感情タグBEST3
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良すぎるというか好みの人だった。
遠野さんと似ているなと思ったら「恋人」に出てくる、面倒さ、鬱陶しさを覚える女も同じように書かれていると思った。そしてやはり主人公は身体を鍛えている。客観的で理論的で、ある人から見れば冷酷な、そういう考え方が好きだと再認識した。そうして感情的な女の部分に迷う。
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どれも面白かったけど、特に「傘を探す」が秀逸。姉への近親相姦を思わせる秘めた思慕と、そんな姉を奪い取った義兄への憎しみ。そんな複雑な思いを相変わらずのシニカルなタッチで描いていく。それから巻末に収録された著者自身による「30年後のあとがき」もよかった。作家はいつも「今、この瞬間」を書くのだ、という強い決意。彼の文体に惹かれるのはその緊迫感が滲み出ているからだ。世に溢れる凡百の流行作家とは隔絶している。この点では作風は全く異なるが、村上春樹と通じるものがある。
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直木賞を受賞された作家の文庫を何気なく手にとってみた。
初めて読む佐藤さんの本。新たな作家の発見に少しわくわく。
題名からどろどろした女と男の話を期待していたのだが、いい意味で裏切られた。
男の目線から見たときの恋愛の話は新鮮で、女ほどのねちねちとした感覚のない、さわやかな、いやあっさりとした男女関係が独特の口調で語られる。
短編で構成されており、読みやすく、どの話も切り口が違って楽しめた。
終わり方もあっさりとしていて逆に切ない。
あっさりとした考えだからこそ、それって好きってことなんじゃ…と思う場面もいくつかあったが、それは私が女だから思うことなのかもしれない。
とりあえず、他の佐藤さんの本も読んでみようと思った。
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表題作を含む5つの短篇集。
表題作もよかったけれど、個人的には、やはり「傘を探す」もおもしろかった。
映像化されたらどうなるんだろうと考えながら読んだ。
また、著者自身による「三十年後のあとがき」もすばらしいものになっている。
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やや寡黙な青年が主人公の短編5編。とてもリアルに感じられ、また、作者が同年齢の頃に書いた小説でもあることで、本人の自伝ではないかと思いながら読んだ。
男目線での恋愛小説は主人公が寡黙な人であるならある程度モテなければ物語にならないと思うが、そんな願望も含めて楽しく読めました。傘を探して出会いを重ねる「傘を探す」が一番印象に残る。
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社会的には、そしておそらく女性から見たらダメな部類に入る男の恋愛を描く短編集。
みんなどことなく投げやりで、でも不思議と女性にモテて、だけど最後まで思い通りにはいかないところが良いなあ。デビューした頃に何冊か読んで以来久しぶりの佐藤正午さんだったけど、若い時には感じなかった味わいがあるかも。
もう少し別の作品も読んでみようかな。