熟柿

熟柿

小説・文芸
2,035円 (税込)

10pt

激しい雨の降る夜、眠る夫を乗せた車で老婆を撥ねたかおりは轢き逃げの罪に問われ、服役中に息子を出産する。出所後、息子に会いたいあまり園児連れ去り事件を起こした彼女は息子との接見を禁じられ、追われるように西へ西へと各地を流れてゆく。

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熟柿 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    忘れられない作品。元旦那が利己的で本当に許せない、、!鶴子もノンデリすぎる。力づくで人生を進める主人公には本当に幸せになってほしい。主人公は年を重ねるごとに晴子叔母さんに近づいているような気がして、晴子叔母さんの実態は親戚が思うようなものではなかったことを表しているのかもしれない。続編はないだろうけど、その後の皆さんの人生が気になる。最後に「熟柿」の意味が変わったところでこの物語の印象が大きく変わった。

    0
    2026年10月25日

    Posted by ブクログ

    主人公のかおりの罪は、誰にでも起こりうるような過ちというか。身近ではあり得ない、小説やドラマの世界という客観視できるようなものではなくて、日々運転する私にとって、身の引き締まる思いで読み進めた。雨の夜、運転中に電話がなる、思わず手にとるようなこともある。集中が途切れる時はある。
    かおりは、その後もそんなに大きく間違ったことはしてないのに、なぜか悪い方へ悪い方へ…。つらい。特に、大阪で金を盗んだ斉藤さんが一番許せない!
    なんとか、幸せになってほしい、怯えず笑顔で過ごす日が来ないかとずっと祈ってた。ラストで、斉藤よりも悪いやつが判明した!かおりの悔しさ、奪われた人生を思うと、なんとかして、この2人には天罰を!と願ったが、もちろんそこはなく。ただ、息子の拓とのつながりが見え、土居さんとの明るい未来を感じられたラストだった。描写や会話がとてもリアルで、上手に表現するなぁと感心しながら読んだ。

    0
    2026年10月24日

    Posted by ブクログ

    人との関係で、答えを急いでしまうことがある。相手にも相手の時間があると、頭ではわかっているのに。そんなもどかしさを知る人に、手渡したくなる一冊でした。

    雨の夜、轢き逃げを起こしたかおり。服役中に産んだ息子と離れ、各地で働きながら生きる年月が描かれます。

    静かな文章なのに、読む手が止まらない。息子に会いたいあまり危うい行動に出る彼女には、「そこで踏み止まって」と何度も思いました。それでも、働き、暮らし、息子を思い続ける姿を追ううちに、彼女の幸せを願っている自分がいました。

    「時が熟すのを待つ」という言葉も、その年月を読んだ後だからこそ沁みます。いつ願いが叶うかもわからないまま、目の前の生活を続ける。待つことには、こんな強さもあるのだと感じました。

    終盤の静かな光に、読み手の私もようやく息をつけました。ただ、救いが訪れても、罪や失われたものが消えるわけではない。安堵の中に、償いとは何かという問いが残ります。

    短い言葉で知るだけでは届かなかった感情が、読み続けた先にありました。かおりと時間を過ごすうちに、自分の気持ちも変わっていく。小説を読む豊かさを、改めて感じた作品です。

    0
    2026年10月23日

    Posted by ブクログ

    長い長いこれからも続くであろう物語
    「熟柿」という題名が
    最後の最後にしっくりきた

    人は1度罪を犯してしまうと
    本当にこんな人生を歩まなければ
    ならなくなるのか?

    取り返しのつかない
    あの日に戻れたら…
    と思う人は
    この世の中に
    たくさんいるんだろうなと思わされた

    ニュースで短絡的な事件を
    耳にする度に
    「あぁー
    なんでそんな事しちゃったんだろうな…」
    と、この本を読んだら
    その人の人生を思わずにはいられない
    そんな物語でした



    0
    2026年10月19日

    Posted by ブクログ

    クソおもしろい。
    ずーーーっと苦しい。
    ずーーーーーっと。

    大きな塊を抱えて生きてる感じ。
    ギリギリ壊れてるくらいの精神の表現。
    どこかずれている会話のなんとも言えない怖さ。
    決して戻らない時間、人生。

    たぶん誰もが経験したことのある、あの嫌な感覚を、
    取り返しのつかないことに対するあの嫌な感覚を100倍に濃縮したような物語。

    この方向に感情を動かされたか、と何とも言えない読後感。
    読書っていいね。

    0
    2026年10月16日

    Posted by ブクログ

    とてもよかった
    わが子への思いが強すぎるあまり非難されることもあったが、息子の存在が生きる希望になっていたからこそ真っ当に生き、最後自分の手で希望を掴めたのだと思った

    0
    2026年10月12日

    Posted by ブクログ

    妊娠中の人身事故をきっかけに転落する人生の話。
    主人公の目線での物語り。

    とても暗く、救いもない。
    そんな日常を淡々と生きてる、贖罪の念に囚われて抑圧し続けている、でも生き別れた息子に対して抑えきれな想いがあって傍目から見ると暴走してしまう。

    そうなるだろって冷めた目で見ることもできるだろうな、でも息子だけが彼女の人生の確かな光だった。
    溺れる者が藁をも掴もうと、必死に足掻いてるさまを笑える人なんて本当はいないんじゃないだろうか。

    僕は男性だけど、母親の気持ちが痛いほど伝わって苦しかったなぁ...

    出口のみえない陰鬱な日々にも救いはあった、手は差し伸べられたし、その手を取りにもいった。
    時機はやがて巡って、彼女も心穏やかに生きられる時が来るといいな。

    0
    2026年10月12日

    Posted by ブクログ

    冒頭が村田沙耶香さんの小説のようなエキセントリックな話に?と誘導してからの…我が子を想う母の一途さの切ない話に展開しました。
    不憫な状況が続き相当無理してメンタルがキツめだけど腐らずヤケを起こさず自分には我が子がいるという想いだけで自らを鼓舞して淡々と社会生活を送るかおりさんの強さに好感を持ちました。
    とくに最後の辺りが好き最高でした。

    0
    2026年10月10日

    Posted by ブクログ

    ずっと読みたくてようやく。
    でも読み出してびっくり、めちゃくちゃ重い。
    主人公はひき逃げをしてしまい、服役中に子を出産。でも離婚をし子とも会えなくなり、一目見たいと子に会いに行き、連れ去り事件をも引き起こしてしまう。

    頑張っても、罪を償っても、罪は一生残る。
    頑張っててもお金は盗まれるし、回りからは罪を起こした人として厄介払いされるし、読んでてとても辛かった。ふと考えた。私の職場が例えば新しい人を採用したとして、その人に犯罪歴があったとしたら、採用を取り消すのだろうか。もはや試験期間中に気づいたとしたら、その人はもう雇わないという選択になるのだろうか。でもそれだと、その人はもう一生普通には暮らせないのだろうか。
    子どもに会いたい、でも会えない。犯罪者の子どもにはなって欲しくない、でも少しでもいいから、遠くからでも見たい。切なさとやるせなさが伝わって辛かった。私は夫と離婚してよかったと思うよ。
    主人公は確かに悪いけど、夫もずるいと思う。
    全部全部1人に押し付けるなって思うし、でも子どもの事を言われるとなんとも言えない。でも逆に捉えると、子どものことを出してくるのはずるいと思う。最後息子は会いたいと言ってくれて希望ある終わり方も見えたわけだけど、でもおそらく、これからだ。
    これからいろんなことが息子にも、主人公にも、試練がのしかかってくる。

    東野圭吾の手紙、という本を思い出した。

    熟柿、か。
    とても渋くて食べれなかった柿が時間を置くことで甘く実り、渋みが抜けて食べやすくなること。
    熟すまで時間はかかるけど、時間が経つことできっと甘くなる。生きてさえいればきっといいことがある。そう思えた1冊。

    0
    2026年10月24日

    Posted by ブクログ

    交通事故ひき逃げを起こしてしまった妊娠中の女が刑務所に入り、出産し、我が子と別れ、夫とも離婚され、職を転々とする話。
    岐阜、大阪、九州などいろいろなところで旅館の仕事、パチンコ屋、介護士など様々な仕事をしていく。
    最後には刑務所で出産をしてから会っていない。16歳の息子と再会することができ、母とこのつながり、会話、心の変化などが描かれていた。
    一度刑務所に入ってしまうと、身内からも見捨てられ職を転々とし、生きていくのは大変なのだろうか不可抗力とは言え、交通事故で人を知らせてしまうと、犯罪者としてのレッテルは一生続くのだろうか

    0
    2026年10月24日

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