国内小説 - 角川春樹事務所作品一覧

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  • 残照
    3.9
    1~14巻607~814円 (税込)
    東京・台場で少年たちのグループの抗争があり、一人が刃物で背中を刺され死亡する事件が起きた。直後に現場で目撃された車から、運転者の風間智也に容疑がかけられた。東京湾臨海署(ベイエリア分署)の安積警部補は、交通機動隊の速水警部補とともに風間を追うが、彼の容疑を否定する速水の言葉に、捜査方針への疑問を感じ始める。やがて、二人の前に、首都高最速の伝説を持つ風間のスカイラインが姿を現すが……。興奮の高速バトルと刑事たちの誇りを描く、傑作警察小説。(解説・長谷部史親)
  • 食堂のおばちゃん
    4.2
    1~17巻660~759円 (税込)
    焼き魚、チキン南蛮、トンカツ、コロッケ、おでん、オムライス、ポテトサラダ、中華風冷や奴……。佃にある「はじめ食堂」は、昼は定食屋、夜は居酒屋を兼ねており、姑の一子と嫁の二三が、仲良く店を切り盛りしている。心と身体と財布に優しい「はじめ食堂」でお腹一杯になれば、明日の元気がわいてくる。テレビ・雑誌などの各メディアで話題となり、続々重版した、元・食堂のおばちゃんが描く、人情食堂小説。(著者によるレシピ付き)。
  • 縁談 独り身同心(一)
    完結
    3.5
    全7巻733~737円 (税込)
    北町奉行所定町廻り同心・井原伊十郎に、上役から縁談話が持ち込まれた。相手は五百石鳥の旗本の出戻り娘だが絶世の美女だという。独り身ゆえの気楽さから、如何に話を断ろうかと悩んでいたある日、縁談相手の百合が伊十郎の元を訪れた。評判通りの天女のような美しさに一目惚れした伊十郎。しかし時を同じくして、妖艶な音曲の師匠・おふじが現れ、伊十郎の心は揺らぎ始める――。一方で、江戸市中を騒がす盗人『ほたる火』と対峙した伊十郎だったが、あることから『ほたる火』を取り逃がしてしまう……。独り身同心に降りかかる、女と事件の行く末は? 待望の新シリーズ、第一弾(解説・三田主水)
  • 幻想古書店で珈琲を
    完結
    3.7
    全8巻528円 (税込)
    大学を卒業して入社した会社がすぐに倒産し、無職となってしまった名取司が、どこからともなく漂う珈琲の香りに誘われ、古書店『止まり木』に迷い込む。そこには、自らを魔法使いだと名乗る店主・亜門がいた。この魔法使いによると、『止まり木』は、本や人との「縁」を失くした者の前にだけ現れる不思議な古書店らしい。ひょんなことからこの古書店で働くことになった司だが、ある日、亜門の本当の正体を知ることになる――。切なくも、ちょっぴり愉快な、本と人で紡がれた心がホッとする物語。
  • 二重標的 東京ベイエリア分署
    3.6
    1~3巻748円 (税込)
    東京湾臨海署(ベイエリア分署)の安積警部補のもとに、殺人事件の通報が入った。若者ばかりが集まるライブハウスで、30代のホステスが殺されたという。女はなぜ場違いと思える場所にいたのか?疑問を感じた安積は、事件を追ううちに同時刻に発生した別の事件との接点を発見。繋がりを見せた二つの殺人標的が、安積たちを執念の捜査へと駆り立てる――。ベイエリア分署シリーズ第一弾!!
  • ナイトランナー ボディーガード工藤兵悟1
    3.5
    1~4巻691~693円 (税込)
    世界の戦場で戦ってきた工藤兵悟は、その優れた格闘術と傭兵経験を活かしてボディーガードを生業としている。ある日、工藤の元に、水木亜希子と名乗る女が現れた。かつての仲間の紹介で、依頼を持ちかけられた工藤だったが、直後彼女を狙う男たちに襲撃されてしまう。依頼は、謎に包まれた機密文書と彼女自身を死守すること--期限は3日間。だが、彼女を追ってきた敵は、世界最大の諜報機関CIAだったのだ。警察とCIAを敵に回し、工藤は彼女を守り抜くことはできるのか。傑作冒険サスペンス。
  • 雛の鮨 料理人季蔵捕物控
    3.4
    1~48巻607~858円 (税込)
    日本橋にある料理屋「塩梅屋」の使用人・季蔵が、手に持つ刀を包丁に替えてから五年が過ぎた。料理人としての腕も上がってきたそんなある日、主人の長次郎が大川端に浮かんだ。奉行所は自殺ですまそうとするが、それに納得しない季蔵と長次郎の娘・おき玖は、下手人を上げる決意をするが……(「雛の鮨」)。主人の秘密が明らかにされる表題作他、江戸の四季を舞台に季蔵がさまざまな事件に立ち向かう全四篇。粋でいなせな捕物帖シリーズ、遂に登場!
  • サーベル警視庁
    4.0
    1~2巻704~748円 (税込)
    明治三十八年七月。国民が日露戦争の行方を見守るなか、警視庁第一部第一課の電話のベルが鳴った──。殺された帝国大学講師・高島は急進派で日本古来の文化の排斥論者だという。同日、陸軍大佐・本庄も高島と同じく、鋭い刃物で一突きに殺されたとの知らせが……。第一課は、伯爵の孫で探偵の西小路や元新選組三番隊組長で警視庁にも在籍していた斎藤一改め、藤田五郎とともに捜査を進めていくが──。警察小説の第一人者・今野敏、初の明治警察小説。(解説・西上心太)
  • おいしくて泣くとき
    4.5
    無料で「こども飯」を提供する『大衆食堂かざま』。店のオーナーの息子・心也は、怪我で大好きなサッカーができなくなり、中学最後の夏休みを前に晴れない気持ちを持て余している。また心也は、時々こども飯を食べにくる同級生のことを気にしていた。一人は夕花。クラスから疎外され、義父との折り合いも悪い。もう一人は金髪パーマの不良、石村。友情と恋心、夏の逃避行。大人たちの深い想い。〈子ども食堂〉から始まる思いやりの連鎖が、温かな奇跡を呼ぶ。傑作長篇、待望の文庫化!
  • 今日はいい天気ですね。れんげ荘物語
    3.9
    有名広告代理店を早期退職したキョウコは、古いアパート「れんげ荘」で貯金を切り崩しながら自由な暮らし。近所の花店で元気なチューリップを買ってきたり、お腹周りが心配になってきたので、遠回りして買い物に出かけたり、「れんげ荘」の元住人・コナツさんの結婚のお披露目会に、久々におめかしして出かけたり。ネコやイヌ、鳥や花や隣人とのお茶の時間などに心を癒されながら、キョウコは今日も小さな幸せを見つけています。 幸せは、人それぞれ―― キョウコは自分でも「休みすぎ!」とツッコミを入れながらも、無職のまま、月10万円の生活をのんびり続けています。 ささやかな楽しみを見つけながら。 ロングセラー「れんげ荘物語」シリーズ、第7弾! 書き下ろし長篇(どの巻からでも、お楽しみいただけます)
  • 夏空 東京湾臨海署安積班
    3.6
    ドラマ化もされた大ロングセラー「安積班」シリーズ熱望の最新刊! 外国人同士がもめているという通報があり現場に駆けつけると、複数の外国人が罵声を上げて揉み合っていた。ナイフで相手を刺して怪我を負わせた一人を確保し、送検するも、彼らの対立はこれでは終わらなかった……。(「略奪」より) 高齢者の運転トラブル、半グレの取り締まり、悪質なクレーマー…… 守るべき正義とは何か。揺るぎない眼差しで安積は事件を解決に導いていくーー。 おなじみの安積班メンバーに加え、国際犯罪対策課、水上安全課、盗犯係、暴力犯係など、ここでしか味わえない警察官たちのそれぞれの矜持が光る短編集。
  • いつか月夜
    3.9
    「寺地さんの作品の中で、一番好きです」原田ひ香さん ぼくたちは、夜を歩く。眠れない夜に。不安な夜に。静かで、藍色で、心細い。でも歩かずにはいられない。そんな夜に。 「一緒に歩かない?」 会社員の實成は、父を亡くした後、得体のしれない不安(「モヤヤン」と呼んでいる)にとり憑かれるようになった。特に夜に来るそいつを遠ざけるため、とにかくなにも考えずに、ひたすら夜道を歩く。そんなある日、会社の同僚・塩田さんが女性を連れて歩いているのに出くわした。中学生くらいみえるその連れの女性は、塩田さんの娘ではないという……。やがて、何故か増えてくる「深夜の散歩」メンバー。元カノ・伊吹さん、伊吹さんの住むマンションの管理人・松江さん。皆、それぞれ日常に問題を抱えながら、譲れないもののため、歩き続ける。いつも月夜、ではないけれど。
  • 店長がバカすぎて
    4.1
    谷原京子、二十八歳。吉祥寺の書店の契約社員。超多忙なのに薄給。お客様からのクレームは日常茶飯事。店長は山本猛という名前ばかり勇ましい「非」敏腕。人を苛立たせる天才だ。ああ、店長がバカすぎる! 毎日「マジで辞めてやる」と思いながら、しかし仕事を、本を、小説を愛する京子は――。全国の読者、書店員から感動、共感、応援をいただいた、二〇二〇年本屋大賞ノミネート作にして大ヒット作。巻末にボーナストラック&早見和真×角川春樹のオリジナル対談を収録。
  • 凶獣の村 捜査一課強行犯係・鳥越恭一郎
    3.8
    引退した刑事・三ツ輪勝也が殺され、その孫娘である楓花が誘拐された。身内を巻き込んだ犯罪に怒りを隠せぬ捜査一課。鳥越恭一郎も、捜査へと駆り出されるが、事件の現場となった胎岳村は、かつて三ツ輪が追いかけていた、未解決の少女殺害事件が起きた場所だった。村は『十雪会』と名乗る新興宗教の拠点であり、警察と軋轢がある。果たして鳥越は、村に潜む人の姿をした悪意を暴き、楓花を救うことが出来るのか?
  • サファイア
    完結
    4.0
    全1巻693円 (税込)
    あなたの「恩」は、一度も忘れたことがなかった――「二十歳の誕生日プレゼントには、指輪が欲しいな」。わたしは恋人に人生初のおねだりをした……(「サファイア」より)。林田万砂子(五十歳・主婦)は子ども用歯磨き粉こ「ムーンラビットイチゴ味」がいかに素晴らしいかを、私に得々と話始めたが……(「真珠」より)。人間の摩訶不思議で切ない出逢いと別れを、己の罪悪と愛と夢を描いた傑作短篇集。(装画・清川あさみ 解説・児玉憲宗)
  • 浅草寺子屋よろず暦
    3.8
    「本屋が選ぶ時代小説大賞」など数々の賞を受賞し、直木賞候補にもなった『高瀬庄左衛門御留書』から3年。スリリングかつ心震える新たな傑作時代小説が誕生。世の中には決して見過ごせないことがある。浅草の寺子屋を舞台に、師弟、親子、兄弟、幼なじみ……明日にむかい、ともに懸命に生きる。人間の縁と心の機微を濃やかに深く描く感動作。大滝信吾は、ゆえあって旗本である兄の紹介で、浅草寺の境内にある正顕院で寺子屋を開いている。源吉や三太、おさよなど大半は町人の子だ。穏やかな春の日、子どもたちと縁側で握り飯をほおばっていたとき、源吉の姉が駆け込んできた――大切な人を守るため、信吾は江戸の闇と真っ向から闘う。浅草の四季を背景に、家族や友人、下町の人情に支えられながら、信吾が天命を見つけ、成長するさまを圧倒的な筆力で描く。
  • 南海ちゃんの新しいお仕事 階段落ち人生
    -
    あたし、高井南海は超能力者! 今までは怪談やらアチコチで転ぶために「粗忽姫」と呼ばれていたけど、実は転ぶことでこの世界の各所にある“空間の亀裂”を修復していたのだ! 多くの人々が意図せずひっかかり、事故の原因となっていた見えない“空間の亀裂”。それを靄として感知できる御曹司の超能力者・板橋さんと組んで、あたしは世界を救うために働き出した! 仕事に恋愛、そして世界を良くしたいと願う女性の生き方――人気作家が描くちょっと不思議なSF超能力ストーリー。
  • 紙の月
    3.8
    ただ好きで、ただ会いたいだけだった――わかば銀行の支店から一億円が横領された。容疑者は、梅澤梨花41歳。25歳で結婚し専業主婦となったが、子どもには恵まれず、銀行でパート勤めを始めた。真面目な働きぶりで契約社員になった梨花。そんなある日、顧客の孫である大学生の光太に出会うのだった……。あまりにもスリリングで、狂おしいまでに切実な、傑作長篇小説。各紙誌でも大絶賛された、第25回柴田錬三郎賞受賞作、待望の文庫化。
  • 情け深川 恋女房
    3.0
    1~6巻792~836円 (税込)
    深川佐賀町の稲荷小路に『足柄屋』という小間物屋を構える与四郎と小里の夫婦。十三年前に無一文で江戸にやってきた与四郎は、立ち直りのきっかけとなった地蔵様からお恵みと縁を大事にすること、そして修行時代に出会い、互いに一目惚れした女房の小里に支えられた商いが誠実なことで、周囲から評判だった。しかし深川祭りで、小僧の太助が争いに巻き込まれたことから恨みを買ってしまい、撒かれた悪評から商売が傾きつつあった……。共に助け合う夫婦の仲睦まじさと、周囲の人々の人情で解決される事件を、実力は作家が描く心温まる物語。新シリーズスタート。
  • 新! 店長がバカすぎて
    3.8
    三年ぶりに吉祥寺本店に店長として復帰した山本猛は張り切るが、相変わらず人を苛立たせる天才だ。それでも部下の京子は新人作家の才能に打ちのめされ、好きな作家の新作に心躍らせ、時には泣き、笑い、怒り、日々戦っている。スタッフや作家の大西先生や小料理屋を営む父親などの応援を受けながら──。思いっきり楽しんだあとに小説と書店の未来を、仕事の意味を、生きる希望を改めて深く考えさせられる、二〇二〇年本屋大賞ノミネート作品の第二弾。(解説・大九明子)
  • 新装版 警視庁神南署
    3.3
    東京・渋谷で銀行員が少年グループに襲われるという暴行傷害事件が発生した。新設されて間もない神南署の安積警部補たちは捜査を開始したが、二週間後、銀行員は突然告訴を取り下げてしまう。その直後、容疑者として浮上していた少年が何者かに襲われた──。この二つの事件を不審に感じた安積たちは、巧妙に仕組まれた犯罪に立ち向かう。新装版第四弾は、中村俊介氏と著者の巻末付録特別対談を収録!!
  • 新装版 二重標的 東京ベイエリア分署
    3.5
    1~2巻770円 (税込)
    東京湾臨海署の安積警部補のもとに、殺人事件の通報が入った。若者ばかりが集まるライブハウスで、三十代のホステスが殺されたという。女はなぜ場違いと思える場所にいたのか? 疑問を感じた安積は、事件を追ううちに同時刻に発生した別の事件との接点を発見。繋がりを見せた二つの殺人標的が安積たちを捜査へと駆り立てる──。「安積班」シリーズはこの一冊から始まった。新装版第一弾は、寺脇康文氏と今野敏氏の巻末付録特別対談を収録!!
  • 大友の聖将
    完結
    4.0
    全1巻968円 (税込)
    大友宗麟に仕える柴田治右衛門は、目的のためなら殺しをも厭わない、悪鬼のような残虐な男であった。主君の側室であるマリアと密通していた治右衛門は、二人の愛のために次々と罪を重ね、遂には宿将・戸次鑑連によって捕らえられてしまう。しかし約二十年後、治右衛門は天徳寺リイノと名を改め、再び大友を守るべく戦場を駆けていた……。悪鬼はなぜ、生まれ変わることができたのか?愛と信仰という二本の光に貫かれた男が、最後に起こした奇跡とは?「豊後の聖将」と呼ばれた謎多き男の生涯を描いた傑作感動長編、待望の文庫化!(解説・三田主水)
  • 神南署安積班
    3.7
    人と犯罪の溢れる街、渋谷。その街を管轄とする警視庁神南署に張り込む新聞記者たちの間で、信じられない噂が流れた。交通課の速水警部補が、援助交際をしているというのだ。記者の中には、真相を探ろうとするものも現れ、署内には不穏な空気が――。刑事課の安積警部補は、黙して語らない速水の無実を信じつつ、彼の尾行を始めるが……。警察官として生き様を描く『噂』他、八編を収録。(解説・香山二三郎)
  • ZONE 豊洲署生活安全課 岩倉梓
    4.2
    日本全体が少子化で人口減に悩まされる中、東京都江東区豊洲は、空前の人口増と再開発に沸き立っている。新たに設置された豊洲署生活安全課の女性刑事・岩倉梓のもとに持ち込まれる事件の数々。《児童ネグレクト》《貧困老人の孤独死》《震災詐欺》――。生まれつつある街の中で、梓は自分に出来る仕事を悩みながらも一歩一歩模索していく……。本格派・福田和代が描く、新世代警察小説。(解説・宇田川拓哉)
  • 妖国の剣士(新装版)
    4.0
    人間と妖魔とが争いを続けている安良国。幼い時に攫われた弟を探すため、女剣士・黒川夏野は旅に出た。東都・晃瑠への道中、人の姿に化けた妖魔の伊紗に、盗まれた竹筒を取り戻す手伝いをしてほしいと頼まれて社に向かう。その時夏野は、竹筒に封印されていた妖かしの目を己の左目に取り込んでしまった。その後、晃瑠に到着した夏野は安良国最強の剣士と謳われる鷺沢恭一郎と、片目の少年・蒼太に出会うが──。傑作時代ファンタジー新装版第一弾!!(解説・細谷正充)
  • 飛燕の簪 神田職人えにし譚
    続巻入荷
    3.7
    1~7巻704~748円 (税込)
    財布や煙草入れなど、身につける小物に刺繍と金銀の箔をあわせて模様を入れる、縫箔師の咲。両親を亡くし、弟妹の親代わりとなって一生懸命に腕を磨いてきた。ある日立ち寄った日本橋の小間物屋で、咲はきれいな飛燕の簪に魅了される。気になって再び店を訪れると、その簪を手掛けたという錺師の修次と出会った。しかし二人が話している隙に、双子の子供が簪を奪って逃げてしまい……。咲が施す刺繍が人々の縁をやさしく紡ぎます──江戸のお仕事人情小説、装いを新たにシリーズ開幕!
  • 古本食堂
    4.2
    鷹島珊瑚は両親を看取り、帯広でのんびり暮らしていた。そんな折、東京の神田神保町で小さな古書店を営んでいた兄の滋郎が急逝。珊瑚が、そのお店とビルを相続することになり、単身上京した。一方、珊瑚の親戚で国文科の学生・美希喜は、生前滋郎の元に通っていたことから、素人の珊瑚の手伝いをすることに……。カレー、中華など神保町の美味しい食と思いやり溢れる人々、奥深い本の魅力が一杯詰まった幸福な物語、早くも文庫化。
  • 今日のハチミツ、あしたの私
    4.1
    蜂蜜をもうひと匙足せば、あなたの明日は今日より良くなる──。「明日なんて来なければいい」と思っていた中学生のころ、碧は見知らぬ女の人から小さな蜂蜜の瓶をもらった。それから十六年、三十歳になった碧は恋人の故郷で蜂蜜園の手伝いを始めることに。頼りない恋人の安西、養蜂家の黒江とその娘の朝花、スナックのママをしているあざみさん……さまざまな人と出会う、かけがえのない日々。心ふるえる長篇小説。
  • れんげ荘
    3.9
    1~7巻550~616円 (税込)
    月十万円で、心穏やかに楽しく暮らそう! ――キョウコは、お愛想と夜更かしの日々から解放されるため、有名広告代理店を四十五歳で早期退職し、都内のふるい安アパート「れんげ荘」に引っ越した。そこには、六十歳すぎのおしゃれなクマガイさん、職業“旅人”という外国人好きのコナツさん・・・・・・と個性豊かな人々が暮らしていた。不便さと闘いながら、鳥の声や草の匂いを知り、丁寧に入れたお茶を飲む贅沢さを知る。ささやかな幸せを求める女性を描く長篇小説。(解説・岸本葉子)
  • 我々は、みな孤独である
    3.6
    探偵・茶畑徹朗の許にもたらされた、奇妙な依頼。「前世で自分を殺した犯人を捜してほしい」と言う依頼人・正木英之介は八十歳に近いが、一代で企業を築き上げた傑物らしく未だ矍鑠としている。前世など存在しないと考える茶畑と助手の毬子は適当に話を合わせて報酬を得ようとするが、調査を進めるにつれ、次第に自分たちも前世の記憶としか思えない鮮明な夢を見るようになり――。鬼才が今描く死生観とは!? 未体験、未曾有のエンターテインメント!
  • EYES 廃物件捜査班
    -
    北海道警察本部刑事部捜査第一課に所属する吉灘麻耶は、ある事件で負った怪我をきっかけに、“廃墟に限定して、そこで起こった過去の情報を視ることができる目”を持つようになった。そして、廃墟に関わる事件を専門で追う、窓際部署・廃物件捜査班に異動させられる。ある日、定山渓温泉の廃旅館で大規模な火災が発生。現場に向かうと、麻耶には異様な人影が視え、何者かの感情が流れ込む感覚に陥って……。書き下ろし警察小説。
  • 相棒はJK
    4.0
    1~2巻858~902円 (税込)
    警察大学校を首席で卒業した、キャリア組の中でもバリバリのエリートである鴨下俊輔警部補は、署から警視庁刑事部長直轄の組織・刑事部捜査第一課特命捜査係への異動を告げられる。数々の難事件を解決した実績を持つこの部署の中心人物が、鴨下がバディを組むことになる特別捜査官の花比良真理。彼女は現役の女子高生で!? プリーツスカートから伸びる白く細い脚。既存の常識を蹴り飛ばす、タフで可憐な女子高生刑事、登場!!!
  • 赤ひげ診療譚
    4.3
    長崎で最新の医学を学び、江戸に戻った保本登は、突然小石川養生所に呼び出され、見習い勤務を命ぜられた。エリートとしての矜持を抱く登は、「赤鬚」と呼ばれる医長・新出去定の強引さに不満を抱き、激しい反発を覚える。だが、養生所を訪れる貧しい患者たちや、徒労とみえることに日々を費やす「赤鬚」とふれ合ううち――。病や死を通して“生”の重みを描き出した、山本周五郎渾身の傑作。(エッセイ/細谷正充、編・解説/竹添敦子)
  • 浅草料理捕物帖(一)
    完結
    3.0
    浅草で評判の一膳飯屋・樽屋の板前、孝助のもとに、悪評高い岡っ引きの文蔵がやって来た。店に毎晩来る浪人・越野十郎太が、連続辻強盗ではないかと目星をつけたからだ。文蔵の手下になりたい孝助は、十郎太を見張るが、十郎太はすぐに意図を見抜き、疑いを否定する。やがて二人は、それぞれが十年前の事件の裏を暴くため、浅草に戻ってきたことが明らかに……。一方、太物問屋・片倉屋に、手代として働いていた息子を見捨てられた千代治は、復讐のため主人・徳兵衛らを付け狙う。だが、その矢先、番頭が辻強盗に殺される。果たして犯人は――? 美味しい浅草の食と事件を描く捕物帖、待望の幕開け!
  • 六本木無頼派 麻布署生活安全課 小栗烈
    完結
    4.0
    全4巻737円 (税込)
    麻布署生活安全課の巡査長、小栗烈は警察組織の中で、誰ともツルまない孤高の刑事。その身勝手で破天荒な行動から「万年巡査長」に留まっていた。ある日、六本木のインターネットカフェで、カジノ賭博が行われているとタレコミが入り、小栗は捜査に乗り出した。しかし、捜査線上に浮上してきた容疑者の女が突如何者かに殺害された。警察内部のシマの奪い合い、見え隠れする暴力団の影――。様々な事件が交錯する中、真相を解明することが出来るのか!?手に汗握る待望の新シリーズ、ここに始動!!
  • アナウンサー辞めます
    3.3
    高校球児だった太田裕二は「将来プロ野球選手になる!」という夢を抱いていたが、あと一歩というところで甲子園の出場を逃し、その夢は儚くも散ってしまった。その後、太田は地方局のアナウンサーとなり、夢を諦めてから三十五年の歳月が流れ、五十三歳になっていた。そんなある日、番組で太田が発した一言がきっかけとなり、世の中が急激に動き出す。それと同時に、忘れかけていた「プロ野球選手になる!」という太田の夢が再び燃焼するが――。中年男の挑戦が今、始まる!
  • あなたにここにいて欲しい
    3.8
    お互いのことはお互いが一番よく判っている――特別な関係で強い絆を持つ真美と祥子。小学校からの付き合いで、二十三歳になった今でもふたりには誰にも言えない秘密がある。しかし、綾子と名乗るカウンセラーと出会ってから、祥子の様子がおかしくなり、忽然と姿を消してしまった。“祥子が私を拒絶するはずなんてない!!” そう強く信じずにはいられなかった真美だが、現実はもっと深刻なもので……。感涙の青春長篇小説。
  • あなたに電話
    NEW
    -
    大学生・勇との駆け落ちを計画する主婦の史子(ルビ:ふみこ)。当日取りやめる場合のみ、電話をすると約束していた。緊張しながら荷造りを進める史子だが……。(「6:30 PM成田発」)「もう会いたくない、電話もしないで」と自ら告げて別れたにもかかわらず、元恋人からの電話を待ち続けている潮子(ルビ:しおこ)。留守電を気にしながら職場へ向かうと、仕事仲間の織田から食事に誘われ……(「Never Call Me Again」)。あのとき電話に出ていれば、変わったはずの二人の運命。電話をテーマに様々な恋のシーンを描く、珠玉の短編集が復活しました。(解説・唯川恵)
  • あの日のあなた
    3.6
    交通事故で唯一の肉親である父を亡くした、大学生の片瀬在。尊敬する父の「弔いごと一切不要」という遺言に戸惑いつつも、その通りにすませた。しかし、生前は立入禁止だった父の書斎で遺品整理をはじめた矢先、全く知らない女性と自分の名が書かれた母子手帳を見つけてしまい、激しく混乱する。父は一体何を隠していたのか――在は主を亡くした書斎で、まるで葬儀を営むかのように、父親の本当の姿と向き合っていく。単行本『お葬式』を改題。ラストは希望溢れる感動長篇、待望の文庫化。(解説・瀧井朝世)
  • あの日の風を描く
    3.8
    京都市にある美大の油画科を休学中の稲葉真は、従兄の稲葉凛太郎の声がけで狩野探幽の血縁であり、父が狩野派を破門された清原雪信の娘・平野雪香が描いた襖絵の復元模写制作を手伝うことになった。チームメンバーは修士二年・土師俊介と修士一年・蔡麗華。襖絵は、十二面の花鳥図だが、現存するのは九面と切り貼りされた一部のみ。果たして三人は、復元模写を完成させることができるのか?創作することの苦悩と幸福を濃やかに描き切った感動長篇!
  • 雨あがる
    4.7
    貧しいながらも心優しい人々のお互いを信じ合う姿が深い感動をよぶ表題作「雨あがる」、その続編「雪の上の霜」、侍という生き方よりも人間らしい生き方を選ぶ主人公を描き、著者の曲軒ぶりがいかんなく発揮されている「よじょう」など、武家ものを中心とした名作全五篇を収載。生きにくい時代だからこそ浮かび上がってくる、“人間の人間らしさ”を描き続けた昭和の文豪・山本周五郎の魅力が光る、オリジナル名作短篇集。(編/解説・竹添敦子)
  • 荒木町奇譚
    3.2
    かつて花街として栄えた四谷荒木町は、小さな稲荷神社を中心に美酒と美食が集まる大人の街。その石畳の坂道は、不思議な街へと続いている――。仕事でこの街を訪れた行原暁生は、謎めいた芸者に誘われて、時が止まったかのような花街・荒木町へと迷い込む。なぜ自分はこの街に呼ばれたのか。どうすればもとの世界に戻れるのか。不思議なバーのマスターや半玉の少女に導かれて、行原は自分自身の過去と向き合うことに。切なく優しいラストに涙が溢れる書き下ろし長篇。
  • 居酒屋すずめ 迷い鳥たちの学校
    4.0
    昼間の居酒屋を利用して開かれるフリースクール『すずめの学校』。「居酒屋すずめ」で開校中のそこに通うのは、不登校の中学生や学び直したい老女、挫折したフィギュアスケーターや引きこもりのニートなど様々。居酒屋の経営安定のためと始めたオーナー兼教師の鈴村明也だったが、彼自身もまた、生徒と交わるうちに学び、気付き……。一歩踏み出す勇気をくれる物語。
  • イシマル書房 編集部
    3.9
    満島絢子は念願かなって神保町の小さな出版社にインターンとして採用された。しかし、当のイシマル書房は親会社から「半年で経営が改善されなければ他社に株を売却する」と最後通告を受ける――会社存続の危機に、石丸社長を中心に、理由あり作家、引退していた編集者、活版職人で絢子の祖父、元ヤンキーの営業マン、全国の書店員……など「小説」を愛する人々が立ち上がった。果たして起死回生のベストセラー小説は生まれるのか? 書き下ろし長篇。
  • イダジョ! 医大女子
    4.0
    1~3巻748~770円 (税込)
    普通のサラリーマンの娘・安月美南が入学した聖コスマ&ダミアノ医科大学はお金持ちの子息が通う中堅医科大学だ。そこに何も知らずに放り込まれた美南は、個性的な面々に囲まれながら、医者になる覚悟を問われ、膨大な勉強に追われ、不運な逆境に襲われながらも、医者になるため邁進する!読むと元気になれる、医療×青春学園エンターテインメント!
  • 稲荷書店きつね堂
    完結
    3.7
    全6巻572~616円 (税込)
    神田明神のお膝元である神田の一角に『稲荷書店きつね堂』という小さな書店があった。お店の敷地内には小さな鳥居と、お稲荷さんの祠が祀られており、そのそばでは、対の白狐像がお店の様子を見守っている。店主のお爺さんは白狐像を「ヨモギ」「カシワ」と名付けて可愛がっていた。ある日、お爺さんがヨモギの目の前で倒れてしまう。助けを呼びたいヨモギだが、白狐像である自分では動くことも出来ず、困っていたところに──。待望の新シリーズ開店です。
  • 稲荷町グルメロード
    3.6
    「報酬・年額二千五百万円」「求む! 若き感性!」十八歳以上なら大学生でも応募できるという市の「アドバイザー」契約。金に釣られ応募した大学生・御名掛幸菜が目にしたのは「ゾンビロード」とまで呼ばれる寂れた商店街だった! そのアドバイザーに選ばれた謎多きイケメン・瀧山クリスと共に、この街にグルメで元気を取り戻すべく、幸菜が奔走する! コーヒー、和菓子、寿司、中華──美食礼賛の口福ドラマが開幕します!
  • EV

    EV

    3.9
    深刻な地球温暖化の前に、欧米では遅くとも2035年までにエンジン車の新車販売が規制される。つまり新車販売は電気のみで動く車に限られるのだ。加えて中国が2030年をめどに、国内の新車販売をすべて環境対応車に変更するという。このような世界情勢を前にしても、既存産業への配慮と圧力から日本政府は有効な手を打てずにいた。経産省の自動車課に籍を置く瀬戸崎啓介は焦りを募らせる。このままでは、日本の自動車関連就業人口534万人のうち多くが路頭に迷う可能性がある。だが、いったいどうすればいいのか……?電気自動車への全面移行に遅れた日本に、起死回生の一手はあるのか?『首都感染』で新型コロナ感染拡大を予言した著者が描く、〝日本経済、予言の書〟解禁!
  • EV 日本自動車産業の凋落
    3.5
    近い将来、地球温暖化対策で多くの自動車規制が始まる。欧米ではガソリンエンジンの新車販売の禁止、中国は国内の新車販売をすべて環境適応車に変更する。このような世界情勢を前にしても、日本政府は既存産業への配慮と圧力から有効な手立てを打てない。経産省の自動車課に籍を置く瀬戸崎は焦りを募らせる。このままでは、日本の自動車関連就業人口534万人のうち多くが路頭に迷う可能性がある……。時代を予言する作品を数多く刊行してきた著者が、日本経済に警鐘を鳴らす禁断の小説。待望の文庫化!
  • ウィメンズマラソン
    4.8
    岸峰子、30歳。シングルマザー。幸田生命女子陸上競技部所属。自己ベストは、2012年の名古屋で出した2時間24分12秒。ロンドン五輪女子マラソン代表選手という栄誉を手に入れた彼女は、人生のピークに立っていた。だが、あるアクシデントによって辞退を余儀なくさされてしまい……。そして今、2年以上のブランクを経て、復活へのラストチャンスを掴むため、リオ五輪を目指し闘い続ける。このままじゃ、次に進めないから――。一人の女性の強く切なく美しい人生を描く、感動の人間ドラマ。(解説・北上次郎)
  • 宇宙からの帰還 望郷者たち
    3.8
    米中大戦によって汚染された地球。人類はわずかに残った宇宙モジュールと月往還船、そして3Dプリントの活用で文明を繋いでいた。月往還船の船長・美島修一大尉は、月資源運搬中の事故の責任で停職の処罰を受ける。居住民の間ですら格差が開く宇宙生活の中、同級生だった上条友里絵との意外な形で出会う。そんな美島に、地球環境著者に赴くも行方不明となった第一探査隊の捜索の命が下る……。航空サスペンスの第一人者が描く近未来サバイバルSF!
  • 宇宙船の落ちた町
    4.0
    「宇多莉町には何もない」。住民が揃ってそう口にする田舎町で生まれ育った青砥佑太は、十四歳の夏、裏山で巨大な宇宙船の墜落を目撃する。十年後、宇宙船に乗っていた異星人は地球社会へと徐々に溶け込み、佑太は近隣の大都市・舞楼市に移住して無気力な生活を送っていたが、彼らの関係性は「あるアイドルの握手会」から劇的に変わっていく。過去と未来、共生と排斥、都市と辺境、世界と自己――。人が自身と異なる存在とどう向き合うかを描いた物語。
  • 隠れ公安 S1S強行犯
    完結
    3.3
    全4巻712円 (税込)
    国交省のエリート官僚・伊藤正志が射殺された。現場に駆けつけた強行犯三係の鹿取信介は、そこに公安部の幹部が五人いることに気づく。この事件は、公安事案とつながりがあるのか? 強行犯三係の同僚、児島要とともに捜査に入った鹿取は、消息の分からない公安刑事・螢橋の身を案じながらも、独自のルートで事件を追っていくのだが・・・・・・。『公安捜査』の鹿取刑事を主人公に描く、新シリーズ第1弾!(解説・杉山正人)
  • エリ・エリ
    3.7
    〈ホメロス計画〉――信仰心を失った人類は、新たなる神を求めて地球外知的生命体との接触を試みていた。それは存続の危機にあった教会にとっても「神の科学的証明」による信仰回復の可能性を秘めていたが、反対勢力による抵抗も進行していた。そんな中、地球外生命体からと思われる大量のニュートリノが観測されたのだが……。人類・神・宇宙の関係に鋭く迫る、第一回小松左京賞受賞作の一大SF待望の文庫化。
  • 青子の宝石事件簿
    3.6
    青山骨董通りに静かに佇む「相田宝飾店」の跡取り娘・青子。彼女には、子どもの頃から「宝石」を見分ける天性の眼力が備わっていた……。ピンクダイヤモンド、パープルサファイア、パライバトルマリン、ブラックオパール……宝石を巡る深い謎や、周りで起きる様々な事件に、青子は宝石細工職人の祖父やジュエリー経営コンサルタントの小野瀬、幼なじみの新太とともに挑む! 宝石の永遠の輝きが人々の心を癒す、大注目の傑作探偵小説。
  • 臆病者
    -
    大阪の関西大学二回生の若草涼は、学園闘争に幻滅し、自ら博奕の世界に足を踏み入れた。勝負の軍資金を稼ぐためにキャバレーのボーイとなった涼は、そこでやくざ者、博奕打ち、夜の世界で生きる女たちと出逢い、裏の世界を体験する。そのさなか、中里という凄腕の博奕打ちとの邂逅が涼にかつてないほどの衝撃を与えた。――俺はこんな勝負師になれるのか? 大人気シリーズ「公安捜査」の著者の原点ともいうべき、自伝的青春小説、待望の初文庫化。
  • おたふく物語
    4.0
    町人たちの暮らしの姿、現実を生きてゆく切なさに焦点を絞り、すぐれた「下町もの」を数多く遺した山本周五郎。本書は、自分たちを“おたふく”と決めこんでいる明るく元気のいい姉妹をいきいきと描いた「おたふく物語」三部作(「妹の縁談」「湯治」「おたふく」)をはじめ、身分の垣根を越えた人間の交流を情愛たっぷりに綴った「凍てのあと」、女性の妖しさと哀しさを濃密に綴った「おさん」の全五編を収載。江戸に暮らす女性たちの姿を見事に切り取った名作短編集。文庫オリジナル。 (編/解説・竹添敦子)
  • 親父の十手を受けついで 親子十手捕物帳
    3.0
    1~7巻748~770円 (税込)
    辰吉は、十手持ちだった父・辰五郎と折り合いが悪く、家を飛び出していた。忠次親分や妹の凛に心配されながら、仲直りを拒み続けて数年が過ぎていた。が、賭場での揉め事が原因で、人殺しの嫌疑をかけられてしまう。一方、引退していた辰五郎に、ある大店の跡継ぎが入れ込む楊枝屋の女について調べてほしいとの依頼が舞い込む。父と息子の事件はやがて絡み合って、二人は思わぬ敵と退治するのだが……。親子の絆と人情を描いた傑作時代小説シリーズの開幕!
  • おやすみ、東京
    完結
    3.9
    全1巻814円 (税込)
    東京、午前一時。この街の人々は、自分たちが思っているよりはるかに、さまざまなところ、さまざまな場面で誰かとすれ違っている――映画会社で〈調達屋〉をしているミツキは、ある深夜、「果物のびわ」を午前九時までに探すよう頼まれた。今回もまた夜のタクシー〈ブラックバード〉の運転手松井に助けを求めたが……。それぞれが、やさしさ、淋しさ、記憶と夢を抱え、つながっていく。月に照らされた東京を舞台に、私たちは物語を生きる。幸福な長編小説。
  • 女は同じ物語
    -
    城代家老の子息・広一郎の女嫌いは、許婚者に見向きもしないほどの徹底ぶり。ある日、家庭内で絶対的権力を持つ母のさしがねで、紀伊という侍女をつけられて――。ユーモアたっぷりに女性の主導の恋を描いた「女は同じ物語」をはじめ、藩を捨て、浪人となり裏長屋に安住の地を求めた信兵衛の人情味溢れる生き方を描いた「人情裏長屋」など、「人間の持つ愛憎、苦悩、悲哀、妬心、人情などの、感情の全てが描かれている」(今井絵美子・巻末エッセイより)周五郎作品から、名作全五篇を精選。文庫オリジナル。(編・解説/竹添敦子)
  • かあちゃん
    4.0
    私も周五郎作品を読み返す度、失ったものを取り戻すような気持ちになる。それはかつての日本の風景であり、人の情であり、親から伝えられた仕来りであり、恥を感じる心でもある(宇江佐真理・巻末エッセイより)。女手でひとつで五人の子供を育てているお勝と、その家に入った泥棒との心の通い合いを描いた表題作をはじめ、山本周五郎が、人間の“善なる心”をテーマに遺した作品から、全五編を厳選。文庫オリジナル。(編/解説・竹添敦子)
  • 神楽坂スパイス・ボックス
    4.0
    1~3巻792~836円 (税込)
    五年間つき合ってきた彼にふられた雑誌編集者のみのり。イタリアンレストランの若きオーナーシェフである元彼を見返すため、自らも飲食店を開店し人気店にしてみせると心に誓う。そのために彼女は、夫を亡くし実家に引きこもっている姉ゆたかに一緒に店をやろうと誘う。姉も亡くなった義兄もシェフだったからだ。そして姉妹は神楽坂の路地の奥の奥にあった木造家屋にスパイス料理専門店を開店させる。そしてその店では、料理を食べた人たちにある変化が……。心に栄養が染み渡る料理小説!
  • 歌う家 菓子屋横丁月光荘
    完結
    3.4
    全6巻704~792円 (税込)
    家の声が聞こえる──幼い頃から不思議な力を持つ大学院生・遠野守人。縁あって、川越は菓子屋横丁の一角に建つ築七十年の古民家で、住みこみの管理人をすることになった。早くに両親を亡くし、人知れず心に抱くものがある守人だったが、情緒あふれる町の古きよきもの、そこに集う人々の物語にふれ、自分の過去にむきあっていく。人もものも、記憶を抱いて生まれ変わることができる。心のいちばんやわらかな場所にやさしく沁みる新シリーズ、第一作。
  • 風の王国(1) 落日の渤海
    完結
    4.0
    全10巻733~859円 (税込)
    延喜十八年(九一八年)夏、東日流国(現在の青森県)。東日流の人間として育てられてきた宇鉄明秀は自分の出生の謎を解き明かすために、海を隔てた渤海国へ向かう。十七年前に赤ん坊だった自分を東日流のに連れてきたのは誰なのか? 命がけの船旅を経て、やがて明秀は渤海の港町・麗津に辿り着くのだが……。幻の王国・渤海を舞台に繰り広げられる、侵略と戦争、恋と陰謀。壮大なスケールで描く、大長篇伝奇ロマン小説の開幕!
  • 桜狼 鹿取警部補
    3.5
    1~4巻737~748円 (税込)
    警視庁捜査一課の鹿取信介。以前は公安部に属し、警察庁警備局長の直轄で「隠れ公安」として動いていた。鹿取は世田谷区宮坂で起きた発砲事件で、所轄の女性刑事・吉田裕美とタッグを組むことになる。うんざりしながらも捜査を進める中、この発砲事件の裏にきな臭いさまざまな影が見えてきた。一方で必要以上にやくざを憎み「心火の敵」とまで言い切る吉田の過去にはいったい何が──。「公安捜査」「隠れ公安」シリーズの鹿取刑事を主人公に描く、新シリーズ第一弾!!
  • 金貸し同心
    完結
    -
    老中水野忠邦による人々に倹約を命じた天保の改革の真っ只中、多摩の役人だった辰ノ輔は、告げ口をしたことで立場が悪くなり養子に出されて、廻り方同心となった。早速見習いとしてある同心の下についたのだが、その男・本庄茂兵治は、同心でありながら暴利を貪る金貸しも行っていた! 辰ノ輔は自分の役割を裏稼業の監視と割り切って、茂兵治の下で働き始めるのだが……。貨幣経済へと移り変わり、武士の地位が落ちていく中、銭をもって善を成す痛快時代劇の登場!
  • 彼女が天使でなくなる日
    4.0
    九州北部にある人口三百人ほどの星母島。子どもについての願い事なら何でも叶えてくれるという「母子岩」があり、近年有名になっている。そこで〝モライゴ〟として育てられた千尋は、一年前に戻ってきて、託児所を併設した民宿を営んでいた。子どもにまつわる様々な悩みを抱え、母子岩のご利益を頼りやってきた宿泊客に、千尋は淡々と為すべきことを為し、言うべきことを言う……。簡単な癒しではない、でも大切なことに気づかせてくれる、宝物のような小説。
  • 彼女の命日
    3.2
    「あなたの大切な一日、私に下さいませんか」――三十五歳の会社員・楠木葉子は、父亡き後、母と妹を養ってきたしっかり者。結婚を考える恋人もいる。そんなある日、葉子は、帰宅途中、胸を刃物で刺されて死亡した。が、一年後、山の手線で別の女性の身体を借りて、この世に戻ってきた。葉子は恋人のことを気にかけながらも、母と妹が住む自宅へと向うが、そこで待っていたものとは・・・・・・。現代に生きる女性の揺れ動く心情を繊細に描く、切なく優しくサスペンスフルな傑作長篇。(解説・大矢博子)
  • 彼女の遺言
    3.7
    独り身で子供も持たなかった、仕事ひとすじの啓子は、病気のため五十四歳という若さで亡くなった。啓子の小学生からの親友・宏美は、遺品として梅酢を受け取る。同封されていたノートには、「この梅酢で十円玉を磨いたら、その製造年に五時間だけ意識が戻る」という不思議な体験が記されていた。宏美は怖れながらも、啓子の幸せを願い、彼女を結婚させるために意識のタイムスリップに挑むのだが……。切なく心温かな余韻が胸に沁みる長篇サスペンス。
  • 神様からの手紙 喫茶ポスト
    3.0
    珈琲が自慢の喫茶店「喫茶ポスト」には、店内に郵便ポストがある。そこには、亡くなった人宛てなど、届くはずのない手紙を投函できることになっていた。このことを雑誌で知った片岡絵真は、早速「喫茶ポスト」に出向き、亡き父への手紙を投函した。ところがその折、間違えて祖母から自分宛に届いた手紙も一緒に入れてしまう。すると後日、信じられないような出来事が起こって……。もう会えないあの人に、伝えられなかった想い――行き場のなくなってしまった言葉が起こした奇跡の物語。
  • 神様のパラドックス上
    3.6
    1~2巻733円 (税込)
    大学の文学部に通う一年生の井沢直美は、大学生活に慣れたものの、満たされない日々を送っていた。そんなある日、五月祭で直美の前に現れた小佐薙と名乗る男。彼の勤める会社は、なんとスーパーコンピューターなどを製造するメーカー。小佐薙の言葉に惹きつけられ会社のアルバイトに応募した直美だったが、その内容は驚くべきものだった! 最先端の量子コンピューターを用いて占い事業を展開しようというのだが……。傑作SF長篇、待望の文庫化(全二巻)
  • 枯野光
    -
    この街の闇社会で生きる陳小生は、刑事の羅朝森からある男を捜して欲しいと依頼される。手がかりは二十年以上も前に撮られた古びた写真だけ。しかも男の名前も素性も明かせないと告げられる。一方、ツアーガイドとして働く香港在住の日本人女性、石原雪子の自宅前に不審者が現れ、勤め先に自分のことを探るような電話が入るなど、彼女の周辺で不穏な空気が流れ始めた─。ネオンが煌めくその裏で、漆黒の闇が支配する香港を舞台に蠢く真実とは!!
  • 監督が好き
    完結
    3.5
    全1巻682円 (税込)
    女子マラソン「かおるかぜ化粧品陸上部」の監督を務める伴勝彦は、ランナー育成に定評があり、若き名将と呼ばれていた。その伴のもとに、かつての恩師の孫娘・齊田恭子が入部してきた。はじめは、歯に衣着せぬ恭子の言動に戸惑う伴だったが、二人は二〇二〇年の東京オリンピックを目指し、走り出す。そんなある日、恭子が亡くなった祖父から預かった伝言があると言い出した――。恩師が遺した伝言とは一体!?スポーツ小説の名手が描く、女子マラソンランナーと監督の感動の物語。(解説・重里徹也)
  • ガールズ空手 セブンティーン
    -
    空手部の選抜出場を応援する校内のポスターが、何者かによって破られた。それは掲載されている主将・結城の写真を狙っての犯行だった。だが目撃者の証言によると、犯人は彼女本人だという。その場にいたはずもなく、犯行に全く身に覚えのない彼女は、あることをヒントに真相に気づくのだが……(「被写体は初夢の彼方に」より)。驚愕のラストが待ち受ける青春ミステリー、待望の文庫化!
  • 機械式時計王子の休日 千駄木お忍びライフ
    4.1
    1~2巻704~726円 (税込)
    千駄木すずらん通りの一番端にある、四代続くトトキ時計店。十刻藤子は、妹・桜子の三つ子の出産で手が離せなくなった母親に代わり店番をすることに──。時計に全く無関心で知識もない藤子の前に、スイスから来たという不思議な兄弟が現れた。町のシンボルであった時計塔を二十年ぶりに動かすというが……(「塔の上の大時計」より)。日常のさまざまな謎を、ラグジュアリーな時計とともに解決していく、書き下ろし下町ミステリー。
  • 菊葉荘の幽霊たち
    3.2
    友人・吉元の家探しを手伝いはじめた”わたし”。 吉元が「これぞ理想」とする木造アパートはあいにく満室。 住人を一人追い出そうと考えた二人だが、六人の住人たちは、知れば知るほどとらえどころのない不思議な人間 たちばかり。彼らの動向を探るうち、やがて”わたし”も吉元も、影のようにうろつきはじめている自分に気づき……。 奇怪な人間模様を通じて、人々の「居場所」はどこにあるかを描く長篇。 (解説・池田雄一)
  • キッチン風見鶏
    4.0
    港町で三代続く老舗洋食屋「キッチン風見鶏」。おすすめは、じっくりと手をかけた熟成肉料理だ。漫画家デビューを夢見るウエイター・坂田翔平は、幽霊が見えてしまうのが悩みのタネ。お客さん一人ひとりに合わせた料理が好評なオーナーシェフ・鳥居絵里は、家族の健康を案じつつ空元気を出して奮闘中! 誰しも未来は不安だし、人生は寂しいものだ。でも、だからこそ、自分の心に?をつかずに生きていく──。美味しさとやさしさが溢れる傑作長編。
  • 牙のある時間
    3.3
    北海道の小さな町に移住した絵描きの守谷順一と妻の久美。そこで穏遁生活をおくる、隣人で農場主の円城夫妻との出会いが、彼らを退廃と官能とを狂気の渦のなかへ引きずり込んでいった。森から聞こえてくる死滅したはずの狼の叫び、そして少女の失踪事件。いつしか順一は、円城に狼の姿を重ねあわせるようになっていった。狼をめぐる恐怖をテーマに二重視点で描く、ホラーミステリーの傑作!
  • 君のいた日々
    4.0
    「どこかではぐれないように。はぐれてもまた会えるように」と、ふたりで約束した――春生は去年、妻の久里子を病気で亡くした。いまだにメソメソしていて息子の亜土夢にあきれられている。久里子は去年、夫の春生を突然亡くした。倒れた朝、彼にちょっとだけ意地悪をしたことをいまも悔いている……〈妻を失った夫〉〈夫を失った妻〉のそれぞれの世界から優しく紡ぐ、人生の愛しさに満ちあふれた感動の物語。(解説・木皿泉)
  • キャベツ炒めに捧ぐ
    3.8
    「コロッケ」「キャベツ炒め」「豆ごはん」「鰺フライ」「白菜とリンゴとチーズと胡桃のサラダ」「ひじき煮」「茸の混ぜごはん」……東京の私鉄沿線のささやかな商店街にある「ここ家」のお惣菜は、とびっきり美味しい。にぎやかなオーナーの江子に、むっつりの麻津子と内省的な郁子、大人の事情をたっぷり抱えた3人で切り盛りしている。彼女たちの愛しい人生を、幸福な記憶を、切ない想いを、季節の食べ物とともに描いた話題作、遂に文庫化。(解説・平松洋子)
  • 強行犯三係
    3.3
    世田谷区経堂で中学三年生の男子生徒が殺された。警視庁強行犯三係の鹿取信介警部補は、同僚の児島要警部補より連絡を受け、現場へと駆けつけた。殺害の容疑者として浮かんだのは、四方聖人。被害者の同級生・水島友里恵をめぐるトラブルが原因とされたが、元・公安の鹿取の直感は別のものを告げていた。事件の背景にあるものとは果たして何なのか・・・・・・? 鹿取、児島の活躍を描く「公安捜査」シリーズのスピンオフ。(「硝子の絆」を元に新たに書き下ろしました。)
  • 曲亭の家
    3.8
    神田の医者の娘として自由な家風で育ったお路(みち)が嫁いだのは、稀代の人気戯作者・曲亭(滝沢)馬琴の一人息子。横暴な舅の馬琴に、病持ち・癇癪持ちの夫と姑。過酷な環境の中、大きな苦労を背負ったお路だが、3人の子どもにも恵まれ、時には心折れることもありながらも夫亡き後には馬琴の執筆を助け力強く己の人生を切りひらいていく。“人間”と“人生”を優しく深く見つめ、作家の業と、人の心の機微を鮮やかに描く傑作長篇。
  • QUEEN スカイマーシャル 兼清涼真
    3.6
    公安警察の頂点『ZERO』、 国際テロに対抗する『外事警察』 日本から米国に向かういずれかの旅客機に不審者<QUEEN>が乗り込み危険行為 を行う可能性が高い、という情報を得た警視庁。警備部特務班の兼清、上司の矢 島、2名のスカイマーシャルが14時羽田発ニューヨーク行きの<さくら212便> に搭乗することになった。だが兼清の警戒を嘲笑うように、離陸から1時間半 後、一般客には存在や場所が知られていないクルーバンクで遺体が発見される。 いったい何者が、どうやって……? そして、スカイマーシャル・兼清涼真の孤独な戦いが始まる……。 飛行中の機内でテロを排除する特務警察“スカイマーシャル”の現実を描ききる、ノンストップ・エンターテインメント。
  • 鯨オーケストラ
    4.5
    僕は、町のローカルラジオ局で、深夜の番組を担当している。ある日ラジオで、十七歳の時に絵のモデルをしたことを話したところ、リスナーから、とある美術館で、僕によく似た肖像画を見た、と葉書が届く。そこから導かれるようにして、僕の時間は動き出した──。土曜日のハンバーガー、流星新聞、キッチンあおい、行方不明の少年、もぎり嬢の多々さん、鯨オーケストラ……時間も空間も記憶も越えて、すべてがつながっていく、小さな奇跡の物語。
  • 鯨オーケストラ
    4.2
    僕は地元のラジオ局で深夜の番組を担当している。ある日、17歳の時に絵のモデルをしたことを話したところ、リスナーから、僕によく似た肖像画を見た、と葉書が届く――。土曜日のハンバーガー、流星新聞、キッチンあおい、行方不明の少年、多々さん、鯨オーケストラ――すべてが響きあって、つながってゆく。小さな奇跡の物語がここに終わり、ここから、また始まる。『流星シネマ』『屋根裏のチェリー』そして――。静かに心が共振する、希望の物語。
  • グッバイ マイヒーロー
    4.3
    ぼくの心の中に忘れられない人がいる。何事にも几帳面で真面目な父ではなく、定職に就かず、何事にもいい加減、不まじめで、やりたいことしかしない叔父。ぼくの人生の岐路に突然に現れては混乱を巻き起こした男。いじめに遭っていた子供時代、悶々としていた学生時代、そして……。でもそんな叔父にぼくは救われてきたんだ。『嫌われ松子の一生』『百年法』の著者が、生き辛さに悩むすべての方にエールを贈る感動作! 単行本『いよう!』改題。
  • 群青のタンデム
    3.3
    警察学校での成績が同点一位だった、戸柏耕史と陶山史香。彼らは交番勤務に配されてからも、手柄争いを続けていた。そんなある日、一人の年老いた男が交番に訪ねてきた。商店街の建物の間の細い隙間に、一人の少女がずっと動かないでいるという。耕史は様子を見に行くことにするが……(「声色」より)。ベストセラー「教場」シリーズ、『傍聞き』などで今最も注目を集めるミステリ作家・長岡弘樹の警察小説、待望の文庫化。――驚愕のラストを知った時、物語の表と裏がひとつになる……。
  • 警察医のコード
    3.6
    犯罪都市NYの検視局でキャリアを積んだ法医学者が、神奈川県警と警察医契約を結び、横浜に戻ってきた。すべては死者のために——。死者と語り、どこまでも真実に執着する法医学者。多様化する性を取り巻く犯罪に立ち向かうジェンダー班の刑事たち。死に隠れた謎を解き明かす、新たなるドラマの幕が上がる!
  • 警視庁神南署
    3.5
    東京・渋谷で銀行員が少年数人に襲われ、金を奪われる事件が起きた。新設されて間もない神南署の安積警部補たちは、男の訴えにより捜査を開始した。だが、数日後、銀行員は告訴を取り下げてしまう。一体何があったのか?そして今度は複数の少年が何者かに襲われる事件が……二つの事件を不審に感じた刑事たちが、巧妙に仕組まれた犯罪に立ち向かう! ベイエリア分署シリーズの続編、待望の文庫化!(解説・関口苑生)
  • 汚れた聖女
    5.0
    暴力団組員だった斉藤雅人は、今は足を洗い、神田でホットドッグ屋を開いていた。突然、雅人の店に山口詩音と名乗る女が、男に追われていると逃げ込んできた。事情もわからぬまま匿った雅人だったが、詩音のバッグには多額の現金が入っていた……。一方、それぞれの事情で、ネットカフェ住まいから抜け出せずにいる河合美和と井上真衣。ある日、詩音の荷物を預かった事がきっかけで、美和や真衣までもがヤクザや警察に追われる事になる――。女と男のリアルを描き切る書き下ろし長篇小説。
  • 訣別
    -
    新宿歌舞伎町で〈家出捜索人〉事務所を構える元刑事・賀集保は、代議士・脇坂の娘・薫失踪の捜索依頼を受ける。調査を始めた賀集の前に現れたのは白井龍一、かつて脇坂との癒着が噂された広域指定暴力団・白龍会会長である。白井は、薫と同時に姿を消した青年の行方を追っているというのだが、その青年は脇坂家の書生・南島浩だった。過去の因縁から、両者の接点を探る賀集だったが・・・・・・。傑作ハードボイルド、待望の文庫化。(『裏切りの街』)を改題しました)
  • 夢みるレシピ ゲストハウスわすれな荘
    3.8
    ここは東京の下町、山谷と呼ばれるかつてのドヤ街。日雇い労働者が姿を消し、いま安宿を求めて訪れるのは、外国人旅行客と留学生たち。家族とはうまくいかないし恋も不調、自分を抑えて生きてきた、そんな千花が故郷を飛びだし辿り着いたのは、マイペースなオーナーと、しっかり者の翔太が経営するゲストハウス「わすれな荘」。個性豊かな住人たちとの賑やかな日常に、千花の心もほぐれていく。でもみんな、それぞれに事情を抱えているようで……。とびきり温かで美味しい、ひと冬の物語。オリジナルレシピ付き。
  • 傾国 公安捜査
    -
    1~3巻737円 (税込)
    神奈川県警公安の螢橋正嗣は、警察庁警備局長の田中一郎の指示で、特捜班の一人として動いていた。公安事案の闇を暴いてきた螢橋は、巨大な警察利権と警察の正義の狭間で、田中の指示を完遂することだけを決意した。そのさなか、殺人の捜査で動いていた捜査一課の鹿取信介と一年半ぶりの再会を果たす。二人は、公安事案、殺人事案、それぞれの立場から真の敵に立ち向かっていく。書き下ろしで贈る、ファン待望の「公安捜査」シリーズ、ここに復活!
  • 公安捜査
    3.5
    1~3巻712~817円 (税込)
    渋谷と川崎で相次いで起こった殺人。被害者は会社社長・松原と渋谷署刑事坂東。詐欺・贈収賄などの疑惑が囁かれていた松原だが、常に追及の手をかわしていた。事件直後警察に届いた、松原と内通していた警察関係者のリストの中には殺された坂東の名が――。北朝鮮への不正送金疑惑に関連して松原に接触していた公安刑事・螢橋は事件の背後関係に迫るのだが・・・・・・。警察内部の腐敗と不正送金問題に鋭くメスを入れる、迫真の警察小説。 (解説・関口苑生)
  • 琴子は着物の夢を見る
    完結
    3.7
    東京・八王子にある大正十年創業の「本庄呉服店」。その二代目店主の養女・琴子と三代目店主の次男・柿彦は姉弟のように育ち、現在はリユース着物の「本庄の蔵」でともに働いている。柿彦は店長、琴子は古着の査定役だ。幼少時から着物に宿る記憶が視える彼女は、いわくのある着物を見抜くことにも一役買っていた。ある日、ふたりは出張買取に行った先で、戦前のものと思われる椿の柄の銘仙と出会う。気になって仕方がない琴子は……。織物の町で繰り広げられる、優しい記憶の物語。
  • 怖い人1
    完結
    3.5
    全2巻607~660円 (税込)
    幽霊よりも身近で、怨霊よりも執念深いモノ。それは身近にいる恐るべき隣人たちです。酒乱の元ヤンキーが起こす深夜の暴力、カルト宗教信者からの執拗な勧誘、あなたを昼夜見つめる知人のストーカー行為、美容整形に同伴を頼む友人との交友……。霊界に近寄らずとも平穏を脅かす恐怖に日常生活は包まれている! 「Popteen」連載分と、本書のために書き下ろされたとっておきの短編を収録した、超恐怖体験の一冊。あなたはもう誰も信じられない。
  • 怖い本1
    完結
    3.9
    全10巻660~726円 (税込)
    祭りの夜の留守番、裏路地の影、深夜の電話、風呂場からの呼び声、エレベーターの同乗者、腐臭のする廃屋、ある儀式を必要とする劇場、墓地を飲み込んだマンション、貰った人形……。ある人は平然と、ある人は背後を頻りに気にしながら、「実は……」と口を開いてくれた。その実話を、恐怖体験コレクターの著者が厳選。日常の虚を突くような生の人間が味わった恐怖譚の数々を、存分にご賞味いただきたい。
  • 五辯の椿
    4.0
    天保五年の正月、むさし屋喜兵衛の寮から火の手が上がり、焼跡から三人の焼死体が見つかった。三人は、長く結核を患っていた当主喜兵衛と、妻おその、娘おしのと認められる。一方その年の晩秋、江戸の町では殺人事件が相次ぎ、骸の傍らには必ず椿の花弁が残されていた。被害者はいずれも殺されて当然と思われるような悪名高い男たちばかり。この一連の事件に、与力青木千之助が捜査に当たる。聞き込みの末に若い娘の影を掴むが、果たしてその娘とは・・・・・・。法で罰することのできない、けれど到底許しがたい罪をどう裁くべきか――昭和の文豪・山本周五郎渾身の傑作長篇。(エッセイ/澤田瞳子、編・解説/竹添敦子)
  • サイドキック
    完結
    3.0
    全1巻704円 (税込)
    警視庁青山中央署の刑事課には、二人の名物刑事がいる。一人はチョビ髭で、頭部も薄い中年刑事・三木本鶴麿。もう一人は長身でスレンダーだが、キレたら恐ろしい最強美人刑事・御前静香。鶴麿はどこからどう見ても冴えないただのおっさんだが、いつもミラクルを起こし事件を解決に導く。そんな鶴麿に静香はぞっこんで、二人の関係は、青山中央署の七不思議のひとつだ。そんな中、青山の宝石店で強盗殺人事件が発生し、名物凸凹コンビが捜査に乗り出した――。傑作エンタテインメント警察小説。

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