あらすじ
あたしは、月のように死んで、生まれ変わる──目の前にいる、この七歳の娘が、いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく。この数奇なる愛の軌跡よ! さまよえる魂の物語は、戦慄と落涙、衝撃のラストへ。
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Posted by ブクログ
面白くて2度読み。
生まれ変わったら、なんて言葉はロマンチックだけれど、実際のところ、大変困る。
生まれ変わっちゃった人も、生まれ変わられちゃった人も。
やっぱり一生は一回切りだから、
後悔はできるだけ少なく
やりたいことやって、
愛したい人を愛して
死のう。いや、生きよう。
Posted by ブクログ
ファンタジーのような、大恋愛のような、いろんな顔を持った小説だった。
誰も死んだことがないから確証はないが、実際に前世の記憶を持つ人がいるかもしれない。もし大切な人が早くに亡くなり、目の前にその人の記憶を持つという別の人が現れたら奇跡を感じるだろうなと思った。
身の回りやこの世のどこかでもこの様な事が
当たり前に起きているのだろうなと思わされました。
愛は命をも超え受け継がれる。
自分もそう思える素敵な人を大切にしていかなくてはと再確認させられました。
Posted by ブクログ
第157回(2017年下半期)直木賞受賞作。
素敵な小説でした。
落ち着きある、駆け足にならない速度の文章で書かれていて、
読んでいる期間中、いい時間を過ごせました。
「輪廻転生」「生まれ変わり」が大きな仕掛けになっています。
だからといって、オカルト色が前面にでている
けばけばしい作品ではありません。
ロマンティック。
見ようによっては、ヒロインのその深い情愛に怖さを感じるかもしれない。
それでも、読後感といい、相手役のキャラクターといい、
素敵なロマンスを独特の角度から語った小説と言えそうです。
中盤の正木瑠璃と三角哲彦の章は、
これだけで短編としてでも、まばゆく、優しく、燦然と輝く出来ですよね。
この章が一番好きで、最後の〆方と同様に気持ちを持っていかれました。
さすがの実力です。
今、自分が執筆中ということもありますが、
言葉遣い、語彙、構成、喩えなど修辞の入れ方だとか、
いろいろ学ぼうという気持ちがありながら読むのですが、
面白さを楽しむ方に負けてしまう。
こういう面白くて落ち着いた作品を書けたらなあ、と
またひとつ目標ができました。
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佐藤さんの作品は、「永遠の1/2」「身の上話」しか読んでおらず、直木賞受賞作の「月の満ち欠け」は途中で挫折していたことを思い出してaudibleで聴いた。
当時は前半でオカルトチックな道具立てや複数の時間軸とエピソードを読みこなす余裕がなかったのだろうが、待った無しのaudibleで聴いたお陰か?きちんと最後までいつもの会話の妙も楽しみ、過去と現在がつながり伏線回収されて物語の軸である純愛ストーリーまでたどり着いた。そして、さらにどんでん返しからのもう一つの…
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前世とかうまれかわりとか、あまり考えた事はなかったけど、それほど愛情深く蘇る事がその人にとって又周りの人にとって幸せなのか考えさせられる。もしかして、誰もがその事実に気づかずに日々を過ごしているのだとしたら、その事実に気付く事でどんなふうにかわるのだろう。
そして、私自身前世に思いを馳せてみる。
私の心も頭も何も記憶していない。
その現実に私は満足している。
もし、過去生を記憶せずに、次の人生をえらべるのであれば、私に能力があり懸命に勉強して、人の役に立てる職業につきたいと思う。
そして、愛する四人の子ども達の母親になりたいと思う。
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久しぶりの佐藤正午。
相変わらず、物語の流れに引き込まれてどんどん読み進めてしまう。
一冊を通じて飽きることなく、最後まで心地よく読み切れた。
深く心に染みるタイプの作品ではないのに、なぜか読後の印象がしっかりと残る。
この独特のリズムは好きな作家のうちの1人です。
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積読本解消。小山内堅15年前妻娘を交通事故死で地元八戸に。大手ゼネコン勤務三角哲彦34年前学生時代主婦正木瑠璃との恋物語と27才での事故死、夫正木竜之介は再就職先社長娘7才のぞみが妻の生まれ変わりと疑う、小山内瑠璃の親友緑坂ゆいの娘るりは自分は瑠璃の生まれ変わりだと主張し小山内と会う。7才上弦の月にはスピチュアルななにかが?ダライ・ラマ14世チベット仏教最高指導者はこれからも後継は生まれ変わりで決定とか。第157回直木賞受賞、映画化も
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終わり方がすごく良かった。
生まれ変わりとかは信じられないけど、前世から引き継ぐ何か(直感とか断片的な記憶やその場所や人に対する印象とか)って、あるんじゃないかなと思った。
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輪廻転生を繰り返す瑠璃という女性。
全ては一人の男性ともう一度出会うため。
これだけ見ると、とてもロマンチックな印象を受けるが、
読んでいて、果たしてこの再会は幸せなのだろうかと感じたのも正直な意見。
後半で明らかになる小山内の悟った真実。
これもまた、待ち受けるのは本当に幸福なのか?
苦しみでしかないのではないかとそんな風にも思った。
自分だったら、いつか壊れてしまうのではないかと
そんな風に思い、ゾッとしてしまった。
そう、そんなことを佐藤正午は全て理解した上で、
この物語を我々に突きつけているのではないだろうか。
この数奇なる愛の軌跡をどう受け止めるか。
読んだ我々は試されているのではないだろうか。
想像力という読書において最大限に発揮される人間の能力を。
Posted by ブクログ
さすがの直木賞受賞作品ですね。
前の人生の記憶を持って何度もヒロインが生まれ変わるというファンタジー設定です。
ですが、「同様の生まれ変わりの事例は世界中にいくつもある」「生まれ変わりについて研究された本も何冊も出ている」という作中で当然のようにさりげなく入ってくるこれらの内容により、本当にある話としての緊張感が保たれます(気になって調べましたが、そんな本は出ていませんでした)。
また、ヒロインと三角の出会いの場面で、雨に濡れたヒロインに、ハンカチがないので着替えのTシャツを渡すという変な出会いをします。この微妙に変な違和感が、ラストで泣いているヒロインに三角がハンカチを渡すという形で解消されるのは、あまりに上手すぎて感動しました。
創作のテクニックでこんなに人は感動させられてしまうものなのですね。改めて小説は奥深いです。
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4人のるりが生まれ変わりをして記憶を持つ話。最初のるりが、本当に三角が好きで、強い思いは前世に受け継がれる、みたいなかんじかな?記憶も色々と受け継がれているけれど。でも三角と会って緑坂るりちゃんはどうするんだろう?相手は、おじいちゃんくらいの歳の人だよ。。最後のるりちゃんはるりちゃんとして人生歩んで欲しいなと。
自分が死んで他の人に生まれ変わったらどうしようって思った。夫を探すかな?でも自分の母親とくっつけるとかはいろいろきついから、猫になって近づいて一緒に暮らして数年でまた死にたいね。それで成仏しますわ。
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"生まれ変わっても会いたい"
それだけ人を愛せたら幸せだろうなぁ、と思った。
……かもしれない。高校生くらいの若かりし頃の私ならば。笑。
そもそもの哲彦と瑠璃の関係も大学生と人妻。
その後の生まれ変わりの瑠璃達だっていい歳した大人と未成年。おじさんと子供。下手したらおじいちゃんと子供。でしょう?
再会してその後幸せな想像が私には出来ない。
男と女として向かい合うには無理があるし、家族にはなれない。
私には産まれたばかりの娘がいるから、自分の娘が「前世で恋人だった人と再会するために生まれてきた」とか言い出してわき目も振らず知らない男を一心に探し求め出したらどうすればいいのか、と考えてしまいました。梢やゆいのように娘に協力してあげられる?
いや無理でしょう!大きくなってくれば変わってくるのかもしれないけど、0才の娘は極端に言えば"私の一部"みたいなもので、だからこそ夜泣きで眠れなくても24時間一緒で自分の時間なんて一切なくても頑張れるのに、「ママの子どもになるために」じゃなくて「哲彦くんに会うために」?
え?ナニソレ?コノコダレ?
そんな風に思っても星4つけたのは、シンプルに面白かったからです。自分に置き換えたりとか周りの人達が混乱し不幸になっている事だとかを深く考えなければ、よく出来たストーリーで続きが気になってどんどん読める本だったから。
小山内さんを軸に話しが進むからこその面白さですよね。これが哲彦か瑠璃目線だったら、どこかにありそうな陳腐なラブストーリーだったと思います。
ただ、亡き妻梢が生まれ変わって前世の夫である小山内と一緒にいたいがために自分の母親と小山内の仲を取り持ったかもしれない…のくだりはものすごく怖かったです。そんなに好きな前世の夫と母親がそういう関係なの耐えられる?
この後哲彦はるりは小山内はどうするんでしょうか。どう生きるのでしょうか。
瑠璃に聞きたい。生まれ変わって再会できたとして幸せな未来は待っていましたか?
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おすすめされたので、手に取ってみた本。
時系列がバラバラしてイマイチ掴みにくいが、先に映画を観ていたのでなんとなく整理できながら読めた。
前世の恋人に会いたいために転生を続ける瑠璃。この子の情熱も凄いが、小さい子が会いにきて待っていたと言える哲彦くんもなかなか。愛って一歩間違えたら執念なのに、綺麗に纏めてるなぁ。
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生まれ変わりを信じる人の為のお話。
人の想いが死を跨いでなお繋がり成就していく。
時系列的に少し混乱したが、読み進めていくうちに腑に落ちました。面白かったです。
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佐藤正午さんの直木賞受賞作です。映画化もされているらしく、佐藤正午さんの、万人受けするような作品って一体どんな感じなんだろうと期待と不安で読んでみました。が、やっぱりちゃんと佐藤正午さんでした。軽妙で独特な会話のやり取りが非常に癖になります。この物語は登場人物がそこそこ多く、時間も行ったり来たりするのでだんだん誰と誰がどの時代の何だったっけってなるんで相関図を作りながらがいいかも。「生まれ変わり」という非現実的・非科学的なテーマを扱っているのでファンタジーだと割り切って読みましたが、参考文献にもあるように、実際に前世の記憶をしゃべる子供がいるらしく、研究も行われているそうです。
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愛する人に会うために生まれ変わってあなたの前に現れる。
前半は不思議感が先行してどうなるのか興味を持って読み進めていったが、途中でペースダウン。回りくどくて、女の執念さがちょっとダメかな。
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いや、どういうこと?っていう戸惑いを一緒に経験して、一緒に理解して、受け入れた、気がする。
愛は目に見えないけれど確かに存在している。
生まれ変わっても、わたしがわたしである限り、ずっと私なのだ!
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愛して結ばれたい人がいたのに、先に死んでしまった。生まれ変わることができて記憶が残っているのに、自分は子どもで簡単には会いにいけなかったら…。切なくて、もどかしいだろうなぁ。
でも、これは生まれ変わる側ではなく、その人に関わった人の視点からのストーリー。文学的な表現が好みに合わないけど、仕掛けは面白かった。
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オカルト寄りのどろどろ恋愛小説
記憶の残った状態での輪廻転生があるとしたらこんな感じになりそう、
いけない恋とわかっているから「るり」も熱くなれたのかもしれませんね。
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場面が変わる度に次が気になり、気がついたら一気読みしていました。始めの喫茶店での女の子の態度から、こんなにも時間をかけた愛の繋がりの物語が描かれているとは思いませんでした。
月の満ち欠けのように、生と死を繰り返し、未練がある人に会いに行く。それほどの人に出会えて、相手も同じように思ってくれていたら、幸せなことこの上ないですね。
Posted by ブクログ
生まれ変わりっていう言葉を現代の人が、この本をきっかけに興味を持ってくれるといいなって思ったし、生まれ変わりっていうことに心惹かれるものがやっぱり人間あるんだなって思った。
でもそういうことを受け入れられないために悲劇が連続している悲しさも伝わるといいな。
最後会えて良かったなぁ。ちょっと女の執念的な感じで少し不安になりながら読んだけど、まあでも会えたから良かったかなって。
うーん。でも、そう考えたら死者に囚われてしまう人が増えてしまうっていうマイナスもあるのかなって感じでちょっとぐるぐる。小山内さんとみずきさんのこともそうだし、三角さんだって奥さんいたし、、、。
やっぱり本当の生まれ変わりの仕組みとかを伝えるっていう必要があるなって感じた。
こういうお話は好きだったはずだけど、少しだけもやもやするのは、どうしてなんだろう。
Posted by ブクログ
瑠璃が月の満ち欠けの様に生まれ変わる物語。何のために生まれ変わるのか意味をよく掴めなかった。気になる一人の異性のためなのか、もう一度人生をやり直したいのか。でも後者ではないような感じ。不思議な読後感。ハテナばかり残る感じ。
Posted by ブクログ
予想していた、純愛物語とかミステリーとかファンタジーとかでは全然なくて、己の妄執で関わった全ての人たちに不幸と戸惑いをもたらすというホラーとしか思えず。怖かった。
特に小山内への最後の呪いの示唆は、今後の彼が気の毒すぎて作者の底意地悪さにビビる。
Posted by ブクログ
生まれ変わりをテーマにした小説
今現在7歳の娘を持つ父親としては、他の方のレビューにもあったように、自分の子供の人生が乗っ取られる感じがしてどうにも気持ちが悪い。
最初の三角と瑠璃さんの恋愛にはドキドキして感情移入も出来たものの、その後の展開では誰の視点で読み進めればよいのかよく分からずちょっとストレスを抱えながら読むことになった。
なんか最後の1行で「ずっと待っていたんだよ」みたいなセリフで純愛っぽい雰囲気を出してきたけど、よく考えたらやっぱり相手は知らない7歳の女の子だしなぁと。
死んじゃった人との恋愛であれば「いま会いにいきます」とか「黄泉がえり」とかが良かったです。
Posted by ブクログ
最近は、一晩寝て次の日に読むと、物語の前後の繋がりがちょっとわからなくなる。
いつものように毎晩少しずつ読むパターンだとこの物語は、あれっこの瑠璃は??となって、え〜っとこの娘は瑠璃で、きれいなお姉さんも瑠璃で……と、こんがらがってしまった。
ちゃんと理路整然と読めてるひとが羨ましい。
星が少なめですみません。