佐藤正午のレビュー一覧

  • 象を洗う
    前作「ありのすさび」が好評だったようで、エッセイ第二作。良かったですね。
    相変わらず淡々としていて面白い。また、あとがきにもちらほら見られるように、こういう飄々とした人を食った文体は結構敵を生みやすいようだ(笑)
    俺は好きです。短編も読めます。
  • スペインの雨
    佐藤正午の短編って、小説家とそのある友人の話しか殆ど読んだことなかったので、ちょっと毛色の違う「いつもの朝に」とか「クラスメート」が新鮮でした
  • ありのすさび
    面白かった。脱力系、っていうのとはちょっと違う、肩の力の抜けた軟投派エッセイ集。
    才能のある焼き鳥屋の話がユーモアに溢れ、面白かった。
    パスタを実際に作って食べてみたら絶品。
  • 永遠の1/2
    ずいぶん昔に書かれた本とは知らず、買ってしまったのだが・・面白い。野球好きで、競輪好きならもっとよかったのに!同じ時代を生きてる作家と、共鳴できる作品。
    それにしても、自分そっくりの人が存在していて、その人のために、事件に巻き込まれたとしたら・・私も・・同じように動くだろうなぁ・・
    この主人公・・ほ...続きを読む
  • 小説の読み書き
    夏目、芥川、太宰、三島など近代日本文学の層々たる大家の名作を読みほぐし、文体を細かく分析。何気ない一文に徹底的に拘り、なぜ作者がそう書く必然性があったのか、どこに推敲の後が見受けられるかをユーモアたっぷりに解き明かす小説読本。

  • 小説の読み書き
    「無頼という言葉の対義語は何かといえば、それは独身である。」

    小説家っていうのはこういうふうに他の作家の小説を読むのかぁ…!選ばれた言葉、文体、表記について、言われてみればなるほど確かに!な指摘ばかり。ときどき吹き出しつつ、著者を含む「文芸」する人たちへの敬意を新たにした。ぜひこの評論は続刊を出し...続きを読む
  • 小説の読み書き
    山本昌代か誰かが書評で褒めてたのを見て購入。実際面白かった。扱われている作品はどれも有名で、読んだことのある(そして既に忘れてる)ものが多かったのだが、なるほどなるほどと思いながら読んだ。小説の内容よりも形式に注目しての読みというものをここまで分かりやすく、面白く書くことはなかなか容易ではないと思う...続きを読む
  • 月の満ち欠け
    前世の恋人に会うために、何度も生まれ変わる。
    それって幸せなのだろうか?
    恋人はどんどん年を取っていくけど、自分はどんどん若返る。年齢差がつけばつくほど、世間の目はロリコンの幼児性愛者とみる。
    7才くらいで前世の記憶を取り戻す。けれど、その子の人生って何?前世の恋人に会うためだけに生まれてきたの?と...続きを読む
  • 冬に子供が生まれる
    読み終わったあと、なんとも感想を言えない、そんな気持ちになりました。
    スッキリしない、というか。
    ファンタジー?ミステリー??
    小説の中の話だから、ファンタジーであろうとなんであろうと、気にしなくていいのですが。
    子供たちの不思議な体験やそれを取り巻く親や関係者、その遺族たちの絡み合った感じ、なかな...続きを読む
  • 鳩の撃退法 下
    三歩進んで二歩下がるんじゃなくて、三歩下がって、また別の方向に進むみたいな小説だった。
    主人公に全く共感できない小説も珍しい。
    だるーい感じだけど、他のも読んでみたくなった。
  • 月の満ち欠け
    これも直木賞受賞作。読み始めたら止まらんぞ…と思ってたけど、やっぱりそうだった。そういう意味では大抵の受賞作はハズレがないよね⁈
    映画は気になってたけど見損ねてる。予告見て気になってた。それで何となく大体のあらましは知ってるつもりだったけど、やっぱり予告に踊らされてたかな?
    この小山内を演じたのが、...続きを読む
  • 冬に子供が生まれる
    記憶があいまいになって認識が揺れるというのはカズオ・イシグロの世界を想起させます。また、二人の人格が入れ違うという「とりかえばや」的な要素もちょっとあり、おもしろい。湊先生は作者そのものなのでしょうか。少なくとも私にとっては現実感が乏しいストーリーで、感情移入はしなかったけど、ところどころリアルなの...続きを読む
  • 冬に子供が生まれる
    小学校からの友達、マルセイとマルユウと転校生だった佐渡くん。彼ら3人がUFO を見たことによって何かが変わる。記憶と人格の入れ替わりと混在、噂と過去の創造でますます世界とズレを生じる主人公たち。過去がどんどん改変されていく様子が不気味だった。そしてマルユウたちは不思議を受け入れそれでいいのだ世界観で...続きを読む
  • 冬に子供が生まれる
    人の存在が混ざって、彼らを知る人の記憶の中でもそうなってしまう?
    時空と共に読者の脳みそかシナプスか何かも一緒に歪みました
  • 冬に子供が生まれる

    なんとも不思議な物語だった。これは誰が語っているのか?マルユウ?マルセイ?と頭の中でグルグル回ってた。UFOが出てきたり、謎のメッセージが届いたり謎だらけの物語で解読が難しかったけど、これは解読しなくてもいいのかもしれない、この世界を楽しんで読むことにしようと考えた。そしたらやっぱり再読したいと思...続きを読む
  • 冬に子供が生まれる
    ある夜、丸田優は誰かわからない謎のメッセージを受けて…。
    その後、丸田誠一郎の葬儀があり…。

    丸田優(マルユウ)と丸田誠一郎(マルセイ)は、幼馴染であり、そこに佐渡理が転校してきたことにより、似ている丸田の区別をつけるための呼び名がマルセイとマルユウになった。
    しかし、高校になると2人を間違って覚...続きを読む
  • 月の満ち欠け
    小山内瑠璃のパーソナルは?小沼希美のパーソナルは?生まれ変わられた事によって歩むべきはずだった運命が変わってしまったと考えるのであれば、この小説は悲しいと思いました。
  • 冬に子供が生まれる
    丸田優(まさる)と丸田誠一郎は小学生の頃からの親友でいつも一緒にいた。二人は髪型も背格好も履いている靴まで一緒。まるで双子の兄弟のようで同級生や先生たちもよく二人を間違えた。

    転校生の佐渡くんは 二人の丸田くんを前にして困惑した。そして二人に「マルユウ」「マルセイ」と渾名をつける。三人はすぐに仲良...続きを読む
  • 冬に子供が生まれる
    「今年の冬 彼女はお前の子供を産む」こんなショートメールをある男が受け取ったところから話は始まる。
    彼女とは誰なのか、ある男とは誰なのか、
    それは後程つまびらかにされるとしても、この物語を語っているのは誰なのか? 彼らの関係者であることはわかるのだが、第三者が語るというのはなんか現実味がないというか...続きを読む
  • 冬に子供が生まれる
    マルユウとマルセイが混乱してしまうし、読後感ももやもや…。
    結局何なの?誰なの?どうして?

    はっきりとしたことは書かれていないため、読者の想像でしかない。
    だから、読む人によっていろんな解釈ができるのかもしれない。
    考え出したら止まらない所とか、謎すぎる所が面白いかも。