放蕩記

放蕩記

小説・文芸
605円 (税込)

3pt

4.3

私はなぜ小説を書くのか。お金のためである。――処女作が新人賞を取って売れまくり、使っても使ってもお金が入ってくる“ぼく”、海藤正夫(かいどうまさお)。昼も夜もなく、酒と女に溺れる放蕩の日々。それは果てしなく続くと思われたが、ある日金が底をつき、あっけなく終わる。どん底の中、小説家が見つけた真実とは? 各章ごとに文体が変貌する、佐藤正午のみに書きうる傑作。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    光文社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    光文社文庫
  • タイトル
    :
    放蕩記
  • タイトルID
    :
    277852
  • 電子版発売日
    :
    2014年08月29日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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放蕩記 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    『つまりさ、5万円はどんな状況においても5万円の価値を発揮するんだよ。ところが愛情の価値は不安定だ。女が支払った5万円はパジャマを受け取った男にとっても5万円だけど、女が一針一針にこめた愛情は受けとる男によってはゼロの価値になる場合がある。ゆえに結論としては、愛情は5万円に劣るんだよ。まちがってる?』

    『でもあたしは当時のあたしを笑うつもりなんかないわよ。あれから20年たって、うん、正確にいえば20年じゃ足りないけど、いいじゃないの税金の申告じゃないんだし。』

    『お金というのはやっかいなものですね。足りなければ大切な人を失ってしまう。あり過ぎても失ってしまう。』

    『あなたの一番幸福な時はいつでした?
    思い出せないわ、不思議なことにいくら思い出そうとしても思い出せない。だから実際には、それはなかったのかもしれない。もしかしたらわたしの一番幸福だった時は昔をさがしても見つからないのかもしれない。でもあなたといるといつも、それを思い出すの。
    それはつまり…
    そう。
    つまりわたしはあなたといるときが一番幸福なの。』

    「どうしてそんなに毎晩…お金がもったいないじゃない」
    「止めてくれる友だちがいないんだ」
    「誰かが飲むなと言えば飲まないの?」
    「友だちがね」
    「止めてくれる友だちがいたら?」
    「絶交する」

    『雨音。苛々する。雨音雨音雨音。ベランダで油がはねる音。誰かが延々と野菜を炒め続けている。』

    『規則正しい生活。規則正しく何もしない生活。飯も食わず、風呂にも入らず、外にも出ない。ただ規則正しくウイスキーを飲みウイスキーを飲み小説を読む。他には何もない。』

    『死ぬ前にいちばんしたいことは何か、こんな質問に対して答が出せるというのはもともと死ぬつもりなどないのでしょう。したいことがある以上は生き続けるしかないからです。このさき生きていく上でいちばんしたいことは何か、いまいちばんしたいことは何か、そう訊ねるのと同じ意味の質問になるからです。』

    「好きでもない人から5万円のパジャマを貰ってもその人を好きにならない、でも、好きな人からは何も貰わなくてもやっぱりその人のことが好きだ。だから5万円は人を好きだという気持にはかなわない。当ってるよね。あたしはこっちが正しいと思う。そうでしょ?」

    0
    2018年08月21日

    Posted by ブクログ

    佐藤正午の『ジャンプ』という小説は、コンビニにリンゴを買いにゆくといって消えたガールフレンドと取り残された僕の5年間の物語である。
    ミステリーとして絶賛されたそうだが、これはミステリではなく、紛れもなく優柔不断でやさしくって冷たくって少しシニカルな佐藤正午のいつもの話なのだ、と思った。
    主人公に対して、ああ俺ってこんな優柔不断できたねえ野郎だなと、フムフムとうなづくことはできても共感はできない。だから書評とか読むと、怒ってる女の人たちもいたりするのだろう。でもそれが佐藤正午のいいところなのだ。
    その頃、1991年に書かれた『放蕩記』を、自宅の本棚の奥から引っ張り出してきて読むことにした。自伝風に作った、これまた佐藤正午という他人との微妙なディスタンスをともってしか生きてゆけない男の物語で、この人の作風というものは変わっていないな、と、再認識した。
    で、そう考えると、僕も佐藤正午とつかず離れず共に生きてきた人間なのかもしれない。
    君が好きだといいながら平気で二股をかけるような男。お酒に酔ったときだけ笑う男。いつもは怒っているくせにここぞとばかりに下ネタをいう男。誰も信じられず自分のことも信用してないくせに、人に嫌われたり悪口を言われることを人一倍気にかけている男。
    決していい読者とはいえないけれど。
    『永遠の1/2』『リボルバー』『スペインの雨』『ビコーズ』・・うーん、僕は彼のどこが好きなんだろうか?
    彼の書く男たちはつきまとって離れない影のように僕の中にいるのだろう。僕自身と相似形でないにせよ。
    『タマネギ刻むと涙が出るじゃない。泣きたいときはタマネギ刻みなさい、泣けない訳があるときはね、それが人生の知恵、悲しい知恵。』
    『三百六十日、日日(にちにち)酔うて泥の如し』(放蕩記より)

    それから何年たっただろう。
    1991年に読んで2002年に読んだ「放蕩記」を、2012年の年末にまた読んだ。
    かつてぼくも、きっと、混沌の中にいて、最後には生きようと思ったんだと思う。
    さて、現在は52歳の自分、今ではラッキーなのか残念なのか「死のう」とは思っていないけど、なぜか「よりよく生きたい」という意思だけは若い頃より強靭になってきた。
    それはきっといいことか、偏屈さが増しただけのことか、あとがないからなのかわからないけど。
    この作品の主人公「海藤正男」氏が還ってきたように、ぼくもあと何度か沈みかけたら、その時はまたこの本を手にするのかもしれない。

    まあいい、とりあえず今宵もバーボンを飲んで眠りに落ちるとしよう。

    0
    2012年12月31日

    Posted by ブクログ

    この作家知らなかったけど村山由佳の放蕩記と同じタイトルだから読んでみた。こうまで破滅的に生きてみたら楽しそうでもあるけど、自分にはとてもできそうになくてファンタジーだな。

    0
    2016年03月01日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    題材
    ・デビュー作がヒットして印税でウハウハしていた新人作家

    テーマ
    ・落ちても前を向く

    誰が何をする話なのか
    ・鳴かず飛ばずの作家が、それでも原稿を書いて生きていく話

    最も伝えたかったこと
    ・乗り越えなくてもいいから、前を向いておけ

    キャッチコピーは何か
    「一文無しでも、一人ぼっちでも、変人としてでも、生きるーー」

    0
    2025年03月22日

放蕩記 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    光文社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    光文社文庫
  • タイトル
    :
    放蕩記
  • タイトルID
    :
    277852
  • 電子版発売日
    :
    2014年08月29日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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