あらすじ
激しい雨の降る夜、眠る夫を乗せた車で老婆を撥ねたかおりは轢き逃げの罪に問われ、服役中に息子を出産する。出所後、息子に会いたいあまり園児連れ去り事件を起こした彼女は息子との接見を禁じられ、追われるように西へ西へと各地を流れてゆく。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
素晴らしい作品。重い展開が続き読むのも苦しくなるが、まさしく“熟柿“だった。自分も子を持つ親としての立場で考えさせられた。車の運転って一般人が簡単に、且つ悪気なく人を殺してしまう唯一の手段だと思う。本当に気をつけなければならないし、犯罪者のレッテルを貼られる恐怖を再認識した。
Posted by ブクログ
轢き逃げという罪のため、子供と離れ離れになった。その後の彼女は何だかウジウジしていて、でも仕事はとても堅実で、悲しい人生を歩んでいた。たった1人で。彼女と同じくらい深い罪、いや、彼女よりも深い罪を犯していたと私は思う、夫。それがわかるのは本当に最後の方だった。そして彼女がやっと幸せになれる。一気に読んで、読み終わって、心の奥に深い安堵が押し寄せてきた。
Posted by ブクログ
本当に面白かった。本屋大賞の2位だったが、小説そのものの面白さではこっちに軍配が上がるかもしれない。とにかく、とにかく辛くて、タイトルのようにひたすらじっくりと微かな光を待ち続ける小説だった。だからこそ、その光はとてつもなく尊いものになるのだろう。
Posted by ブクログ
お母さんがいない人もいるのに2人もお母さんがいるなんて贅沢だって、考えた事もなかったな。この作品が主人公の視点で描かれるから、主人公を取り巻く環境とか周りの人間の言動とかに怒りを覚えたりするのは当然だけど、私も何気ない一言で傷つけてる事いっぱいあるんだろうな…と思って少し居心地の悪いような罪悪感みたいな感情になった。
長い時間をかけてようやく実になる。時間が解決してくれるなんて言われても、その時が来るまで待つことは苦しくて、時には先が見えなくて真っ暗に見えて、色んな感情がぐちゃぐちゃで…そういう暗い感情をよく表現された作品だなと思った。特に物語終盤はようやくか…!みたいな気持ちと、過去は変えられないという現実との複雑な感情で涙を堪えるのに必死だった。
Posted by ブクログ
子を持つ親として共感する部分と未知の感情を知る部分があった。
主人公の息づかいが生々しくて自分の回りがその世界観に取り込まれたよう。何とも言えない感情が残ったまま。また年齢を重ねた時に読むと感じる事も違うんだろうな。
Posted by ブクログ
最後まで読んで、希望が持てた作品。
鳥獣戯画のような洛中洛外図のような、ホンモノは見たことないからイメージなんですが、
一枚の大きな絵画、絵巻物ようだなと感じた。
息子と離れて西へ向かい、前科者として生きる苦労、秘密、疑心暗鬼、お金の大切さ、繰り返されるあのときああしておけば、加速はしないけど無理のない出会い、別れがありながら、裏番組的にたまに登場する息子への想像によって時間の経過が感じられて、主人公の人生と、久住呂家を通して新田中家、息子拓のことも絵画のどこかに描かれているような、そんな作品。
そして最後のほう、卑怯者、という言葉が、なんとしっくりくることか。
**
『逃亡者は北へ向かう』とか『少年と犬』とか、不運が重なったり不条理だったり、こんなはずじゃなかった、という時には縁を断ち切る意味でも繋ぐ意味でも移動することで、状況が動いていく。
この2作品は求めているから移動するのもあるんですが。
いまは安住している人生でも、どこかのタイミングで流浪の人生になるかもしれないし、せざるを得ないかもしれない。
巷でニュースになるようなできごとはそんなタイミングの人たちなのかも、と思うと、他人ごとではない。
Posted by ブクログ
すごく満足度の高い物語でした。
内容は重ためですが、最後には光もあり、読後感がとてもよかったです。
懸命に生きていこうとするかおりの人生がつらくてせつない。罪は償っても消えない。出会った大切な人たちに過去を話すことができない葛藤がとてもリアルでした。
Posted by ブクログ
読み始めから重くて、気持ちがどんどん沈んでいったので、読み進めるのがしんどかった。それでも先が気になりページは進む。
毎日の生活で消耗していく石和温泉から大阪時代は、彩りのないただ生きている日々の描写がホントに辛かった。福岡時代からは少しずつ希望が見えてきて、読むスピードもアップ!
タイトル「熟柿」とは「熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時機が来るのを待つこと」
ラストの章でやっと柿の実が熟した!報われた!
Posted by ブクログ
いや〜
確かに本屋大賞に選ばれるだけの物語でした
最初軽く出だしのイメージから、陰鬱なでも実際に有りそうな展開で、約2センチの厚さの最後の5ミリで泣かされました!
面白く無い物語ぽく展開して最後にそう来たか!
そこは想像出来なかった!
Posted by ブクログ
ここ最近一番の推し本
1人の平凡な女性がお葬式の帰りにひき逃げ死亡事故を起こしてそこから人生が変わっていく物語。
当時お腹の中にいた息子とも生き別れ、会おうと思っていても中々会えずに主人公の不憫さに胸が痛すぎた。
ただ最後は息子と会えて、そこに対しての安堵感と新しいパートナーができて、寄り添ってくれる姿を見て将来への嘱望、事故を知らなかったと思っていた旦那も実は隠していてひき逃げに加担していたと分かり、そこに対する胸糞がなんとも言えないリアリティがあり、自分の感性にしっかりとハマった。
タイトルの「熟柿」とは熟した柿の他に、時が来るのを気長に待つという意味もあり、今の自分に人と比較せずに待てと語りかけられた気持ちになった。
Posted by ブクログ
読み終わったあと深いため息が出た。
いつもであれば「あと3ページ書いてくれ!」と思ってしまうような終わり方だったが、なんだか色んな感情が蠢いて、今から余韻で色々考えたいなと思った。
かおりのことは、正直芯がなくてフラフラと住む場所も変えていくような人なんだと思ってしまっていたが、元旦那と再開したあたりから、なんだか私も色んな感情が出てきて、元旦那に一緒になって怒りを覚えた。
そこからは怒涛の感情で、言いたいこと、言わなきゃいけないこと、言っちゃダメなこと、何一つ分からなくなってしまって、こんなにも揺さぶられているんだと驚いてしまった。
熟柿という言葉の意味を、もう一度反芻しながら読みたいと思った。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かった。
前を向いていこう!じゃなく、
追い風によって自然と前を向いて進んでいたという感じ。
起承転結の結の部分はよくある話という感じがするけど、かおりさんの半生が本当にしんどい。いや、しんどいって言ったらダメだと思うけど、どうか彼女に幸せを与えてあげてと思わせるものだった。
そんなわけで、息子の拓のことばは、僕も泣きそうになりました。
熟柿、土居さんだけでなく、かおりにとっても熟し柿が落ちた瞬間を感じられました。
本屋大賞2位、本当におめでとうございます!
Posted by ブクログ
どこにいてもなにをしていても後悔がつきまとう、暗くて光が見えない、それでも毎日をどうにか生きていかなきゃいけない苦しい物語だった
何回自問自答して、何回タイムスリップできたらと願ったんだろうな
最後は涙がでた
Posted by ブクログ
最近子どもを産んだ。我が子はとんでもなく可愛く、この子と引き離されるなんて考えたくもない。
主人公のかおりは、子を産んだ直後から引き離され、以降ずっと会えず、いつ会えるかも分からない。
それでも、子のためにとにかく働いて、子にお金を残そうとしている。
母親ってこういうものなんだろうか。近くにいなくても、自分が産んだその瞬間から子が愛おしくてしょうがないし、何でもしてあげたいと思うのだろうか。
常に自分の過去が周囲に知られたらと脅えながらも、息子のことを片時も忘れないかおりには、同じ母親として頭が下がる。
しかし、ここまで息子と関わらせてもらえないのは酷い。せめて写真だけでも見せてもらえないのだろうか。かおりの元夫の冷たさに驚いた。警察という職業柄、一般人とは違うのかもしれないが。
ずっとかおりを追っていたからだろうか。やっと息子に会えたほんの数ページを読むのが、たまらなく嬉しかった。
会いたかったのはかおりだけじゃなかった。息子も本当は実の母親に会いたかったと知ることができただけで、ずっと苦労してきたかおりが報われた気がした。
Posted by ブクログ
中盤くらいまで胸糞な事件がたびたび起きてしんどかったけど、最後まで読んでよかった!
せっかちな私はすぐに目に見える結果が欲しいと思ってしまうけど、『人生は長期戦』で、どしんと構えて生きていきたい!と思った。
タイトルも渋いし表紙も潔いこの小説、話題になっていなかったらおそらく手に取っていなかったので、読めてよかった⭐︎
Posted by ブクログ
読み終わって凄く複雑な気持ちになった作品。
交通事故で人を跳ねてしまって、刑務所に服役。そこからの長い生活と心の動き、幸せになれない苦しさみたいなのが凄く伝わってきた。
熟柿のように長い年月かけて実が熟すように、長い年月かけて実る人生もある。
大事な話だけど、何十年という年月は短いようで長い。これだけの人の心の辛さが伝わってくるのは文学作品としては素晴らしいと思う。
Posted by ブクログ
Audible版。本当に聴いてて気が滅入る小説。ヒロインの救いようのない浅はかな言動とそれがもたらす結果にイライラしたり気分がどよ~んとしたり。最終的に明るく終わるのか、暗いままで終わるのか、ラストまで飽きずに聴き通すことができた。
『永遠の1/2』とか懐かしいなと思いながら、本当に久しぶりに佐藤正午を手に取った。Audibleには佐藤正午の本が何冊かあるので、続けてもう1冊くらい聴いてみたいと思った。
Posted by ブクログ
最初は「晴子おばさんの祟り」のようなホラー話で進んでいくのかと思いきや、そうではなかった。
大きな事件が起きるわけじゃないのに、妙に現実味がある。
登場人物たちの言動には、イライラしたり呆れたり、時には感動したり色々な感情に揺さぶられながら読んでいた。
過酷すぎる過去を背負って生きるかおりの姿には「たくましいな…」って思うし、それと同時に「子を思う母親の描写」がとにかく胸に刺さる。正直、読んでいて苦しくなる場面も多かった。
そんな中で、土居さんの存在が癒し。すべてを丸ごと受け止めてくれそうな温かさに、読んでるこっちまで救われた。
これからの主人公の未来も気になる。
最後に『熟柿』っていうタイトルの意味がすとんと腑に落ちたとき、なんだかホッとして、救われたような気持ちになれる作品だった!
Posted by ブクログ
生きるとは必死。人生何があってもその時は必死になりたいと思えた。
贖罪を背負った者の心境と理不尽な環境がリアルに伝わった。後半は読み手が止まらない。
Posted by ブクログ
タイミングが悪かった、運が悪かった、としか言いようのない気がする展開が続く。
もちろん、主人公に反省すべき点も多分にあるんだけれど、困ったときにすぐに弁護士に相談すると言ったカードが切れないのはいわゆる貧困層に類されるからだろうか。困ったときに相談する場所の選択肢があると言う事は、それだけその後の人生の展開を変えてくカードが切れる、とイコールなんだと痛感させられた。
元夫がとにかくクソすぎると思う一方、良い再婚相手を見つけられる人格者でもあったのかな。どうなんだろう。
こうしてどんどん人のこと信じられなくなっていくんだろうなぁ〜と思いつつも最後は希望の持てる展望でよかった。
Posted by ブクログ
子をもつ1人の母親として、主人公に深く同情し、感情移入して読み進めた。何だろう、私も読んでて早く息子の拓に会いたかった。ついついページを捲る手が止まらないそんな後半でした。でもラストは期待しすぎたなーでもそれがリアルでこれからも主人公の生活は続くんだなと いきなり人生コロッと変わってしまう出来事って誰にでも起こりうる。
Posted by ブクログ
『熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時機が来るのを待つこと』
起こしてしまった過ちは取り消せない。
けれど、自分が犯した罪に対して真摯に向き合い、焦らず、辛抱強く、今の自分にできることやるべきことに精一杯取り組めば、絶望の中にもいつか一筋の光が差すのだと、この物語が教えてくれた。
文章がとても読みやすくてすらすら読み進めることができた!
Posted by ブクログ
子を思う母親ってこんな気持ちなのかな。
大事だからこそ、会えない
会ってもなかなか感動の再会のシチュエーションにはならない
でも、会えて良かった。
拓も大人になって、判断力がついて、自分の気持ちを表せて。この先の希望が見えた。
必ず見ていてくれる人、分かってくれる人、いるのかも。
Posted by ブクログ
最初と最後の方が面白かった
幽霊かと思ってゾワゾワしたら、ひき逃げ事件なんて。
あのままホラーっぽくいくのかと思ったら。
あと、元夫の秘密がバレたところも面白い。
途中は眠い
夫、ひどいわー
でも何もかも腑に落ちた感じ
Posted by ブクログ
柿が熟して木から落ちるように、出所後の日々の物語が丁寧に書かれている小説だった。
話が進むテンポが適切だったため、次はどうなるのかとどんどん読み進めることができた。
苦しさをギュッと堪えると、後に良い結果が得られるのではと思わせる物語だった。
映画で見ても面白そうだと思ったが、映画化した場合、女優さんの演技が試されそうだと感じた。
Posted by ブクログ
妊娠中、ひき逃げ事故を起こしてしまった女性の物語。
故意ではなかったけれど、人1人殺めてしまい、刑務所に入り、その先の人生が一変してしまう。
一方で、不倫をした挙句、不倫相手から別れを切り出されて、殺してやろうと刃物を持ち出すが失敗に終わり、その後は何事もなかったかのように、ダンナとヨリを戻し、ダンナか不倫相手か、どちらかの子供がわからない子を育てている友人がいる。
その友人が言う。一歩間違えば、落ちるとこまで落ちていたかもしれない、と。
そう、世の中、結果がすべてだ。
悪気はなくとも、人が死んで、警察行きになれば罪だし、悪気があっても、バレなきゃ、罪にならない。
この物語は、ひき逃げ事故を起こしてすべてを失っても、淡々と働き、誠実に人生を過ごした結果、ラストは、ハッピーで、感動、な感じで終わったが、ワタシ的には、全くに要領の悪い主人公だなあ、という印象、読んでいて、ところどころイライラした。彼女の人生、信念があって動いているわけじゃないからだ。
逆に不倫してる友人の立場から、主人公を俯瞰して書いた小説の方が面白かったんじゃないかと思うくらいだ。
Posted by ブクログ
文章は読みやすくどんどんと読み進めてしまったが、暗い気持ちにさせられた。ちょっと頭の弱いというか、意思のない人が流されて生きてる感じもあり、元気を貰いたいと思ってる時には適さないかな。主人公の周りにいろいろなタイプの人が登場し、影響を受けて人生を過ごして行くが、熟柿というタイトルのように最後はいい事がある?そこまで達観するよりも能動的に生きていきたいと思った。