【感想・ネタバレ】熟柿のレビュー

あらすじ

激しい雨の降る夜、眠る夫を乗せた車で老婆を撥ねたかおりは轢き逃げの罪に問われ、服役中に息子を出産する。出所後、息子に会いたいあまり園児連れ去り事件を起こした彼女は息子との接見を禁じられ、追われるように西へ西へと各地を流れてゆく。

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Posted by ブクログ

日常は紙一重
ちょっとしたことが積み重なっていまの人生があるんだなということを再確認させられるかのような小説
短い時間軸ではなくて、それを積み重なる長い人生の時間軸で体感させられる感覚。
ただその日常も、不意な出来事で簡単に崩れてしまうし、変わっていく。
それがいいでも悪いでもなく、人生ってそんなものだよなと思わせられる作品でした。
だからこそ、色々動いてみることで人生って道が開けるよねとも取れるし、一方で、タイトル通りに熟した柿の実が自然に落ちるのを持つように、気長に時機を待つこと、も意味のあることだとも取れる内容だった。

重厚だけど、悲観的なわけでもない、
最後には心が大きく揺れ動く展開もあって、読んでよかったなぁ、と思わせられる内容でした。
熟柿読む価値ありです

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2026年08月30日

Posted by ブクログ

まさに題名の通りで1主人公が、罪を犯してから自分の罪を背負い息子のためと考え各地を漂流していき、各地で遭遇する人生の荒波に耐えながらもひとつの柿として熟して行く姿、寂しさもあるけども子を思い罪を認め背負う姿が本冊で読み取れました。

終盤にかけて、彼女の苦労した人生は一体なんだったのか
謝った選択が時間をかけて実ってしまうのも人生と感じてしまい、自分ももしそうだとしたら、、、と考えてしまう没入感がありました。

とても情景が浮かびやすい文章で読みやすかったです。

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2026年08月30日

Posted by ブクログ

母親の視点で書かれるため、母親に心情を委ねることになる作品。

母親に同情できる人なら神作品、そうでないならなにいってんだ?で終わる作品。

自分は前者だった。本屋大賞はイン・ザ・メガチャーチだったが、装丁や話題性を全く関係なくしたら大賞もあり得たと思う。

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2026年08月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

6月に生まれた生後2ヶ月の息子をもつ身としては、こんなに可愛い盛りを見ることもできず、ただ想像するしかなく、刑務所の産室で右耳の裏にてんとう虫みたいな黒子を見つけたことをずっと宝物のように覚え続け、ただただ息子に会いたい気持ちを抱きながら、会えないまま過ごし続ける主人公の姿を、本当に胸を痛めながら読みました。

拓くんにもう一度会えてよかった。
土居さんに出会えてよかったね。
希望をもてるラストでした。終始悲しい気持ちになりましたけど読後感はよかったです。

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2026年08月27日

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Audibleにて。
久々に純文学っぽい本を読んだ。
純文学っぽいのに本屋大賞2位ってすごい。
Audibleにもかかわらず、何度も戻りながら味わい味わい読み進めていった。
物語最終盤まで「じゅくがき」と読んでいたのはご愛敬(本当は「じゅくし」)

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2026年08月26日

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直木賞受賞作家である佐藤正午さんの著作を読むのは初めて。
こんなにやさしくて、あたたかい文章を書く方だったとは予想していなかったので驚いた。思いがけず良すぎた。久しぶりに読書しながら嗚咽した気がする。

市木かおりが犯した轢き逃げによる殺人という罪はとてつもなく重いのだけれど、彼女が本来はいかに平凡な一市民んであったかを知っていると、過失がここまで人生を狂わせてしまうのかと恐ろしかった。
事件時にお腹にいた我が子は獄中出産、つかのま触れ合ったのち奪われ、出所後も会えることはなかった。
先の見えない絶望のなか、息子に遺せることを祈ってただひたすら労働に励み貯金を増やしていくだけの人生は、深い悲壮感に満ちていた。
それでも、かおりが出会う周囲の人々は親切で、私もきっと彼女と同じぐらいには何度も救われる思いがした。
とりわけ久住路さん母娘の存在があまりにも光。こんなふうに、困っている誰かを親身に助けられる人って実在するのだろうか。その場しのぎの慰めではなく現実の厳しさを併せ持った、偽善ではない善だった。

そしてなんといっても土居さんですよ。彼がくれた「言えるときが来るのを待てばいいんだ」という一言で涙が止まらなくなった。
熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、必要な時間をかけて、気長に時機が来るのを待つ。
かおりと息子の関係は始まったばかりだし、土居さんとの関係も始まったばかり。
柿の実はきっとこれから何個でも熟していくのだろうと、かおりと同様に、とても素朴な思いで私も信じられた。

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2026年08月26日

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ネタバレ

熟柿:熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時機が来るのを待つこと
こんなに泣けると思わなかった。中盤まで暗澹とした出来事が続くけど、気長に待って最後まで読み進めてよかった。過去は変えられないけど、未来への一筋の光を感じるラストが心に沁みた。

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2026年08月23日

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人生に重しとなって残る出来事があり、人に言えない罪があり、それでも心に想う人があり、言えなかったことがあり、言わないと決めたことがある。それでも生きて、出会って、裏切られて、また出会う。時が来て、許せるようになったり、話せなかったことが話せるようになったりする。それまで歯を食いしばって、ひたすらに生きていくしかない。かおりの人生は一見特別なものに見えるけど、その痛みは、最後に見えた希望は、私たちも経験しうる、とても普遍的なものだったと思う。

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2026年08月22日

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熟柿って地味なタイトル、というか渋いタイトルだけど、あらすじ読んで読みたくなった小説。

素晴らしかった!これで本屋大賞2位!
まだ1位の作品は読んでないのだけど、自分の中では1位!

読んでる時は先が気になってパラパラして、あるシーンでは涙うるうる。

一章一章、着実に、地に足が付いた展開で、主人公に感情移入しながら主人公の人生を見ることができた。

事件起こして刑を受けて、離婚して息子と別れて、でも会いたくて。
男性作家さんなのに、強烈な母性に共感した。

今年一番の小説かもしれない。

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2026年08月21日

Posted by ブクログ

なんだろう、とても不思議な読後感の本だった。
自分の子と生き別れ、時に残酷な状況に置かれた主人公の半生を伴走しているような小説だった。
リアルだなと思ったのは、話の中で様々な事件が起こるが、それが単なる人生の1ページであるかのように描かれていたことである。
もっと深掘りしてほしいと思うこともあったが、必死に人生を生きている人にとって、人生は毎日の積み重ねでしかないのだろう。
読み終わった後にタイトルの意味に戻ると、なんとも感慨深い気持ちになった。

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2026年08月30日

Posted by ブクログ

人生にはずーっとどこかで思いながら待ち望んでいることってあると思う。
その思いが叶うことなのかそれはわからない。
でもそのことを思い日々愚直に生きて行くことで自分に対して納得させていることがたくさんある。 
気長に時期が来ることを待つことは、いつ来るのかわからないし、または来ないかもしれない可能性もある。
でもかおりには来た。本当によかった。
いつか来ると思って毎日を愚直に生きていることが幸せだと思えるといいのだけれど。

咲ちゃんは、お母さんに似て良い子だなぁ。

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2026年08月29日

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なかなか暗く苦しい話だったけど、途中で流さずに読み終えてよかった。
後悔先に立たずというのは簡単だけどね
後悔せずに生きていくのは難しいよね

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2026年08月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

audibleにて。

「あ、これミスったら人生詰むかも…」とか、「これ、ワンチャン自分死ぬんじゃね?」みたいな経験したことある人は分かると思うんですが、あの過度にストレスがかかった状態の脳があんまりうまく動かない感じというか、ちゃんと文字を読んでるのにぼんやりとしか理解できなかったり、物事の判断が上手くできなかったり、あとから思い返しても記憶がおぼろげだったりするような状態ってあるじゃないですか。

主人公が人生の選択肢を間違えていくときの様子が、自分のその状態を再度体験しているようで、ぞわぞわしながら読みました。ずっと怖かった。文章の表現の凄さを感じた。マジですごいなと。

作品としては、晴れやかというか希望が見えたエンドと言う感じで、タイトルの回収も美しくて素敵だったけど、主人公に感情移入して考えてみると、「それで幸せな感じで良いの…?やっぱ不幸過ぎない?そりゃ自分が選択肢を間違えまくったのが原因だとは思うけど…」と思ってしまった。

やはり母になった経験が無い未婚のおじさんでは人生経験が足りないのか…ッッ!!

当たり前の話ではあるけど、読んでる自分が人生のどのフェーズにいるかとか、経験次第で感じ方が違ってくるのはとても面白いなあと思った。

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2026年08月27日

Posted by ブクログ

我が子に会いたいのに会えない、会わせてもらえないという母親の切実な心情を、男性である作者が、まるで母親自身でもあるかのように繊細に描写していて共感を呼びます。

ストーリーは主人公の市木かおりが、ひき逃げという罪を犯して服役し、服役中に出産。しかし子どもとは引き離され流浪の人生が始まります。

暗く重くなりがちなストーリーを救っているのは、かおりの懸命な仕事ぶり。どの土地に流れついてもちゃんと働いている。いつか息子に会いたい、その願いを胸に。それがこのお話の縦軸になっています。

現代のストーリーですが、どこか昭和の映画を見るようなノスタルジックな雰囲気と、作者の巧みな文章力、流転の人生に見出す希望が余韻を残す作品です。(Audibleで)
 

・2025年 第20回中央公論文芸賞
・2026年の第23回本屋大賞で第2位
・本の雑誌が選ぶ2025年度上半期ベスト1位

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2026年08月28日

Posted by ブクログ

著者の作品は二作しか読んでないが本作の評判が良いので読んでみた、不運な女性の半生だが警察官の夫と電話で邪魔をしてくる鶴子にはイライラさせられた、警察官の夫には後悔はないのだろうかちゃんと息子や司法に本当の事を訴えられるのだろうか、警察官にはろくな奴がいないって事か、物語はかおりの微かな希望のようなかたちで終わっているが熟柿どころじゃない溶けてしまった柿だ人生はまだまだ続く、熟柿はドロドロだ、続熟柿があっても良いんじゃないの。

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2026年08月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本屋大賞2位。
初読みの作家さん。

いやー、、もう読んでてどんどんしんどくなった。
やめて、やめてと思いながら、貯金持ち逃げされたあたりで谷底。

まず夫さ、妻妊娠中で、自分は酔っ払って寝てて、ひき逃げは良くないよ確かに。でもそれで離婚して子どもにも会わさず、死んだことにするなんて。
しかも、案の定、起きてたっぽいし。ひき逃げに加担してるし、なおさら最悪だな。

会えずにいる子どもの存在だけが生きる糧。
これが30年前の話じゃなく、つい最近の、しかもほぼ同年代の女性の話で、知らないだけで現実にも居るんだろうか。。
んでも、どうしても最後まで現代の話と思えなかった。。

8割読み進めるまでは、これ本屋大賞でもおかしくなかったなと思ったけど、急に息子と再会したあたりから、唐突感に冷めてしまった。
いつのまに土居さんの存在が大きくなってたんだろ?
不幸話が好きなわけじゃないけど、急に全部ハッピーエンドに向かってて、おいてけぼり感強く減星。

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2026年08月26日

Posted by ブクログ

序盤はもう辛くてツラくて
読みながらふと本を置いてかおりの心境を考えると
自然と涙が溢れるぐらい辛かった

あと一歩、どうにも交わらなかった拓とかおりは
かおりが将来を、前を向けたタイミングで
自然と繋がるの、これも素敵な縁

縁という、目には見えない化学的にも証明できない
不思議なものだけどとっても素敵なものが
ひとつのキーワードだったなぁ

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2026年08月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

亡くなった叔母の法事帰りに人身事故を起こした妊婦の主人公は、泥酔で助手席に眠っていた警官の夫を思いその場をごまかし轢き逃げした。それがきっかけとなり刑務所で息子を産むも引き離され、出所後が夫に離婚を迫られ息子に会わせてもらえなかった。それから幾年。
受刑者の出所後の人生は果敢なきもの繰り返しで常に前科が付き纏う。女一人生きていくだけでもそれが枷となり、その苦しみの中で自分が産んだ子に会いたいという母性の思いだけはいつまでも強く、会おうとするたびにパトカーに乗る羽目となる。このパトカーに何度も乗る件が帯で紹介されており、ああ、これは切ないと納得した。会いたいと思いが強くなるほどに息子から遠く離れて暮らす羽目に追われ千葉から遥か遠い福岡にまで来てしまう。それまでに転々と移り住んでくるにあたっては人の縁があり、所在なさげであった主人公も次第に強く生きていける一人の女性と成長し、そしていつしか機が熟し、それは柿が熟して自然に落ちるように、会いたいと切に願っていた息子との再会の場に巡り合えた。熟柿というタイトルだけでは全然わからなかった物語がこんなに思い尽くされた子への愛情、しかしそれには大きな障害もあり、この親子がその後どんな会話を続けていくのだろうと考えさせられる。そして、なにより、この物語には後半大どんでん返しが明かされ、そんな伏線あったのかぁ!!!って唸ってしまった。これには完全に参りました。最後に、咲ちゃん、ファンになりました。

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2026年08月24日

Posted by ブクログ

この作品そのものが熟柿。

作中の言葉を使わせてもらうなら、最初の出来事が起きてから主人公かおりを巡る生活はずっと暗澹としていた。
重く、つらいがあまりに途中で読むのをやめようかと後ろ向きな気持ちになった。
それでも結末が知りたくて、なんだかんだハッピーエンドになるんじゃないかと期待してしまって読み切った。

分かりやすいハッピーエンドなんかではなくて、でも、かおりの人生に一筋の光がさしたかのような、希望を感じるエンディングで心があたたかくなった。



熟柿 : 熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、
時期が来るのを待つこと

佐藤正午先生、初読。

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2026年08月24日

Posted by ブクログ

主人公の元旦那に腹が立った。
息子に会いたくても会えない、自分が産んだのに顔を見ることもできず成長を見届けられないのはどれだけ辛いことか、、、
それでも息子のために懸命に生きている姿が胸を打たれる。
文章から光景が自然と浮かんできて読みやすかった。
文庫本がまだ出ていないため持ち運びできず、一気読みできなかったことが悔しい。

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2026年08月22日

Posted by ブクログ

とにかく読みやすくて、気づけばどんどんページをめくっていた。

派手な展開ではないのに、登場人物たちの人生を長い時間をかけて描くことで、積み重なっていくもの、変わっていくもの、それでも変わらないもの、がじわじわ浮かび上がってくる。

かおりの息子への愛情とも執着ともどちらとも言えない感情は、危うさや歪みがあるように感じた。
思慮が浅く、主体性がないところが最初は苦手だったのに、いつの間にか応援していた。

長い時間をかけて物事が熟していく。
熟柿という言葉に秘められたもう一つの意味が明かされ、一気に収束する展開がいい。

そして何より咲ちゃんが最高!負の雰囲気を持つ登場人物達ばかりの中で際立っていたあの明るさ、頼もしさ、大好き!!

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2026年08月16日

Posted by ブクログ

長い年月の物語です。そして、主人公・かおりにとって、なかなかに辛い展開が続きますが、二人のイケメン(一人は女性だけど)に救われました。

久住呂咲ちゃん
10年越しの約束を守る久住呂咲ちゃんはイケメンすぎ。お母さんの久住呂百合さん以上に有言実行のひとでした。久住呂ってなかなか耳にしない名字ですが、親子の名前が登場するだけで、不思議な呪文のように場が落ち着きました。

土井さん
かおりの心が開くのをじっと待ってくれる土井さんは態度もセリフもイケメンすぎます。昔から、チャンスの後ろ頭は禿げてるっていうけど、焦る必要はないんですね。だから50過ぎって気もしますが、いわゆる大人の包容力ですね。

かおりも乗るべき電車に乗れたようでよかったです。

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2026年08月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

まずは──とりあえずハッピーエンドというか、明るい感じで終わって良かった…。めっちゃ重かったーー。

正直に言うと、読めば読むほど暗い気持ちになっていく話で、読んでいてずっっとしんどかった。しかも、ちょっと良いことが起きて(希望が見えて)はダメになる、の繰り返しという、ずーっと上手くいかないより心が折れる展開が続くので、心理的にクる。

具体的な内容に関しては、「母親も1人の、迷って悩んでもがく人間なのだ」ということはよく分かった。一方で、未婚・子なし・運転免許なし、事件当時のかおりより若い私には、かおりのことを想像するにも限界があり、いつまでもうじうじした思考で情緒不安定なかおりに、共感どころか鬱陶しさや苛立ちを感じることがとても多かった。

また、「前科もち」というその一点において、悪質で殺意のあった凶悪殺人事件の犯人かの如く、出所後の行く先々で理不尽が続くので、「なんでたかが轢き逃げの、しかも事故で?」と思ってしまった自分がいたが、そうやって無意識に犯罪や命に優劣をつけてしまっていることに気がついてぞっとした。とはいえ、今回のかおりのケースは何とも言い難いのだが…。

あとは、出てくる人たちに(勿論良い人もいるが)かなり嫌な人が多く、(その人たちが所謂“世間”を表していると言えばそうなのだが)特に友人鶴子、元夫、パチンコ店時代の斎藤が最悪だった。この後者2人に関しては、どうしても勧善懲悪的な展開を期待してしまったし、最期までざまぁ展開がなかったため、読後の今もモヤモヤしている。

確かに轢き逃げは良くないが、この3人が「人を(事故でも何でも)殺していないだけ」で野放しなのは、どうしても解せない。結局、世の中は上手く立ち回った者勝ちな世界なのだろうか。
私は、かおりの生き方は不器用だと思うが、ここまでの扱いを受けて当然とも思えない。結論は出ないが、色々なものを見つめ直すきっかけになる本だったと思う。

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2026年08月29日

Posted by ブクログ

人物描写がとても丁寧で、実在する人物のドキュメンタリーを読んだ気になる。悲惨な境遇ではあるけれど、むしろ全編通して人の温かさを感じることのできるストーリーだった。
だからこそというか、主人公の言動に「なんでそうなるの?」とやきもきすることも多かった。また(主人公にとって)良い人、悪い人の区別が明確で
、無条件に良い人であり続ける人達のモチベーションもよくわからなかった。主人公の視点で物語が進むので、もう少し他の人物の心理描写なりがあったら良かったなと感じた。

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2026年08月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

はぁ〜、熟柿。か。


以下、土居さんの言葉一部抜粋↓

「略〜柿の実が季節になれば熟すように、物事の成就には適した時期があるというか、そのときが自然に訪れるのを気長に待つというか〜略」

物語の最後の最後に、『柿が熟して落ちた』。

この後はきっとかおりの未来も明るいものになるだろう。


でも、正直に言って…読書中ずっと感じた気持ちの悪さがかなり目立つ。かおりの行動、言葉、判断。
拓に本当に会いたいのなら、なぜそんなことをする?と思わずにいられない。
誰かわからない電話、何度もかかっているのになぜ出なかったんだろうか。もっと早く出ていれば、夫の真意に早く気づくことができたかもしれない。
なぜ幼稚園に行って、咲を待たなかったのか?もう名前を確認しなかったのか。後に拓本人が言ったように、一緒に暮らせていたかもしれない。
なぜ小学校で母親だなんて名乗りでたのか。名乗らなければ後ろからひっそりと見ることが出来たかもしれない。

拓に会いたい気持ちがひしひしと伝わってくるから尚更、モヤモヤしっぱなしだった。

そんなモヤモヤがありつつも、物語終盤にやっと拓に会えたのは、幼稚園に行って咲ちゃんに会ったからだし、小学校で騒ぎを起こして久住路さんに出会えたから、拓と繋がり続けることが出来た。
ずっと謎の電話に出なかったから、元夫が罪悪感に耐えきれなくなるタイミングで再会できた。
福岡に根を下ろし始めた今だからこそ、かおりが自分自身を保つことが出来た。

熟柿なんだなぁと思った。

最後は納得できたものの読書中の気持ち悪さが長くて、評価は⭐︎3に。

追記:他の方の感想で「純文学のよう」と書かれていて、だからこの気持ち悪さも含めて評価が高くなるのか!と納得。偉そうに言うことではないけれど^^;

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2026年08月29日

Posted by ブクログ

感情移入のできない主人公の奇行をずっと眺めさせられた気分で、物語にいつ入り込めるのかなあと思ってたら終わってた……なんか合わなかった 悲しい

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2026年08月28日

Posted by ブクログ

audibleで。評価が高かったので手に取った。
物語は、轢き逃げして裁判にかけられ、刑期を終えた主人公かおりの言葉で語られる。離婚を迫られ、出産した子と会うどころか写真すら渡してもらえず、思慕が募り再度事件を起こしてしまうところなど、辛くて、、、。それに、最初から(事故を起こした時何も感じず寝てた?ってひどくない⁈)元夫の態度にイラついてたので、幼稚園と小学校で起こった事件は、元夫にも責任あるんじゃない?って、怒鳴りたい気持ちを抑えつつ読む。
でも、かおりの理解者が何人かいて、物語の後半に実を結び、光をさすような好転が訪れる。それが『熟柿』のタイトルに繋がるのか、、、、
以前、警察の人に「大丈夫だろう」ではなく「もしも〜かもしれない」と考えて運転すべきです、と言われた事を思い出した。例えば、「横断歩道でなくても、車の間からルールを無視して人が横断するかもしれない」と。その時止まれるようにと。みんながそういう運転をすれば交通事故は減るんですけどねー、だそうです。
魔がさすいっときに対して、人生のこれほど長い耐え忍ぶ時間は割に合わない。刑期を終えたからといって、かおりの記憶の中から事故の一夜は無くなったりしない。それでも、一緒に抱えてくれるひとが、並んで歩いてくれる人が、そばにいてくれるといいなと思う。頑張った人には光を、と思う。

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2026年08月28日

Posted by ブクログ

わたしがこの子を産んだのだ。

✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

大雨の降る夜。妊娠中のかおりは 酔いつぶれた夫を助手席に乗せ自宅へと帰宅する途中、徘徊していた老婆を轢いてしまう。

混乱する頭で考えたのは、警察官である夫の将来、生まれてくる子供の将来、そして自分が送るはずの平凡で幸せな生活。

かおりはその場から逃走してしまう。

轢き逃げの罪に問われたかおり。

『母親が犯罪者の子供と、母親に死なれた子供と、どっちがより不幸か、考えてみろ。』

夫の説得に従い、離婚届に判を押す。

刑務所で出産したばかりで手放すことになった息子は 耳の後にある黒子以外に思い出せることはない。

成長した息子を一目見たいという願いも叶わぬまま、17年の歳月を過ごしたかおり。

生きる意味をも失いかけていたが、息子を名義人にした生命保険の保険料を滞りなく支払い続けるためだけに 働くことを決める。

「過去の罪」が何度とかおりの前に立ちはだかるも、顔もわからない息子のために淡々と けれど懸命に生きていく。

そんなかおりに 息子と面会出来るという転機が訪れた時、

あの事故には、隠された真実があることを知る-。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


モヤモヤしとる。

読んでる時にずーっと思ってた。モヤる。

なぜだ。

読む前に「本屋大賞2位」という情報を知ってしまったからか。

2位ということは、大多数の人が心震える読書をしたということか。それがどの場面なのか 読み終えて暫く考え込んだことか。感動?私、どこかで感動したか?

私は何にモヤモヤしているのか、考えた。

取り返しのつかない過ちを犯してしまったかおり。
罪に苛まれ、繰り返し悪夢に襲われ生きている。

それはそうであろうと思う。

しかし、

「自分は死んだほうがいいのでは」と思うのは、会えない息子のためである。

刑務所を出てから17年、自分が犯した罪の重さを強く意識するのは、住む場所や働く場所で 過去の罪が皆の知るところとなった時や、そうなりかけた時である。

…と読んでしまったからだと思う。

そうか、私 かおりのこと好意的に感じてないんだ。(°д° )!!

そんなことはないはずなのに、罪の重さより それが息子に与える影響の方ばかり考えてないか?と思っちゃってるんだ。

はぁーそれがモヤの原因だったか。

…で、ずっとレビューが書けず この物語を何度か読み返しちゃった。


ん?それって逆にこの物語に惹き込まれてるってこと??

「わたしは自分が産んだ子の成長を見守れなかった。いちばん可愛い時期に息子を奪われ、顔も見られなかった。まともな写真の一枚も見せてもらえなかった。わたしは育児の苦労だって引き受けたかった。息子のオムツを替えたかった。泣かれて困り果ててもそばにいたかった。息子をほめたかったし、叱りたかった。一緒に笑いたかった。」

平凡な日常は一瞬の判断で崩れさる。

後悔してもしきれないが、母親が子供を思う気持ちには胸が痛くなる。



佐藤正午さんの本はなんだか変な気持ちになるんだいつも。変な気持ちって 別に変な気持ち♡じゃなくてね。

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2026年08月30日

Posted by ブクログ

ストーリーはなかなか重いところもあったが、ページをめくるたびに気になる出来事が起きて、サクサクと読むことができた。
時が来るまで気長に待つこと、物事の成就には適したときがある、という最後の言葉はこれからも忘れずにいたい。

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2026年08月23日

Posted by ブクログ

2026年本屋大賞2位で本屋で見かけて読むも渋い表紙が似合う内容だった。
1人の罪を背負いながら、刑務所で生まれた愛息(拓)に一度も逢えずに想い続ける女性(かおり)の半生を描く。
叔母葬儀の熟柿逸話で始まり読み続けるも何の回収も無く最後、別の視点から熟柿の意味が分かる終わりはちょっと理解出来なかったが。。

怨恨とは異なり誰にも起こりうる人身事故による被害者放置による轢き逃げ殺人から人生の歯車が大きく狂って自責を胸に犯罪者として生き難い孤独、コロナ禍、裏切りを経験し千葉から西へ西へ(山梨→岐阜→大阪→福岡)流れるも愛息への想い、あわよくば再会を糧に生きる姿がやけにリアルに感じる。

最後、事故から16年後に元夫からの知らなかった事故に纏わる告白、夢に見ていた拓との対面で終える。不幸だった時間は戻せずもかおりのこれからの人生に光が見えて良かった。

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2026年08月23日

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