佐藤正午のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
★SFの設定を生かした男の切なさ★佐藤正午の小説のテーマは「去りゆく女と後悔する男」なのではないか。そして僕は、こういう離れていく女の話が好きなのだろう。解説でも触れているように、同じ時間を何度も繰り返して生きるアイデアそのものはオリジナルではなくても、別の人生では前の人生での知り合いを失ってしまう切なさの描き方が著者ならでは。それも語り手である主人公を別の人間とすることで、より距離の遠さが浮かび上がる。別の人生でも同じ人々が身近にいるというのがご都合主義だなと読みながら思っていたが、「縁」という表現で最後にまとめられるとなんだか納得してしまった。
★2019/8再読
うっすらと以前に読んだ -
Posted by ブクログ
ネタバレ本屋大賞2位だったので読んでみた。
主人公のかおりは、お腹に赤ちゃんがおり、家族で仲良く暮らしていた。
叔母のお葬式から夫と車で帰っているときに轢き逃げ事件を起こしてしまい、人生が一変する。
刑務所に入り、離婚し、夫からは「母親が犯罪者の子どもと、母親に死なれた子供とどっちがより不幸か、考えてみろ。これから子供が成長して、社会に出て生きていくうえでどっちが彼の障害になると思うか、よく考えてみろ」と言われ、子どもに会わせてもらえなくなる。
かおりは息子の拓に会いたい一心で、幼稚園に拓に会いにいくが、結局別の子と間違えてしまい、警察に連行される。
その時に幼稚園で拓と一緒のキリン組だった久住呂 -
Posted by ブクログ
罪を背負い、モヤがかかったような状態で生きる主人公に、次々と災難が降りかかり、読んでいてなんとも辛い気持ちになりました。そんな中でも、手を差し伸べてくれる人がいることで、ほんの少しずつ前向きに生きられるようになっていく姿が印象的でした。そして最後には、ほんの少しの光が差し込むような結末に、ホッとすると同時に、少し温かく幸せな気持ちになりました。
辛い人生の中でも、熟柿が落ちるのを待つように、焦らず気長に人生を送ることで、いつか救われることもあるのだなと思いました。
また、主人公の超悲観的とも思える心情も、追い詰められた状況に置かれれば、誰でもそうなってしまうのかもしれないと感じました。主 -
Posted by ブクログ
2026年度本屋大賞ノミネートの時から、某SNSで高評価のこの作品は読んでみたかった。佐藤正午さん著「熟柿」。
前回の読書会でお借りできた、ありがたや。
あらすじは知っていたので、タイトルの意味もなんとなく見当がついていたが、
想像していた以上に揺らぎのある物語だった。これは凄い。
以下、できるだけネタバレなしで読み終わってホヤホヤの感想です。
主人公の行動、思考も、彼女の内から読んでいると理解できる。
こういうことって、たとえば現実でゴシップとして語られたら絶対に見えないだろう。というか、当事者の内面などゴシップを読んでいる時には見ない。
そういうトピックは、私自身が消費している感覚があ -
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我が子に会いたいのに会えない、会わせてもらえないという母親の切実な心情を、男性である作者が、まるで母親自身でもあるかのように繊細に描写していて共感を呼びます。
ストーリーは主人公の市木かおりが、ひき逃げという罪を犯して服役し、服役中に出産。しかし子どもとは引き離され流浪の人生が始まります。
暗く重くなりがちなストーリーを救っているのは、かおりの懸命な仕事ぶり。どの土地に流れついてもちゃんと働いている。いつか息子に会いたい、その願いを胸に。それがこのお話の縦軸になっています。
現代のストーリーですが、どこか昭和の映画を見るようなノスタルジックな雰囲気と、作者の巧みな文章力、流転の人生に見出 -
Posted by ブクログ
ネタバレ↓本の中身についてだれかとがっつり共有?したくて、ネタバレまみれの拙い誰目線長文、汗↓
人は死んだあと生まれ変わり得る、という考えを含む話。
ひとりのひとつの思考を基にして、時も場所もばらばらだった人たちがすべて線で結ばっていき、多かれ少なかれ影響を与えあう過程が描かれていておもしろい。
時系列はばらばらでも、唯一、瑠璃だけがすべての世界を生きていて、瑠璃の仕草や口調がすべての場面に落ちているから、短編集のようになってないところが好きだった。
だからこそ、登場人物が多くて混乱しそうになるが、映画のキャスト、短歌、ライター、、などでそれぞれ対比させているところが、登場人物の多さにより意味を -
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長い年月の物語です。そして、主人公・かおりにとって、なかなかに辛い展開が続きますが、二人のイケメン(一人は女性だけど)に救われました。
久住呂咲ちゃん
10年越しの約束を守る久住呂咲ちゃんはイケメンすぎ。お母さんの久住呂百合さん以上に有言実行のひとでした。久住呂ってなかなか耳にしない名字ですが、親子の名前が登場するだけで、不思議な呪文のように場が落ち着きました。
土井さん
かおりの心が開くのをじっと待ってくれる土井さんは態度もセリフもイケメンすぎます。昔から、チャンスの後ろ頭は禿げてるっていうけど、焦る必要はないんですね。だから50過ぎって気もしますが、いわゆる大人の包容力ですね。
かお -
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佐藤正午最新エッセイ集
前作「正午派2025」の興奮冷めやらぬのに。
あれはエッセィではなかったか? まあいい
小説家の四季というサブタイトル通り、季節ごとに発表されるエッセィだが季節には全く関係のないテーマで、ちょっと退屈だなと飛ばし飛ばし読んでいると、次のエッセイで前回のテーマがまだ続いている、下手すると一年を通してそのテーマが語られている。
訳が分からなくて、前回に戻りまた読み返す・・・
「真剣に読めよ」という作者の意図?
今回のハイライトはやはり編集者にまつわる話。
デビュー作からの編集者についてのエピソードは本当に感動的で、泣かせる話なのに、正午さんはなんでかなぁ・・・
素直じゃない