あらすじ
激しい雨の降る夜、眠る夫を乗せた車で老婆を撥ねたかおりは轢き逃げの罪に問われ、服役中に息子を出産する。出所後、息子に会いたいあまり園児連れ去り事件を起こした彼女は息子との接見を禁じられ、追われるように西へ西へと各地を流れてゆく。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
すごい良かった。
熟柿って単語初めて知ったけど、おしゃれだな!時が満ちる、機が熟す、果報は寝て待てとか、似たニュアンスの言葉はいくつもあるけど、熟柿が一番いいかも。
子供に会いたいけど会えないって辛いね。
最後に再開した時、全然うまく話せないのがリアル。
子供が高校生になってから再開したからこそ、電話番号交換とか、一番いい形での関わり合いかたができたんじゃないかな。
Posted by ブクログ
最初は苦しい感じで始まり、
読むのが段々辛くなったけど私も子どもがいるのでもし自分だったらと想像して読むだけでも辛かった。私は例えば逆の立場で夫が轢き逃げをしてしまって刑務所に入ったとしても罪を償えば離婚はしないかもと思いました。もちろん罪はなくなりませんけど。息子の拓くんもどちらかと言えばそういう思いだったのかなと。自分がお腹を痛めて産んだ子とすぐに離れ離れにされ、会うことも許されないってほんとに辛い…
その後もなんだかんだ上手くいってるようでいってなくて、不幸は続くなんて思ってたので、ただただ最後はかおりさんが幸せになったらいいなと思いました。
途中拓くんがお母さんと認めるようなセリフがあってそれで涙が出ました。
やはりお母さん側の立場目線で読んでしまいましたね笑
正直本屋大賞はこれがとって欲しいと思うくらい面白かったです。
Posted by ブクログ
audibleで途中まで聞きかけて
結局、紙の本で読み直す。
小説はきちんと文字を目から頭に入れたいなあと思って。
固有名詞とか、やはり漢字のかたまりで
読むと作者の意図がより深く伝わってくるように感じる。
淡々と進みながらも
物語の終盤は圧巻。一気に読んだ。
本の帯の角田光代さんの言葉、
「絶望しても、裏切られても、
繰り返すしかない生活が、
私たちを救うのだと思わせてくれる
小説だった。」
この感想のまとめっぷりも凄い!
Posted by ブクログ
タイトル回収が最後の最後までされない。
そのタイトル回収もまた熟柿なのだと思った。
そして、それまで何にも音沙汰がなかった涙腺が
12章で一気に私の中の感情と共に溢れ出した。
主人公と息子が会う場面で、主人公が自分の思いを打ち明けたいのにできない、だけど...
というシーンではうんうん、大丈夫、大丈夫だから、
と頷きながら読んだ。
主人公と斉藤さんの絡みの場面では読むのやめようかと思うくらい
主人公が可哀想で仕方なかった。
ひき逃げの真実も明らかになった時に、また読むのをやめようかと思った。
でも、最後の一文で、私は読むのを諦めなくて良かったと思えたし、この作品を読めて良かったと思った。
また一つ、素敵な日本語を知れた。
Posted by ブクログ
とんでもない本を読んでしまった。もう辛くて悲しくて苦しくて、とにかく幸あれと祈りながら読みました。でも辛くて悲しいだけではなく、感動というか愛しいというか、市木かおりさん、どうか幸せになってとただただ思う。
Posted by ブクログ
最初と最後の柿。
心にくるものがある。
熟柿、そういうものが自分にあれば今までの事も何か救われたのではないか。と思わずにはいられない。主人公の人生もタクくんの小学入学式から熟柿だったよな。
私には子供はいないし、この先もいないけど、想像だけは人一倍できるので凄く泣けてしまった。お子さんいる方にはとても辛くなる本だよなと思う。
佐藤正午さん、初めて読んだが他の本も読みたくなるぐらい惹き込まれてしまった。
改めて小説家さん、凄いなと思った。
熟柿かー、日本語って深いな。
辞書入れようかな。
斉藤は許さねぇ!
Posted by ブクログ
最初は主人公の自業自得じゃん、と苦々しい気持ちで読んでいたのだけど、だんだんと一緒にがんばっている気持ちになってきて、一気に読んでしまった。
タイトルに秘められた意味が最後に明かされ、時機が来るのを待つってこういうことなのかと物語を通じて教えてもらったような、清々しい気分になった。
熟柿
『熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時機が来るのを待つこと』
Posted by ブクログ
本当に素晴らしかった。
久しぶりに良い作品に出会えました。
まるで自分が主人公になったかのように感情移入し、読み進めてしまいました。
人と人との縁は不思議なもので改めて縁とはすごいなとおもいました。
最後に熟柿の他の意味も知って私も日常生活でそうありたいと思いました。
本屋大賞選ばれてほしいです。
Posted by ブクログ
描写の繊細さ、各場面が対象にしている時間の密度が濃くて、言葉が絵として想起されつづける感覚が心地よかった。
ストーリー展開においても時間や変化、空間など広く使っていて、ファンタジーとかでもないリアル寄りな話なのに壮大さを感じた。
主人公が直接認識しているわけではないが、過去の主人公が経験した構図と近い構図が、その後の主人公の身の回りで起き、図らずも主人公が俯瞰しているように物語が進むときの心の変化が面白かった。(百崎さんの転職、鶴子の事件)
Posted by ブクログ
本当になんなのだこれは。どうしてこんなに引き込まれるんだろう。この作品の主人公とは性別も違うし、置かれている境遇もまったく違うのに、この人の心が痛いほどわかる。
ただただ我が子のために慎ましく、いつか再会できるかも知れないという一縷の望みを思い描いて生きている女性がどうしてこんなに端に端にと追いやられてしまうのだろうか。だんだんと人生の底の底へ向かう姿は途中からは見ていられないほど辛く、物語としては本末転倒だろうが、もうこのまま何も起きずに終わってほしいとすら思ってしまった。
そして、おそらく意図的にではあるが、物語のターニングポイントになるシーンはその場では詳細を明かさずに、後になって思い返す、というように表現されている。もちろん例外もあるけどね。
だから余計に主人公がそのときに受けた衝撃というか、最早取り返しのつかないことというのが強く私の中にも印象付けられて、これはもう這い上がることはできないのかもしれない……という絶望を主人公と共有した気持ちになった。
主人公はこれほどまでに排除されるべき人間だったのだろうか。決してそうは思わないんだけど、罪を犯すってそういうことなのかもしれない。
服役して刑期を終えれば形式的には償ったことにはなるだろうけど、それは生涯に渡って自身に絡みつく鎖として付きまとう。
話の本筋とは外れるかもしれないけど、たった一度の気の迷いで人生を棒に振ることだって往々にしてあるという事実を、そしてそういった人が歩む人生がどういうものになるのかをこの作品で目の当たりにした。
Posted by ブクログ
365ページ、一気読み!ずーっと胸が締め付けられて痛みを感じながら250ページあたりまで。辛かった!ラストは号泣してBOXティッシュ抱えながら、心から「良かったー!」。
お腹に赤ちゃんがいて幸福の絶頂の時、伯母の葬儀帰りの雨夜、老婆を轢いて死亡事故をおこしてしまったかおり。そこからの人生は平坦ではなかった。
事故は車を運転する限り誰にでも起こりうる。
読みながら他人事と思えず、本当に苦しかった。
佐藤正午さん、リアルすぎる、心理描写や会話の全てが。
ラストの親子の会話。
「市木さん」「田中くん」と呼び合う距離感。
息子のそっけない感じ。
絵に描いたような感動のシーンではないところが、
また泣かせるんだよなあ。
土井さんの優しさも良き。
そう、焦る必要なんかないんだな。
ゆっくりでも、いい。
と、言いつつ、超せっかちな私ですが。
Posted by ブクログ
佐藤正午さんの月の満ち欠けが良かったのでオーディブルで出たので聞き始める。
地味な小説、聞いていてしんどい小説、でもかおりの耐えて、耐えてまじめに生きているでも時々正気を失くして焦ってしまう。最後まで聞いてふわーと気持ちが穏やかになる。いい小説でした。
<書評より>
激しい雨の降る夜、眠る夫を乗せた車で老婆を撥ねたかおりは轢き逃げの罪に問われ、服役中に息子・拓を出産する。出所後息子に会いたいがあまり園児連れ去り事件を起こした彼女は、息子との接見を禁じられ、追われるように西へ西へと各地を流れてゆく。自らの罪を隠して生きる彼女にやがて、過去にまつわるある秘密が明かされる。
Posted by ブクログ
この小説のタイトルが熟柿なのが最後の方で腑に落ちる。この小説自体がまさにゆっくり熟していく柿のようでした。主人公のかおるさんの人生をずっと傍で昔から見ていたような感覚になり、どうか幸せになってほしいと切に願っていました。なんと言っても母の子への愛は底知れないものだ。飛び切りなハッピーエンドとかではなく地味だけど、これこそ人生だよなと思わせてくれる余韻のある終わり方。土居さんの温かい存在に本当に救われた。
個人的に晴子伯母さんがとても気になる…。晴子伯母さんの熟柿のシーンは、ゾクっとしてとても印象に残ったシーンです。表現がうまい!
Posted by ブクログ
轢逃げの罪を犯した母。
刑務所で産んだ息子に会うことを禁止され、孤独に暮らす母。
話にはこの母より悪い罪を犯したように見える人が何も出てきて、この母の罪とは一体何だったのか。と考えざるを得なかった。
引き込まれる文章ですぐに読み終わった。
Posted by ブクログ
あらすじを読んで、もっと重たく苦しい物語かと思っていました。
轢き逃げ事件を起こして、生まれたばかりの子供と引き離された主人公のかおり。
そんな過去を隠し、人目を気にしながら生活する日々。
最後にたどり着いた福岡で、ようやく友人達や自分のやりたい仕事にも恵まれた中、突然息子と再会することになったかおり。
思春期の息子の様子も、突然の再会に戸惑うかおりの様子もすごくリアルで、でもすごくよいシーンでした。
かおりの傍に、土居さんがいてくれて良かった。
おませな咲ちゃんの存在もすごく大きかった。
熟柿というタイトルにも納得でした。
Posted by ブクログ
「熟柿」と書いて、「ジュクシ」と読むらしい。
あまりにもシンプルで、美しい装丁。
調べてみたら、
やはりブックデザインは鈴木成一デザイン室だった。
『熟柿』佐藤正午
この直前に読んだ瀬尾まいこさんの『ありか』とは、
まるで対極にあるような重たさ。
けれど悲しいことに、こちらもまた現実で、
今の日本の一面なのだと思う。
人は犯罪者に厳しい。
それは当然のことでもある。
でも、たったひとつの過ちで、
人生はここまで転落してしまうのかと、
痛いほど思い知らされた。
✧
主人公のかおりは、ごく普通の主婦。
警察官の夫がいて、妊娠中でもある。
平凡だけれど穏やかな、幸せな人生のレールの上にいた。
けれど伯母の葬儀の帰り道、激しい雨の降る夜、
眠る夫を乗せた車で、かおりは高齢者を轢いてしまう。
そして、パニックのまま逃げてしまった。
『ありか』の親子と、『熟柿』の親子。
どちらも母と子の関係を描いているのに、
その落差があまりにも凄まじい。
服役中に出産し、息子をひと目見ることも叶わない。
仕事をしようにも、
「犯罪者」というレッテルがどこまでもついてまわる。
✧
何度も引き合いに出してしまうけれど、
『ありか』の周囲の人たちは、総じてあたたかかった。
それに比べて『熟柿』の登場人物たちは、基本的に自己本位だ。
親友の鶴子も、夫も、仕事先で出会う同僚も。
それでも読み終えて人間不信にならずにすむのは、
どこかで必ず味方になってくれる人が現れるから。
絶望しかないように見える場面にも、
かすかな光が差すからだと思う。
エンタメ小説ではなかなか味わえない、
心にゆっくり沈んでいくような重さと、
その奥に残る、かすかな救い。
読み終えてもしばらく気持ちを引きずる一冊でした。
Posted by ブクログ
どうしてあの時車から降りなかったのか
どうしてすぐに横にいる夫を起こして真実を話さなかったのか
まるで自分のことのように考えてしまう。
誰のせいなのかと言ったら、やっぱり自業自得なんだろうとは思う。特に被害者の立場で考えると。
それでも、同じ母親としてなのか、一歩間違えると誰にでも起こる出来事だからなのかわからないけれど、かおりの人生から目を離せなかった。
ずしりと心に残る1冊だった。
Posted by ブクログ
「熟柿」は、主人公の心の変化を象徴する作品だと感じた。作中では他人に連絡しようとしてはやめる場面が繰り返され、未熟さや他者との関係への恐れが描かれていたが、ラストでは自ら電話をかける行動に至り、時間と葛藤を経て一歩踏み出せる状態に「熟した」ことが示されているように思った。
一方で、主人公には同情できる部分と同時にどこか傲慢さも感じられ、完全に感情移入することはできなかった。そのため、少し距離を置いた立場から物語を眺めることになったが、むしろその距離感によって主人公を客観的に捉えることができたと感じる。ラストも明確な救いとは言い切れず、希望と不安が入り混じる余韻が印象に残る作品だった。
用事終わりにコメダ珈琲で読み終えた作品。その日はとてもいい1日だった。
Posted by ブクログ
シンプルなカバーに惹かれて購入。
主人公がずっと報われなくて痛々しかったり、馬鹿だなって思ったり。
1人の女性の人生を垣間見ているような気分にさせられる作品でした。
あぁよかった、この人の人生はこれからゆっくり明るい方に向かっていくのかなと思わせるラストで読後感がよかったです。
Posted by ブクログ
愚かだ。
確かに愚かな行動だし、間違った選択だし、取り返しのつかないことだ。
しかし、自分は絶対にこんな過ちは犯さない!っと言い切れるだろうか。そう思うと、とても恐ろしい。
一瞬で人生は、真っ暗闇に堕ちることができるのだ。
辛すぎる毎日、希望が少し見えようとしては、また突き落とされる。幸せなはずだった人生がこんなことになってしまうのか。
「熟柿」
なるほど。必要な時間というものが人生にはあるのだろう。物事がなされるために必要な時間。必要な期間。読者にとっても長かったけど、だからこその感動があった。
それにしても、酔っ払って、土砂降りの中、妊婦の妻に運転させる夫。そしてその後の言動。最低!!!最初のまだ何も起こっていない時から、気に入らないっと思っていたけど!
Posted by ブクログ
その子を産んだという事実だけで、人は会ったことのない、顔も知らない、声も性格も知らない誰かをここまで愛せるものなんだな。でもそれを変とも思わず、至極真っ当なことだと思えるから不思議だ。
でもたしかに、わたしは結婚もしていなくて子どももいないけど、それでも、今この世に姿も形もない、生まれてくる未来があるのかもわからない子どもに思いを馳せることってあるもんな。まだ見ぬわが子を思ってこの世界を憂いたり、まだ見ぬわが子を思ってぼんやりと未来を考えたりするもんな。今ここにいるから愛する、ではなく、自分に属するもの・属していたものを愛することって自然なことなのかもしれなくて、そう考えると主人公の愛はやっぱり当然の感情であるし、脱線するけどさらに言うと、子どもを産まない選択をするのもまた、わが子への限りない愛だとわたしは思っている
人が持つ愛情というものは、とことん不思議で説明がつかず、どうしようもなく人を煩わせるものなのに、それでもなぜかこの世界の核となり、人間の生の源となっている底抜けに豊かで尊いものだと心から思う
Posted by ブクログ
今日、交通事故で加害者になるか、安全に1日を終えられるかは紙一重だなと、毎日車の運転をする人間として思い改めることができた。
少し最後の方の展開が早くて、(人生何かあるときはいろいろ立て続けに起こるものかもしれないけど…)駆け足で終わってしまったようなところが勿体無いような気もした。
Posted by ブクログ
読んでて辛かった。涙なしには読めない話だったけど、一歩間違えれば自分にも同じことが起こるかもしれないと思って色んな意味で怖かった。最後は本当に良かった。希望が見えなくても自分にできることを自分のために続けてたら、来るべく時は熟した柿が落ちるように来るんだ。
Posted by ブクログ
普通に面白いんだけど…
子育て中の私には読むのが辛すぎて途中でリタイア。
もし自分が同じような立場になったらと怖くて怖くて、娘を抱いて寝ました。
元気な時に再チャレンジします。
Posted by ブクログ
辛すぎた…
不幸な人の視点で描かれる物語は読むのに体力を使う
主人公があまりにも可哀想で読むのが本当に苦しかった
一人称視点は感情移入しすぎてしまう
再読はできそうにない
どんな内容でもフィクションであれば他人事だと割り切れる人ならサラッと読めるのかもしれないが、感受性の豊かな人にはあまりお勧めできそうにない
不幸に引きずり込まれてしまうから…
私はイヤミスを好んで読み、ホラーを嗜み、皮肉な物語を苦笑しながら楽しむことができ、理不尽な出来事に翻弄される人々の物語をエンタメ感覚で手に取るようなごく普通の人間だ
不幸な主人公の物語も星の数ほど読んできた
大抵は面白かったという感想を抱く
しかし、時々どうしても受け付けない「不幸」な物語がある
本作はまさにそれだった
作品としては大変素晴らしいものだと感じる
読み応えもあるしリアルでもある
多くの人を感動させる物語だとも思う
しかし私にはしんどすぎた…感情移入しすぎてしまい、本当に苦しくて辛い気持ちになってしまった
主人公のような人生は絶対に歩みたくない
ただひたすら恐怖を感じる