【感想・ネタバレ】Yのレビュー

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Posted by ブクログ


未来と過去を行ったりきたりなタイムトラベルものは苦手なはずなのに、何故かどんどん引き込まれて読めちゃった本。
設定が難しいところもあって、途中ごちゃごちゃするけど面白いから読めた!!

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2018年04月06日

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『僕の話を聞くとき、決して君は余計な口をはさまなかった。気休めや、慰めの言葉も吐かなかった。いい加減に忘れてしまえと短期に決めつけることもなかったし、ありきたりの、「どんな過ちも時が解決してくれる」式の忠告でお茶を濁すこともなかった。
「話してみろよ」
と、会えば必ずきみは言って、僕の話の聞き役を飽きずにつとめてくれた。』

「お父さんは確か、鉄道に勤めておられたんだよね」
「JRの前身のね。知らないかもしれないから教えてあげるけど大昔には国鉄って呼んでたのよ。それで秋間くん、この百年ぶりの電話はいったいどんな風のふきまわしなの?」

「実は、高校の卒業アルバムを見てみたい」
「いま卒業アルバムって言ったの?」
「言った。高校の卒業アルバム、それを見てみたい。いや、その前にきみに見て確かめてもらいたいことがある」
「あたしたちがあの高校を卒業したときに、記念に作られたアルバムのこと?」
「うん」
「うんって、秋間くん ー あたしたちがあの高校を卒業したのはもう二百年ほど前よ」

「いま思い出したけど、秋間くんのご両親はふたりともNTTでお仕事されてたんじゃなかった? ご健在?」
「浦安に建てた家にいまも僕の兄夫婦と暮らしてる。知らないかもしれないから教えてあげるけどNTTは大昔には電電公社って呼んでたんだぜ」

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2016年11月06日

Posted by ブクログ

タイムスリップをめぐる出会いと別離。その物語はいつも読む者に切ない感情を呼び起こす。
それは、現代――交通手段と通信手段が著しく発達し、空間を隔てるということがもはや絶対的な障壁ではなくなった――において、今なお容易に(絶対に!?)越えることのできない隔たりこそが「時間」であるからだろうか。

佐藤正午の小説「Y」は、まさにそういう種類の物語だ。


ある日見知らない男から電話がかかってくる。
「おぼえていないかもしれないが」と男は言う。「ぼくはきみの親友だった」と。そして「ぼくの物語を読んでほしい」と懇願する。
編集者を生業にしている主人公は「売り込みだったらお断りだ」と答えるのだが、男は食い下がる。「読んでさえくれれば、ぼくがきみの親友だったという事実がわかるはずだから」と。
数日後、主人公は貸し金庫に預けられていた1枚のフロッピーディスクと500万円の現金を手に入れ、そして彼はフロッピーに収められていた男の物語を読みはじめる。しかし、そこから彼は、現実とも創作ともつかない不思議なストーリーの中に取り込まれてしまう‥。

それは、愛する人を救いたいと願った一人の男の物語だった。
愛する人を救いたいと願い、やがてその手段を手に入れた男は、しかしその結果新たに生み出される現実に裏切られていく。


誰かを救いたいと願うこと。それは意志だ。
しかし、何かを意志するということは、同時に何かを選択するということでもある。誰かを救おうとすると同時にすべての人を救うことはできない。
男は、自分が原因で自殺に追いやってしまった(と彼が信じている)女性を、その直接の原因となった事故から救おうと過去に戻る。
そこで男は愛する人を救い、親友を救い、さらに他の人々をも救おうとした。愛する人を救うことはできたが、親友も他の人々も救うことはできず、その結果として彼の人生は変わってしまう。

彼は選択することができなかったのだ。
愛するひとりの女性を救うために過去に戻った男は、しかしそれまでの十数年の人生の中で得た大切なものを捨てることができなかった。
生きるということは、ただひとつの愛を生きることではない。生きるとは、さまざまなレベルのいくつもの愛とともに生きるということだ。それは恋人であったり、家族であったり、友人であったりする。誰かを救うということ、すなわち意志するということは、それらの多様な愛をたったひとつの愛に集約するということなのだが、男にはそれができなかった。

もちろん、誰にだってそんなことはできない。それができるには人間を超えた存在でなければならない。

ソニー・ピクチャーズが放った映画「スパイダーマン」は娯楽映画だが、そこには現代におけるスーパーマンの苦悩が描かれている。
スパイダーマンは世界を悪の手から守ろうとし、そのために自分自身の恋人をあきらめようとする。それは彼の「選択」だ。
しかしどれほど多くの人の「希望」を救ったとしても、彼を最も愛するひとりの女性の「希望」を奪うのだとしたら、そこにどれだけの価値があるだろう。

それにそもそも「世界を救う」ことは可能なのか。
スパイダーマンであれバットマンであれ、あらゆる場所に遍在することはできず、すべての不幸に立ち会うことはできない。彼らはいつも誰かが不幸になった後に現れ、決してすべての人を救うことはないまま去っていく。
映画はそれで終わるかもしれないが、人生は続き、世界は終わらない。そしてまた別の不幸が人々を襲う。もしかしたら、スパイダーマンの手によって不幸から救い出された人が、まさにそのことによって別の不幸に追い込まれてしまうことだってあるだろう。中国の古い諺が示すとおりに。

世界を救うこと。誰かを救うこと。そのいずれもが結局は人間の思い上がりでしかないのかもしれない。
しかし、何かを「救える」と信じる人はそう考えない。「Y」の男はまさにそういう男であり、だから自分の意志が予想外の現実を生んだことを知ったとき、彼はもう一度やり直すことを選択する。
そうして彼は永遠に循環する時間の輪の中に閉じ込められていくのだ。


それにしても、この物語を読み終えたとき、そこにはなにか不思議な読後感が残る。
男に関するかぎり救いのない物語であるにも関わらず、また主人公にとっては家庭の崩壊という重い現実を背景に置いたストーリーであるにも関わらず、それはどこか気持ちのいい読後感だ。
それは、男が恋人や友人や家族を愛し、その関係をたいせつにしようとしたその愛し方が男以外の人々に伝わっていくからだろうか。佐藤正午作品の例にもれずどこか投げやりで、グズグズな人生を送っている主人公も、いくつかのあたらしい関係を手掛かりにして最後にようやく前を向いて歩きだす、その結末が希望を感じさせるからだろうか。

男が書き残していった物語、それが真実だったのかどうかは最後までわからない。それでも、そこに描かれた別の時間軸の物語を読み、そこに描かれたいくつかの愛の物語を体験することによって、現在の(そして唯一の)この時間軸での人生にも可能性があることに彼は気づく。そして、そこで出会った人々が実はかけがえのない人々であることに気づく。
それは、時間という超えることのできない壁を意識するとき、なおさら強くぼくたちの意識に訴えかけてくるのだ。だからこそ彼は、現在のこの人生を引き受けてあらためて生きていこうと考えるのだろう。

そうしてみると、去っていった男はやはり(自らは救われないまま)親友を救ったのかもしれない。もちろんそれは意志ではなく、したがって選択でもない。彼が人々を愛したその愛し方を通じて、彼は親友を救ったのだ。

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2014年11月12日

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★SFの設定を生かした男の切なさ★佐藤正午の小説のテーマは「去りゆく女と後悔する男」なのではないか。そして僕は、こういう離れていく女の話が好きなのだろう。解説でも触れているように、同じ時間を何度も繰り返して生きるアイデアそのものはオリジナルではなくても、別の人生では前の人生での知り合いを失ってしまう切なさの描き方が著者ならでは。それも語り手である主人公を別の人間とすることで、より距離の遠さが浮かび上がる。別の人生でも同じ人々が身近にいるというのがご都合主義だなと読みながら思っていたが、「縁」という表現で最後にまとめられるとなんだか納得してしまった。

★2019/8再読
うっすらと以前に読んだ気はしたが、内容はすっかり忘れていた。2度楽しめたのだからよかった。佐藤正午の面白さとは何だろうと改めて考えてしまった。設定はそこまで奇抜ではなく、性の場面も出てこない。ミステリー感と切なさの案配、取り返しのつかない後悔に引き付けられてやまない。

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2019年08月17日

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"時間を超えた究極のラブストーリー"という惹句なのだけど、自分にとっては"中年あるある"と"自分の人生をちょっとだけでも肯定する"というこの先生きていく上でのエールをもらった読後感でした。映画『エブエブ』を観た時と同じような気持ち。

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2023年08月28日

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佐藤正午の書く女性がとても好き。

なんでかわかった!
絶対的な自分を持ってるからだ。
それでいて品がある。

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2021年05月02日

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書棚の隅にひっそり佇んでいた文庫本。読んだはずだが、内容にまったく覚えがない。冒頭の数ページを試しに読んだところ引き込まれ、結局全部読んでしまった。意識だけのタイム・リープ能力を持った男の話──だろうか? ただ、主人公は別で、男に託された手記を読まされることになる。巧みに練り上げられた物語、二重三重に張り巡らされた伏線が回収されていく手際は「お見事!」としか言いようがない。エピローグで、水平撃ちの話を読んだとき、既視感を感じたが……まさかね(笑)。

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2020年05月19日

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 佐藤正午著書の「身の上話」が面白かったのであらすじを見て気になったこちらの本を手に取りました。

 SF的な部分を含んだ内容ですがその部分を科学的に説明する事を最低限に抑えている所に好感が持てました。SFが苦手な方でも読みやすいかと思います。

 限られた登場人物の関係を、特殊な設定を用いる事で密に描いている所が面白いです。中盤から一気読みでした、オススメです!

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2020年01月05日

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人生の分岐点、誰もが「あの時〜」と感じることの一つや二つはある。

今の自分の人生が、ある人の「あの時〜」をやり直した結果と知ったとき、やり直す前の自分がどう生きていたかを知ったとき、何を思いどうするのか…。

タイムスリップが主役のS Fではなく、歴史が変わる影響を受けた人たちが主役の、人生ドラマ

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2021年08月06日

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これを読んでから しばらく佐藤正午の小説ばかりを選んでいました。勢いづいて途切れなく最後のページに。

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2019年09月21日

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20年ぶりくらいに読んだけど、やっぱり面白い。列車事故とか飛行機事故とか、紙一重の差で難を逃れた人の話を聞くたびに本作を思い出す。

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2019年03月16日

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時々、過去の答え合わせをしたくなるときがある。
でも、それをして何になるのか?最後は思いとどまるのだけれど。
あのとき、こちらの選択をしていたら?
Yのように世界はいくつも存在しているのだろうか?
向こうの世界の僕はどんなだろう?

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2018年12月23日

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ネタバレ

「Y」。人生の分岐点。同級生でかつて親友だったと名乗る男からある日突然託された物語。疑いながらも真実と思わざるを得ないことが次々と出てくる。思考や言動は繰り返され、別の人間によってもまた繰り返され、どことどこが、誰と誰が、繋がってるんだっけ?とぐるぐる迷路に入り込む。真実の尻尾を掴んだと思ったらするりと逃げ出している。止まらなくて一気に読んだ。楽しかった〜。ストーリーは違うが映画「スライディングドア」を思い出した。

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2018年05月15日

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よくあるタイムリープものって言ってしまえばそこまでなんだけど物語の持っていきかたが秀逸だった。
ただ北川はこのタイムリープをいったい何回繰り返すんだろう。選んだ道は違っても同じ人間と違う立場で関わっていくっていうのもただ同じ時間を過ごすんじゃなくて面白いと思った。まさに映画のキャストみたいにそれぞれが色んな役を演じているみたいだなぁ。
あと話は飛ぶけど、秋間と水書弓子はなんで結婚なんかしたんだろ。
北川の3度目の人生も覗いてみたくなった。

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2018年04月11日

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タイムトラベラーいやパラレルワールド的なストーリー。人生やり直しできればいいなぁと思っていたが、北川を見ると、先がわかるのは、つまんないとも思えてきた。後半は面白くて一気読み。
2018.3.28

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2018年03月29日

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時空を越えて未来から戻ってきた男が、何とかして電車の事故から大切な人を助け出そうとする話。設定は少しベタなところもあったが、話はなかなか面白かった。もっと効率的に対処すればよいのにともどかしく感じる部分はあった。

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2017年09月30日

Posted by ブクログ

マトリックスやパラレルワールドラブストーリーに模した設定で、日常に対する違和感や疑問がストーリーを動かす。
ある日突然の友人からの電話を皮切りに、託された手紙から紐解かれる謎と、人間関係やつきつけられた現実、何を信じたらよいかわからなくなる、この辺りは秀逸。

ラブストーリーではない感、どこか他人事感があり、もう少し主人公が感情を激しく揺さぶられたなら、感情移入できたかと思うが、全体としては面白く一気に読めた。
最後があっさりだった気がするが、会話から少しずつわかる事実と緻密な筋書きは、シナリオとしても魅力的と感じた。

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2017年09月23日

Posted by ブクログ

単行本が1998年刊なので約20年前の作品ですが、本作の中核を成す超常現象および、SF・ミステリを前面に出しつつ実は恋愛小説だったという体裁から考えると、直近の直木賞受賞作『月の満ち欠け』と相似形をなす作品となっているように感じました。
本作の読みどころは構成の上手さです。北川健に起きる事象自体は、先行作品もありさほど目新しいものではありませんが、それに付随する伏線、登場人物各々の背景およびそれらが明らかになる過程が非常に凝っていて面白かったです。バックギャモンを人生になぞらせるくだりのように、本筋とは関係ないところで時折出てくる小ネタも味がありました。
星を一つ減らしたのは、第九章で顕著にみられるように、ご都合主義的な展開が散見されたからです。例えば私だったら事前に詳細を調べて、事故自体をなかったことにするよう行動すると思います。主人公が北川のことをずっと思い出せないのも不自然。もっとも、このあたりは人知の及ばない大きな流れの中に我々がいることによる、と解釈すれば大した疵ではないのかもしれません。
本作に登場するキャラクターは、既読の作品のそれとほとんど変わらないように感じました。男性の主人公には時々びしっと決めてほしいなあ、とじれったい気持ちを覚えることがあるのですが、何作か読むうちにそういう作風の方だししょうがないか、と思えるようになってきました。これを安定した作風ととるか、芸が無いととるかによって、佐藤正午作品についていけるかどうかが決まるような気がします。

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2017年09月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この本から感じたことは、
・人生の岐路は必ずあるが、実は今の現実を受け入れ、それをどのように生きるかを決意することが大切であること。
(タイムマシン的な小説や映画がそうであることが多いように、自分の都合の良いように現実を変えることは、結局は難しいのではないかと思います)
・人の縁があるということ
「誰かにとって誰かは変えることができない」・・というような言葉が出てきます。両親も妻も子供も友達も自分にとって、大切な縁で結ばれているように感じました。自分の縁が結び付けたものなのでしょうね)

※再度の答え合わせは大好きな場面です。最後はとても面白かった。

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2017年05月27日

Posted by ブクログ

不思議な魅力を感じてしまう大人のファンタジー。傑作「身の上話」と同様に、読み進めながらもいっこうに行き着く先が見えてこない。物語はこの先どこへ向かうのか?着地点はどうなるのか?そんな気持ちでページを繰る手が止まらない。ここでは、結果どうなるのか、といったことは問題ではない。読者の興味を引き付けて離さない、「身の上話」と同様のこの手法に僕は魅せられた。日常の中のおとぎ話といってもいい。SFといってもいい。くらいの、大人のファンタジーである。

僕なら両親を救いに1両目へは行きませんけどね(笑)

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2015年02月14日

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北村薫の時と人の三部作『スキップ』『ターン』『リセット』、浅田次郎の『地下鉄に乗って』、重松清の『流星ワゴン』とタイムスリップ物をはしご再読。そして最後がこの『Y』です。
グリムウッドの『リプレイ』に似た設定の面白さの割に物語に乗り切れないのは、登場人物の多くが人格的な問題を持っているせいでしょう(裏の主人公と言うべき北川健は誠実な人柄なのですが)。特にヒロインとなるべき女性像を裏返してしまったのは如何なものかと。
裏表紙には「究極のラブ・ストーリー」とあります。確かにタイムスリップは背景であって、主題は恋愛小説でしょう。しかし爽やかさはありません。薄暗く、ドロドロした感じです。

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05-044 2005/04/22 ☆☆☆☆
何故かここの所タイムスリップものに良く当ります。「流星ワゴン」「地下鉄にのって」、そしてこの「Y」。 タイムスリップと聞いてケン・グリムウッドの「リプレイ」を思い起こす人も多いでしょうが、この話は最も近いでしょうね。実際、この本の中でもリプレイの話題が出てきます。 18年前にタイムスリップした男。そしてそこで一人の女性のために運命を変えてしまうのだが。。。。筋立ては完全にSFですね。でもちょっとSFには分類し難い。むしろ恋愛小説なのでしょう。 なかなか面白かったですね。次はどうなるのか知りたくて、次々とページをめくらさせる小説でした。

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2016年07月30日

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時間を扱った作品はよくあると思う この作品の展開が陳腐なのかそれとも秀逸なのか 判断するほどの読書量が自分には足りてないが 楽しくは読めた

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2021年08月19日

Posted by ブクログ

もし、あの時別の道を進んでいたら…っていう人生の分岐点はいくつもあって、その度にパラレルワールドが広がっていくって考えるとワクワクする。
肉体的な問題ではなく、“想像的パラレルワールド”

この物語自体、特別好きなわけではないけど、パラレルワールドについて考える楽しさを教えてくれる本。

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2021年08月13日

Posted by ブクログ

星★3
面白い、とは思ったけど、ちょっと物足りない?
私の本の読み方なんだろうけど、どの登場人物も、あんまりキャラが立っていないので、感情移入できなかったかな。
個人的に13章はとても盛り上がった。

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2021年05月07日

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僕もタイムリープしたいけども、また人生やり直すのも面倒だと思えるのは、有難いことなのかもな、と思った午後八時。

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2018年06月23日

Posted by ブクログ

人生のやり直しができれば・・・と思ったのは誰でも経験があると思います。

43歳から18歳に戻って、人生をやり直すという設定の物語です。
ただし、主人公は人生をやり直す男ではなく、その友人。

ふたりは1度目の人生では、親友同士であったが、2度目では親友ではない。
その親友でない男から渡された物語と、主人公の生活とで話が展開していきます。

元ネタはケン・グリムウッドの「リプレイ」のようですが、また違った雰囲気の物語です。

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2018年02月05日

Posted by ブクログ

タイムループもの。1998年刊行。
流し読みに近い読み方をしてしまったので、語り手の「私」が誰で、彼女が誰なのかごっちゃになってしまった。話も、語り始めの時代も複雑だった。
至るところで、交錯する男女。それは縁でも運命でもなく、ここまでくると必然なのかもしれない。

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2017年09月02日

Posted by ブクログ

パラレルワールドものはあまり当たりがなくて好まないけど、これはおもしろかった。少し痛くほんのり甘く、中年男の悲哀。いい話でした。ヌーベルバーグの映画を見たくなりました。今ならもっと鑑賞できるかもしれない。著者は映画が大好きなのですね。きっと。

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2017年08月25日

Posted by ブクログ

どこかで読んだような、映画で見たような、既視感を感じる内容。
でも内容よりも、この主人公の苛立ちを隠しもしない物言いが成熟してなくて生理的に受けつけない。こんなイヤな主人公いたなあ、確か「鳩の撃退法」の精神年齢中学生の主人公。
と、思ったら同じ作者だった。

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2017年08月08日

Posted by ブクログ

過去のある時点に戻り、人生をやり直すことが本当に幸せなのか。

以前に読んだ佐藤正午さんの作品もそうだったのだが、タイムリープできるような力をつけても人の心はわからないのね・・・。という怖い話。

時空を超えた究極のラブ・ストーリーとあるが、あまりに独りよがりなので、ラブ・ストーリーといえるのか?まあ、片思いでもラブはLoveか。

一人称の私とフロッピーディスク内の僕と君がクロスするので少し分かりづらい。それが、最後に結びついてビックリするような展開になるのかとも思ったのだが、特にそのような展開もなくて拍子抜け・・・。

でも、最後まで展開が気になるミステリーとして面白く読めた。

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2019年01月16日

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