佐藤正午のレビュー一覧

  • Y

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    ★SFの設定を生かした男の切なさ★佐藤正午の小説のテーマは「去りゆく女と後悔する男」なのではないか。そして僕は、こういう離れていく女の話が好きなのだろう。解説でも触れているように、同じ時間を何度も繰り返して生きるアイデアそのものはオリジナルではなくても、別の人生では前の人生での知り合いを失ってしまう切なさの描き方が著者ならでは。それも語り手である主人公を別の人間とすることで、より距離の遠さが浮かび上がる。別の人生でも同じ人々が身近にいるというのがご都合主義だなと読みながら思っていたが、「縁」という表現で最後にまとめられるとなんだか納得してしまった。

    ★2019/8再読
    うっすらと以前に読んだ気はしたが、内容はすっかり忘れていた。2度楽しめたのだからよかった。佐藤正午の面白さとは何だろうと改めて考えてしまった。設定はそこまで奇抜ではなく、性の場面も出てこない。ミステリー感と切なさの案配、取り返しのつかない後悔に引き付けられてやまない。

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    2019年08月17日
  • 小説の読み書き

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    文章を書く方には激しくおすすめします!!
    文章の書き方について書いてある本じゃなくて、
    佐藤正午さんの読書感想文なのですが、
    本当に勉強になりました。
    書くことが楽しくなりました。

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    2009年10月21日
  • リボルバー

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    あたいが今まで読んだ小説の中で一番好きな小説。これを超える話は生涯出てこないだろうと思っている。勿論、この佐藤正午を超える佐藤正午もないだろうと思ってる。ほんとは一番最初に出たハードカバーの装丁が好きなんだけど、イメージがなかった(しょぼん)焦燥の意味を初めて知った思い出深い1冊。

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    2009年11月29日
  • 月の満ち欠け

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    時系列や登場人物が複雑すぎて、関係性をメモを取りながら読み進めていても、「今はどの瑠璃?」と思うほど複雑に交差ていました。
    最後は、代々の瑠璃の関係者と現在の瑠璃が繋がったが、「まだいるかもよ」と新たに投げかける。
    生まれ変わりを信じるしかないのか⋯。
    小山内氏は、信じても幸せにはなれず戸惑い、困るばかりではないか。

    前世、生まれ変わり、輪廻転生など全く信じていないが、あっても必ず喜びや嬉しさだけではないので、心の中によい思い出として残ることの方がいいような気がします。
    2026/9/21

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    2026年09月27日
  • 熟柿

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    ネタバレ

    息子くんに会えて本当によかったー涙
    福岡で新しい生活(仕事、友人、恋人候補)も送れて。
    元夫にだけはいらつくな。なんでそんな頑なに会わせてくれないの?現実だったら離婚するかな。出所を待たないか?それでは物語りが成り立たないか。

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    2026年09月26日
  • 熟柿

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    小説とはいえ、どうしてここまで……と、胸を掴まれる思いだった。なのに、無駄のない文章に引き込まれていく。無駄がないのに、鮮明な映像がみえてくる。
    必ず立ち上がる、人生が進めばそこにはきっと待っているはず…いや期待と希望は捨てて、何も考えずただ生きる。

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    2026年09月23日
  • 熟柿

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    熟柿という言葉。老いる、朽ちると負の言葉を重ねたけれど。
    最後まで読んでみて、「熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時機が来るのを待つこと」って事なんだと。現代の人間が、忘れてしまった「時期を待つ」事が どれだけ必要なのか。
    待てる余裕と 待つ優しさと そして強さを感じた小説だった。

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    2026年09月23日
  • 熟柿

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    なるほどなるほど

    事故の加害者になってしまうのは、もしかしたら誰にでも起こりうる事かもしれないが、事故そのものより、どう対応するかでその後の人生が大きく変わる。正直であることの難しさと大切さが描かれている。あとからどれだけ反省して償ったとしても、消えない過ちがその後の人生にずーーーーっと付きまとう。覚えているのも人間。許すのも人間。

    これからどんな母子関係を築いていけるか。がんばれかおりさん。

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    2026年09月23日
  • 熟柿

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    事故で日常が崩れ、当たり前が当たり前じゃなくなる瞬間が来るのは本当に怖い。

    犯罪者のレッテルがあることによって順調な仕事も突然ダメになり、心が折れてもまた立ち上がれる姿が素晴らしいと思ったし、仕事がうまくいかなかった自分の母と重ねて読んだ部分もありました。

    最後の章はもちろん大泣きです。

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    2026年09月22日
  • 熟柿

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    熟柿というタイトルの回収が素晴らしい

    犯罪はいつ許されるのか
    人生において犯罪を犯してしまった人間は
    罪を償った後にどのように生きていけば良いのか

    それが自分で産んだ子供から引き離される理由に
    果たして本当になるのか?

    結末でこの人の人生が少しずつ好転していくのをとても嬉しくおもいました。

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    2026年09月20日
  • 熟柿

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    ネタバレ

    タイトルである熟柿をただ熟した柿と思って読んでいたが、物語の最後で別の意味を知り、そっちの意味でのタイトルだと納得できた。
    拓がいい子だった。

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    2026年09月20日
  • 熟柿

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    すごく良かった。本でしか描けない世界とはこれだ、という感じ。読んでいてとにかく苦しい。じわじわと追い詰められるが、そもそもの起点から苦しくて読む側の体力が求められる。でも映像では体験できない物語だと思う。爽快さはないが良い読書経験になった一冊。

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    2026年09月19日
  • 熟柿

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    ネタバレ

    すごく読み応えがあって良い作品だった。轢き逃げをして服役してどん底の人生を歩んでいる市木さんの葛藤が繊細に書かれていてすごく読んでいて苦しかった。でも、最後にタイトルの熟柿の意味がわかった途端はっとさせられた、、、。
    熟柿→熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時期が来るのを待つこと
    市木さんが、事件を起こして反省して、そこから一途に息子のことを思い続け、懸命に働いて最終的に拓君と会えた時は本当に感動(;_;)
    熟柿と市木さんがしっかりマッチしていて、この小説の凄さが伝わった。とにかく久住呂咲さんと土居さんいいひと過ぎて(;;)めちゃめちゃこの2人に個人的に救われた。

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    2026年09月19日
  • 熟柿

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    ネタバレ

    タイトルにもある「熟柿(じゅくし)」の意味が最後に登場して、熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように 気長に 時期が来るのを待つこととあり、すごく刺さった。

    この言葉をかけられたかおりさんは、10何年ぶりに実の子との再会を果たせているので、会えなかった時間をこのように捉えることで救われただろうなと。

    何事も頃合いが大事なのか…

    とにかく、かおりさんの人生は本当に大変なことが多かったが、最終的に土居さんや何人かの信頼できる方とも巡り会えて、職もある環境におられて、本当によかった。

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    2026年09月16日
  • アンダーリポート/ブルー

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    題材
    ・15年前の交換殺人

    テーマ
    ・人生最後の欲望

    誰が何をする話なのか
    ・古堀が、15年前に起きた殺人事件の真相を究明する話(自分が考えた物語が正しいかを知りたい。それは変わり映えのない日々に突如現れた刺激)

    最も伝えたかったこと、何が新しいのか
    ・構成の妙(最後の章の続きが最初の章になっている)

    キャッチコピーは何か
    『過去はあなたを離さない』
    『決断そして実行 ふたつの人生の 許されざる接点』

    その他(心に残ったことなど)
    ・登場人物が特段魅力的でもなく、物語の動機もなんだっけと思うほどで、交換殺人のトリックにフィーチャーしている様子もなく、だが読み耽った、不思議だ

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    2026年09月11日
  • 月の満ち欠け

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    ネタバレ

    ↓本の中身についてだれかとがっつり共有?したくて、ネタバレまみれの拙い誰目線長文、汗↓

    人は死んだあと生まれ変わり得る、という考えを含む話。
    ひとりのひとつの思考を基にして、時も場所もばらばらだった人たちがすべて線で結ばっていき、多かれ少なかれ影響を与えあう過程が描かれていておもしろい。

    時系列はばらばらでも、唯一、瑠璃だけがすべての世界を生きていて、瑠璃の仕草や口調がすべての場面に落ちているから、短編集のようになってないところが好きだった。

    だからこそ、登場人物が多くて混乱しそうになるが、映画のキャスト、短歌、ライター、、などでそれぞれ対比させているところが、登場人物の多さにより意味を感じて素敵だなと思った。

    ほかにも、「」の有無、色の表現などといった、いわゆる"よくある"手法もたくさん落ちていたところも好みだった。


    特に大好きで感動したのが、物語の終わり方。

    物語は小山内視点からはじまった。当然、終盤も小山内視点だと思っていた。

    しかし、小山内視点の最後は4/5章。
    それも、とある人物を思い浮かべて、(娘・瑠璃と共に亡くなった)妻・梢の生まれ変わりが存在しているのではないか、と小山内自身が考えを揺らしたシーンだった。
    これには未熟ながら、「ありがちなハッピーエンドか」と思ったりもしてしまった。

    しかし、そのまま最終章を読むと、視点は全く変わり、現在軸の瑠璃(=緑坂るり)でびっくり。最初は誰視点かわからなかったくらい唐突の場面変更だった。(4章の終わり方も、最終章の始まり方も)

    4章を引きずらなかったのが、ラストに三角×るりをもってきたのが、良かったと思う。

    もっと言うと、「小山内の妄想」で留めたのはものすごく良かったと思う。ありきたりな「妻も生まれ変わりで、自分に会いに来てた」パターンのハッピーエンドじゃなくて、その"妄想"をすることで、小山内の考えが(変わるではなく)揺らぐきっかけになっただけなのがほんとうに、大好きでした。思考が揺れている小山内、のあとを描かないのも大好き。

    しかも、瑠璃も希美もるりも含めて、"瑠璃"の視点が描かれたのって初めてな気がする。(曖昧な記憶)
    結局、すべての登場人物に共通してるのは瑠璃だからたしかに適切であって、逆にここで初をもってきたことに感動。

    これは少し飛んだ妄想だけど、
    小山内視点でみれば、物語ってきっと四章で終わってて、五章はアナザー/アフターストーリー、くらいなのかなと思ったり。でも、物語の本質は五章に全部含まれてる…っていう…。楽しい。素敵。
    最終章の三角の言葉が「」で表されなかったのも粋だなと感じた。読者はあくまでるりの頭の中だけをみてる。三角とるりの関係や実状は、こちら側の想像に委ねられるし、なんなら、あえて伝えたくない、ふたりだけの秘密のような、そんな状況を思わせる表現で素敵でした。

    …
    大人になってから真面目に読んだ1冊目がこの本で良かったです。
    きっとこれがわたしの読書人生のベースになっていくんだろうな。たのしみ。

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    2026年08月19日
  • 月の満ち欠け

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    「不思議なことなど何もない」物語を好む自分の価値観すら軽々と覆し、「不思議なことがあってもいい」と思わせるだけの強烈なリアリティ。

    ネダバレ無しに語るのが難しい。未読の人には「とにかく読んでくれ」としか言えないほどの怪作だ。

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    2026年08月15日
  • どこ吹く風 小説家の四季

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    佐藤正午最新エッセイ集
    前作「正午派2025」の興奮冷めやらぬのに。
    あれはエッセィではなかったか? まあいい
    小説家の四季というサブタイトル通り、季節ごとに発表されるエッセィだが季節には全く関係のないテーマで、ちょっと退屈だなと飛ばし飛ばし読んでいると、次のエッセイで前回のテーマがまだ続いている、下手すると一年を通してそのテーマが語られている。
    訳が分からなくて、前回に戻りまた読み返す・・・
    「真剣に読めよ」という作者の意図?
    今回のハイライトはやはり編集者にまつわる話。
    デビュー作からの編集者についてのエピソードは本当に感動的で、泣かせる話なのに、正午さんはなんでかなぁ・・・
    素直じゃないというか斜に構えているというか、意固地というか。
    本当にお世話になった、有難かった、感謝している、となぜ言えない? 
    正午さんらしい
    昨今の物価高騰は出版業界も深刻な問題で、そこで苦肉の策として本書でとられた策
    笑える。でも違和感なし。

    かたくなに佐世保を出ることなく、自由に気ままにこれからも執筆にお励みくだされ。

    そうめんだけではたんぱく質が不足しますよ。

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    2026年08月14日
  • 身の上話 新装版

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    私の視点で書かれたミチルの身の上話、何故、私が語っているのだろう、私との接点は何なのだろう、ある時、視点が変わることで謎が解けていく。登場人物の行動と、そこに至る思考を緻密に描きながらも、常に私の視点で書かれている構成がすごい。

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    2026年08月11日
  • 月の満ち欠け

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    ネタバレ

    生まれ変わり、信じたいなぁ〜
    瑠璃の愛が深すぎてそこは共感できなかったものの、次から次へと人やエピソードが繋がってゆく様がかなりおもしろかった!
    借りたかった熟柿が無く代わりにこちらを。
    この作者の作品を読むのは初めてだったけど、読みやすい文体で好みかも。
    次読むときは相関図を書きながら読み進めたい〜

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    2026年07月24日