あらすじ
あたしは、月のように死んで、生まれ変わる──目の前にいる、この七歳の娘が、いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく。この数奇なる愛の軌跡よ! さまよえる魂の物語は、戦慄と落涙、衝撃のラストへ。
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Posted by ブクログ
最後泣けました。よくやった、これで良いですよ。読者の期待通りの着地でいいじゃないですか。
途中これは推理もの?ホラーもの?と迷いながらも引き込まれ、謎解きなら解いてやるぜと意気込んだものの、最後はそんなことどうでも良い話で終わりました。全体の作りはうまくできていたと思います。
うそでもホントでもいいから、この世から消えてしまった人に会ってみたいと人は思うもの。強く愛する人ならなおさらだと思います。
Posted by ブクログ
↓本の中身についてだれかとがっつり共有?したくて、ネタバレまみれの拙い誰目線長文、汗↓
人は死んだあと生まれ変わり得る、という考えを含む話。
ひとりのひとつの思考を基にして、時も場所もばらばらだった人たちがすべて線で結ばっていき、多かれ少なかれ影響を与えあう過程が描かれていておもしろい。
時系列はばらばらでも、唯一、瑠璃だけがすべての世界を生きていて、瑠璃の仕草や口調がすべての場面に落ちているから、短編集のようになってないところが好きだった。
だからこそ、登場人物が多くて混乱しそうになるが、映画のキャスト、短歌、ライター、、などでそれぞれ対比させているところが、登場人物の多さにより意味を感じて素敵だなと思った。
ほかにも、「」の有無、色の表現などといった、いわゆる"よくある"手法もたくさん落ちていたところも好みだった。
特に大好きで感動したのが、物語の終わり方。
物語は小山内視点からはじまった。当然、終盤も小山内視点だと思っていた。
しかし、小山内視点の最後は4/5章。
それも、とある人物を思い浮かべて、(娘・瑠璃と共に亡くなった)妻・梢の生まれ変わりが存在しているのではないか、と小山内自身が考えを揺らしたシーンだった。
これには未熟ながら、「ありがちなハッピーエンドか」と思ったりもしてしまった。
しかし、そのまま最終章を読むと、視点は全く変わり、現在軸の瑠璃(=緑坂るり)でびっくり。最初は誰視点かわからなかったくらい唐突の場面変更だった。(4章の終わり方も、最終章の始まり方も)
4章を引きずらなかったのが、ラストに三角×るりをもってきたのが、良かったと思う。
もっと言うと、「小山内の妄想」で留めたのはものすごく良かったと思う。ありきたりな「妻も生まれ変わりで、自分に会いに来てた」パターンのハッピーエンドじゃなくて、その"妄想"をすることで、小山内の考えが(変わるではなく)揺らぐきっかけになっただけなのがほんとうに、大好きでした。思考が揺れている小山内、のあとを描かないのも大好き。
しかも、瑠璃も希美もるりも含めて、"瑠璃"の視点が描かれたのって初めてな気がする。(曖昧な記憶)
結局、すべての登場人物に共通してるのは瑠璃だからたしかに適切であって、逆にここで初をもってきたことに感動。
これは少し飛んだ妄想だけど、
小山内視点でみれば、物語ってきっと四章で終わってて、五章はアナザー/アフターストーリー、くらいなのかなと思ったり。でも、物語の本質は五章に全部含まれてる…っていう…。楽しい。素敵。
最終章の三角の言葉が「」で表されなかったのも粋だなと感じた。読者はあくまでるりの頭の中だけをみてる。三角とるりの関係や実状は、こちら側の想像に委ねられるし、なんなら、あえて伝えたくない、ふたりだけの秘密のような、そんな状況を思わせる表現で素敵でした。
…
大人になってから真面目に読んだ1冊目がこの本で良かったです。
きっとこれがわたしの読書人生のベースになっていくんだろうな。たのしみ。
Posted by ブクログ
生まれ変わり、信じたいなぁ〜
瑠璃の愛が深すぎてそこは共感できなかったものの、次から次へと人やエピソードが繋がってゆく様がかなりおもしろかった!
借りたかった熟柿が無く代わりにこちらを。
この作者の作品を読むのは初めてだったけど、読みやすい文体で好みかも。
次読むときは相関図を書きながら読み進めたい〜
Posted by ブクログ
佐藤正午さんの作品は初めて読んだ。
読みやすく、面白いという印象。
ほかの作品も読みたいと思える内容。
テーマは何だろうか、と考えると「永遠の愛」という
のが一番浮かびやすいと思う。
その次に「孤独」「死生観」がくるのかな。
作中、「瑠璃」は4人いる。
「生まれ変わり」という設定。
ファンタジーとも取れる設定であるが、その瑠璃と出会い、瑠璃の周りには男性がいる。
三角、小山内、正木、、、
それぞれのプロットも緻密に書かれているので、外側から見ればひどい人間(とくに正木は)に見えてもドラマがあるので、一方的に否定できないと感じた。
その事から人間の多様な見方を読者に強いることで、正義や悪という簡単に人間をカテゴライズできないということも再確認させてくれる。
「おもいが強い人は生まれ変わる素質がある」と4番目の瑠璃は言った。
しかし、それは「純愛」「深愛」と取らせるような内容ではあるが、作中前半に死後、人間はどうなるのか?
輪廻転生やそのままいなくなるのかという宗教的なことも書かれている。
良く捉えると「また巡り合える愛」であるが、「成仏できないで死後も孤独に耐え切れずにいる」とも捉えてしまう。
はたしてこれは幸福なのだろうか?
それも大切なテーマであると思う。
死んでも、死んでもずっと好きな人を思い続けて、蘇ってしまうのだ。
三角が瑠璃のことを数十年後も覚えていて、ようやく出会えたという内容であったが、その間三角はほかに好きな人はいなかったのか?もしいたのであれば、、と思うと
瑠璃は永遠に転生し続けるのか。
三角にとって初めての女性であった瑠璃を死によって美化してしまい、忘れられないというのは人間、特に男性にはよくある。
三角が一番瑠璃に対して気持ちが盛り上がったところで、瑠璃が死んだことでその気持ちを持ち続けることになる。
果たしてこれは「愛」なのか?そもそも「愛」とは?
「月の満ち欠け」というタイトルも、生まれ代わりのメタファーとして神秘的に聞こえる反面、その月の裏側を想像すると「誰も見たことのない恐ろしいもの」があるのでは、と考えてしまえるのが深い。
という深堀を読者にさせるという内容であるので
まんまと作者の意のままにされたという作品でした。
いろんなことを考えれるのでお勧めです。
※ちなみに映画化されていますが、内容はかなり変わっています。2時間の尺では難しいようでした。
Posted by ブクログ
たまたま手にとって、私の本棚で積読になっていた本。情報も何も入れずに読んでいたら、想像を超えた謎が広がって一気に読んでしまいました。
死んで生まれ変わる時に、死んだ瞬間から次の命に引き継がれていくシステム?なので、舞台は連続した時間軸の中で行われている。私は転生モノは勝手に「時代を超えて展開していく」と思いこんでいたので、この本のように「同時代の」この人もこの人も、全部生まれ変わりで繋がっていて…みたいな話は混乱もしたしそれが面白く物語の真相を掴みたくてどんどん読めました。
ちょっと瑠璃さんの挙動は愛というより「呪い」のような印象を受けました。
Posted by ブクログ
知人に勧められて読んでみた。
好きだった三角とオープンを関係になれないまま事故でなくなってしまった瑠璃が、再度三角に会うために、記憶を引き継いだまま生まれ変わっていく話。
「瑠璃」は周りの家族や関係者の視点で語られており、最後、三角に会いにいく時だけるり自身の視点で描かれている。
2代目の梢は「るりに前世の記憶がある」ということを夫の小山内に信じてもらえなかった。自分が理解できないことは妻の戯言だと解釈する小山内が好きではないなと思った。。
ファンタジー感強めの恋愛小説だった。
Posted by ブクログ
熟柿で佐藤正午さんを知りました。1冊目の印象と変わらず、構成のうまさの光る、読者を引き込む力のある作品で、楽しく一気に読み進めてしまいました。ともすれば、安っぽい設定になってしまいそうな、いわゆる転生モノを、これだけの緻密なプロットに乗せて書き上げるのはすごい!
ただ、読後感はざらりとした気味の悪さが残る。熟柿は気持ちよく本を閉じることができたのだけど、本作はキーパーソンである瑠璃の激しい執着心を好きになることができず、感情移入ができないままに終わった。
Posted by ブクログ
良くある生まれ変わりに対して、生まれ変わりをした子供の親や関係者に焦点を当てたのが斬新だった
たしかに自分の子が生まれ変わりになったら、産んだ親としては複雑だよなぁと
その構成は面白かったが、生まれ変わる女性が男性にそこまで恋焦がれる理由がよくわからんかった
Posted by ブクログ
この小説を読んでしまったら、周りの人間関係が違った景色に見える。だろう。
生まれ変わりはあるかないか、などどうでもいい。この小説を読んで気づいたのは生まれ変わりの可能性のある人物というのはその人が生きてきた過去の記憶があるかどうかで判断する。つまり、記憶は同一だけれども、肉体的には別人。もっと言えば、記憶がなければというか、揮発性のメモリであれば生まれ変わりとかそんなことは関係ない。争いもなくなるだろうなぁ。
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あたしは、月のように死んで、生まれ変わる──目の前にいる、この七歳の娘が、いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく。この数奇なる愛の軌跡よ! さまよえる魂の物語は、戦慄と落涙、衝撃のラストへ。