あらすじ
激しい雨の降る夜、眠る夫を乗せた車で老婆を撥ねたかおりは轢き逃げの罪に問われ、服役中に息子を出産する。出所後、息子に会いたいあまり園児連れ去り事件を起こした彼女は息子との接見を禁じられ、追われるように西へ西へと各地を流れてゆく。
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Posted by ブクログ
獄中出産し、その後子供と引き離された女の話。
一重に悲しくて、切なくて、やるせないお話かと思いきや、淡々と彼女のその後の生活が語られている。
特別じゃなく日常、驚きというか納得、だからこそ、のめり込んでしまう物語。
母親と良好な関係にある方、出産経験のある方は、かなりの確率でシンクロできます。
Posted by ブクログ
熟柿
この名前の通りの作品
今の時代、簡単に答えを知れたり、すぐ行動 みたいなところが評価されるけど
『待つ』ということも選択肢に入れてはいいのではないかな、
これから柿を見るたびにこの作品を思い出します
お子様がいる方、過去になにか抱えている方に
ぜひ一度見ていただきたい作品です。
Posted by ブクログ
大変面白かった
心苦しいのに読んじゃう
ずっとしずかに苦しかった
再会だって苦しかった
この長さでも一気に読み進めたくて
途中でページを捲る手を止めたくないなと思う小説だった
熟柿、一生忘れない熟語だと思う
もっと若い頃、今もだけど、何も待てない私にはやっぱりあまりにも苦しかった
Posted by ブクログ
最後の章の、主人公と息子、主人公と職場の元同僚とのやり取りが良すぎて、心動かされて、泣きそうになる。特に息子とのやり取りで、主人公が長年にわたり自分の中にだけ蓄積させてきた思いが初めて外に飛び出して来る感じのエネルギーを強く感じた。息子の返しもすごく良い。この章を読ませるためにそれまでの章が構成されている気がする、まあだいたいの作品がそうなんだろうけど。
Posted by ブクログ
初めての佐藤正午さん。
読書YouTuberケンゴ氏のレビューを端的にまとめた動画が上がってて、気になってたものの内容が重そうだと思い避けていたものの、本屋大賞の候補となって気になり購入しました。
いきなり衝撃的な展開で驚かされる。
妊娠中だったかおりが人身事故を起こし、産まれてきた子どもと再開するまでに、かおり本人の心情・葛藤と様々な思いが交錯する物語。
『犯罪者』(人身事故を起こした容疑者)というレッテルがここまでして、人を奈落の底に貶めるのか…いくら罪を償っていたとしてもレッテルだけは拭えない、社会に生きることへの苦しみが彼女の心を蝕んでいくのかと。
それでも出会う人達、そして産まれてきた子どものことをしっかり思い描き、未来へ一歩踏み出そうとする、かおりの精神力は並大抵のものではないと。
また子どもは大人が考えている以上に観察し、「あるべきこと」を真っ向に否定する。かおりの子ども・拓、そして咲の考えはごもっともだと思えるし、大人の自分でももし親が犯罪者だったとしても絶対に会いに行くと思うし、その手伝いだってする。だって『親子』なんだから…。
「熟した柿の実が自然に落ちるの待つように、気長に時期が来るのを待つこと」は、人生はそれがすべて終わりではなく、どんな些細なことでも大きな出来事でも、長い年月が経てば自分たちが納得の行くような形で物事が進む。それが人生なんだという答えに導かれたような気がしました。
最後は本泣けました。一時期は突き落とされた気持ちになりましたが、未来への光が見えて本当に良かった…。
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幼稚園に行った時、咲ちゃんの言う通りに待っていれば
小学校の入学式の時、久住呂さんの「今じゃない」を聞き入れていれば
かおりの過去を打ち明けられる人物も40歳を超えてようやく出会うことになる
色んな期を待つべきシーンがあり、熟柿とはそういうことかぁ
Posted by ブクログ
とてもよかった!!不幸な出来事を経てから苦労の連続のかおりさんと、一方で対照的な生活を送る親友の対比がしんどかった。それでも目の前の生活を生きるうちに、徐々に将来を考えられるくらい前向きに活動でき、最終的には良い周りの人に恵まれるとともに自分の願いも叶う。そうしたかおりさんの姿を見ているうちに、ただ繰り返される目の前の生活がいつか自分を救う日が来る、そう思える小説だった。
Posted by ブクログ
2026年度の本屋大賞ノミネート作品ということで、手に取った一冊。表紙にまず惹かれて、様々なノミネート作品があったが、すぐにこれを読もうと決まった。
物語は、辛くなる場面も多くあったが、それ以上にかおりが、過去の現実に思い悩みながらも、毎日前を向いて生きていく姿に勇気づけられ、学ぶことも多かった。
1つの光があることで、乗り越えていける毎日もある、と感じる一冊で、読んでよかったと思える作品だった。
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はじめはホラーかと。でも、関係無かった。
途中は、あまりに可哀想な人過ぎて苦しかった。
最後は希望が見えて、良い終わり方だなと思った。
普通の親は、こんなに子供のことばかり考えて生きてないよね。
それだけ辛かったってことか。
運転、気をつけよう。
Posted by ブクログ
正直、本屋大賞ノミネート作と聞かなければまず手に取らなかったタイプの作品だけど、読み終わった今となっては読んでよかった…!と思った。文章は静かで淡々としているのに渦巻く激情があって、でも優しさも見えて、ぐいぐい読ませてくる。すごい。ハードカバー久しぶりに買って読んだけどやっぱり読書いいな〜と思えた本だった。
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取り返しのつかない、あの夜の過ちが
あったはずの平凡な幸せを奪い去った。
1度過ちを犯すと、息子には会えないままなのだろうか…?
どうにかして我が子に会いたい。
ただそれだけだったのに、3回もパトカーに乗ったかおり。
●「母親が犯罪者の子供と、母親に死なれた子供と、どっちがより不幸か、考えてみろ。これから子供が成長して、社会に出て生きていくうえで、どっちが彼の障害になると思うか、よく考えてみろ」
この言葉が心にズシンと重くのしかかった。
本作は、かおりが事件を起こしてからの16年を描いている作品。
続きが気になり、一気読みしまいました!
しかし、そんなかおりには、周りに支えてくれる人がおり、"縁"に恵まれてるなと思った。
最後の第十二章は、本当に感動して涙が止まらない。
最後に、ようやく光が見えてきた。
まさに、熟柿のようだなと。
辛い部分もたくさんあったけど、やっぱり、最後まで、読み続けててよかったと感じた1冊。
熟柿
…それは、『熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時機が来るのを待つこと』
この物語を読み終わって初めて、このタイトルに込められた意味を知る。
まさに、この題名はまさに秀逸としか言えない。
Posted by ブクログ
一気に読み終えてしまうほどに引き込まれました。登場人物の持つそれぞれの毒のようなものに苦味を感じながらも確かに存在すると思わせる時に邪悪であり無責任であり卑劣な人間像が心深くを揺さぶってくる。夜読むと気持ちが沈んでしまいそうなので昼間読むようにしましたが希望あるラストに心救われました。
Posted by ブクログ
『熟した柿が自然に落ちるのを待つように、気長に時が来るのを待つこと』
ときには長く待つことが大切。
過去は変えれないけど、過去に対する向き合い方は変えれる。それには時間も必要。
読み終わったあと、熟柿というタイトルに込められた意味がじわじわと染みる。
Posted by ブクログ
悲しい話であるけど、息子への深い愛情が伝わる素晴らしい内容でした。
文章の言葉も綺麗で、良い本に出会えました。
最後の土居さんの優しさも身に沁みました。
待つことは大変で、時には苦しいこともあるかもしれないけど、待つことで良い方向に進んでいくかもしれないということを教えてくれました。
ぜひ、本屋大賞に選ばれてほしい。
─熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時機が来るのを待つこと。─
『じき』が、『時期』じゃなく、《時機》であることも勉強になりました。
いろんな漢字がありますよね。
Posted by ブクログ
家族数名に勧められてずっと積読だった本。轢き逃げし、刑務所で男児を産んだ女性の人生を並走しているような内容だった。同じ男児を育児している自分には心理的に目を背けたくなるような箇所がいくつもあったが、それでも歯を食いしばって生きていく主人公が気になって気になって、今日は駅のホームで電車を降りてから目的地に行くよりも読書を優先させるために30分止まって読んだほど最後は読むのを止められなかった。ずーーんと重い内容ではあるんだけど、最後の熟柿の意味に自分自身も救われた。
Posted by ブクログ
本当に大好きな本だった。
時系列がぐちゃぐちゃせずに、
本当に感情移入できるような進み方で
まだ私は身籠ったことがないので
もし母だったとしたら、もっと感情が
揺さぶられるんだろうなって。
違う視点でみれるかもしれない。
1人で踏ん張って生活をするものの
そのなかで、本当にお金奪ったやつを
私は本当に許されない。
本気で許せなくて、でも、特に解決とかも
全くしなくて、むしろもうそれはそれでと
振り切ってて、それも凄いなと
思ってしまった。
本当に大満足の本だった。
Posted by ブクログ
読み始めたら夢中になって、あっという間に読み終えてしまった。最後の第十二章は、読んでいて涙が溢れた。良い本に出会えて良かった。またきっと読み返すと思う。
Posted by ブクログ
主人公のかおりは、交通事故を起こし刑務所に服役し
そこで子供を出産
離婚して、子供は夫が育てることになった
出所後に息子に会いたい一心で、連れ去り事件を起こしたりするも
母としての名乗りを上げることはできず
あちこちを転々としながら働き、
息子に会いたいと強く思いつつ、
ひとりで生きていく女性の姿を描いている
ひき逃げ事件を犯してからの
主人公の心情が、手に取るように描かれていて
まさに、自分がかおりになりきってしまったようで
怒りに震えたり、もどかしさに胸を痛めたり
あらゆる感情が沸き上がってきて、興奮しつつ読み終えた
今年最初にこの本が読めてよかった!
すごい本だった!
Posted by ブクログ
獄中出産で産んだ子どものことをずっとずっと想うお母さんのお話
16年の日々が綴られているけれどほんとに読んでいて苦しかった、とくに金庫からお金がとられたあたりのどん底っぷりったらもうって感じだった
最愛の息子のためにがむしゃらに頑張る姿が素敵だし、どんなにどん底でもがむしゃらに自分から行動したらなんとでもなるんだなと、母って強いなと思わされた
最後はどうなってしまうんだろうってハラハラしながら読んだけれど、息子とも会えて言葉を交わせて、大切な人を信じることができて、残りは幸せな人生でありますようにと願ってしまった
熟柿っていい言葉だな、じっくりじっくりまつ
Posted by ブクログ
轢き逃げしてしまい人を殺めた。悪意がなかったとしても、許されることではない。
それでも、一度でも罪を犯して捕まれば人はこんなに変わるんだと、息苦しい人生が待っているんだと世間の過酷さをリアルに描いていて、途中から今度こそ報われて……と期待している自分がいる。
自分としても過去の失敗が原因で離れていった人達にもう一度会いたい、と思うことが何度もあるので、何気に少し共感した。
重圧。シリアス。文体は、段落や句読点が少なくぎっしり詰まっている印象。しかし、読んでいく内にドラマに惹き込まれる。
少し「恋とか愛とかやさしさなら」に近いものを感じ、小説紹介のけんごさんがどちらも年間ベストに選んでいる事実に納得もした。
これは想像以上に良かった。「月の満ち欠け」(未読)も映画化したし、本作もドラマ化か映画化しそう。
Posted by ブクログ
小説の面白さを思い出す一冊だった。
主人公の話をただ時系列で見ているだけなのに、主人公が今いる時間軸が気になって、一挙に読んでしまうくらい退屈しない。派手な事件が起きるわけでもないのにずっとハラハラゾワゾワとして先が気になった。
物語の途中で終わる感じだけれど、必ず明るい未来があると信じられる終わり方でよかった。
かおりさんのしたことは罪だけれど、その後の人生の歩みには「お疲れ様でした、よく頑張ったね」と言ってあげたくなった。
叔母の人生が救われることを勝手に期待してしまっていたので、そこだけモヤっとしてしまい、マイナス1。
Posted by ブクログ
轢き逃げで服役した女性が、引き離された息子との再会を望むあまり事件を起こしながら、罪と過去を背負い、各地を流転する人生を描く。すごく余韻が残った物語。
Posted by ブクログ
いつかまた読み返す日が来るような予感。覚えておこう。
この作家さんは、人間の弱さ、薄暗さ、ずるさ、優しさ、温かさを、カッチリ言葉で表すなあとあらためて思う。自分だったら、そのまま受け止めると生きづらくなるから、流してしまう場面を、逃さず言葉にする。繊細すぎるのかなと思ってたが、この方なら、わかってくれそう。この先なにかあったとき、読み返したい。
Posted by ブクログ
思えば遠くに来たもんだ、、、
重い内容に反して、軽い感想だが読み終わった後はこんな感じ。
親族の嫌われ者だった叔母の晴子のお通夜に来ていた主人公のかおり。妊娠中の彼女は泥酔した夫を車に乗せ帰路につく。しかし、大雨の降りしきるなかで彼女は老婆をはねるという事故を起こしてしまう。。。。
主人公かおりの思いと葛藤が丁寧に綴られ、かおりの生きた10数年を追体験できる。
しんどかった。。。
登場人物が主人公を含めて全員が歪んでいるというか、欠けているというか。。。
かおりに関しては、ほぼ共感できるが、
夫に対しての追求。(状況的に実際、そうでなくても罪悪感が湧くのでは?)
息子のある発言に対し、「そんなに人のも気持ちがわからないの?」というニュアンスの発言。
なんか、この辺りかおり自身も人の気持ちがわかってないのでは?と、、、、
しかしそれでも、かおりの夫、親族、最悪の同僚等、脇役にいたるまでが全員もれなくクズの様な印象を受けるので、かおりに対する嫌悪感はそこまでない。
唯一の良心は息子の同級生の咲ちゃんぐらいかな?
しかし、やたら、柿というワードが出てくるせいで、自分の中では、もはや柿自体が不穏な空気を纏う呪物みたいになってしまっている。(近畿地方〜のせいでもある)
Posted by ブクログ
晴子おばさんは「渋柿だ」と嘘をついて人に食べさせず、柿が完全に熟してとろとろになるまで待ち、夜中に皮に穴を開けてチューチュー吸っていた。この不気味な場面がホラーっぽくて印象が強かった。
柿の実の熟し方は人生に似ているというお話。
物語の途中では暗い話が長く続き、一体いつまで続くのかと読むのがしんどくなるが、どんなに苦しみが長い年月続いても人は生きていかないといけない。
無理に急がず、見守り、時間をかけて待つことで、人も柿の実のように熟していく。
夫はそうしなかったために、熟柿になれなかった。
最後に土居さんが、50歳にもなったら好きな女性から隠し事をされていると聞いても驚かないし、聞いても逃げないよ、と相手の話を受け止める姿勢がよかった。歳をとるにつれて、色んなことが受け入れられるんじゃないかという希望が湧く終わり方だった。
Posted by ブクログ
audible
ずっと救われないもどかしさがあったけど、最後がホッとする感じで終わって良かった。
始めに柿の木の話が出てきて、そこから話が広がるのかと思った。だが柿のことはほとんど出てこず、最後に柿に結びついて、最後まで読んでこそ良さがわかるいい作品でした。
タイトルに通じるところでもあるが、自分に実直に向き合い続ける大切さ。最初はハラハラしたけど、主人公が大人になっていくような気がした。
Posted by ブクログ
熟柿という言葉の意味を知らずに読んだ。最後にしっかり回収されて良かった。人間間違えてしまうことは誰にだってあって、苦しみながら生きていかなければならないこともあるかもしれない。でもこの物語の熟柿のもうひとつの意味「熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように気長に時機が来るのを待つこと 」というメッセージが込められてるように、間違えても希望はあるよと言ってくれてるような救いの言葉と物語だった
Posted by ブクログ
大作だった
車を運転する誰もが起こりえる事だから、身に積まされる内容だった
子育てに追われる毎日、入園式、卒園式、入学式、卒業式…子どもと一緒に過ごした日々が、どれほど貴重で、かけがえないものだったのかを再認識させられた
前向きになれる終わり方で本当に良かった
Posted by ブクログ
人はこれほどまでに健気に、頑なに、がむしゃらに、何か一つのために生きられるものなのか。
ただそれは強さでは無くて、きっと弱さの裏返しなんだろう、と感じた。
終始かおり視点で進んでいくから、読み進めやすい。
が、その分、読んでて痛い。
正直、共感はできなかったけれど、もうそろそろ救いを、と、願わずにいられなかった。
きっと、この先も自分を犠牲にして、色々な感情を飲み込んで生きていくんだろうかおり。
でもこの先は、熟柿な気持ちで向き合う土居さんと、「お母さん」と呼んでくれる拓、友達や理解者、これまでとは少し違った日々があるんだろう、と期待したい。