佐藤正午のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
好きな作家のひとりである佐藤正午の第一随筆集。現在64歳のベテラン作家の30歳半ば〜40歳〈1989年〜2000年〉の頃の身辺雑記『小説家の四季』には、著者の等身大の日常がユーモラスに綴られている。
僕は随筆しかり小説しかり、話の本筋にはさほど重要でない 、その当時の世俗や流行や余談の下りに遭遇すると、ついつい関心はそちらに向かってしまう癖がある。あたかも見るとはなしに見た昔の月9の再放送の中のひとつのシーンを通じて当時の自身のことが数珠つなぎで想起されるように。本書にも、ワープロ・パソコン通信・モデム・ニフティー、自社さ連立政権や2000年問題…など「懐かしッ!」の連続だった。
ちなみに -
Posted by ブクログ
「何してるのだれからだれ出かけるのどこへ。いいかげんにしてくれよ朝っぱらから。クエスチョンマークで頭のなかを引っ掻かれてるみたいだ」
『そのころ自分の脚を使って歩くのは子供とまだ生き足りない老人だけのように思えた。ぼくたちの眼は車の中から、若い女の顔しか捜さなかったし、ぼくたちの頭には、彼女たちのからだのふくらみやくぼみのことしかなかった。たぶん当時のぼくたちの世界には、子供とまだ生き足りない老人と、そして若い女と男だけしか存在しなかったのである。世界は狭く、ルールは単純だった。寝るか寝ないか、当りかはずれか、生きているか死んでいるか。』
『どんな恋愛も男次第だよ、と叔母は言った。覚えとき -
購入済み
どこまでホント?!
作家が巻き込まれた事件を小説にしていく過程を描いた斬新な構成。
どうでもいいようなことがつらつら描写してある箇所が多いのだけど、それがまたリアリティがあって、本当に起こったことのように思えて読み進んでしまう。
登場人物も案外多くて途中くじけそうになりましたが、最後にはちゃんと伏線も回収されるので、登山した気分になれた一冊(上下あって結構長いので二冊?)でした。
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Posted by ブクログ
すべてメールでやり取りされるインタビュー集。
相手は現役バリバリの作家、性格は偏屈な気性。
表情が読み取れないから、
聞き手は正しく理解される以前に
誤解を生まない文章に仕立てなければならない。
そう、普通はそう考える。
一巻目に登場する聞き手の伊藤ことこ嬢は、豈図らんや、
大胆というか、分をわきまえないというか、
無知の知を逆手に取ったかのように
のっけからトンチンカンな質問を繰り出し
早々にして作家を激怒させてしまう。
佐藤正午は3回目の返信にあたり、
「件名:喧嘩うってるのか」と回答。
激怒を通り越し呆れたのか、
「ここからは編集部にむけて書きます」
「……こんなことをへいきでやる人