【感想・ネタバレ】月の満ち欠けのレビュー

あらすじ

あたしは、月のように死んで、生まれ変わる──目の前にいる、この七歳の娘が、いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく。この数奇なる愛の軌跡よ! さまよえる魂の物語は、戦慄と落涙、衝撃のラストへ。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

第157回(2017年下半期)直木賞受賞作。

素敵な小説でした。
落ち着きある、駆け足にならない速度の文章で書かれていて、
読んでいる期間中、いい時間を過ごせました。

「輪廻転生」「生まれ変わり」が大きな仕掛けになっています。
だからといって、オカルト色が前面にでている
けばけばしい作品ではありません。
ロマンティック。
見ようによっては、ヒロインのその深い情愛に怖さを感じるかもしれない。
それでも、読後感といい、相手役のキャラクターといい、
素敵なロマンスを独特の角度から語った小説と言えそうです。
中盤の正木瑠璃と三角哲彦の章は、
これだけで短編としてでも、まばゆく、優しく、燦然と輝く出来ですよね。
この章が一番好きで、最後の〆方と同様に気持ちを持っていかれました。
さすがの実力です。

今、自分が執筆中ということもありますが、
言葉遣い、語彙、構成、喩えなど修辞の入れ方だとか、
いろいろ学ぼうという気持ちがありながら読むのですが、
面白さを楽しむ方に負けてしまう。
こういう面白くて落ち着いた作品を書けたらなあ、と
またひとつ目標ができました。

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2025年07月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

さすがの直木賞受賞作品ですね。

前の人生の記憶を持って何度もヒロインが生まれ変わるというファンタジー設定です。
ですが、「同様の生まれ変わりの事例は世界中にいくつもある」「生まれ変わりについて研究された本も何冊も出ている」という作中で当然のようにさりげなく入ってくるこれらの内容により、本当にある話としての緊張感が保たれます(気になって調べましたが、そんな本は出ていませんでした)。

また、ヒロインと三角の出会いの場面で、雨に濡れたヒロインに、ハンカチがないので着替えのTシャツを渡すという変な出会いをします。この微妙に変な違和感が、ラストで泣いているヒロインに三角がハンカチを渡すという形で解消されるのは、あまりに上手すぎて感動しました。
創作のテクニックでこんなに人は感動させられてしまうものなのですね。改めて小説は奥深いです。

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2025年05月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

4人のるりが生まれ変わりをして記憶を持つ話。最初のるりが、本当に三角が好きで、強い思いは前世に受け継がれる、みたいなかんじかな?記憶も色々と受け継がれているけれど。でも三角と会って緑坂るりちゃんはどうするんだろう?相手は、おじいちゃんくらいの歳の人だよ。。最後のるりちゃんはるりちゃんとして人生歩んで欲しいなと。

自分が死んで他の人に生まれ変わったらどうしようって思った。夫を探すかな?でも自分の母親とくっつけるとかはいろいろきついから、猫になって近づいて一緒に暮らして数年でまた死にたいね。それで成仏しますわ。

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2025年05月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

"生まれ変わっても会いたい"
それだけ人を愛せたら幸せだろうなぁ、と思った。
……かもしれない。高校生くらいの若かりし頃の私ならば。笑。

そもそもの哲彦と瑠璃の関係も大学生と人妻。
その後の生まれ変わりの瑠璃達だっていい歳した大人と未成年。おじさんと子供。下手したらおじいちゃんと子供。でしょう?
再会してその後幸せな想像が私には出来ない。
男と女として向かい合うには無理があるし、家族にはなれない。

私には産まれたばかりの娘がいるから、自分の娘が「前世で恋人だった人と再会するために生まれてきた」とか言い出してわき目も振らず知らない男を一心に探し求め出したらどうすればいいのか、と考えてしまいました。梢やゆいのように娘に協力してあげられる?
いや無理でしょう!大きくなってくれば変わってくるのかもしれないけど、0才の娘は極端に言えば"私の一部"みたいなもので、だからこそ夜泣きで眠れなくても24時間一緒で自分の時間なんて一切なくても頑張れるのに、「ママの子どもになるために」じゃなくて「哲彦くんに会うために」?
え?ナニソレ?コノコダレ? 

そんな風に思っても星4つけたのは、シンプルに面白かったからです。自分に置き換えたりとか周りの人達が混乱し不幸になっている事だとかを深く考えなければ、よく出来たストーリーで続きが気になってどんどん読める本だったから。
小山内さんを軸に話しが進むからこその面白さですよね。これが哲彦か瑠璃目線だったら、どこかにありそうな陳腐なラブストーリーだったと思います。
ただ、亡き妻梢が生まれ変わって前世の夫である小山内と一緒にいたいがために自分の母親と小山内の仲を取り持ったかもしれない…のくだりはものすごく怖かったです。そんなに好きな前世の夫と母親がそういう関係なの耐えられる?

この後哲彦はるりは小山内はどうするんでしょうか。どう生きるのでしょうか。
瑠璃に聞きたい。生まれ変わって再会できたとして幸せな未来は待っていましたか?

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2025年04月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

おすすめされたので、手に取ってみた本。

時系列がバラバラしてイマイチ掴みにくいが、先に映画を観ていたのでなんとなく整理できながら読めた。
前世の恋人に会いたいために転生を続ける瑠璃。この子の情熱も凄いが、小さい子が会いにきて待っていたと言える哲彦くんもなかなか。愛って一歩間違えたら執念なのに、綺麗に纏めてるなぁ。

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2025年03月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

愛する人に会うために生まれ変わってあなたの前に現れる。
前半は不思議感が先行してどうなるのか興味を持って読み進めていったが、途中でペースダウン。回りくどくて、女の執念さがちょっとダメかな。

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2025年09月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

生まれ変わりっていう言葉を現代の人が、この本をきっかけに興味を持ってくれるといいなって思ったし、生まれ変わりっていうことに心惹かれるものがやっぱり人間あるんだなって思った。
でもそういうことを受け入れられないために悲劇が連続している悲しさも伝わるといいな。

最後会えて良かったなぁ。ちょっと女の執念的な感じで少し不安になりながら読んだけど、まあでも会えたから良かったかなって。
うーん。でも、そう考えたら死者に囚われてしまう人が増えてしまうっていうマイナスもあるのかなって感じでちょっとぐるぐる。小山内さんとみずきさんのこともそうだし、三角さんだって奥さんいたし、、、。

やっぱり本当の生まれ変わりの仕組みとかを伝えるっていう必要があるなって感じた。

こういうお話は好きだったはずだけど、少しだけもやもやするのは、どうしてなんだろう。

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2025年05月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

生まれ変わりをテーマにした小説
今現在7歳の娘を持つ父親としては、他の方のレビューにもあったように、自分の子供の人生が乗っ取られる感じがしてどうにも気持ちが悪い。
最初の三角と瑠璃さんの恋愛にはドキドキして感情移入も出来たものの、その後の展開では誰の視点で読み進めればよいのかよく分からずちょっとストレスを抱えながら読むことになった。
なんか最後の1行で「ずっと待っていたんだよ」みたいなセリフで純愛っぽい雰囲気を出してきたけど、よく考えたらやっぱり相手は知らない7歳の女の子だしなぁと。
死んじゃった人との恋愛であれば「いま会いにいきます」とか「黄泉がえり」とかが良かったです。

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2024年07月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

果たしてこの物語の着地点はどこになるのか…ただの幼児性愛者ではないけれど、客観的にみたらそうなんだよなぁ。

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2024年06月24日

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