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女子マラソン「かおるかぜ化粧品陸上部」の監督を務める伴勝彦は、ランナー育成に定評があり、若き名将と呼ばれていた。その伴のもとに、かつての恩師の孫娘・齊田恭子が入部してきた。はじめは、歯に衣着せぬ恭子の言動に戸惑う伴だったが、二人は二〇二〇年の東京オリンピックを目指し、走り出す。そんなある日、恭子が亡くなった祖父から預かった伝言があると言い出した――。恩師が遺した伝言とは一体!?スポーツ小説の名手が描く、女子マラソンランナーと監督の感動の物語。(解説・重里徹也)
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Posted by ブクログ
元トップランナーの伴勝彦は、現役引退後、実業団女子マラソンチームの監督として選手の育成に力を注いでいた。 しかし、期待されていたリオオリンピックでは所属選手が途中棄権、次年の国際大会では他チームから引き抜いてきた選手だったが入賞すら叶わなかった。 監督就任時に、かつての恩師から「オリンピックで金メダ...続きを読むルを獲れる監督は、おまえだけしかいない」。その言葉を信じてやってきたが、目指す金メダルへは届かなかった。 そんな中、バレーボールからマラソンに転向してきた恩師の孫娘の齊田恭子が入部し、2020東京オリンピックを目指す。 歯に衣着せぬ言動の恭子に戸惑う伴だったが、自身のすべてを賭けて指導にあたる。 そして、ついに2020東京オリンピック 女子マラソンのスタートが切られた。 8月の過酷な暑さの中でのレースで伴と恭子はどのように戦うのか。 感動のフィナーレが待っている、女子マラソン小説。
マラソンは自主性がすべてだからという秀英の指導方法に伴は納得した。ランナーは自分の考えを話すべきだ。それができないのは考えていないということだ。指導者の指示は的確なものに違いないが、主体はランナー本人だ。指導者が大きな存在で力があればあるほど、部員は思考放棄の危機に陥る。その点はなにも陸上長距離界...続きを読むだけの問題ではなく、日本のスポーツ界全般に共通することなのかもしれない。
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