佐藤正午のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ間違いなく、大作である。
読み応えのある好みの小説だった。映像化されると予想。角田光代さんの『八日目の蝉』を思い出した。
悪意なく罪人になってしまった1人の女性(かおり)が、償いの人生を歩む。この小説の世界観を、色に例えるならグレー。クリアな希望の光など一筋も見えない。息子に会うことも叶わない。それでも、息子のためにできることを考え、息子を受取人とする保険に加入した。保険料を納めることで、自分は母なのだと自らを奮い立たせる。
誰でも罪を侵し得る。日常と罪を隔てるのは、分厚い壁ではなく、指で押したら突き抜けるほどの薄い膜なのだと思えてならない。ふとした表紙にその薄膜を破り、罪びとになる可 -
Posted by ブクログ
この本が書店に並び始めたころ、友達と「ズクシ(熟柿はうちらの地方ではこう言う)」って読むんかな~とか言いながら物語の話でなく、しばらくこの柿の食べ方で盛り上がりました(笑)
この本を買ったのは昨年ちょうど実家からいくつもの熟柿をもらってきた頃でしたが、なかなか読めなくてやっと読めました。なんで早く読まなかったんだろうと後悔した。それくらい興味深い物語でした。
物語の冒頭に出てくる熟柿は何とも不気味なものでしたが、最後のはすごく意味のある希望の持てる意味に変わりました。
読み始めてからずっと、主人公のかおりさんは確かにダメなんだけど、事故当時同乗していた旦那さんと、運転中に電話してきた鶴子とずっ -
Posted by ブクログ
いや、こんな小説、あっていいのでしょうか。
自由すぎる。軽すぎる。なのに骨太。
こんなに分厚いのにページを捲る手が止まらない。
面白すぎました。
主人公が書いている小説がこの小説であり、いやむしろ、作中でこの小説を書きながら(私はそれを読みながら)物語が進んでいくのに、なぜか私はこの完成しているはずの小説を読んでいる。
割と早い段階からこの構造が明かされる上に、この主人公にとってのわずかな事実を、この主人公が勝手な解釈で脚色していることも明言されている。
つかみどころのない、のらりくらりとした文体に最初は戸惑いながらも、慣れてくるとその面白さに一気に引き込まれてしまう。
私は一体何を読ま -
Posted by ブクログ
八月の雨の晩にかかってきた電話。都立高校時代の同級生だと名乗る電話の主に、私は心当たりがなかった。だけど相手は『親友だった』と告げる。『キタガワ・タケシ』と名乗る二十五年前の同級生は、自分の身に起こった不思議な出来事を綴った物語を、〈私〉だけに読んで欲しい、と言う。後日、代理人を通して〈私〉の手に渡ってきたのは、一枚のフロッピーディスクと五百万円の現金。通帳の名義人になっている女性には覚えがある。
『人生をやり直したいと思ったことがありますか?』もしも冗談でなく大真面目に答えるとして、一片の迷いもなく、「ありません」と答えられるひとは少数派だと思います。後悔のない人生を歩むほうが難しいわけ -
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ネタバレ題材
・アイリスイン、アイリスアウト(タイムリープ)
テーマ
・やり直したところで、最後は受け入れないといけない
誰が何をする話なのか
・北川が人生をやり直す話(二回やり直す)
最も伝えたかったこと
・小説の構造自体
何が新しいのか
・タイムリープに巻き込まれる主人公(主人公自体がタイムリープをするわけではない)
・SF×恋愛×ミステリ
キャッチコピーは何か
『アルファベットのYのように人生は右と左へ分かれていったー』
『彼女を救うためなら、何度だってやり直せる』
その他(心に残ったことなど)
・佐藤正午は何度も似通った題材やテーマ、小説の構造で書いている。その執念深さというか、変