佐藤正午のレビュー一覧

  • 熟柿

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    母親なら誰でも自分の産んだ子どもに逢いたいという気持ちは痛いほど解る
    どうにかして逢おうと試行錯誤…
    しかし全て裏目に出てしまう
    ただただ息子に逢いたいだけなのに上手くいかない
    なんとか逢わせてあげたい
    最後に主人公の味方でいてくれたサキチちゃんのアシストのおかげで息子に逢えた
    本当に良かった

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    2026年10月08日
  • 熟柿

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    ほぼ一人称の話。女性の 主人公が 、自分の心の内をとうとうとしゃべっている。

    本の帯には、
    どうにかして 我が子と再会したい
    でも子供の将来を思うなら
    私は遠く離れていなければならない
    とありました。

    うん、ほんま、これ。
    これだけが、このストーリーです。

    この思いに縛られて、次々とマズイ手をうってしまい、どーしてか不幸の道をヨボヨボと進んでいく。
    なんでそーなるの!( ´;゚;∀;゚;)
    と、時おりイライラしながらも、主人公の生活に、人生に、つきあってしまいます。

    そんで、ラスト。
    ほんま、ラストの数ページで、タイトルの『熟柿』に救われました。
    救われたというか、腑に落ちたというか、人生観というか。
    タイパとか、ナルハヤとか、そんな時代に『熟柿』。
    みんな、『熟柿』大事だよー。

    あと、咲ちゃんは、このストーリーのキラ星です。清涼剤です。
    咲ちゃん、いてくれてありがとう。


    スカッと話ではありません。
    でも、これを反面教師とできるかも。

    帯にある、角田光代さんの言葉

    絶望しても、裏切られても
    繰り返すしかない生活が
    私たちを救うのだと
    思わせてくれる 小説 だった

    これにつきます(さすがです)

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    2026年10月08日
  • 熟柿

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    ネタバレ

    最近息子を産んで忙しい毎日を過ごしているが、頁を捲る手が止まらなくなるそんな物語だった。出産とは本当に変え難い経験であり、命をかけて新しい命を産んだとなると母にとって本当に子供は宝物で、大事で、自分の手で育てることの楽しさが身に染みていく。そんな子供と離れ離れになってしまう悲しさは想像するだけでも辛いし、想像できないくらいの苦しみがあるのだろう。主人公の人生は想像に絶する辛く悲しい道のりだったのだと思う。
    ただ、タイトルにある熟柿という言葉の意味が主人公の人生を象徴しており、読者を救ってくれるように感じた。私にも気長に待つことでいずれ訪れる「そのとき」が来るのだろうか。
    何はともあれ、息子の成長を見届けることができる今に感謝。

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    2026年10月07日
  • 熟柿

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    オーディブル形式で。最初の頃は主人公はなんとなくぼんやりした性格に見えて、「信頼できない語り手」とはこういうこと?と脳裏に浮かぶ。
    後半は主人公がとにかく働くことに没頭(+生活する上での悩みの吐露)していて、こんな境遇なのに、めげずに偉いよ…という応援する心境に。

    最終的に前向きな終わり方だったので、読後も良かった。
    終盤が一気にスピード感が上がって、面白かった。

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    2026年10月04日
  • 熟柿

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    ネタバレ

    人を轢いてしまい救護義務を怠り、刑に処される。刑務所で子どもを産み、出産の瞬間から離れ離れに。まさに晴天の霹靂。子どもに会いたい一心に逸脱した行動を起こしてしまう一方で、会いたい想いは培われていく。
    仮に他者目線でこの話を想定すると、轢き逃げ犯の勝手な行動になりがちだが、主人公の性格や助けたいと思われる人柄があり、そこは素直に読めたのは良かったです。
    恩師の娘のナイスアシストはややできすぎですが、息子との関わり合いができ、人生も好転していく感じで終えたのも好印象でした。

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    2026年10月03日
  • 熟柿

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    主人公の人生、いったい何なんだ?
    主人公のしたことが犯罪であることはわかっている。わかっていてもこのやるせない気持ちが主人公を最後まで応援させる。貯金を持ち逃げされた時、夫の真相がわかった時、そしてなんといっても息子に会えるラストは、主人公は意外と落ち着いているのに読者の私は、本に向かって「えー!」「うん、うん」と感情を爆発させながら一気読みした。

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    2026年10月03日
  • 熟柿

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    面白かったです。途中胸が締め付けられる苦しさもありましたが、読み応えのある作品でした。装丁にコメントを記載されてた「絶望しても裏切られても、繰り返すしかない毎日が、私たちを救う」という角田光代さんの言葉に深く頷けました。

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    2026年10月02日
  • 熟柿

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    罪を犯した女性の まだ見ぬ息子、会えぬ息子への狂おしい思い。職を転々とせざるを得ない過酷な状況。

    息子が高校生になるぐらいまでの彼女の人生を描く。どこまで行き着くのかと思わされたが。

    最後の章で やっとやっと少しは穏やかな、幸せな暮らしが見えてくる。

    こんなに一人で頑張ってきたんだもの。
    ほっとする私がいる。

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    2026年10月02日
  • 冬に子供が生まれる

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    この作品の魅力は、登場人物それぞれの思いや秘密が少しずつ明らかになっていくところだと思う。
    何気ない会話や出来事が後から重要な意味を持ち、物語の先が読めない面白さがある。
    また、偶然によって人生が変化していく様子も印象的だった。

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    2026年09月30日
  • 一か八か ギャンブル傑作コレクション

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    苦悶の表情を浮かべる男の表紙に惹かれて手に取った短編集。内容もまさにその表情のように、ギャンブルにのめり込み崩れていく主人公や、ミステリー、ユーモラスな物語まで多彩。何気なく手に取った一冊でしたが、思いのほか手に汗握る作品でした。

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    2026年09月30日
  • 熟柿

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    ネタバレ

    夫と同級生の応対が主人公の視点に立つとあまり気持ちがいいものではない。同級生とは何故縁を切らないのかと思うが、現実にもそういう人はいるなと思った。
    最後は安易なハッピーエンドとも違う感じがよかった。

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    2026年09月29日
  • 熟柿

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    ネタバレ

    人はやりなおせるっていうけど、そうさせてくれないのは世の中だよなーと思う。主人公も息子に会えず、事件が原因で仕事を辞めなきゃいけない時もあった。それでも、息子のためにお金を残したいと必死に働いて生きていた。最後は、報われた、といっていいのかわからないけど、よかったな。

    「熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、
    時期が来るのを待つこと」

    自分生き急ぎすぎかな…と感じたときに思い出したい言葉。

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    2026年09月29日
  • 熟柿

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    表紙がとても美しく、惹かれた。心ならずも犯罪者になってしまい、服役中の出産とは、切ない。終盤、主人公かおりは元夫が、事故の隠蔽に積極的に関わっていたことをちょっとした言葉から気づき、そこで問い正していく場面は、スピーディで気持ち良い。彼女が強く自立した人になったことと、そうでなかった時には強いものにコントロールされていた、ということなのだと思う。出会えて良かった本。

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    2026年09月29日
  • 月の満ち欠け

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    時系列や登場人物が複雑すぎて、関係性をメモを取りながら読み進めていても、「今はどの瑠璃?」と思うほど複雑に交差ていました。
    最後は、代々の瑠璃の関係者と現在の瑠璃が繋がったが、「まだいるかもよ」と新たに投げかける。
    生まれ変わりを信じるしかないのか⋯。
    小山内氏は、信じても幸せにはなれず戸惑い、困るばかりではないか。

    前世、生まれ変わり、輪廻転生など全く信じていないが、あっても必ず喜びや嬉しさだけではないので、心の中によい思い出として残ることの方がいいような気がします。
    2026/9/21

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    2026年09月27日
  • アンダーリポート/ブルー

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    題材
    ・15年前の交換殺人

    テーマ
    ・人生最後の欲望

    誰が何をする話なのか
    ・古堀が、15年前に起きた殺人事件の真相を究明する話(自分が考えた物語が正しいかを知りたい。それは変わり映えのない日々に突如現れた刺激)

    最も伝えたかったこと、何が新しいのか
    ・構成の妙(最後の章の続きが最初の章になっている)

    キャッチコピーは何か
    『過去はあなたを離さない』
    『決断そして実行 ふたつの人生の 許されざる接点』

    その他(心に残ったことなど)
    ・登場人物が特段魅力的でもなく、物語の動機もなんだっけと思うほどで、交換殺人のトリックにフィーチャーしている様子もなく、だが読み耽った、不思議だ

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    2026年09月11日
  • 月の満ち欠け

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    ネタバレ

    ↓本の中身についてだれかとがっつり共有?したくて、ネタバレまみれの拙い誰目線長文、汗↓

    人は死んだあと生まれ変わり得る、という考えを含む話。
    ひとりのひとつの思考を基にして、時も場所もばらばらだった人たちがすべて線で結ばっていき、多かれ少なかれ影響を与えあう過程が描かれていておもしろい。

    時系列はばらばらでも、唯一、瑠璃だけがすべての世界を生きていて、瑠璃の仕草や口調がすべての場面に落ちているから、短編集のようになってないところが好きだった。

    だからこそ、登場人物が多くて混乱しそうになるが、映画のキャスト、短歌、ライター、、などでそれぞれ対比させているところが、登場人物の多さにより意味を感じて素敵だなと思った。

    ほかにも、「」の有無、色の表現などといった、いわゆる"よくある"手法もたくさん落ちていたところも好みだった。


    特に大好きで感動したのが、物語の終わり方。

    物語は小山内視点からはじまった。当然、終盤も小山内視点だと思っていた。

    しかし、小山内視点の最後は4/5章。
    それも、とある人物を思い浮かべて、(娘・瑠璃と共に亡くなった)妻・梢の生まれ変わりが存在しているのではないか、と小山内自身が考えを揺らしたシーンだった。
    これには未熟ながら、「ありがちなハッピーエンドか」と思ったりもしてしまった。

    しかし、そのまま最終章を読むと、視点は全く変わり、現在軸の瑠璃(=緑坂るり)でびっくり。最初は誰視点かわからなかったくらい唐突の場面変更だった。(4章の終わり方も、最終章の始まり方も)

    4章を引きずらなかったのが、ラストに三角×るりをもってきたのが、良かったと思う。

    もっと言うと、「小山内の妄想」で留めたのはものすごく良かったと思う。ありきたりな「妻も生まれ変わりで、自分に会いに来てた」パターンのハッピーエンドじゃなくて、その"妄想"をすることで、小山内の考えが(変わるではなく)揺らぐきっかけになっただけなのがほんとうに、大好きでした。思考が揺れている小山内、のあとを描かないのも大好き。

    しかも、瑠璃も希美もるりも含めて、"瑠璃"の視点が描かれたのって初めてな気がする。(曖昧な記憶)
    結局、すべての登場人物に共通してるのは瑠璃だからたしかに適切であって、逆にここで初をもってきたことに感動。

    これは少し飛んだ妄想だけど、
    小山内視点でみれば、物語ってきっと四章で終わってて、五章はアナザー/アフターストーリー、くらいなのかなと思ったり。でも、物語の本質は五章に全部含まれてる…っていう…。楽しい。素敵。
    最終章の三角の言葉が「」で表されなかったのも粋だなと感じた。読者はあくまでるりの頭の中だけをみてる。三角とるりの関係や実状は、こちら側の想像に委ねられるし、なんなら、あえて伝えたくない、ふたりだけの秘密のような、そんな状況を思わせる表現で素敵でした。

    …
    大人になってから真面目に読んだ1冊目がこの本で良かったです。
    きっとこれがわたしの読書人生のベースになっていくんだろうな。たのしみ。

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    2026年08月19日
  • 月の満ち欠け

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    「不思議なことなど何もない」物語を好む自分の価値観すら軽々と覆し、「不思議なことがあってもいい」と思わせるだけの強烈なリアリティ。

    ネダバレ無しに語るのが難しい。未読の人には「とにかく読んでくれ」としか言えないほどの怪作だ。

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    2026年08月15日
  • どこ吹く風 小説家の四季

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    佐藤正午最新エッセイ集
    前作「正午派2025」の興奮冷めやらぬのに。
    あれはエッセィではなかったか? まあいい
    小説家の四季というサブタイトル通り、季節ごとに発表されるエッセィだが季節には全く関係のないテーマで、ちょっと退屈だなと飛ばし飛ばし読んでいると、次のエッセイで前回のテーマがまだ続いている、下手すると一年を通してそのテーマが語られている。
    訳が分からなくて、前回に戻りまた読み返す・・・
    「真剣に読めよ」という作者の意図?
    今回のハイライトはやはり編集者にまつわる話。
    デビュー作からの編集者についてのエピソードは本当に感動的で、泣かせる話なのに、正午さんはなんでかなぁ・・・
    素直じゃないというか斜に構えているというか、意固地というか。
    本当にお世話になった、有難かった、感謝している、となぜ言えない? 
    正午さんらしい
    昨今の物価高騰は出版業界も深刻な問題で、そこで苦肉の策として本書でとられた策
    笑える。でも違和感なし。

    かたくなに佐世保を出ることなく、自由に気ままにこれからも執筆にお励みくだされ。

    そうめんだけではたんぱく質が不足しますよ。

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    2026年08月14日
  • 身の上話 新装版

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    私の視点で書かれたミチルの身の上話、何故、私が語っているのだろう、私との接点は何なのだろう、ある時、視点が変わることで謎が解けていく。登場人物の行動と、そこに至る思考を緻密に描きながらも、常に私の視点で書かれている構成がすごい。

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    2026年08月11日
  • 月の満ち欠け

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    ネタバレ

    生まれ変わり、信じたいなぁ〜
    瑠璃の愛が深すぎてそこは共感できなかったものの、次から次へと人やエピソードが繋がってゆく様がかなりおもしろかった!
    借りたかった熟柿が無く代わりにこちらを。
    この作者の作品を読むのは初めてだったけど、読みやすい文体で好みかも。
    次読むときは相関図を書きながら読み進めたい〜

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    2026年07月24日