくなるような出来事が続く。自分の重い十字架を背負って職場や住む場所を転々とする主人公。心の支えは産み別れた息子。息子に宛てて毎日手紙のように近況を書く姿を想像して胸が苦しくなる。

    それでも最後には自分の居場所と頼ることができる人ができて、今を生きるのが精一杯だった主人公が将来のことを見ることができるようになって、長い年月がかかっても光が射すことに心がいっぱいになった。

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    2026年08月16日
  • 熟柿

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    ネタバレ

    晴子伯母さんが熟柿を啜るシーンが頭に残っていて、それがそのまま市木かおりの轢き逃げからの服役、刑務所内での出産、出所直後の離婚、前科者としての生き辛さと、不穏な空気感をまとわせる読書だった。市木は産んだ直後から息子に会えず、写真も見られない、しかし母としてしっかと息子のことを思い、生き辛さを受け入れながらたくましく生活をする。熟柿(じゅくし)はもちろん熟れた柿という文字通りの意味もあるが、別の意味もある。それが最後で市木を救う言葉となる。途中の不穏さが長いだけに、最後に一気に晴れやかな気分になって、最後に爽快さを感じる作品でした。

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    2026年08月16日
  • 熟柿

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    読み終わると胸がいっぱいになった。
    子を持つ母としては辛い場面がたくさんあったけど、息子を思いながら困難に負けずに日々を過ごしているかおりさんはすごい。
    なんとなく、自分の身にも起きうるんじゃないかというリアリティがあったので終始ドキドキしながら読んでいた。
    平凡な毎日がどれほど幸せなのか改めて感じた。
    タイトル「熟柿」が本当に素晴らしい。

    大阪の斎藤さんと元夫は本当に許せない!!

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    2026年08月16日
  • 熟柿

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    ネタバレ

    とても好きな話だった。

    17年ほどの長い期間を、主人公・かおりの視点で描いている。話の展開に無駄がなく、洗練されている。派手な展開はないが、主人公がどのような人物で、どのような感情を抱えているのかがよく伝わる、綿密な構成になっている。

    主人公は罪を犯した人間であるにもかかわらず、読んでいるうちに応援したくなり、どうにか報われてほしいと願いながら読み進めた。これほど主人公に肩入れして読める話は、そうないと思う。

    本の表紙に「熟柿」の意味が書かれているが、その言葉の通り、物語の序盤は、熟れすぎた柿が今にも落ちてしまいそうなように、かおりの人生もどこか危うく、重たく辛いものとして進んでいく。試

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    2026年08月15日
  • 熟柿

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    妊娠中に轢き逃げ事件を起こしてしまった女性の半生を書いた作品。

    逮捕、離婚、職場トラブルによる度重なる転職など波瀾万丈な人生を歩みながらも、出産以来会えていない息子の事を想う一心で逞しく生きていく主人公に胸を打たれた。

    主人公は事あるごとに選択を誤ってしまい、もどかしさを感じる部分もあるが、どれも息子を想うあまり冷静さを欠いてしまったことの表れであるように感じた。

    また、主人公の他にも過ちを犯してしまう登場人物が沢山いて、人間の弱さが色々な角度からリアルに描写されている。ただそれだけでなく人の強さや優しさも書かれていて、人間の弱さと強さを始めとした様々な感情をふんだんに味わうことができる

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    2026年08月15日
  • 熟柿

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    主人公の母親の子を想う気持ちがすごく伝わってきて、最後は本当にぐっとくるものがあった。星4.5だけど、個人的に繰上げで星5の良作。

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    2026年08月14日
  • 熟柿

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    罪を犯してしまった人の償わなければならない使命と、判断力が無くなってしまう子どもを愛す気持ちの重さに苦しくなった。
    ひき逃げをしてしまう場面、その事故の真実が分かってしまう場面、その事実を知っていく息子の過程…と、読み進めるうちにますます辛くなって、時間が経つにつれて柿が熟れていく感じがして本当にオシャレ(というかなんというか)
    熟柿というタイトルがきれいに拾われていくのがとにかく感動した。

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    2026年08月13日
  • 熟柿

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    ネタバレ

    冒頭から感じていた元夫に対する違和感が終盤に回収されて、そういう意味ではすっきりしたものの、やはりひどい男だという感想は否めない。結局警察を退職したものの、ひき逃げしたときの同乗者なのに罪に問われないのはなぜ?とずっと思っていたので。
    それはさておき、主人公がやっと会えた息子との会話のままならなさにやきもきしながら読んだ。が、その後の土居さんとのやりとりで、親子の会話も柿の実が熟すのを待つしかないんだなと納得した。

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    2026年08月13日
  • 熟柿

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    ネタバレ


    息子と再会のシチュエーションは、幼稚園でのともだちの言葉から予め分かっていた。
    ただ、これほど後半にまでなる事は予見出来なかった。
    主人公の女性は折に触れ、迂闊に選択を誤まる(轢き逃げの以前から)。 それこそが二人の再会を阻害していた要因だった。

    とはいえ、
    その全てを責めることは私には出来ない。
    その幾多かは親として、抑えきれない愛情の発露ゆえの行動であった。
    私自身も読みながら「止めろ、絶対ダメだよ」と思いつつも、しかし何とかならないのかと肯定したい気持ちもあった。

    救いの手、また手酷い他人からの仕打ち、更には裏切りの末、渇望する人間にとっては途轍もなく長い年月の果てに、ようやく…そ

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    2026年08月16日
  • 熟柿

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    市木かおりさんの人生史
    同世代だし、子どもを持つ身としては
    切なすぎる内容だったけど、どんどん精神的にも強くなって応援するように読み終えた!

    今思い出しても、大阪の斎藤さんは私も許さない!

    でも、その分たくさんの良い出会いもあって、久住呂さんは親子で支えられたし、最後の土居さんとのことはとにかく応援したい気持ち。タイトルへと繋がっていく大切な人。

    人はどんなことで人生転落していくか分からないから、とにかく正直に、周りの人を大切に生きないとと思えた作品だった。

    ありがとうございます。

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    2026年08月10日
  • 熟柿

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    ずっと、自分の体にナイフを突き刺されているような、痛みを感じる読書だった。
    終盤のあるシーンでは、本を持つ手が震え、手に力が入って本を握りしめ、唇をかみしめながら読んでいた。こんな本は他にはない。私だったら、こんな事、耐えられない。
    普通の幸せが待っているはずだった、かおり。
    「熟柿」の意味がラストにわかるけど、長かった。あまりにも長い苦しみだった。
    ただ素直に感動した!とは絶対に言えないし、言いたくない。これはただの感動物語ではない。

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    2026年08月10日
  • 熟柿

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    「あぁ、なんでそんなことをしてしまうのか…」

    主人公の心の動き、行動に対して苛立った。そして、グイグイ引き込まれた。

    自分が追い込まれたら、主人公より、はるかに残念な判断や行動をしてしまうのだろう。そう考えると生きることの怖さを感じた。今現在、自分自身が比較的平穏に暮らせているのは運がいいだけかもしれない。

    読み終えてグッタリ。
    そして、主人公が出会う久住呂親子に感謝した。

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    2026年08月09日
  • 熟柿

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    はーーすごくよかったです。
    主人公の感じた気持ちや感覚にどっぷり浸かりながらあっという間に読み切りました。
    辛い経験や絶望的な状況の中でもとにかく日々をこなして生きていれば、柿が熟すようにその時がくれば、待ち望んでいた望みは叶う、自分の味方になってくれる人が現れるんだと、生きることに希望を持てる作品でした。起きてしまったことは変えられないけれど、その先自分がどう生きるかは変えられる。立ち止まっても転んでもみっともなくても、日々足掻きながら生活することの大切さを実感しました。年齢を重ねて子どもを産んでから再読したいなと思う作品です。

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    2026年08月06日
  • どこ吹く風 小説家の四季

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    この気持ち良さはどこから来るかといえばやはり文章のうまさが群を抜いているからとしか言いようがない。そして、いくら偽悪的に素っ気なく書いても伝わってくる、最初の編集者がどれだけ大事な人だったか。さらにもう1人の最初の編集者山田さんのこと。泣きそうになりながら最後まで読んで、「発行者」の名前を見て、もう1人の大事な編集者坂本くんの元でこの話が読めることにあらためて感涙。

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    2026年07月05日
  • 月の満ち欠け

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    すごく面白かった、寄稿も良かった~
    わたしも運命とか本気で信じちゃうから、すんなり入ってきたし、やっぱりこれからも信じ続けたいと思ってしまった。

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    2026年05月14日
  • 鳩の撃退法 下

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    いや、こんな小説、あっていいのでしょうか。

    自由すぎる。軽すぎる。なのに骨太。
    こんなに分厚いのにページを捲る手が止まらない。
    面白すぎました。

    主人公が書いている小説がこの小説であり、いやむしろ、作中でこの小説を書きながら(私はそれを読みながら)物語が進んでいくのに、なぜか私はこの完成しているはずの小説を読んでいる。

    割と早い段階からこの構造が明かされる上に、この主人公にとってのわずかな事実を、この主人公が勝手な解釈で脚色していることも明言されている。
    つかみどころのない、のらりくらりとした文体に最初は戸惑いながらも、慣れてくるとその面白さに一気に引き込まれてしまう。
    私は一体何を読ま

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    2026年05月06日
  • 月の満ち欠け

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    ネタバレ

    最後泣けました。よくやった、これで良いですよ。読者の期待通りの着地でいいじゃないですか。
    途中これは推理もの?ホラーもの?と迷いながらも引き込まれ、謎解きなら解いてやるぜと意気込んだものの、最後はそんなことどうでも良い話で終わりました。全体の作りはうまくできていたと思います。
    うそでもホントでもいいから、この世から消えてしまった人に会ってみたいと人は思うもの。強く愛する人ならなおさらだと思います。

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    2026年05月03日
  • どこ吹く風 小説家の四季

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    ネタバレ

    この偏屈?作家(賛辞を込めてです)のエッセイは、最高!最後まで楽しめました。

    目次とあとがきの節約理由、
    湯呑が割れる表現になぜか共感
    ポケモンGoと散歩
    直木賞のくだりで編集者との言い合い
    などなど、好きなところをあげたらきりがありませんが・・・
    なにより、歳相応のめんどくささと大変さ加減がうんうんと頷けるのです。

    次作の長編とともにまたこのエッセイが続いていくと思うと今から両方楽しみです。

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    2026年04月27日
  • Y

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     八月の雨の晩にかかってきた電話。都立高校時代の同級生だと名乗る電話の主に、私は心当たりがなかった。だけど相手は『親友だった』と告げる。『キタガワ・タケシ』と名乗る二十五年前の同級生は、自分の身に起こった不思議な出来事を綴った物語を、〈私〉だけに読んで欲しい、と言う。後日、代理人を通して〈私〉の手に渡ってきたのは、一枚のフロッピーディスクと五百万円の現金。通帳の名義人になっている女性には覚えがある。

    『人生をやり直したいと思ったことがありますか?』もしも冗談でなく大真面目に答えるとして、一片の迷いもなく、「ありません」と答えられるひとは少数派だと思います。後悔のない人生を歩むほうが難しいわけ

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    2026年04月25日
  • 冬に子供が生まれる

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    読み始めた時からうっすらとした恐怖感みたいなものが頭の中を占めていてドキドキしながら読み進めた。結局知りたいことはハッキリ白黒つかないまま終わってしまったんだけど、でも面白かった。

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    2026年04月05日