あらすじ
激しい雨の降る夜、眠る夫を乗せた車で老婆を撥ねたかおりは轢き逃げの罪に問われ、服役中に息子を出産する。出所後、息子に会いたいあまり園児連れ去り事件を起こした彼女は息子との接見を禁じられ、追われるように西へ西へと各地を流れてゆく。
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Posted by ブクログ
読み終わったあと、いろいろな感情が自分の中に渦巻いていてどう書いていいかわからない。熟柿というタイトルも、まさにというか。この母親の語り口調文体も感情移入を誘うし、巡り合わせ、人生の流転も心震わせる。あのときこうしていれば、むしろこうしていなければ。人生はやり直しがきかなくて、いいことも悪いこともちょっとしたタイミングかもしれない。
Posted by ブクログ
物事にはタイミングというものがある。
ひき逃げ、その後の罪の意識、苦しみ、怒り。
様々な感情に左右され、ただ息子の為に生きたかおりだったが、16年目にしてようやく熟柿、そのタイミングが来た。
重苦しいストーリーだったが、最後に報われる形で終わって良かった。
Posted by ブクログ
ひき逃げ事件起こしてしまったひかりが、息子に逢いたいという思いをかかえながら、でも、会ってはいけないという想いにいたったところは良かったと思います。行く先々で出会った人がいい人ばかりではないけど、人の温かさを感じて気持ちの変化していくことができたところは良かったなぁと思います。タイトルの「熟柿」の意味は最後まで読まないと分からないです。とても素敵な意味が込められていました。みんな幸せになってほしいなぁと思いました。
Posted by ブクログ
タイトルの熟柿を普通に「じゅくがき」と読んでいた。何となく読み方を確かめるために調べたら、何と「じゅくし」と読み、さらに比喩的な意味があり、熟した柿が落ちるのを待つように、じっくりとタイミングをうかがって好機を待つこと。ということであった。
最後まで読み終えて、タイトルどおりの物語であった。主人公の強メンタルさに驚くとともに感銘を受けたし、まさに波瀾万丈な人生であり、これからの主人公を応援したいと思った。
Posted by ブクログ
爪に火をともすような日々を過ごし、離れ離れになった我が子の小学校入学式当日の母親の心境が身につまされた。
一度は幼稚園で警察沙汰になったが、どうしても我が子の晴れ姿が一目でいいから目に焼き付けたかっただけだったのは無理もない。
冷静に考えたらマズイ状況になるのは想像出来ただろうけど、我が子の成長だけが生き甲斐の母親としては、居ても立っても居られなかったのだろう。
その後は距離をとって、自身の人生をゆっくりではあるが立て直して行くのだが、一筋縄では行かないのがこの物語。転落と再生がじっくりと味わえました。
母親の大きな愛を感じられた傑作でした。
Posted by ブクログ
意図せず犯した罪。
償っても消えないものを抱えて生きる姿に、胸が苦しかった。
終盤、再会した息子との時間の後に、『熟柿』という題名の意味が沁みて、涙。
Posted by ブクログ
めっちゃ苦手な小説。
帯なし、情報なしで、読み始めた。
もう、重い、、辛い、、悲しくて、辛くて、もう、途中何度もギブアップしたくなる。
これがフィクションで物語だっては分かってるのに、もう、みてられないよぉ(っ ˃̣̣̥᷄︵˂̣̣̥᷅ )っ⁾⁾読んでられなかった。
最後まで読まないとすっきりしないし、作者がどう終わらせるのかも見どころなので、がんばって、読んだ。
これは、頑張らないと心が苦しくなる本、、。
濃くて濃くて辛いけど、最後大泣きさせてくれるかと思ったら、、
「拓-----!」
って叫んで欲しかったなぁ、、泣きたかったなぁ( ´⚰︎`°。)
捨てたんじゃ無いのところから、大泣きしました。
熟すくらい待つ。わたしも、思ったこと少し寝かせてみよう。
Posted by ブクログ
よい意味で、こんなに期待を裏切られた本はありません。
表紙も題名もどちらかというと地味。それなのに、読み始めたらあっという間に止まらなくなりました。
自分が主人公と同じ、母親という立場なので尚更かもしれませんが、やるせない気持ちになる場面が何度もありました。
題名にもなっている『熟柿』は作品最初に出てきますが、きちんと最後にも回収するかたちで出てきました。
なるほど、それでこの題名…
納得しました。
欲を言えば、主人公のこの先の物語も読みたいと思いました。
幸せを願います。
Posted by ブクログ
罪は罪としても
前半から辛く
一人称で読みながら、一方で罪を償い続けないといけなのでは?
そしてその答えが!
あらすじよりももっと没入する。最後に「熟柿」という意味が!
Posted by ブクログ
自分の中では本屋大賞2026のNo1でした。
重いテーマで他の本より圧倒してました。
気づけばGWに予定よりも早く完読していました。
お勧めしますね。絶対に。
佐藤省吾さんの本を追ってみたいなと思いました。
Posted by ブクログ
彼女の感じた理不尽や違和感に同調した。
轢き逃げは許されることではないし、罪も償った。
それでもその後の彼女の人生はあまりにも過酷。
運命の歯車を狂わされたというか、春子おばさんの呪いと思ってしまっても仕方ない。
死んだことにする。
それが拓の幸せ。
でも会いたい。
子を想う親の気持ちが交錯する。
ノートに認めてきたものは、離れても我が子への想いの強さを物語る。
その後の彼女の生きる原動力になっていたからこそ、九条さん親子それぞれとの再会のシーンが印象的だった。
九条さんママとの話の噛み合わなさの裏に隠された想いが切なすぎた。
九条さんも自分を介して起こった出来事を果たすこと。
こんな小さな女の子にも背負わせたもの。
冷酷さの中に人との繋がりの温かさがじんわりした。
Posted by ブクログ
本屋大賞2位納得、とても面白かったや
もう前半、まじで読むのがつらかった。
最後の最後、本当に救いがあってよかった。
最後の章の2人で歩いていくとこ、頭の中で凄く綺麗に映像化してた
あと最後の最後でタイトル回収、これも塩田さんの作品ぽくてとても好き
ただ一個、どうしても。。
フィクションなのはわかってるし当事者じゃないから分からんけども、旦那がまじで嫌い
いや、酒飲むなよ
いや、飲むなら寝るなよ
いや、もうちょっと対応あるやろ
みたいなことを読んでる最中、ずっと嫌悪感覚えてた
しかし著者の作品、結構追ってるけど1番重たい内容だった気がする。
Posted by ブクログ
自分の身に置き換えたらと思うととても怖い。
読みやすいのに読み応えがあった。
晴子叔母さんが実は良い人だった的な展開なのかなーと思ってたら違った。
Posted by ブクログ
熟柿、とは熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時期が来るのを待つこと。
よみ笑終わるとこの言葉のもつ意味とこの小説が結ばれる。
罪を犯した人の気持ち、子を思う母の気持ち、読んでいて苦しかった。辛くて読み進める事が出来なかった。
人それぞれに人生がある。
この小説は電車や人前では読まない方がいいと思う。
泣いてしまう。泣かずにはいられない。
Posted by ブクログ
日常のふとした隙間に潜む不運によって、平穏な生活が音を立てて崩れ去る恐怖に、終始胸が締め付けられる思いでした。誰の身にも起こりうる「一瞬の過ち」が、取り返しのつかない悲劇へと繋がっていく。その抗いようのない不条理さを突きつけられ、自分自身の日常の脆さを再確認せずにはいられません。
特に心に刺さったのは、自らの罪に向き合い、懸命に人生を立て直そうとする人を、周囲の冷酷な視線や攻撃が追い詰めていく描写です。たとえ過ちがあったとしても、再起を願う心や働く権利までもが踏みにじられる社会の不寛容さには、強い憤りを感じます。救いのない孤独の中で、一筋の光さえ許されないのかと、やるせなさが募りました。
しかし、物語の終盤で差し込むわずかな交流の光に、読み手である私も救われた心地がします。すべてを失ったかのように思える絶望の果てで、本当の意味で寄り添ってくれる存在の尊さが深く心に響きました。社会の厳しさと、その先にある微かな希望を静かに見つめ直させてくれる、心に深く残る一冊です。
Posted by ブクログ
もう少しで子が産まれるというところで、ひき逃げ犯になり、獄中で子供を産むことになってしまった主人公の半生を綴った作品。
「嫌われ松子の一生」みたいな救いのない話だったら辛いなと思いながらも、読むのを止められず、昨夜は明け方まで読みふけってしまいました。
主人公が、同じく孤独な人生を送った伯母のようにならなかったのは、我が子という他者のために生きたからではないでしょうか。我が子を思う気持ちがあるからこそ、何度どん底に落とされても這い上がってこられた。
Posted by ブクログ
まずは──とりあえずハッピーエンドというか、明るい感じで終わって良かった…。めっちゃ重かったーー。
正直に言うと、読めば読むほど暗い気持ちになっていく話で、読んでいてずっっとしんどかった。しかも、ちょっと良いことが起きて(希望が見えて)はダメになる、の繰り返しという、ずーっと上手く行かないより心が折れる展開が続くので、心理的にクる。
具体的な内容に関しては、「母親も1人の、迷って悩んでもがく人間なのだ」ということはよく分かった。一方で、未婚・子なし・運転免許なしの、事件当時のかおりより若い私には、かおりのことを想像するにも限界があり、いつまでもうじうじした思考で情緒不安定なかおりに、共感どころか鬱陶しさや苛立ちを感じることがとても多かった。
また、「前科もち」というその一点において、悪質で殺意のあった凶悪殺人事件の犯人かの如く、出所後の行く先々で理不尽が続くので、「なんでたかが轢き逃げの、しかも事故で?」と思ってしまった自分がいたが、そうやって無意識に犯罪や命に優劣をつけてしまっていることに気がついてぞっとした。とはいえ、今回のかおりのケースは何とも言い難いのだが…。
あとは、出てくる人たちに(勿論良い人もいるが)かなり嫌な人が多く、(その人たちが所謂“世間”を表していると言えばそうなのだが)特に友人鶴子、元夫、パチンコ店時代の斎藤が最悪だった。この後者2人に関しては、どうしても勧善懲悪的な展開を期待してしまったし、最期までざまぁ展開がなかったため、読後の今もモヤモヤしている。
確かに轢き逃げは良くないが、この3人が「人を(事故でも何でも)殺していないだけ」で野放しなのは、どうしても解せない。結局、世の中は上手く立ち回った者勝ちな世界なのだろうか。
私は、かおりの生き方は不器用だと思うが、ここまでの扱いを受けて当然とも思えない。結論は出ないが、色々なものを見つめ直すきっかけになる本だったと思う。
Posted by ブクログ
【熟柿】熟した柿が自然に落ちるのを待つように、焦らずに良い時機(チャンス)を待つこと
焦らずに待ったから16年越しに息子に会えたし、焦ってしまったから幼稚園付近でパトカーに連行されてしまった
あの時焦らず待っていたら咲ちゃんは田中拓くんを連れてきてくれただろうし、息子が言うようにもしかしたら旦那に許される世界線もあったのかもしれないね
でも旦那クソでは?
Posted by ブクログ
ストーリーは轢き逃げ事件起こして………………
刑務所中で出産→離婚→再び事件沙汰。。。
そして西へ西へと各地を転々と………………
誰でも事故を起こす可能性はあります。
時にはこの主人公みたいに間違った判断して後悔も
全ては自己責任!自己判断!『後悔先に立たず』
取り返しがつかない事もあるやろうけど………………
そこから、どうやって生きていくか?????
刑務所出ても償えたわけじゃないよね。。。
それも含めて………………でも何か愉しみ見つけて!
中々ムズイ問題提起してくれる1冊でした(^^)v
Posted by ブクログ
どんよりとした重たいラブストーリーを読んだかのようでした。
ただただ息子、拓への恋慕を募らせていく。
それは苦しくて、悲しくて、実ることはない。
けれどこれは決してラブストーリーではない。
轢き逃げという最低な犯罪歴が根底にあり、市木かおりの尊厳を静かに削っていく。
それが生涯続くのかと思ったら、ラストは希望がある流れでよかった。
2人の再会のシーンは泣けました。
主人公が「拓」と息子に名前を呼べて嬉しかった。
今後の親子の行方も見たいと思いました。
Posted by ブクログ
最近の傾向であるけど、後半に行くにつれて面白くなっていく!
罪を犯したあとの人生って想像もしたことなかったけど、当たり前が崩れていく感じがせつない
最後の「焦らなくていい、いつまでも待ってる」に救われた
Posted by ブクログ
audibleにて。まさに自分と同世代の女性の話で、自分がこうだったらと考えると読むのが辛くて途中でやめたくなった…
結果読んでよかった。不器用な女性と思うが、一生懸命生きていく先に人とのつながりが生まれてくる。
Posted by ブクログ
ず〜っと重たくて、幸せになってはいけない空気が漂い続ける小説
たった一度の選択ミスで人生が一転してしまう
「正しくあること」の意味も考えさせられた
取り返しのつかないことを抱えたままでそれでも生きていかなければならない時、転々としながらも自分のためというより誰かのために慎ましい暮らしを重ねる日々
心の中でいつも語りかけ、紙にしたため、自分を保つ様子
常に真実が明るみになるのに怯えながら粛々と働く姿勢
長い時間をかけて、人との出会いもあり、やっと最後に少しだけ一歩進めそうな気配で終われて救われた
Posted by ブクログ
轢き逃げを発端に、市木さん自身、そして周囲の人たちの弱さや身勝手さ、その理不尽さが淡々と描かれており、終始苦しい。
帯に書いてあったような、「迫力」や「震え」、「美しい文章」といったものは感じられなかったけれど(想像力が足りてないのかも)、現実に起こりうるのは、大袈裟でも感動的でもない、この物語のような出来事なのかも…?
特に印象に残ったのは、市木さんが「強い」と言われる場面。歯を食いしばって耐え、強くならざるをえなかった人に対して、相手の背景や積み重ねを慮ることもせず、「強いね!」という言葉を投げられる鶴子は、あまりに想像力が欠けておりかなり呆れた。同時に、現実にもこのような人はいるし、自分もそうなっていないだろうか…とも。
全体的にサクサク読めるが、登場人物が多く、それぞれの人物像や出来事を十分に掴みきれない部分もあった。晴子叔母さんや刑務所の中国人女性の描写が何を意味していたのか理解しきれず。久住呂さんの親切さもやや唐突だし、拓くんの感情も、あまり見えてこなかったように思う。
Posted by ブクログ
前科者となってしまった母親が、生き別れの息子のために様々な土地、様々な職種を転々とするロードムービー的な面白さがあった。
強かに生きる主人公に共感できるため、裏切られたときは共に怒り、助けてくれる人や心の支えとなる仲間の存在は心強い思いがした。
総じてNHKのドキュメンタリーを観ているような心持で読み終えた。
ただし、結末は中途半端なところで終わってしまった感は否めず、どんでん返しも感動のシーンも特になくあっさり終わってしまった。
あと瑣末ながら、大阪のパチンコ屋時代の場面で下記の点が腑に落ちなかった。
・同僚に銀行口座のお金を盗られたとき、なぜ真っ先に警察に行かないのか?
・そもそもロッカーの4桁の暗証番号を息子の誕生日に設定することや、息子に宛てたメッセージを書くノートも部屋に放置するのは不注意すぎないか?
(信頼できない同居人がいるなら尚更)
Posted by ブクログ
変わり者で親戚から嫌われ者の晴子おばさんの葬儀からこの物語は始まります。
主人公の「かおり」が、もうすぐ出産を控えたごく平凡な家庭の妻であることや、晴子おばさんと柿のエピソードなどがこの物語のつかみとして描かれています。
そして、その帰り「かおり」は、ひき逃げ事件を起こしてしまい、服役することになりこの物語が動き出します。
どこにでもいそうな主婦であった主人公が、一転、前科者としてハードモードの人生、そんな中で刑務所の中で出産したわが子への思いが刺さりました。
ただ、帯に書かれているような書評家さんたちの言葉ほど衝撃的な感動はなかったかな。
読み始めの期待が大きすぎて、評価は☆3と控えめにしました。
もっと、「かおり」の元夫や子とのからみが読んでみたかったかな。
「かおり」以外の登場人物の魅力が今一つなのが残念ポイントです。
Posted by ブクログ
主人公視点の日々から醸成される情緒が心地良く、物語に引き込まれた。後半に大きな展開や仕掛けを期待していた分、思いのほか穏やかな着地で、これはこれで余韻を深くしているのかなと感じた。