佐藤正午のレビュー一覧

  • 熟柿

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    本の雑誌で2025年上半期ベスト10の1位に選ばれていたので、購入。
    著者の名は本屋で目にしていたが、初挑戦。
    人付き合いの悪かった晴子伯母の葬儀から小説は始まる。この晴子伯母の半生を語る物語かと思ったが、違った。

    主人公の女性、生んだ時に一目見た息子と再開するまでの長い時間。こんなことって有り得るのかなとか考えるけど、何とも判らない。
    なんの予告も無く、クライマックスは訪れる。主人公も読者も予想してたシーンじゃないかも知れない。それでもクライマックスだった。
    (引用)
    ふざけるな、とわたしは思った。
    「捨てたんじゃない」
    わたしはそう言って立ち上がり、息子に向かい合ってますぐに目を見た。

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    2025年12月02日
  • 月の満ち欠け

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    積読本解消。小山内堅15年前妻娘を交通事故死で地元八戸に。大手ゼネコン勤務三角哲彦34年前学生時代主婦正木瑠璃との恋物語と27才での事故死、夫正木竜之介は再就職先社長娘7才のぞみが妻の生まれ変わりと疑う、小山内瑠璃の親友緑坂ゆいの娘るりは自分は瑠璃の生まれ変わりだと主張し小山内と会う。7才上弦の月にはスピチュアルななにかが?ダライ・ラマ14世チベット仏教最高指導者はこれからも後継は生まれ変わりで決定とか。第157回直木賞受賞、映画化も

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    2025年08月25日
  • 月の満ち欠け

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    終わり方がすごく良かった。
    生まれ変わりとかは信じられないけど、前世から引き継ぐ何か(直感とか断片的な記憶やその場所や人に対する印象とか)って、あるんじゃないかなと思った。

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    2025年08月25日
  • 鳩の撃退法 上

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    佐藤正午の小説、大好き。
    会話が多くて読みやすいけれど、そこはかとなく違和感が漂うこの感じ、独特でたまらない。

    なんとなく物語の全体像が見えたところで上巻は終わったけれど、佐藤正午だけに、下巻ではそれぞれのピースが繋がっておしまい!
    とは、ならないだろうから期待が高まる。

    津田はなぜここまで詳細に小説が書けるんだろう。
    この理由も明らかになるんだろうか。むずむずする。

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    2025年08月08日
  • 冬に子供が生まれる

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    おもしろかった
    と同時に訳のわからない本だなとも思った。

    結局、何が起こったのかはっきりと買いてはいないし、数学の先生はどうして杉森さんに執着していたのか分からないし、亡くなったライターの娘さんも何を求めていたのかわからない。
    という、主要でない登場人物のことも気になるし。

    主人公レベルのマルセイとマルユウに何が起きたのかも想像するしかないし、マルセイが倒した悪がなんだったのかもぼんやりとしかわからない。
    でも私はそういった箇所を自分の頭で穴埋めしながら、想像しながら読むのが楽しかった。
    想像する余地がたくさんあることでこの作品はより一層面白いものとなっているし、その余白が好きではない人に

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    2025年07月20日
  • 月の満ち欠け

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    輪廻転生を繰り返す瑠璃という女性。
    全ては一人の男性ともう一度出会うため。
    これだけ見ると、とてもロマンチックな印象を受けるが、
    読んでいて、果たしてこの再会は幸せなのだろうかと感じたのも正直な意見。

    後半で明らかになる小山内の悟った真実。
    これもまた、待ち受けるのは本当に幸福なのか?
    苦しみでしかないのではないかとそんな風にも思った。
    自分だったら、いつか壊れてしまうのではないかと
    そんな風に思い、ゾッとしてしまった。

    そう、そんなことを佐藤正午は全て理解した上で、
    この物語を我々に突きつけているのではないだろうか。
    この数奇なる愛の軌跡をどう受け止めるか。
    読んだ我々は試されているので

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    2025年06月25日
  • アンダーリポート/ブルー

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    15年前に起きた事件について、紐解いていく話。
    そう、単純に書けばそういう内容なのだが、
    そんな単純な物語なわけではなく。
    色々な情念が渦巻く内容となっている。
    人と人の出会いについて。
    確かに人と出会わなければ不幸になる可能性は低い。
    それがどうにも切なく、そして哀愁を漂わせていた。
    衝撃的な後日譚でもまたしかり。

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    2025年06月24日
  • Y

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    まさかタイムリープものじゃないよね、って思ってたらがっつりタイムリープものだった
    でも描き方が独特で佐藤節全開で面白かった

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    2025年06月01日
  • 鳩の撃退法 下

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    愚かなことに、ずっと「鳩の上撃退法」というタイトルの本だと思っていたが、ある日、「鳩の撃退法(上下)」だということに気づいた。正しいタイトルがわかったところで、何の話なのか全く想像がつかなかった。読んでみて、下巻の途中で初めてわかった。

    伏線が張り巡らされ、ストーリーが複雑に絡み合っていて(読者の前に最初に投げ出される謎だけでも何個あるだろうか、というくらい)、途中から読む手が止められなくなるくらい、物語の推進力がある。
    要は面白い本だったのだけど…とにかく語り手たる主人公がいけすかない。主人公の周りの人の発言を読むに、いけすかない人物として扱われているのが明白なので、あえてこういう人物像に

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    2025年05月25日
  • 月の満ち欠け

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    ネタバレ

    さすがの直木賞受賞作品ですね。

    前の人生の記憶を持って何度もヒロインが生まれ変わるというファンタジー設定です。
    ですが、「同様の生まれ変わりの事例は世界中にいくつもある」「生まれ変わりについて研究された本も何冊も出ている」という作中で当然のようにさりげなく入ってくるこれらの内容により、本当にある話としての緊張感が保たれます(気になって調べましたが、そんな本は出ていませんでした)。

    また、ヒロインと三角の出会いの場面で、雨に濡れたヒロインに、ハンカチがないので着替えのTシャツを渡すという変な出会いをします。この微妙に変な違和感が、ラストで泣いているヒロインに三角がハンカチを渡すという形で解消

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    2025年05月18日
  • 月の満ち欠け

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    ネタバレ

    4人のるりが生まれ変わりをして記憶を持つ話。最初のるりが、本当に三角が好きで、強い思いは前世に受け継がれる、みたいなかんじかな?記憶も色々と受け継がれているけれど。でも三角と会って緑坂るりちゃんはどうするんだろう?相手は、おじいちゃんくらいの歳の人だよ。。最後のるりちゃんはるりちゃんとして人生歩んで欲しいなと。

    自分が死んで他の人に生まれ変わったらどうしようって思った。夫を探すかな?でも自分の母親とくっつけるとかはいろいろきついから、猫になって近づいて一緒に暮らして数年でまた死にたいね。それで成仏しますわ。

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    2025年05月03日
  • 冬に子供が生まれる

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    この小説はミステリーでもあり
    SFでもあり一つの長い人生の記憶でもある。
    マルセイとマルユウの交差した人生は
    人の記憶の曖昧さと、この世の不思議
    を同じく交差させた人生だった。
    人生全てがifの世界であり、人はいつも
    その事を考えずにはいられない。
    肉体は無くなっても魂は何処かにあると
    信じたい。

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    2025年05月02日
  • 月の満ち欠け

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    ネタバレ

    "生まれ変わっても会いたい"
    それだけ人を愛せたら幸せだろうなぁ、と思った。
    ……かもしれない。高校生くらいの若かりし頃の私ならば。笑。

    そもそもの哲彦と瑠璃の関係も大学生と人妻。
    その後の生まれ変わりの瑠璃達だっていい歳した大人と未成年。おじさんと子供。下手したらおじいちゃんと子供。でしょう?
    再会してその後幸せな想像が私には出来ない。
    男と女として向かい合うには無理があるし、家族にはなれない。

    私には産まれたばかりの娘がいるから、自分の娘が「前世で恋人だった人と再会するために生まれてきた」とか言い出してわき目も振らず知らない男を一心に探し求め出したらどうすればいいの

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    2025年04月08日
  • 月の満ち欠け

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    ネタバレ

    おすすめされたので、手に取ってみた本。

    時系列がバラバラしてイマイチ掴みにくいが、先に映画を観ていたのでなんとなく整理できながら読めた。
    前世の恋人に会いたいために転生を続ける瑠璃。この子の情熱も凄いが、小さい子が会いにきて待っていたと言える哲彦くんもなかなか。愛って一歩間違えたら執念なのに、綺麗に纏めてるなぁ。

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    2025年03月24日
  • 正午派2025

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    実は佐藤正午の本は一冊も読んだことはなかったのに、ひょんなことから買ってしまい読む羽目になった。読み始めた当初は、はっきり言って嫌いだった。もしかしたら自分に似ていたからかもしれない。一人称が鼻につくし、女にええ加減な男。しかし、もし同世代の時に読んでいたらハマっていたかもしれないとも思った。おこがましいが歳を重ねるにつれて文章も鼻につかなくなり、まぁまぁおもろいやんとも思ってきた(すんませんえらそうに)。だからと言って、最近の彼の作品を読むかどうかはまだわからない(すんません上から目線で)。

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    2025年02月28日
  • 冬に子供が生まれる

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    佐藤正午のお話は、純文学とミステリーの間くらいにいつも感じます。ちょっと不思議不合理。けれど純文学よりは腑に落ちる
    要はこれもどんどん読み進めてしまいました

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    2025年02月22日
  • 冬に子供が生まれる

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    ネタバレ

    マルセイとマルユウという親友が事故により人生が変わっていく。いろんな視点で話が展開し、パラレルワールド?みたいなSF感もでて最後はよく分からない感じだった。わかる人教えて

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    2025年02月15日
  • リボルバー

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    拳銃を拾った高校生が殴られた復讐のために
    遠く北海道まで旅をするお話でした
    その高校生を追う二人がいたり、別な目的の
    二人もまた北海道を目指していたり
    主に3視点で語られた
    そして終盤の展開とエピローグまで
    楽しめました

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    2025年01月19日
  • 冬に子供が生まれる

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    ネタバレ

    「今年の冬、彼女はおまえの子供を産む」
    こんな気になるオープニング、この始まりで充分星5つ、そのまま一気読み。

    最後まで読んで、、、期待した着地とは結構違って、最後の方は星3つくらい。
    うーん、先生がこんなに前面に出なきゃダメ??
    私は、4人の同級生たちの物語をもっと読みたかったよーーー。
    まぁ、こんな本もあり、でもちろんいいんだけどね。
    (いや、でも未消化、、、、)

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    2024年12月25日
  • 冬に子供が生まれる

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    そんなに佐藤正午さんの作品をたくさん読んでいるわけではないけど、きっとこれが佐藤正午ワールドなんだろうなぁと感じた。
    心がざわつくような、煙に巻かれているようなところから、読み進めていくうちに少しずつ登場人物の思いや状況の解像度が上がっていく感じ。
    私たちは、家族とか近しい人みんなと必ずしもお互いに解りあえるわけじゃない。
    かといって一人で生きていけるわけでもない。
    そんな私たちに、しんどいけどしょうがないよね、やっていくしかないよねって言いながらそばにいてくれる、そんな一冊だと感じた。

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    2024年11月28日