佐藤正午のレビュー一覧
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ネタバレ重い内容で途中、最後まで読めないかもと思ったところもあったけど最後まで読めて良かったです。
あの大雨の中で人を轢いた描写もリアルで動機がするほどだった。あんなに幸せだったのが一夜で、1回の大きな過ちで。
そのあと、かおりが記憶を断片的にしか思い出せなかったり、人の話も正確に聞けていなかったり、入学式の日、美容院に早く着いて動揺しているところとか細かなところが、自分が鬱っぽくなった時期の頃と似ていてリアルさがしんどくなった。
生まれた息子を胸に抱いたあの温もりや重さを想いながらも息子が日々成長しているのを見ることもできず、孤独に罪を背負って生きていくことのしんどさがすごく伝わった。
でも息子がい -
Posted by ブクログ
罪を犯した母親が、我が子に会いたいと思いながら日々を過ごす話。主人公の気持ちに共感することはなく、主人公が出会う人間に好印象を抱くことも少なく(なんなら出会った人間の名前も忘れかけるほど)、果たして「この母親はいつ報われるのか」ただただ辛抱して読んだ。
けれど、ある一節で一気に作品に引き込まれた(本当にすごい!何度もその一節の周辺を読み直してしまった)
気づけば、正直しんどいと思いながらどうしようもなく目が離せなかったのは作者の巧妙な描写ゆえ。
本屋大賞にノミネートされていなければ、そして話題になっていなければ、手をとることはなかっただろうな。
作者を調べてみたら、失礼ながら年配の方で、年齢 -
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メッセージがとても好きだ。
熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時機がくるのを待つこと…。
事故を起こしたことで服役していた女性の人生が描かれる。
息子に会いたい、そう思い続ける母親の切実さと、自分の罪が後から追いかけてくる感覚が悪い夢みたいに連続する話が続く。
しかし時間が経つにつれ、出会う人々の質、自分と関わる人もどこか変わっていく。
深い関係ではなくても、自分に関わる人たちが、少しの希望を与えてくれることもある。
息子に会いたい、この思いが熟れるとき、待っていたその時間全部が返ってきたという感覚になった。
どんなにひどい人生に見えても、その時機が必ずくると信じられる。
待つ -
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ネタバレ苦しい中にも救いがあった物語
私は最初、人を轢いたか轢いてないか確証が持てず、夫にも言えず、晴子叔母さんの怨念というか、影に悩まされて物語が進むのだと思ってた(ちゃんとあらすじを読め)
要するにホラー系の物語だと思っていた
他人から見て、強い人だと、この人はどんな事があっても立ち向かえると言われてる人でも、苦悩していたり、ギリギリの所で踏ん張っている人だったりするよなと自分を重ねた
・何か一つ間違えただけで転がり落ちる
・預金を盗られた場面、盗った人に再会して実は盗った人もこんな事情があって…みたいにならない
・過去の犯罪歴が露呈した場面、明日から来なくて良いよとはならない、でも今月にで -
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ネタバレたまたま手にとって、私の本棚で積読になっていた本。情報も何も入れずに読んでいたら、想像を超えた謎が広がって一気に読んでしまいました。
死んで生まれ変わる時に、死んだ瞬間から次の命に引き継がれていくシステム?なので、舞台は連続した時間軸の中で行われている。私は転生モノは勝手に「時代を超えて展開していく」と思いこんでいたので、この本のように「同時代の」この人もこの人も、全部生まれ変わりで繋がっていて…みたいな話は混乱もしたしそれが面白く物語の真相を掴みたくてどんどん読めました。
ちょっと瑠璃さんの挙動は愛というより「呪い」のような印象を受けました。 -
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自分の一瞬の判断で人生が大きく狂っていく様が、妙にリアルで怖い。
つい1分前までの穏やかで幸せな生活がまぼろしになる。
その場にいた者もその一瞬の間に様々な思いが巡り、ー当事者ともどもパニックに陥ったとはいえ、正しい判断ができなくなる。
もし自分がかおりだったら?
かおりの夫だったら?
かおりの友人だったら?
久住呂さん親子の判断も心強いものだが正解かどうかは分からない。
恋しさと恨みが混ざる感情の落とし所も16歳ぐらいでは難しいだろう。
登場人物のあらゆる立場にもなりうるストーリーには最初から最後まで緊張の連続だった。
袋小路で八方塞がりでどうしようもない時は
熟した柿の実が -
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今年の本屋大賞ノミネート作品!
去年からインフルエンサーさんが
ひたすら良いって言ってたから読んでみた。
推す理由がわかった気がする。
我が子に会えない女性…
会いたくても会えない気持ちがリアルに
描かれていて
そりゃ書くのに9年もかかりますわなと…
最後の終わり方はめちゃくちゃ先が気になる
終わり方したけど、
自分の中ではしっかりハッピーエンドにする(笑)
話は重たいし心苦しくなる場面多すぎるのに
すいすい読めちゃうテンポ感。
主人公の人生を見てると、人生そんなもんだよな
って思わされた。
主人公、よく頑張って耐えたよ…すごいよ…
最後にそう言ってあげたくなるような作品。
やっぱ -
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ネタバレ
オーディブルにて
あっという間に隙間時間で読み終わった。
ごく普通の主婦だったかおりが、はるこおばさんのお葬式の日を境目に人生が大きく変わるお話。
服役中に出産し、その後夫と離婚した後もずっと息子のことを想い続け、それが生きる唯一の糧となる。
「熟柿が落ちる」は、熟した柿が自然に木から落ちる様子から、無理に動かず気長に好機や結末を待つこと。
本のタイトルと繋がった。
はるこおばさんが熟した柿が好きだっただけじゃなかった!
熟柿が落ちるとは違うが、かおりさんが、大金を盗まれた時、それでもすぐ前を向いて働きはじめたことが印象的だった。もう自暴自棄になってしまいそうな状況なのに。 -
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本屋大賞ノミネート作。カフネの次に読む。
妊娠中に事故を起こして懲役となり息子に会うことができなくなった母親の物語。序盤はかなり持ったりした展開だったが時間がたつにつれて状況と感情が変化していく様子がかなり面白かった。
彼は別れた妻であるわたしを憐れみ、一方で、明らかに言い逃れの嘘をついている。
間違いない。わたしには彼があの事故以来十七年間、心の底に深く沈め押さえつけてきた矛盾
「誰?」という名前でいまも登録してある 号から最初にかかってきた電話あれは息子の実の母親への憐れみだった。 我が子の小学校入 学式にも出られない母親を憐れみ、せめて今日がその日だと教える目的でかけてきたのだ。たぶ -
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本屋大賞ノミネート作品であり、みなさんのレビューを拝読して読みたくなった作品。
今年の本屋大賞ノミネート作品、私にしては珍しく5作品読んでまして( °△° )
未読の作品がみなさんのレビューを拝読していて気になっていた作品ばかりだし、ミステリ率が高いしで欲望に抗えず(笑)4作品GETしてきました((*´ ᵕ`)フフッ
順番に読んでいきます✧*。
激しい雨の降る夜、眠る夫を乗せた車で老婆を撥ねたかおりは轢き逃げの罪に問われ、服役中に息子を出産し離れ離れに。出所後、息子に会いたいがあまり園児連れ去り事件を起こした彼女は、息子との接見を禁じられ、追われるように西へ西へと各地を流れてゆく。
人が人