佐藤正午のレビュー一覧
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ネタバレ妊娠中にひき逃げ事件を起こして獄中出産した主人公が、我が子を産んですぐに離れ離れにさせられ、一人で生きていくその後の16年間程を描いた作品。
自分の子を持ったことがないので主人公の気持ちは完全には分からないけれど、終始主人公に感情移入しながら読んでいた。
1番辛かったのは、主人公かおりの親友で彼女の過去の事件も知っている鶴子が、高校の先輩と駆け落ちした際に痴情のもつれで刃傷沙汰になったということをかおりに話すシーン。
自分の不注意ではあるものの運悪く事件を起こしてしまった自分が逮捕されて刑務所に入ったのに対して、確実に殺意があって刃物を振りかざした鶴子が逮捕されないというのはやりきれない気 -
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阿刀田高、黒川博行、佐藤正午、西村京太郎、馳星周、星新一、夢枕獏『一か八か ギャンブル傑作コレクション』角川文庫。
ギャンブル小説のアンソロジー。7編の短編を収録。西村京太郎、星新一のギャンブル小説はかなり珍しいのではないか。
自分はギャンブルは余りやらない。遥か昔、20代から40代の頃はパチンコをやっていたが、主に羽物という極めてギャンブル性の低い機種であった。羽物だと打止め台の開放を狙えば、少額ながらほぼ勝てた。
7編の短編のいずれも、麻雀、競輪、競馬、カジノ、賭け将棋とバレエティに富んだギャンブルをテーマにしており、いずれの作家も勝つか負けるかの真剣勝負のジリジリした感じを見事に表 -
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傑作と聞いていたけれど、とても考えさせられる長い物語だった。
主人公の女性は、一つの判断を誤った。それをきっかけに、大事な大事な息子との時間を失ってしまう。子どもがいる身として、読んでいてとても辛かった。
もちろん、ひき逃げは良くない。ただ、夫の対応や、一歩間違えばより酷い犯罪者になっていたかもしれない親友の行動、そして悪意のある同僚など、さまざまなことを考えると、主人公はあまりにも運が悪かったように思う。
一度の失敗で、すべてが変わってしまうことが怖かった。もちろん、人生はやり直すことができる。それでも、時には決して間違ってはいけない出来事というものがあるのだと知った。
一方で、主人 -
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この本は発売された時から気になっていた本でしたが、私自身の出産や育児、プライベートなことに追われてて半分購入を忘れかけてました。
先日、半日だけ1人の時間を確保できたので、久しぶりに本屋に行った所、欲しかった本だ!と思って速攻購入して読破しました。
本屋大賞2位にも選ばれた当作品。
初め、漢字が読めませんでしたが、なぜか気になってしまった1冊です。
主人公のかおりが踏み外してしまった罪は逃れることはできない。
読んでいて、もしかすると自分でも同じようなことが起こりうる出来事を心理的な描写も含めて感情移入して読みました。
私にも小さな息子がいます。
主人公のかおりは罪を犯したばかりに、産 -
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日常は紙一重
ちょっとしたことが積み重なっていまの人生があるんだなということを再確認させられるかのような小説
短い時間軸ではなくて、それを積み重なる長い人生の時間軸で体感させられる感覚。
ただその日常も、不意な出来事で簡単に崩れてしまうし、変わっていく。
それがいいでも悪いでもなく、人生ってそんなものだよなと思わせられる作品でした。
だからこそ、色々動いてみることで人生って道が開けるよねとも取れるし、一方で、タイトル通りに熟した柿の実が自然に落ちるのを持つように、気長に時機を待つこと、も意味のあることだとも取れる内容だった。
重厚だけど、悲観的なわけでもない、
最後には心が大きく揺れ動く展開 -
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いや、こんな小説、あっていいのでしょうか。
自由すぎる。軽すぎる。なのに骨太。
こんなに分厚いのにページを捲る手が止まらない。
面白すぎました。
主人公が書いている小説がこの小説であり、いやむしろ、作中でこの小説を書きながら(私はそれを読みながら)物語が進んでいくのに、なぜか私はこの完成しているはずの小説を読んでいる。
割と早い段階からこの構造が明かされる上に、この主人公にとってのわずかな事実を、この主人公が勝手な解釈で脚色していることも明言されている。
つかみどころのない、のらりくらりとした文体に最初は戸惑いながらも、慣れてくるとその面白さに一気に引き込まれてしまう。
私は一体何を読ま -
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八月の雨の晩にかかってきた電話。都立高校時代の同級生だと名乗る電話の主に、私は心当たりがなかった。だけど相手は『親友だった』と告げる。『キタガワ・タケシ』と名乗る二十五年前の同級生は、自分の身に起こった不思議な出来事を綴った物語を、〈私〉だけに読んで欲しい、と言う。後日、代理人を通して〈私〉の手に渡ってきたのは、一枚のフロッピーディスクと五百万円の現金。通帳の名義人になっている女性には覚えがある。
『人生をやり直したいと思ったことがありますか?』もしも冗談でなく大真面目に答えるとして、一片の迷いもなく、「ありません」と答えられるひとは少数派だと思います。後悔のない人生を歩むほうが難しいわけ -
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ネタバレ題材
・アイリスイン、アイリスアウト(タイムリープ)
テーマ
・やり直したところで、最後は受け入れないといけない
誰が何をする話なのか
・北川が人生をやり直す話(二回やり直す)
最も伝えたかったこと
・小説の構造自体
何が新しいのか
・タイムリープに巻き込まれる主人公(主人公自体がタイムリープをするわけではない)
・SF×恋愛×ミステリ
キャッチコピーは何か
『アルファベットのYのように人生は右と左へ分かれていったー』
『彼女を救うためなら、何度だってやり直せる』
その他(心に残ったことなど)
・佐藤正午は何度も似通った題材やテーマ、小説の構造で書いている。その執念深さというか、変